やまけんの出張食い倒れ日記

高熱と秋田出張とFOODEXと菜種油。

土曜日、某料理雑誌の記事で、日帰りで十勝の生産者さんのところへ取材。最高に面白かったのだけど、帰宅後、いきなりからだがガクガク震えてしまうような悪寒に襲われる。熱い風呂に浸かってそのまま寝たが、日曜日はやはり熱が出て一日ダウン。37.5度でなんとか寝れば直るかな、と思っていたら、徐々に上がってきて、夕方には39度へ突入。久々に死ぬかと思いました。考えてみたら、先週は愛媛・岩手・茨城・北海道、そのうち愛媛以外はすべて日帰り出張だ。こりゃまあ、こうなるよな、と観念して一日寝ていた。

んで本日、37度台後半のまま朝から秋田へ移動。新幹線の中では死んでおりました。秋田県の中小の食品メーカーさんの集まりでの講演だったが、実にスバラシキ顔ぶれの方々がご列席。その中には、あのハタハタ100%しょっつるを醸す諸井醸造所の諸井社長が!

そして、もうひとかた、初めてお会いするのだけれども、大潟村で米を作り、自主的に流通してきた中心人物である涌井さんの顔が見えた。ちょっと興奮してしまった。

大潟村あきたこまち生産者協会という、非常にストレートな名前の会社がある。僕の中学生時代から、母がここの米を産直購入していたので、そのチラシを見ていたことがある(まだ僕が農業に関心を持つ遙か前の話だ)。そのリーダーが涌井さんなのだ。ちょっと農業関係をかじっているひとなら、論客として、そして生粋の米生産者としての彼を識っている人も多いだろう。

講演終了後、本当はホテルに直行して寝たかったけれども、これは少しでもお話しをしたいと思って、涌井さんのところにいってご挨拶。先方もびっくりしてくれて、「ちょっとそこらで、お茶でも」といってくださる。諸井社長もご一緒に、軽く一杯となった。

涌井さんのお話は、僕の講演内容などとるにたりないと思える、実に地に足のついた内容だった。また機会があれば書きたい。諸井さんのしょっつるについては嬉しいお話しがあった。

「実はうちは、県外への売上が8割なんですよ。地元より県外で評価してもらっています。それにね、、、インターネットでの注文が、一日数件ではありますけれども、毎日、来るんですよ!これが本当に嬉しいんです。」

飯尾醸造のプレミアム富士酢もしかりだけども、きちんとしたもの作りをしている人に、個人レベルで情報が届きつつあるのだろう。諸井さんとはいろいろ話が弾んで、いつかオリジナルブレンドの魚醤をタンク一本しこんでもらって、売りたいね、ということに発展。いつかそんなこと、できたらいいなぁ。

そんなこんなで、ホテル到着。もう限界です。

明日からFOODEX。
実は僕も少しだけ関わります。日本の大玉トマトの市場の、7割以上を占めている品種「桃太郎」シリーズ。これを産み出した種苗会社がタキイ種苗という京都の会社だ。実はこのタキイ種苗が、非常に日本の食にインパクトを与えるかも知れない、小さな、しかし意義のある試みを始めている。

それは、菜種油用の菜種品種の開発だ。

ご存じの方も多いだろうが、いま、日本で食用に使われている油の96%以上が、海外産の油脂植物から絞ったものだ。日本の自給率が非常に低いことに、食生活が洋風化して油脂が多用されることと、油脂が海外産のものであることが非常に深く関与している。

で、タキイ種苗の、現在ではおやめになった役員さんが、「これじゃいかん」ということで育種を命じたプロジェクトがある。それが、菜種油用の良質な種を育種するというものだ。

これ、話を聞いて、ちょっと感動してしまった。だってこれ、絶対にもうからない。油脂植物なんてすっごく安く輸入できる。だから、何でできてるか分からないサラダ油は非常に安価に手に入るわけだ。その油の世界の自給に一石を投じようというのは、実に意義深い。

明日から、FOODEXの会場のどこかで、タキイ種苗のブースではこの菜種から絞った「なたねのちから」という油をプレゼンテーションしている。毎日先着200人くらいになるだろうけれども、両国の名豆腐店である「豆源郷」のやわら木綿豆腐に、なたねのちからをたっぷりかけたものを試食できる。ぜひ味わって欲しい。

そんで、3月5日には、わたくしめが、出展者セミナーの枠で話しをさせていただきます。(12時~12時40分)

http://www2.jma.or.jp/foodex/ja/vis_5.html

無料だけど、先着順らしい。こういうセミナーはあまり集まりもよくないらしいが、ぜひ足を運んでいただければ幸いだ。

ということで、そろそろ寝ます、、、