やまけんの出張食い倒れ日記

ホンシメジの菌床栽培

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キノコのシーズン、といっても、店頭に出回っているキノコのほとんどは「原木」と断りがない限りはほとんどが菌床栽培品だ。菌床というのは文字通りキノコの菌を床と呼ぶ培地につけて、屋内の人工的な環境で栽培する。植物の工場栽培というのが最近脚光を浴びているけれども、菌床栽培キノコは正にそれだ。

ただし、キノコが食べる餌というか養分の質が違うから、味は当然原木とは違う。原木の場合、一年半くらいは原木を伏せ込んでじっくり菌糸が原木に張るまでまって発生させる。菌床は、おが屑や飼料用コーンの軸などを粉砕したモノを原料につくった人工的な培地であり、まあ当然、質的に劣るわけだ。なので菌床栽培品が天然ものに叶うことはない。

ただ、菌床栽培品が悪いといっているワケじゃあない。キノコを造りにくい時期にも安定して供給できるし、食味だって「悪く」はないし、しかも安価にできるから存在の意義はある。けれどもね、それを天然と思って食べている人が多いというのが気になる。天然のキノコの味を識らないまま、「シメジって」とか言うのはちょっと困ったモノなのだ。第一、店頭で安く売られている「シメジ」は本当のホンシメジではないからね、、、

ところが、ホンシメジが菌床栽培できるようになっている。三重県で技術が確立しているようだけど、先日、実物を食べた。ただし実際に栽培環境をみたわけじゃないので、品種が本当にホンシメジなのかなどの検証はできていないことをお断りしておく。

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このようにぷっくり大きく育つ。 DSC_1035

天然のホンシメジより軸が エリンギ並みに太くなっている気がするが、菌床栽培の特徴だろうか。DSC_1033 DSC_1039

味を言えば、そりゃあ天然には敵わない。けど、菌床のブナシメジとかヒラタケに比べると食感も旨味も強い。まだあまり関東には出回っていないようだが、もしどこかでみかけたら試してみると楽しいと思う。