やまけんの出張食い倒れ日記

和服を着るオトコの会発足 青山「八竹」の黄身寿司を代々木公園で食う

 オフ会の余韻が残っているが、参加者から新たなパワーをいただき、ますます快調にとばしていこうと思う。6月にはまた帯広~富良野とツアーが確定した。また沢山の出張を入れていきたいのであった!

さて

 これからはいろんな新しいことに挑戦していこうと思っている。僕がお世話になっている易の先生によれば、どうやら今年始めたことはすべて成就するらしいのだ。ということでかなりいろいろと新しく始めたことがあるのだが、、、その一つが「和服を着る」ということだ。いきなり、唐突なようだが、驚きの三点セットが矢継ぎ早に起こったのだ。

①まず、本城しんのすけ亭でのダッチオーブンパーティの際に、呉服屋の娘と友達になった。着物の話を少し聴いて、かなり気になった。

②そしてその帰りの地下鉄東西線に乗っていると、いきなり和服を着た2人の30過ぎの男性が乗ってきた。それが滅法いなせで恰好よいものだった。

③ムムムと思った翌日、バードコートの野島さんと飲んだ。その時、野島さんがこう言った。
 「やまけんさん、和服を着てみない?僕の奥さんは和服着るんだけど、僕だけ着ないとなんか損してるみたいでさぁ、、」
 な、なにぃ~?あんたもそういうか!

 人生とはマジックである。そしてまた、マジックの風が吹いている。これは和服を着ろということであろう。と思った瞬間、呉服屋の二代目である華子ちゃんに連絡をした。 

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■呉服屋 千菱 二代目のWebサイト 「三華邸」
http://www.mihana-kimono.com/

・呉服屋2代目が、初めての人にも平易に和服の楽しみを書いてくれている。呉服屋なんて初めてなのでおっかなびっくりなのだが、案外リーズナブルで、ざっくばらんで、すばらしく洒落たものだということがわかった。気になってる人にはおすすめである。
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「あらぁ~ それじゃ、浴衣や夏用の和服を見にいらしたら?」

ということで、野島さんと仲良く一緒に、千駄ヶ谷と原宿の中間にある千菱に行ってきたのである。千菱のご主人に見立てて頂き、3時間くらいかけてじっくり生地を選んだりした。いや、その3分の2は四方山話に終始したのだが、、、

 貴重な、バードコート野島氏の生地選びの図である。

ちなみに僕は入門編ということで浴衣を仕立てることにした。今年の夏は浴衣で攻めるゾ!

 さて17時を廻って小腹も空いた。美しい緑の和服姿の華子ちゃんにガイドしてもらい、何か食べに出る。

八竹のお寿司が美味しいですよ。」

八竹は「はちく」と読む。都内では四谷と原宿に店舗がある、大阪鮓(すし)の名店だそうだ。おいらは知らんかった、、、

「ここの黄身寿司が美味しいんですよ。卵の黄身の餡を〆めたコハダや鯖、アジの握りに乗せているんですけど、誰にでも喜ばれるんです。」

それは旨そうダ! しかし、原宿と表参道の境目にあるこの界隈に、そんな落ち着いたものを出す店があるのもおもしろい。

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■八竹
東京都渋谷区神宮前6-29-4
03-3407-5858
9:00~17:00
火曜・第1月曜 休み


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 外観は確かに関西風の趣だ。のれんをくぐると、落ち着いた渋い調度。店内でも食べられるようにテーブルが並んでいるが、もう閉店前なので、折り詰めの販売だけとなる。

「代々木公園で食べましょうか。」

ということになり、黄身寿司3種×3人前、茶巾寿司、鯖のバッテラ、穴子のバッテラを頼む。しめて7000円程度か。思ったより安い。江戸前の寿司を食べるよりリーズナブルだ。

包みを下げて、代々木公園に向かう。さすがはジモティで、ごみごみした表通りではなく、閑静な裏道を行く。陽が長くなり、代々木公園はまだ明るく、風が吹くが冷たくはない。ベンチに三人腰を下ろし、包みを開ける。

「おおぅ、、、美しい!」

↓これが黄身寿司である。どうだこの華やかさ!

 上からアジ、サバ、コハダがそれぞれ握られている。黄身餡は見事に鮮やかなレモンイエローで、柚皮が添えられている。
 あまりに旨そうなのでコハダを一口で放り込む。噛むとまず黄身餡の柔らかで馴れたおぼろ感が舌に触り、そこからコハダのむっちりした身と酢の酸味を感じる。酸味は若干強く、これが甘い黄身餡と相乗効果を挙げている。

「こ、これ、旨いよ!江戸前の握りとは全く違うジャンルの凄腕寿司じゃん!」

マジで旨いのである。黄身餡の柔らかな甘さと柚皮の香りが、コハダ寿司の酸味の利いた縦軸に、横展開する二次元軸を付加している。野島さんも僕もしばらく無言になる。そう、これは静かになるうまさだ。

「いやぁ、、、これは本当に美味しい。丁寧な仕事ですよ。」

 黄身寿司、実にイケル。黄身餡がとにかく最高だ。どうやって作っているのだろうか、絶品・絶妙な味なのであった。

↓そしてこちらがバッテラと茶巾だ。

 サバのバッテラには山椒の実の佃煮が付いている。これを乗せて食べると、サバと昆布、そして酢のトライアングルの中に山椒の香りと痺れる麻(マァ)の感覚が差し込んで心地よい。

もう一つ穴子のバッテラが見事だ。焼き穴子なのである!江戸前の寿司は煮穴子が多くて、実は辟易していたのだ。しかしこれは焼き。焦げ目がコクを増し、甘辛いタレが酢飯とマッチして最高!きちんと穴子の香りが立っている。これは二本買っておけばヨカッタと後悔する。

芸術的な茶巾はゴージャスな内容だった。底にはハスの酢じめが敷かれていて、その上に穴子、関西風に具を混ぜ込んだ酢飯、おぼろが包まれている。大きいので手でかぶりついっちまった。

 代々木公園、春から夏にゆるやかに切り替わろうとする緑の香りの中、美しい和服姿の女性と、どちらかというとかな~りむさくるしいオトコ2名の寿司三昧に、首に赤いリボンを巻いた猫が寄ってきた。次はこれを浴衣でやろう。今度のオフ会は和服でってのはどうだろう?(ウソです。敷居が高くなっちまうもンな)

 でも、一度は和服(または浴衣)で集まり、旨いもん食べに行くってのをやってみたいじゃねぇか!野島さんと僕とは、やることにしました。同志募集中です。