やまけんの出張食い倒れ日記

やっと、本格的に赤身肉の時代がやってこようとしているのか!  そしていよいよさちの肉を食べる週間がこようとしている

阿蘇の褐毛和種

ながらく「霜降り至上主義」だったこの国の肉牛の目標が、ようやく赤身肉の方向へと舵を切ろうとしている。

畜産には、優秀な種牛がいることが重要だ。その精液をストックして、相性のいい母牛に種付けをすることで、優秀な血統を得ることができる。遺伝的な特性で、得ることができる肉の質がほとんど決まってしまうのだ。

さて、そこで重要になるのが「どんな優秀さなのか」ということだ。日本では平成あたりから「霜降り」に重点をおき、たくさん、細かいサシが入るということを目標に牛の改良を行ってきた。農水省の機関である家畜改良事業団や各県の試験機関が率先してやってきたので、事実上「国策」といっていい。

その家畜改良の目標設定をするのが「家畜改良増殖目標」というものなのだが、先日まとまった第9次家畜改良増殖目標は、非常に画期的な内容だった。肉用牛の部分だけ抜粋するが、要するにこういう目標でやっていきますよということになったのだ。

■肉用牛
・消費者が求める手頃な価格の赤身肉などを重視
・脂肪交雑(つまり霜降り)優先の改良から、増体つまり成長速度の早い牛へ移行し、飼料の要求量を抑制する
・粗飼料や放牧適性の高い、黒毛以外の和牛品種の活用を進める

というものである。

おわかりだろうか? 短角牛や褐毛和種といった、僕が応援してきた赤身肉の世界がようやく開かれるのである!

正式に、国として目指すべき畜産の方向性を、放牧や粗飼料給餌の赤身肉の方向へと持って行くと言っているのである!

やったーーーーーーーーーーーーー

やっぱり畜産関係者のみなさんもずーっとそう思っていたというわけなのだ。まだまだこの国の未来は明るいですね。本気でそう思いました。

で、実はこれは内々の話だったので書いてなかったけど、11月1日に「赤肉サミット」なる会を開催します。とはいっても、今年度はプレ大会という位置づけで、完全招待制で、料理人さんと食マスコミだけにご参加いただくイベントです。プレ大会は、岩手県の短角牛3種と北海道の短角牛1種、高知県の土佐あかうし2種、そしてホルスタインの7種類の牛肉を同じ条件の調理で食べていただくというもの。その上で、産地と料理人が「いったいどんな肉が欲しいのか?」について徹底的に議論するという内容のものだ。

2011年度から本格実施の際には熊本の褐毛和種などにも参加してもらうが、今年度は短角と土佐あかうしの二種を軸にやっていきたいと思っている。最終的には消費者のひとたちも参加できるものにしていきたい。

で、、、

それはともかく、今週末からいよいよさちの肉が流通します。焼肉セットご注文の皆さん、ありがとうございました。そして東京バルバリでの会もみごと満杯。お申し込みはこれで〆にさせていただきます。

今週は忙しい!さてどれくらい更新できるものだろうか、、、今日はやまぶどうを使った料理人さんむけセミナーin銀座。腕をふるうのはラトリエ・ロブションの飯塚シェフ。そして夜、帰ってきたらさちの肉焼肉セットの宛名ラベル作成だ、、、