豚丼は文化だ!帯広豚丼放浪記(その2)

2003年12月 8日 from 出張

(その1より続き)

 さてぱんちょうのソフトにしてこってりした豚丼をたいらげた後は、夜の宴席である。もう先方も僕のことをよくわかって下さっているので、美味しい店に連れて行ってくれた。今回は魚貝である。前菜的位置づけでまず、毛ガニが並んでいる。当たり前のように一人一杯だ。身をほじくりだして食べていると、
「あのねぇやまちゃん、味噌の部分にかぶりつくだけでいいんだよ、カニはさ。」
という。ちょうどいいのでさっきからさがしているもののことを聞く。
「あの~、カニ酢みたいなのってないんですかねぇ?」
というと、先方お二人ともやおら首を振る。
「カニに酢なんかつけたら、カニの味がしないだろ!」
なるほどぉ、、、そう言うモノなのか。そして二人とも、身がぎっしり詰まっているカニの皿を
「おれはもういらね。」
と僕に流してくる。これをすべてほじくりだし、皿一杯になったところで一気に食べているのが下記の写真である。
kani-s.JPG
カニ、揚げ物、焼き物、魚の煮付け、寿司と食べ進み、コースがはねる。

「じゃあラーメンいくか!」
と向かったのは、当然ながら前回も行った、手がプルプル震えながらラーメンを作ってくれるおっちゃんの店「頓珍館」である。
tonchinkan2-s.JPG
ここの塩ラーメンはやっぱり旨い。何でだろう、、、あんな小さい鍋で、、、

 ここで一同お別れ。どうもありがとうございました!次は年始に、、、
僕ら出張3人組はホテルに帰る。帰る道すがら、前回来た時に
「あそこは居酒屋だけど豚丼が旨い」
と言われて、行ってみたけれどもご飯がなくて食べられなかった「田悟作」の前を通りかかった。そのエピソードを知っている同行者が

「いいの?いかなくて、、、つき合うよ」

と言ってくれたので、これはもう突き進むしかない。田悟作に入店し、豚丼を3つ注文したのであった。
tagosaku1-s.JPG
運ばれてきた豚丼は、白樺で見たようなちょっと煮詰めスタイルの豚丼だ。口に運んで「ん?」と思う。この香りは、、、山椒だ!鰻丼のように、軽く山椒がふられている。しかもこれはタレに最初から仕込んでいるようだ。この山椒の香りと風味がアクセントになり、イケル!ただ、肉は少々ぱさつき感が強いようだ。タレは甘めの濃いめ。酒を飲んでの最後の締めにいい感じかも知れない。前に座っていたT氏が早々にギブアップ。半分くらい残っているのを僕が食べる。でも全部はさすがに食べられない。このころになるとさすがに僕の胃袋も相当にハードな状態である。
tagosaku2-s.JPG


■総評

下記がこの一日の食事だ。

(昼)
白樺の豚丼 ★★★
白樺のカレー ★

(夜)
ぱんちょうの豚丼(梅) ★★★
魚貝料理の店(名前ワスレタ) ★★
頓珍館 塩ラーメン ★★★
田悟作の豚丼 ★★

もー食えん、、、 
ただ、集中的に食べて、豚丼については定見ができた。

「豚丼に同じ味なし」

どの店や家庭でも、自分なりの味というものを持っている。それが豚丼だ。方程式としては、

焼きの方法(炭火かフライパンか)
肉のカット方法と厚み
タレの濃さ
タレのつけかた(煮詰めかさっと塗って焼きか)
ご飯へのタレの絡め方

という要素があるように思うのだが、肉やタレなどのベースが旨いから、どんな風にしたってまずくはならないのだ。従って、

「豚丼のベストチョイス」というものは存在しない。

と言える。あえて僕的に好きなのは、、、空港レストラン「白樺」の豚丼は旨いなぁ。

ちなみにこの豚丼のタレ、有名なのは空知(ソラチ)というメーカの商品だ。これは空港でも売っている。スーパーでもドドドドンと並んでいるので、北海道に来た人はぜひ買って帰って欲しい。ちなみにこれ、僕の冷蔵庫には常備されている、、、
■ソラチの豚丼タレ
burtadontare-s.JPG

 注意が必要なのは、肉を焼いてタレをかけるというのではなく、フライパンの中で肉を焼き、頃合いを見計らってタレを絡め、少々煮詰めたほうが旨いということだ。それと、豚肉は集めの方が旨いので、トンカツ用の肩ロースを買って、これを包丁で3枚くらいに切り出すとよいと思う。
 また、コンロが汚くなって良いなら、魚焼き用の網を十分に熱し、肉を焼くと旨い。いや、炭火を用意できるならそれがベストだが。この場合は、タレを最初に肉に絡めながら焼くと良いと思う。

 まあとにかく言えるのは、「豚丼は帯広限定にするにはもったいない料理だ」ということだ。一日に3杯食べた人間がそう言うのだから間違いないだろう。北海道にいくならぜひ、食して欲しい。