やまけんの出張食い倒れ日記

ネギを巡る冒険 終了! 10種のネギをがっちり食べ比べた一日!

1月19日(土)、東京は国立のエコール辻 東京校にて、第4回になる食材研究会「ネギ」が開催された。この研究会は、毎回の食材テーマによって集まる方々の顔ぶれが全く変わる!今回はやはりネギということで、蕎麦・うどんなどに関係する方々が多くいらっしゃっていた。

第一部は僕の講義だが、今回は豪華ゲストとして、千住葱商「葱茂」の安藤君、そして九条葱のブリーダーである日産種苗の舟橋さんにお越しいただいたのだ。

テイスティングは二種類、「焼く」と「煮る」だ。

焼き葱はポピュラーな食べ方だが、ネギによっては火の通りが全く違ったらしい。

「煮る」では八方だしを使ったが、ネギの味をシンプルに味わうために、薄めの塩梅にしていただいた。

九条ネギは通常は焼かないため、煮るのみとし、煮加減も長ネギとは違うようにした。

10種のネギは、こんなラインナップになった。

■長ネギ
1 千住ネギ1(埼玉県越谷市)
2 千住ネギ2(埼玉県深谷市)
3 湘南ネギ(神奈川県横須賀市)
■在来種系
4 下仁田ネギ(群馬県
5 平田赤ネギ
■西洋ネギ
6 リーキ(神奈川)
7 リーキ(ベルギー)
■九条ネギ
8 九条葱(京都府A)
9 九条葱(京都府B)
10 九条葱(徳島)

なかなかに興味深い顔ぶれだと思う。
特に国産のリーキは、三浦の高梨さんのところでつくっているよいものがあったのでベルギー産と比較したのだけど、それぞれ味わいが違った。特有の濃厚な風味は国産のほうが出ていたと思う。そんな一つ一つの味の違いを、みっちり講義された知識と照らし合わせながら、参加者のみなさんは食べ比べをしていた。



今回びっくりしたのは、講義中に最前列に「なんだかイケメンがいるなぁ」と思っていたら、あのラーメンの中村屋の中村さんが来ていたことだ。

気さくな人で、ネギについてもずいぶん鋭く深い考察をしていた。今度ぜひ食べに行ってみたいと思う。

毎回恒例の、エコール辻の日本料理課程の先生方が創作される料理、今回は九条ネギを使ったソースをかけた鴨肉。


ネギをペースト状にしたものをオリーブオイルでコーティングすることで、鮮やかで深い緑色が飛ばない。これは自宅でも試してみよう。

左から、日産種苗の舟橋さん、右が葱茂の安藤君、真ん中は九条葱の生産農家である清水さん。わざわざ京都から駆けつけてくれた。この人の農場もぜひ一度訪れてみたいものだ。

今回、いままでの会よりも皆さんの満足度が高かったのか、にこにこしながら帰られた方が多かったということだった。よかった、、、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました! 次は何を食べ比べましょうかね?

さて
一休み後、東京バルバリにて舟橋さんご夫妻と安藤君と、お疲れ様会をさせていただいた。

この日も小池シェフの料理はさえまくっていた!

■リンゴのモスタルダを添えたブーダンノワールを乗せたマッシュポテト、フライドオニオンのせ

■カリフラワーの冷製ポタージュにスッポンのコンソメとウニをジュレにしたもの、とんぶり乗せ

実は舟橋さんとは2年前にこのバルバリで偶然お会いしたのだ。「やまけんさんですよね?私、葱のブリーダーなんです」と話しかけてきてくださったことからおつきあいが始まったのだ。しかもその時、バルバリにて使っている「京丸」の芽ネギは、実は舟橋さんが育種されたものだということがわかり、小池シェフも含めみんなで盛り上がったのである。

だから、小池シェフには「何かネギで一品!」と頼んでおいたのだが、今回のは冴え渡っていた!

■下仁田ネギのイカを包んだカネロニみたて、芽ネギのソースとメレンゲのせ

下仁田ネギを開いたものでイカのミンチに明太子を軽く混ぜたのを包んでカネロニ風に。

芽ネギのほのかな風味がクリームソースにとけ込んで、実に美味しい一品だった!

■あ、これなんだったっけ、、、忘れてしまったパイ包み

■イイダコのアメリケーヌソース煮 スペルト小麦にかけて

■里芋と栗のニョッキ フォアグラのせ

■野菜のココット蒸し煮とあぐーのステーキ


■デザート ホワイトチョコレートのムースをかけた柑橘類のジュレ


いやー 満腹!
僕も最近はあまりここのフルコースを食いきれなくなってきた、、、
小池シェフもでてきて、大放談会。

今度は京都にて、青ネギと白ネギのすき焼きをやってみようということに。さていつ実現するだろうか。
兵庫から車で参加してくださった舟橋さんご夫妻、そして葱茂の安藤君に心から御礼を申し上げたい。ありがとうございました!