やまけんの出張食い倒れ日記

築地市場内の店の楽しみ(豊ちゃん、中栄、寿司文)

 大阪にお住まいのバナナさんから、築地市場の旨い店を案内しろというお達しである。わかりました。

 日本最大の卸売市場は大田市場なんだが、テレビで出てくるのはいつも築地市場ばかりである。それは水産品については築地がトップだからだ。水産物は絵になるからね。あと、市場に隣接している商店街、いわゆる「場外」の店舗群があまりに雑多で猥雑に賑わっている様が、これまた絵になるからだろう。
 ただし、何か目的意識をもっていかないと、ブラブラ歩きになってしまうのも築地である。例えばいいマグロや数の子を入手したい、などの目的を持っていくとよい。

 さてそんな築地市場の旨いものだが、、、場内と場外を分けて考えないと、はじめていく人は混乱するだろう。築地へのアクセスとして一般的なのは地下鉄日比谷線の築地駅か、大江戸線の築地駅だ。日比谷線から行くと、場外をちょうど通ることになる。表通りにはいかにも旨そうな店が建ち並んでいる。大半は立ち食いで、路上にテーブルなどが並んでいる。まあここはスルーして中にはいってみよう。

 さて場内だが、初めての人は地理感がないだろう。いいサイトがあるのでこれをプリントアウトしていって欲しい。
 この中でどれがお薦めか?これは個人の好みにもよるのだが、、、

 まず1号棟の並びで有名なのは、洋食「豊ちゃん」だ。ここは雑誌などでカツ丼の特集があるとよく出てくる店なのだが、有名なのはカツ丼だけではない。「アタマ」というと、カツ丼の具とご飯が別々に出てくるが、これも人気。そして洋食メニューではオムカツカレーやオムカツハヤシといった、オムレツ+カツ+なんとかという超絶メニューもある。オムカツカレー大盛りにすると、僕でも食べるのがやっとという量になるので注意が必要だ。ただし、これは私見だが、オムは劇ウマなんだが、カツはバランスが悪くなるので、オムカレーorハヤシがお薦め。カツがよければアタマで食べて欲しい。

 その数軒となりにカレーの「中栄」がある。ここは特別格別に旨い!というわけではないのだが、なんともほっとする味なのだ。なんといっても今どき400円でキャベツの千切りが乗ったカレーは食べられないだろう。ほかにハヤシもあり、「合いがけ」といえば両方が盛られて600円になる。

 
 さて1号棟から市場内部に入っていくと、行列ができている棟に当たるだろう。寿司屋などが密集している地帯に入るのだ。テレビで有名なのは寿司大や大和寿司といった店だ。ま、率直に言えば、どこに入ってもまあ満足はするのではないだろうか。築地にあるということで、不味いネタは出てこないだろう。
 しかし、「この店でしかあれは食べられない」というネタを探すのであれば、絶対はずせない店がある。「寿司文」である。この店の売りはなんと言っても「江戸前の仕事をしたネタ」なのだが、その中でも秀逸なのが「煮貝(にがい)」だ。アワビを柔らかく煮て、ツメといわれる濃厚なタレをつけて供されるネタだ。もう、この握りを食べると、ほどよく甘辛く、限りなく深いツメの味と、1時間くらいは噛みつづけていたくなるような天使の歯ごたえが至福を誘う一品なのだ。
 あと、ここは穴子も素晴らしい。絶品である。穴子については、僕の行きつけの寿司「匠」よりも旨いと断言したい。ま、これも好みだけどね、、、
 この寿司文での注文だが、僕は上寿司2000円に煮貝の握りをつけてもらう。それで大体3000円程度だ。特上はネタがよくなるということなのだが、グレードがあがるよりも、よく仕事をしている青魚などが出てくる上のほうが僕は好きだ。本当に満足度の高い店だ。

 ま、まずはこんなところかな。問題は、僕なら昼メシで3軒くらいはハシゴできるのだが、バナナさんには無理だろうなぁということだ、、、

 明日以降、場外の案内もしてみよう。