やまけんの出張食い倒れ日記

富良野はスゴイところだった! 唯我独尊の燻製と地ビールは実に旨いのダ!

 唯我独尊のカレー大盛り&普通盛りを食べて大いに感激したが、この後また地ビールが待ち受けている。宮田マスターが展開する地ビール館「富良野地麦酒館」に行くのだ。マスターも「後から行くよ!」と仰るので、D黒さんと二人で先に出て、ビールをいただきながら待つことにした。

「いや、すごいパワーですね宮田マスター!」

「あの人柄だから、味方が全国に一杯いるんです。ま、その分、敵も多いと思いますけど、憎めないひとですから、大体はだれでも味方にしてしまうんですよ。」

まったくその通りである。

富良野市街から車で5分とかからない場所に到着。

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■富良野地麦酒館
http://www.yuigadoxon.com/page004.html

〒076-0034 北海道富良野市北ノ峰町20-29
電話: 0167-22-5599
Fax:0167-22-1630

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ここは大型ペンションか?というくらいの大きな作りの店にはいると、エントランスに唯我独尊マークのビール瓶が並んでいる。

地ビールは、一時ブームになって雨後の竹の子のように醸造業者が現れたが、だんだんと落ち着き淘汰され、本当に旨い地ビールだけが残るようになってきた。唯我独尊の宮田マスター級のひとであれば、絶対に旨いビールを飲ませてくれるに違いないと思う。

 二階に上がり、ログハウス調のテーブルに通される。奥の方にはなんと座敷もあり、地元客がひっきりなしに訪れている。人気店である。

「ここは、カレー屋と違って燻製をメインにした料理が人気なんですよ!」

とD黒さんが言う。メニュを観ると非常に安い。燻製の盛り合わせが1500円、各種サラダなどが600円。

「これで、一人では食べきれないほどドーンと盛られてくるんですよ!」

もうすでにカレー大盛り&普通盛りを食べてきているので、軽めにしておこう。燻製の盛り合わせと豆のマリネ、そして豆腐とジャコサラダをオーダーした。

ビールは3種、「輝(Ki)」、「濁(nigori)」、「闇(yummy)」とある。それぞれの漢字で分かるとおり、濁りは酵母が残った白濁系ビール、闇は黒ビールだ。当然、それぞれを飲むことにする。


「輝」は通常のピルスナータイプだ。クリアですっきり、辛口の喉ごしなので、スターターによい。

「あ~旨い! 僕はここのビールは、東京のレストランにも通用すると思ってます!」

いや、全然通用するでしょ! ちなみに業務用販売もしているので、飲食店の方はまず通販で買うなりして味をチェックして欲しい。銀座の富良野彩館でも買えるはずだ。

さて、豆のマリネが運ばれてくる。こいつが実に旨い!

マスターは大阪で料理を勉強していた後、富良野に戻ってカレー店を旗揚げしているのだが、実に腕前のスゴイ料理人である。市議もやったり、人的ネットワークの中心にいたりというのもスゴイと思うが、何よりまず料理人として一流だ。ビシッと味が決まっている。タマネギとワインビネガー、オイルのシンプルなドレッシングなのに、玄妙な甘みを感ずる。翌日マスターに訊いたら、「いや、砂糖とかは使ってないよ!」とのこと。うーん これ、旨い。

そして、燻製盛り合わせが出てくる。1500円でこれは安いだろう!

数えてみると10種類の燻製が乗っている。ソーセージ、チョリソ、白いウインナー、レバー、ロース、ベーコン、、、どれもこれも一つとして同じ味がないのだ!これらに自家製味噌マスタードをつけながら食べると、これは死ぬかと思うほどに旨い。

これら燻製に合わせたのは「濁」だ。

酵母の香りがプンとするこのタイプが僕は一番好きだ。酵母の癖と燻製の強い個性が重なり合って、至極絶妙になる。

唐辛子とニンニクの効いたチョリソは、パキッとした食感で、強めの燻製と中身の味の濃さがたまらない。

サラミには丸のままの粒胡椒が仕込まれていて、その断面がビビッドだ。サラミ自体の濃厚な味わいは、口の中に滞留させるとジワジワと燻製味を染み出させる。

そして出色のできばえと思ったのが、このロース部の燻製。柔らかく、滋味タップリ。部位によって燻製の温度・煙の強さを細かく替えて、それぞれの持ち味が最大限に引き立つようにしているのである。うーむ 最高である。

そんな調子でついつい飲み過ぎたが、11時になってもマスターがやってこない。きっとカレーの仕込み指導をしているのだろう。

「先にマスターの家にいって、奥さんとお茶でも飲みながら話してましょうか。」

店を出て、車に乗ると、偶然マスターが後ろから到着。

「先に帰るかい?あとで追うからさ!」

D黒さんの運転で宮田家へ。市街地からそう遠くはないが、ずいぶんと森の中に分け入ったところに、本当にペンションぽい一軒家が建っていた。数匹の犬たちと、フレンドリーな奥様が我々を迎えてくれる。

「まあD黒さんいらっしゃい! 山本さん初めまして!」

心地よいもてなしを受け、風呂に入り、そして僕は簡単に眠りに落ちてしまったのだ、、、

(まだ続く)