やまけんの出張食い倒れ日記

白魚をどんぶり1杯食べる。美味だった!

 竹鶴酒造の石川杜氏に茶を送ったら、そのカウンターで「あ~ いやいや、今度こそびっくりさせてやるから待ってろ」と何かを送ってきてくれるらしい。なんだろうなぁ、筍かなあと思っていたら、宅配便が来た。発泡スチロールの箱。魚か?しかしチャポチャポ音がする?なんだそりゃ、、、と思って開けて、びっくりした。

 なんとぴちぴちに生きている白魚である!

 いやこれはさすがにびっくりしたぁ、、、 この白魚、広島の安芸名産なのである。走り幅跳びの選手なら飛び越えられそうな細い川を、ちょうど今の時期だけ、白魚が遡ってくるのを獲る業者が、1軒だけあるのだそうだ(タツヤン談)。

「あ~ いや、 先日は駿河若シャモでびっくりさせようと思ったら、その前にばれてしまったからなぁ、、、今回はびっくりしたみたいだから、成功だな!」

 いやマジびっくりだよぉ だけどこんな大量の白魚、どうしよう? 寿司匠に持っていくか?いやでも足が速いだろうし、食ってしまおう!と素早く判断。まずは当然、躍り食いだろう。

一袋をざるにあけると、ピチピチとはね回る白魚君がいとおしい。透き通ったその身体と、結構ユーモラスな顔をみると、食うのに忍びない、、、なんてことは全く思わないのであった。やったぜお店ではお猪口一杯分くらいしか食べられない白魚を、どんぶりで食ってやる!と、意気込みまくっているのであった。

ざるにあけたのをグラスボウルに移す。ここにポン酢をかけて食ってしまおう。

ポン酢は、最近愛用している大阪の「旭ポンズ」である。これに千鳥酢を足して頂くことにする。

ポンズをかけると、身体に染みるのか、ビチビチ跳ねる具合がいっそう高まる。ふふふ、苦しいだろう、、、いま食べて楽にしてやるからナ。

口に運ぶと、ブリンブリンと動くんだけど、プチっと噛むと旨味が拡がる。当たり前だが、臭みなどいっぺんもない。ほんのり上品な甘さもある。なんとも風雅な食べ物だ。
しかーし!ボウル一杯ある白魚を食べるってのは、、、なんともボリューミーである。食っても食っても無くならないぞ。10分もすると、白魚はどうやらポンズの海で息絶えたようになる。合掌。

 さて仕事から帰宅後、今度は加熱料理にしてみる。

一つは卵とじだ。根三つ葉とともに甘辛ダシで閉じて頂く。もちろんまずいはずがない。

もう一つは僕の得意技、炊き込みご飯だ。鍋にダシを張り、ミルキークイーンを白魚とともに炊き込んだ。

結果、白魚君達が残らず口を開けたまま横たわる、シュールなご飯ができあがった。

こいつらを成仏させるには美味しく食べてやるしかない!いただきました!2合の炊き込みご飯は2回にわけて僕に消費されたのであった。大丈夫、完璧に成仏できること間違いない。

タツヤンにお礼を言うと、
「あ~ いやいや、まだまだ広島にはおどろくもんがいっぱいあるゾよ!」
と得意そうに言う。うーむ どんどん驚くから送ってくれ! しかし俺からは次回は何を送ろう、、、当分この応酬が続きそうなのであった。