■ニコンD700 +ニッコール50mmF1.4 F4.0 1/400
今日は川越市で、埼玉県の入間地区の農業委員さんが集まった会で講演をさせてもらった。入間といえば僕の母校である自由の森学園があるし、川越は毎日通学して通り、途中下車して高校生の味方・シャノワールで親友と延々だべっていたところだ。60歳以上の方がほとんどで、13時半からという最も眠くなる時間帯だったが、講演は大受け。ねる人少なくてよかった~
帰り道に、サトイモ畑がいい感じに枯れてきていた。時はまさしく日が沈みかけたマジックアワー。タクシーの運転手さんにちょっと待っててもらって、畑で作業しているお母さんに「写真撮らせてください~!」とお願いして、畑の中へ。緑色のピンとしたサトイモよりも、収穫間際の、全栄養を根茎に蓄えた感がいっぱいの茎葉のさまがとてもいい、と思ってしまったのだ。
埼玉県て、東京の隣という印象しかないかもしれないけど、北や秩父方面にいけば、まだ町の中に畑が残っている。僕はその景観に子供の頃から慣れてきた。小学校への通学路には桑畑があって、桑の実が赤く熟すと帰り道でつまんで食べていた。麦も植えられていて、子供心になんで寒い秋冬にこんな緑の葉が出てくるのか不思議だった。そんな、町中の畑というのがある、というだけでもこの国は佳いと思う。
さて、講演ではTPPがらみの話から農業界が世間に対して正しく自分たちのやっていること、置かれている状況をPRしなければならないということをお話しした。TPP議論で農業界に対する批判をみると、どれもこれも正しくない、正鵠を射ていない問題が多い。例えば再三ここで挙げているように「大規模化すれば外国とも戦える」や「企業が参入すれば農業はまともな産業になる」といったことが、さも真実であるかのように語られている。
でも、それがここ20年以上ずーっと続いている気がする。僕が大学生の頃から変わっていないということだ。それはなぜなのかというと、マスメディアや論壇ではわかりやすいストーリーであったし、おそらく農業側にとっても、そういう間違った言説が流布することで、真の問題が気取られないからいいやという都合のいい考え方もあっただろう。
けれども、もうそういう時代は終わったと思う。これからは、たべものを生産し、流通し、それを国民が食べるという当たり前のことの真実を積極的にPRしていくべきだ。
先日、某大手広告代理店に務めている後輩が面白いことを言っていた。
「PRってパブリック・リレーションズて意味です。それをわかってないでPRっていってるヤツがすごく多い」
あ、そうだった。社会に対して、自分のことを理解してもらうための働きかけをPRというのだった。忘れてましたよ、、、それを、農業界たとえば農協組織が正しく有効にやってきたかというと、実にプアな広報戦略しかやっていないと思う。だって、ビジネスマンのほとんどが「農協って悪いヤツらなんでしょ」「農協潰せば農業よくなるんでしょ」と言っちゃう国なんだから。もちろん、「農協」とは例えば「商社」というのと同じようなもので、「○○物産の△△事業部はよくないことをしている!」ということはできても、「商社は悪だ、世の中から無くしてしまえ」などという幼稚なことを言う人は居ないはずだ。それと同じで、「農協は悪だ」というのは、非常に抽象化しすぎだし、間違った抽象化だ。けれども、農業や農協組織を疎ましく思うメディアや企業によって、巧妙に農協=悪という構造は、ほぼ真実と受け止められてしまっている。
だから、ただしくPRをする方向に舵を切らないとイケナイでしょう、農協さん、そして農協外の独立系の農業生産者・団体さん。
さて、講演の後、すぐさま都内に戻り、文京区民センターで開催されたTPP関連シンポを聴講。

聴いていて、心に残った部分を書いておきます。聴きながら打鍵していたので、誤記している可能性大。ご指摘お願いします。

■佐賀県 百姓 山下惣一さん
「TPPの議論が起こってから、出版されている関連書はすべて目を通してきた。不思議に思うのは、TPPに参加するとこんなに世の中が悪くなるとという本はたくさん出ているが、TPPに参加したらこんなにいいことがある、という本は一冊もない」
うん、確かにそうだ。TPPに参加するといったいどんなメリットがあるのかを具体的に著した本は未だにないのだ。
■全国ユニオン代表 鴨桃代さん
「TPPうんぬんだけではなく、これ以上日本の労働を劣悪なものにするわけにはいかない、歯止めをかけなければならないと思ってきました。」
TPP参加によって、企業は儲かるかもしれないが、労働者の賃下げ・条件悪化が進むだろう。逆に言えばTPP推進派企業は、労働単価を安くするTPPを歓迎しているわけだろうか。
「労働においては、何か法改正などある場合、どうしても条件的に低い方へと合わせられるというのが、これまでのあり方です。日本の労組法は一人でも労働組合を結成できるが、アメリカではもっと高いハードル。組合を作れても企業と交渉できないというのが法としてあります。(そういう国の基準が日本でもまかり通ることになったら、、、以上筆者山本)」
[例えば韓国においては非正規労働者は労働者ではないということになっていて、まず非正規でも労働者であると言う権利を勝ち取る戦いから始めなければならないそう。こんな風に、グローバル化するということになると、より低い水準のところに合わせられてしまうでしょう。まだ日本の労働法の中身にはまだまだ問題があり戦わなければいけないのに、TPPで他の国レベルに低められることになってしまうことになることは、許してはいけないのではないでしょうか。」
■佐久総合病院の医師・色平哲朗さん
「日本の医療費は先進国中ではダントツに低い医療費だということがあまりしられていない。医師不足をどうするか?医者を輸入するか、患者を輸出するしかない(笑)現実では、イギリスが医療崩壊した際、医師はカナダなどへ流出してしまった。医者は言葉もできるし、国境を越えて動く時代になってしまった。そんな中で国民皆保健の仕組みを、可能性だとしても変える方向にいっていいのか」
「TPPは憲法に優越する協定であろう。つまり国家より企業が優越されるということである。デフレ下の日本に外資が参入すれば、さらなるデフレになるだろう。国内法規よりTPP協定遵守が優先され、他参加国からも突き上げられ、企業からも訴追され、国内法規の変更を強いられるだろう。」
■慶應義塾大学 金子勝先生

「この国は加工貿易の国で、貿易黒字さえあれば食料でも何でも買えると教育されてきたが、その裏には大きな意図があるとみなければならないのではないか。バブル崩壊後、不良債権処理でもたついて、財務省、大手銀行は危機管理能力を問われてきた。小泉政権で国をめちゃくちゃにして、、、驚くのは、「誰も責任をとっていない」ということ。」
「TPPで何を交渉するのか明らかにしないということが非常におかしい。これは、、、作戦はすでに失敗しているが、国民には伝えないことで、進めてしまおうということではないか。交渉能力がないことは、イラク戦争や普天間問題で明らかだ。普通は国民の要望に応えてアメリカと交渉するのが外務省だが、現実はアメリカの意向によって動いている。誰も追求されない、誰も責任を問わないからこんな風になる。」
「郵政民営化は出てくるだろう、BSE規制の基準緩和などもおそらく出してくるだろう。「今の段階ではそんな議論は出てきていない」当たり前だ、日本だけがそうしたことを基準として遵守しているのだから、議論に乗るわけがない。」
「挙げられている項目は沢山あるが、ご存じのようにここまで行くにはいくつものウソがある。農業さえ救えばいいという構図はまずウソ。次にあるのが、米韓FTAが結ばれたので日本も遅れちゃいけないというのは大きな論理の飛躍だ。FTAは二国間交渉だ。つまりそういう言い方をする人には「じゃあ日米FTAをすべきでは?」という話をすべき。」
「韓国は「ランドラッシュ」。FTAで開国して農業を犠牲にしたので、他国内の農地を買うなどして食料を調達するつもりだった。マダガスカルでは開発援助の見返りに農地を獲得するつもりだったが、住民の大反対で立ち行かなくなった。つまり、韓国はすでに失敗しているのです。」
「条項を明確にして他国と交渉するポジティブリスト方式を採ればいいのだが、日本はネガティブリスト方式で「これは譲れない」という方式。これだと、本当に主張しないと押し切られやすい。」
とこんな感じだったでしょうか。
書きたいことはいろいろありますが、非常に疲れました、、、帰宅します。
最後にサトイモをもう二景。

もうしばらくしたら掘り時ですかね、、、

芋煮会をしたいものですな。ああ、山形へ行きたい! 明日は都内にて、第三回フードアクション・ニッポンアワードの選考委員として審査会です。
相変わらず、重量級フルサイズ機であるニコンD700を持ち歩くのはキツイなぁ、というときに持ち出しているのは、リコーのGXRだ。小型で、性能のいいマクロレンズと広角レンズユニットがあり、APS-Cサイズのセンサーにより画質もいいのだから、言うことがない。この冬はミラーレス機がそうとうにすさまじい競争を繰り広げているけれども、またちょっと違う心持ちでみていられる。
実はこのカメラ、先日のファームウェアアップデートで、今までとは比べものにならないほどに使いやすくなった。先日のアップデートとは、新しく発売されたA12マウントユニットの登場で出てきたものだ。このマウントユニットはライカマウントのレンズを装着することができる、APS-Cサイズのセンサーを内臓し、シャッターユニットも内包したもの。僕はライカマウントのレンズを持っていないのであまり物欲は動かないのだけれども、それでもリコーはすごいことをやったなぁ、と思う。
で、そのおまけといっちゃなんだけど、従来のレンズユニットでも使える画期的な機能が追加された。それは、MFアシスト機能だ。リコーのWebにはこう書かれている。
精度の高いフォーカシングが可能になりました。
- マニュアル操作によるフォーカス合わせ精度の向上をはかるため、フォーカスアシスト機能を搭載しました、2つのモードが選択でき、それぞれ輪郭とコントラストを強調して確認することができます。
- ピントあわせに有効な撮影時画面拡大が可能です、画面中央はもちろん画面全体にも拡大することが可能となり、さらに4倍、8倍の全画面拡大時の画質が向上しました。また、拡大表示対象位置は方向キーで移動させることも可能です。
- 撮影後には自動的に拡大表示を解除するように設定が可能です。
ということなんだけど、画像を見ないとわからないよね。明日以降、時間があればアップします。でもとにかくこれが最高。もともと背面液晶をみながらフォーカシングする場合、AFが一発でびしっと決まればいいけど、souでない場合はマニュアルで決めたい。でも、肝心の液晶表示が、どうもフォーカスがどこにあっているかわかりずらい。GXRの液晶は品質がいいんだけど、レンズが明るく、非常にピント面が薄いため、MFの微妙なピントがドコに来ているか、画面上でもわかりにくいのだ。
それが、このMFアシスト機能を使うと、ピントが来ている部分だけエッジが白く浮き出て、「おお、この辺に合ってるのね」がわかるようになる。ようやく、本当に使えるようになったという気がする。
いままでは、せっかくF2.5の明るいレンズなのに、ピンが合わせにくくて、結局絞って撮影することが多かった。でも、これで大丈夫。レンズ開放でもばっちりピンが来る。
いいカメラですよ、GXR。リコーはこのカメラを残していくべきです。
PS そうそう、ライカマウントアダプターの発売記念か、GXRのムック本がでている。藤田一咲さんの監修によるもので、ユーザー歴長い僕も思わず買ってしまった充実の内容だ。お勧めです。
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過日、大好きな某焼き肉店へ。この店、高い肉を頼むとサシが入りすぎてて味のない肉が来てしまうことがわかっていたので、安い肉を頼む。
が、、、
その安い肉、できたのが写真の皿だ。このすさまじいサシの入り方、サンカクバラだろうか、ひどいもんだ。思わず持ってきてくれた店員さんに「あの、これもっと真っ赤な肉じゃなかったでしたっけ?」と聴いてしまった。
「はい、赤いときもありますけれども、今回はこういう肉でして、、、あの、大丈夫でしょうか?」
と聴いてくれたが、カットしてもらった肉を下げさせる訳にはいかない。その代わり追加で赤い部位がほしいと言ったら、ハラミを勧められたのでお願いした。
これがハラミ。まあ、いいか、、、と思うが、、、
サシの盛大に入ったバラは焼いても今ひとつ焼き目がつかず、脂がじゅくじゅくしみ出てくるだけだ。タレをつけてもはじき飛ばしてしまう。結果、口に入れて噛んでも噛んでも味がしない。美味しくない、、、
ハラミに期待をしたが、どうもこの肉、と畜からずいぶんと早いスパンで出てきたようで、旨みが乏しい。がっかりして店を出たのであった。僕だけがこんな風にサシ入りの肉が美味しいと思えないのかと思ったけれども、同行者も「味がしませんでしたねぇ~」と言っていた。
けれども、一般的には、こういう肉が出てくると「やったー!ラッキー!」と声を上げる人も多いのだろう。店としては、こちらのほうが喜ばれると思っているから出すのだ。そして、喜ぶ人が多い、ということなのだろう、、、か?
うーーーーむ 根本的な疑問が、僕の頭をぐるぐると回る。
宮崎市にて、講演~コンサルの2連戦。初日、農協関係者さんたちへの講演終了後、別口で宮崎市内の生産者さんたちと交流会。
他町村との統廃合もあったりして、宮崎市内は県庁所在地と思えないほどに農地があるのだ。
自分の作ったショウガをいろんな食品事業者に納品して、漬け物やせんべいなどを作ってもらっている。
これはずっと以前にも書いたかもしれない、ミディトマトをパスタソースにして好評販売中!の生産者さん。
キュウリ生産者で、こんど農業者弁論大会に宮崎代表で出る熱血漢! ブルーム台木で育てたキュウリ持参。皮の食感がかなり柔らかく風味のあるキュウリだった。
キュウリのハウス内で使用する水温自動調整装置を自分で作ってしまった生産者さん。5トンもの水槽も鉄板買ってきて溶接して作ってしまったという。
彼らはほとんどが、いちど家を出て他の仕事に就いた後に農業に戻ってきた。だから農家の中でもちょっと突出した経営マインドを持った人ばかりだ。
そしてこの夜、会場となった「ぐんけい」の若旦那である黒木さんもご来場。
どれも上質、品質のよい地鶏を食べたければまちがいなく宮崎でも随一のレベルだ。
ぐんけいで出している鶏はもちろんみやざき地頭鶏。生産者さんと契約で毎日、と畜して数時間後のフレッシュな肉が供される。その味わいは実にクリアで清々しい、、、 のだけれども、それ故になんというか、地鶏炭火焼きにあってほしい「強い個性」みたいなのはあまりない。ちょっと美味しすぎるのかもしれない。
こんどヒネ鶏の炭火焼きも食べたい、とお願いしておいた(笑)
さて、これから二日目の行程です。
この日、コーヒー園巡りだけではなく、マウナケア山に登るという超・強行軍をやってのけた。といっても、足で上る登山ではない。そんなことやってたら何日たっても山頂に着かない!車でも往復で5時間以上かかるルートなのだ。しかも、山頂近くでは酸素が薄くなるため、運転者は不意に眠くなってしまったり、体調が悪くなったりしてしまうという、実にハードな環境なのだ。
でも、この山の上でみる夕焼けはすばらしいとのこと。合間を縫って行くことになった。
ここは、富士山の8合目、みたいなところにあるビジターセンター。ここに来るまでマリオットホテルからすさまじい急勾配の坂を上り続けて2時間経っている。ふもとは夏日で汗が出ていたのに、山の上では強烈に寒い。星空観測をするツアー客のワゴン車がたくさん停まっていたが、参加者がダウンジャケットに着替えていたくらいだ。
ここからは舗装されていない砂利道を行く。
すでに雲ははるか視界の下である。
運転する村岡さんが「やばい、眠い~!」と言うのが怖い(笑)
安全運転しつつ、なんとか山頂付近へ!ここで降りて、サンセットを待つ。
では、しばし夕陽をお楽しみください。
よい体験をさせてもらいました、、、高いところへ登る、というだけで人間の能力は不完全になる。どんなに文明が進歩しても、結局は人間なんてそんなもんだ、そういう実感をたまに持つのは重要なことだ。大自然に感謝。
宮崎に向かう羽田空港にいます。ここ数日激務でブログろくに書けません、ゴメンナサイ。
さて折に触れ、現場の観点から鋭いコメントをいただく農業生産者さん(メイン品目はホウレンソウ)から下記のようなメールが。私もこれまで書いてきたことを現場視点から補強してくれているので、引用します。
日経新聞HPに注目してます。
「日経新聞ホームページ 創論・時論 TPP参加、影響は アンケート」の途中経過をチェックしてます。 農業強化策についての設問で7割近くの人が「規制緩和を通じて企業などの農業参入をすすめる」を選んでます。おそらく規制緩和とは企業が農地を所有することだと思います。私は試算などしなくても、企業が水田を所有できたとしても稲作経営が成り立たないとわかります。他産業に比較すると、投資額に対する生産額・販売額があまりにも低いからです。労働時間を平準化できない等々、雇用も問題山積です。
さて日経の記者(と読者)が掛け算もできないほど数字に弱いなどと言うことはありえないですし、稲作経営の基本的データを農水省ホームページで見ることもできます。それにも関わらず企業が稲作経営できると考えているとしたら、世の中にはとんでもない誤解があるような気がします。
もしこの誤解があるとしたら、その原因はなんだろうかと考えました。農家や農水省、農協、農業ジャーナリスト、学者その他農業関係者はこのとんでもない誤解を放置してきたことが、一番の原因だと私は思います。世の中には教えてもらわないと理解できないことはいっぱいありますから。
たぶん誰一人として日経の記者に「もし企業が100億円投資して、まとまった水田を購入し、稲作経営したらどれほど利益がでますか?」とたずねたことがなかったのです。畜産と園芸作物では企業が大規模経営をしていることも、あまり知られていないのかもしれません。私は「エア・ウォーター農園」が成功するか時々ネットでチェックしてます。過去に2回も失敗した後のチャレンジですから、あらゆる工夫をしていると期待してます。
この中で最も重要と僕が思う部分はここだ。
他産業に比較すると、投資額に対する生産額・販売額があまりにも低い
これまで著書にも書いてきたし、言葉をかえて何度も言っていることだけれども、農産物の価格は安すぎる。それは、「市場原理のなかで公正に決められた価格」という枠組みから逸脱した価格になっているのだ。コスト削減をしろとか、中間マージンを削減しろとかいわれるが、そんなことをしても追いつかないほどにアウトプットの価格が安すぎる。それでも現在の農家がやっていけているのは、地方の生活コストが安く住むことや、兼業で生計を立てることができるからである。「兼業農家はけしからん」という何も考えないやつがいるが、兼業農家がすべて農業を捨てたら、この国の食べ物は一気に半減(どころではないとおもうが)するだろう。
ともあれ、企業が参入すれば効率的な農業が実現され、農業が活性化するという盲目的な言説は、まやかしでしかない。しかし、日経新聞はそんな言説を胸を張って主張する。日経新聞の中でも、第一次産業に造詣の深い記者の知人が「あれは本当におかしい」と眉をひそめている内容だが、そういう良識派が書く余地は、いまの日経にはないらしい。
ということで、宮崎へ飛んできます。

テリーの農場「ダカイン」を出てすぐ、ヤスさんが「ちょっといいところに寄っていきましょう」と車を停めた。そこはどうみても店舗という感じではない。後の車に乗っていた我々は「トイレ休憩?」と思ったくらいだ。

「いや実はね、ここはマカデミアナッツ・チョコレートの製造工場なんですよ。仲良くしてるんで、ちょっと分けてもらおうと思って。」

と入っていくと、いきなり工場のおかみさん的女性がキャーキャー騒ぎ出す。 聴いてると、「ちょっとヤス!いきなり来てどうしたのよ!連絡くれればいいのに!」的な感じ。すっげー歓待されてる。


「土産屋で買うチョコは、日持ちさせるためにコーティングしちゃってるでしょ?ここのはしてません。味本位で作ってるし、フレッシュだから美味しいですよ」

といって味見させてくれたそのチョコが、、、旨い! たしかに、チョコレートがほどよく柔らかく、香りも風味も土産物の者より一段階上だ。そして何より、中のマカデミアナッツが芳醇。カカオの脂肪とナッツの脂肪のダブルパンチで、思わず笑顔になってしまう。

普通は卸売しかしていないのに、ヤスさんの顔でちょこっとずつ分けてもらえることに。それも、なんとジップロックにハーフパウンドずつ小分け!(笑)

ここ、誰でも買えるわけじゃないと思うが、オススメ穴場です。
さて、車はまたもや幹線道路からちょっと登り、山の上へ。コナコーヒー園はどこも例外なく、幹線道路からひょいっと山を登り、「大丈夫かなぁ」とちょっと心配になったアタリにある。

「ブッダの鉢」ということだろうか、ブッダズ・カップというこの農園のマーク、やたらにトロピカルな坊さんだ。でも、ブッダというよりホテイ様?

この農場はサービス精神があって、入っていく道に布が綺麗に垂らされ、こちらにいくんだなというのがわかるようになっている。


若き農場主と、何匹ものわんちゃんお出迎え。



2010年度のコナコーヒー・カッピングコンテストで優勝したのがこの農場だ。なんだか本当にワイナリーに来たような感じで、きちきちと農場のことを説明してくれる。

農場は彼が指さしているはるか向こうの方まで農場があるということ。

手前と奥に見えるこんもりした黄緑色の背の高い樹がマカデミアナッツだそうだ。日よけに植えておくといいらしい。



この農場の豆も大きい、と村岡さんがつぶやく。



ウォッシングのマシンから何から、自前で持っている。日本におけるお茶農家と同じだな。収穫後にすぐ処理をしなければならないため、工場が必要になるわけだ。



乾燥スペースは風通しのいいところにあるのが通例。


「じゃあ、コーヒー飲んでいきなよ」と、豆を挽いてコーヒープレスで出してくれる。



農場の場所によってパッケージをかえているらしいが、僕が飲んで美味しいと思ったのはこれ。

うん、実に佳い!
まず、酸が強い。まるで広島の純米酒「竹鶴」を呑んでいるかのように心地よい酸味を感じる。それと香りだ。コナコーヒーは甘い香りがする、というのがヤスさんや村岡さんの説明だが、それに加えて何かスパイシーでコクのある香りを感じる。
迷わず1ポンド買い求めました。

この若き農場主、これからどんどん上へ上へと登っていくのではないだろうか、と思ったのである。

コーヒー園を巡る合間に立ち寄ったオーガニックスーパー。アメリカの通常のスーパーは店内をみていてとても楽しいのだけれども、どっちかというとジャンキーな楽しさ。でも、オーガニックスーパーという業態についていえば、日本のそれよりも断然充実している。それは、日本よりもオーガニック(有機)の価値が支持されているから、品数が多い。生産品もそうだし、加工食品も普通にオーガニックがある。
日本ではオーガニックということで価値を感じる人が少ない。よく農業ビジネス・飲食ビジネスをしようというひとが相談してくるときに「オーガニックでやりたいんです!」と言ってくることが多いのだけども、本人が意気込むほどに市場が無くて失敗しているケースが多い。これはオーガニック関係者としてもじつに悲しいこと。僕もオーガニックの価値をもっと認めて欲しいけれども、日本人は「アンチ」が好きなので、「実は日本の有機は○○××」とか「有機農産物の一部は□□○○」みたいなネガティブキャンペーンが多いのに飲み込まれてしまっているような気がする。
で、ハワイ島でオーガニックを愛する地元民が集うスーパー「Island Naturals」。


それほど大きな店舗ではないけれども、生鮮から加工品までいろんなオーガニック食材が並ぶ。

もちろん完全にオーガニックではない地元産素材も。お土産用に村岡さんに教えられ、マウイ島産のきび砂糖など買いました。

うらやましいなあと思うのがこういう、スパイスとか豆とか穀物をバルク買いできるコーナー。

なんか、買ってみたいぜ。こんどはコンドミニアムみたいな、キッチン付きのところに泊まるぞ。
さて、グローサリーや飲料はナショナルブランド品が多くて、ホールフーズなどにもあったものがちらほら。そんな中、前回NYに行った際に気になったこれに再会!

「こんぶちゃ」である。めずらしいな昆布茶がボトルに入ってるなんて、と思ってたら、これは実は昆布茶にあらず。紅茶キノコドリンクなのである!詳しいいきさつはこちらをご覧下さい。
□2011年06月30日 ホールフーズで売ってたKOMBUCHAのことと、カッツのパストラミサンドの補足情報を、読者さんからいただいた。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2011/06/kombucha.html
思わず買って、早速飲んでみる。

ちょっと見えにくいけど、下の方にはもわーんと紅茶キノコの発酵体がどんより浮いている(笑)
このドリンクとしての味が、これがまた悪くない。香料を一杯足してるだろうけど、清涼飲料水として美味しく飲める味だ。発酵系健康ドリンクというカテゴリにしては美味しいと思った。

ところでハワイ島は数日後にアイアンマンレースを控えていて、けっこうな人出で賑わっていた。そのアイアンマンレースの会場ちかくにファーマーズマーケットがあったので、寄り道。


ハワイだけあって、トロピカルフルーツがところ狭しと並んでいる。

コナドラゴンフルーツと並んでいるのが、日本ではみかけない黄色い品種。

マンゴー、パイナップルも完熟したのが売っている。



さてお次は、2010年度のカッピングコンテストチャンピオンのコーヒー園だ。
いま、三重県から帰る新幹線車中。無線LAN接続ができるのでありがたい。
さてTPPに関して、愛媛大学の野崎からメールが入った。引用可とのことだったので。
今月は世界食料月間で、米国では有機食品消費者団体が呼びかけて反遺伝子組み換えのキャンペーン「Millions Against Monsanto」をやってる。
Millions Against Monsanto
http://organicconsumers.org/monsanto/index.cfmTPPになると遺伝子組み換え食品の規制も圧力がかかる。
米倉経団連会長の住友化学は、モンサントと長期契約して米国内でラウンドアップの改良版を売り、その見返りに日本で遺伝子組み換え推進という構図やね。米国の遺伝子組み換え批判派と日本は共闘できるので、そっちからの「外圧」を作ることも必要。
海外のことをうらやましく思うことは、きちんと声を上げて抗議をする文化というか、精神があることだ。野崎が教えてくれたキャンペーンだが、ずいぶんと大きくて飛び道具を利用した、粋な「声」のように感じる。日本では生協組織やオーガニック系の団体などがこういうことをやっているけれども、どうも「運動くさいぜ」とみられ、忌避される傾向がある。日本人は「運動嫌い」「主張嫌い」になるよう教育されてきてしまったようだ。俺は運動好きだけどね。結局人生って汗臭いじゃないか。
それにしても遺伝子組み換え作物については、同じようなことを考えていたので空恐ろしいと思った。米倉経団連会長は不遜な輩だと思っていたが、なるほどモンサントと協業していたのか。
モンサントは総合化学メーカーで、ラウンドアップというのは同社の販売する協力な除草剤。そしてもう片方でモンサントは、ラウンドアップレディという、ラウンドアップをかけても生き残る耐性をもった遺伝子組み換え大豆を販売している。つまり、大規模にラウンドアップレディを播種し、雑草が繁茂したところでラウンドアップをブアッと散布すれば、耐性をもっているラウンドアップレディだけが残るという案配だ。
いいじゃん、遺伝子組み換えのおかげで経済性がグンとアップするじゃん、といった声もある(実はそっちが圧倒的に多い)。けれども、いろんな意味でこれは怖いことである。一つのことだけいえば、こうした遺伝子組み換えが今後も進んでいくと、ターミネーター遺伝子というもののが組み込まれ、次世代へつづく種を残せない種が出てくるだろうことが予想されている。種会社は毎年種を買ってもらいたい。だから、収穫した種を蒔いても発芽しないという性質を開発してしまった。モンサントはその最右翼と言われている。
いまのところ日本でも世界でもこうした遺伝子組み換えにはブレーキがかかっているけれども、研究と開発はずーっと進んでいる。正直な話、機密のベールに包まれているから、どんな性質の遺伝子組み換え技術ができているのかわからないくらいだ。
TPP議論が難しいのは「実際どうなるのかよくわからない」というところにある。けれども、放射能に対する態度と同じで、「よくわからない場合は、できるだけ避けよう」という姿勢をとるにこしたことはない。
ということで、米国やEUなどの遺伝子組み換え批判派とは仲良くしたいものだ、と思ったわけである。あ、そろそろ東京だ。今日は、三重県の食品スーパー「ぎゅーとら」で買ってきた伊勢うどんをメインに食べる予定。
さてEggs'nThingsのエントリでも書いたが、ハワイの卵料理は旨い。何が違うんだろうか、と思って帰国後も悶々としていたのだけれども、一応の結論がでた。それは、卵の味うんぬんもあるけれども、それよりも「欲望に忠実な食べ方をしているかどうか」の問題ではないかと、思うのだ。
ハワイ島の朝、ヤスさんが連れて行ってくれた「The Coffee Shack」。
高台からハワイの海岸線を見渡せる絶景ポイントにある店だ。
特等席は、崖に張り出した席。
まさに絶景!
ここのメニュー、どこをとってもEggである。それも、2Eggs以上。中には3EggsOmletなんてのも。
どうやらこの店はエッグズ・ベネディクトが美味しいらしい。2Eggsでイングリッシュマフィンとカナディアンベーコンにオランデーズソース。ふうむ、日本ではまず頼まないメニューだよな。
僕は、昨晩のローカルハワイアンレストランで気に入ったポルトガルソーセージなるものを食べたかったので、FriedEggSandwichをポルトガルソーセージ付きで頼んだ。
ところでこの店、店内を緑色のきれいな何かが、ちょろちょろ動き回っている。
きれいなトカゲ、、、ヤモリ? 鈴木夫人は最後まで「イヤ~」と悲鳴を上げていた(笑)
さて来ましたこれがエッグズ・ベネディクト!
うわーーーーお、なんだかすっごいね! 要するに、イングリッシュマフィンの上に加工肉とポーチドエッグを載せ、上からオランデーズソース(マヨネーズの原型になったあたたかいソースね)をどっぷりかけたもの、なのだ。
ポーチドエッグにナイフをいれると、、、
トローッと黄身が流れ出してくる。この黄身の加熱の加減は、オーダー時に細かく聞かれる。ハードに日をいれたものも、もっとレアなのも選ぶことができる。だいたいの感覚で店に任せてしまう日本と違う文化だ。
それにしてもこのエッグズ・ベネディクトの濃厚なこと!
さっき書いたけれども、ハワイの食は欲望に忠実だ。日本なら、オランデーズソースのかかり具合はもっと少ないだろう。でもこちらはなんというか「これでもかっ」というボリュームでやってくる。平均的日本人の体格だと、オーバーカロリー間違いないな。でも、欲望に忠実ゆえに、日本のストイックで控えめな味付けがふっとんでしまうほど、美味しい。
こちら、僕がオーダーしたフライドエッグサンド。
バンズはいろいろある中から、ディル&オニオンが練り込まれているものを頼んだ。これが大当たり!
えっらい旨い! このサンド断面最下層に展開されているのがポルトガルソーセージ。ちょっとガーリッキーな風味で、これまた欲望に忠実な味だ。日本のハムソーの世界では、ニンニクいれれば旨いのわかってても、食べる人のことを考えてフレーバーを弱めにしてしまう。こちらではかなりガツンとくる。
これは嫁さんが頼んだ、パパイヤのハーフ。樹上で熟しているから、食感と甘さと風味の深さが違う。
ちなみにこれはヤスさんが頼んでいたフレンチトースト。バゲットで作っている。
かなりのボリューム。これにバターとかしてシロップかけて、、、というのが食べ方のようだ。
一平寿司村岡さんはシナボン。
上にかかっている糖衣が半端じゃないッス(笑) これがまた美味しい。それは、欲望に忠実に砂糖と油脂を使いまくってるから(笑)
お隣のテーブルでは、どでかいこえでローカルのママさんたちが井戸端会議をしていた。それにしてもハワイの子供の可愛いことといったらない!
さてまたコーヒー巡りだ!
農文教んから10冊の献本もいただき、30冊となった季刊地域を、明日金曜日に当選した方へ発送します。実は今週、スーパー秘書のN女史がリフレッシュ休暇のため、いろいろ事務処理が遅くなります。ので、当選者さんの発表は発送に変えさせていただきます。週末に届かなかった方、ゴメンナサイ、自腹で買ってください!
三重県は晴れ、いい感じの空が広がっています。
伊勢うどんの「山口屋」にて、天ぷら・牛肉・お麩・かまぼこを載せた「ごちゃいせうどん」を美味しくいただく。県の平野さんが「おかげ横町の茶処で、在来茶を出す店があるんです」というので、ぜひ行こうということに。
おかげ横町は伊勢神宮参拝客で賑わう門前の横町だが、そのど真ん中ではなく駐車場に隣接したところに、「伊勢茶処」というのがある。店の目つきの鋭いお母ちゃんが「うちのお茶は全部在来種のお茶なんです」という。つまりヤブキタやオオムネといったポピュラーな品種ではないということだ。
在来の茶ということは、その親木は数十年を経ているはずだ。はたして、樹齢100年の茶というのもあった。日本の果樹や茶は、20年くらいで改植してしまうことが多い。長く植えると生産性が落ちるからだが、味的には長い方が枯れて自然なうまさが出てくる。
ヨーロッパでもリンゴなどの果樹は長く植えた木の方がよいとされる。日本はそうではない。残念。さてこの樹齢100円のお茶、実にいい味わい。静岡のやぶきた茶のようにアミノ酸が濃いうまさではなく、どこまでも軽く深い味わい。これもまたよい茶だと思った。
茶を煎れて応対してくれた岡田さんというお母ちゃんが実にいい感じ。「わたしらはもう、やぶきたとかのお茶は美味しいと思えないんです。化学調味料みたいな味がするし、、、でも、うちのお茶の自然な味は、なかなかわかって
もらえません」という。現代人が呑むPETドリンク茶はキリン生茶など筆頭に、アミノ酸の強い味づくりをしているから、それになれてしまい、濃い旨みに慣れてしまっているのだ。けど、牛乳なんかでもそうだが、本当に自然状態に近いものは淡い味がする。放牧酪農の牛乳しかり、グラスフェッドの肉しかり。濃いのがいいことという観念は
間違いだ。
さて、もうひとつ、釜煎り茶があるというのでいただいてみた。九州では「グリ茶」と呼ばれる釜煎り茶。かと思ったらちょっと違うという。これも在来の茶を、収穫後に手でもみ、天日干しにして煎ったものだという。え、生茶葉を手もみして乾燥するって、それは中国の半発酵茶と同じでは?はたしてそうだった!
茶葉は発酵して茶色になっている。熱湯で煎れるという、そうだろう発酵茶だからね。ほうじ茶のごとき茶色、口に含むと控えめな、しかしあきらかに花のような香り。半発酵茶である。飲み終わった後の茶器から香ってくる残り香が実に美しい。感動してしまいました。おかげ横町、駐車場に名店ありだ。
そして車は一路、あのり漁協へと向かっている。
さてオアフ島にはほんの一泊で、朝からハワイ島へ移動だ。今回の旅の目的の一つが、コナコーヒーのハイグレードな小規模農園を廻ると言うことにある。この旅に連れてきてくれた村岡さんは、レタス巻き元祖の一平寿司だけではなく、宮崎でコーヒーチェーンを経営する人だ。彼がコナコーヒーの世界で信用する、コーヒー専門流通業者でもあるヤスさんが案内をしてくれるということになっているのだ。
ハワイ島は火山活動の痕跡がそのままに残っているような島で、至る所に溶岩が露出している。荒涼とした風景と言えなくもないが、でもそれがまた自然の味わいという風になっている。


ヤスさんがキュキュッと車をカーブさせ駐車場へ停まる。スーパーマーケットかと思いきや、なんとここがコーヒーの農園直売施設。


店内に入るとカフェのようなしつらえで、実際にここでコーヒーを飲むことができるわけだけども、ここを運営しているのはコーヒー農園なのだ。

だから店内には、自分の農園のコーヒー製品のディスプレイがなされている。


これをみて、なんだか僕は二年前に、今和泉さんご夫妻に連れて行ってもらったナパ・ソノマのワイナリー巡りを思い出してしまった。大小さまざまなワイン醸造元があり、それぞれがテイスティング施設を持って、販売もしている。コナコーヒーもそんな感じで、こうやって農場みずからが小売をしているわけだ。
「そもそも、コナには600以上の農園があるんですよ。」 とヤスさん。
ええ、そんなに?とはいってももちろん、みんなが大規模農園ではなく、大中小入り交じっている。経営形態も様々で、自分のブランドで売るところもあるし、全部卸売りしてしまうところだってある。ヤスさんは、それだけ有象無象あるコナコーヒーの世界にズポッとはまってしまい、自分の車で曲がりくねった山道を走り、自分の豆を売りたいと願い、技術をもってよい豆を生産する農家と出会ってきた。その中でも、実力のある人たちのところへ連れて行ってくれるというのだ。
その一軒目が農場「DAKINE(ダカイン)」だ。

小高い山の上、黄色い看板。ここは、もともと地質学者だったテリー・フィッツジェラルドさんが住み着いて、コーヒー農園を営んでいる農場だ。ヤスさんにとってのコナコーヒーの人生が始まった、記念すべき農場だそうだ。
「あのですね、テリーはなんというか、とっても自然体な人です。ヒッピーみたいな感じなんだけど、、、でも、彼の作るコーヒーは本当に個性的で、美味しいんです。」
という解説を聞きながら、僕は初めてといってよい、コーヒーの樹との対面を迎えていた。

熱帯植物であるコーヒーの樹にこうやってきちんと向き合うのは初めてのことだ。中学生の頃、プロレス・スーパースター列伝という漫画に夢中だったのだが、その中でアントニオ猪木が、故郷のブラジルでコーヒー豆の収穫をする過酷な労働をしていたというエピソードがあったが、コーヒーのことを考えるといつもあれが思い浮かんでしまう(苦笑)


テリーの自宅は巨大なツリーハウス兼工場という感じで、周りの環境に完全に溶け込んでいた。


ここに、ご夫婦と息子さんで暮らしている。奥さんは中国の方だそうで、テリーがアジアで農業指導をしている時に知り合ったそうだ。年の差じつに30歳程度?
それにしても、テリー・フェッツジェラルド氏の魅力的なたたずまいといったら、なかった!

顔を見ればもうわかるだろう、気さくで、壁のない人物なのだ。ヤスさんは家族のように迎えられていた。
「まあ、コーヒー飲みなよ」
と煎れてくれたダカインのミディアムローストコーヒー。

これが、最初にして最良の一杯となった! なんとすっきりしていて、しかもパワーのある味!酸味はそれほど強くないが、強い個性を感じる味だ。 じつに旨い。
「自由に工程をみてよ。僕の息子が見せたいっていってるから」
と、テリーの愛息子がエヘンと胸を張りながら、案内してくれた。

ちなみに村岡さんはすでにダカインに来たことがあるので、おなじみだ。

農場内には千本以上のコーヒーが植えられていて、収穫は家族と雇用労働者で行う。

この赤く熟したのがコーヒー豆だ。この甘い果汁をもつ実を噛んでみると、、、

中から、コーヒー豆の本体が現れる。


この時点では、コーヒー豆には味はない。焙煎することでしか風味は生まれてこないわけで、どんな経緯でコーヒーが人類に「発見」されたのか、非常に興味深い。
赤くなった実から、収穫が始まる。コーヒー豆の収穫は機械化されているケースも多いが、ここでは手摘みだ。

プロの手つきは実に早くて、熟したものだけズバッズバッと収穫していく。


こうして収穫された実から、コーヒー豆の部分を取り出すことを精製というそうだ。

この機械に投入すると、実と豆が分離されて出てくる。脱穀機のような感じだな。本当は、この精製の方式には三種類あって、ナチュラルとかウォッシュとかいうのだけれど、ダカインがどの方法をとっているのか忘れてしまった。失礼。あとで確認できたら書き直します。

下の写真が、実のまわりの部分が排出されたところ。これは有機物として農園の土に戻される。

分離された豆は天日乾燥。


「いやぁ、豆がデカイよねぇ」
と感心している村岡さん。通常の農園よりも粒が大きいということらしい。


ところで、通常のコーヒーの実には、下の写真の右側のように二つに分かれた豆が内包されている。しかし、生育の段階でなんらかの作用があったとき、左側のように一つにくっついた状態の豆ができる。これをピーベリーと呼ぶそうだ。独特の風味のコーヒーができて、珍重されているという。


コーヒー乾燥スペースは、彼の格好の遊び場となっているらしい(笑)


再び戻り、テリーさんの話をいろいろ聴く。いま彼らが取り組もうとしているのは、自前で焙煎をして販売すること。現時点では、ローストは外部に委託している。奥さんがしきりに「日本メーカーの焙煎機はいくらくらいなの?」という質問をヤスさんにしていた。
やはり自分らの思うようなローストができる環境を持ちたいというのは、自然なことなのだろう。

それにしても旨いコーヒーだった、、、

お礼を言って、ここを去ろうとするのだけれども、なぜか息子クンがうちの嫁さんを気に入ってしまったらしく、足にかじりついて離れない。


お父さんに押さえられる(笑) 遊び相手いないのかなぁ、と不憫に思ってたら、うちの嫁さんが 「ううん、すっごくいっぱい友達いるみたいだよ。学校行ってるっていってたし」とのこと(笑)


それにしても、ここダカインの農場の雰囲気とコーヒーの味にはびっくりした。端的に言えば好みのコーヒーだ。インパクトが強いわけではなく、「ずーっと飲み続けられる味」。それはもちろん、テリーがおくびにも出さない、生産技術の追求の果てにたどりついたものなのだと思う。

「さて、それでは次に2010年のカッピングコンテスト優勝者の農園にいきますよ!」
ヤスさんの声がかかる。コナコーヒーの旅は始まったばかりだ。
■撮影データ
カメラボディ: ニコンD700
レンズ: タムロン 28-75mmF2.8

昨日告知した「季刊 地域」のTPP特集号のプレゼント、早いんですけど締め切らせていただきます。気づかないうちに50人超えちゃった。
なんとありがたいことに、版元の農文協さんが10冊献本してくれるとのこと!
「TPP特集について、ブログでご紹介いただけるとのこと、感謝いたします。
いまこそ、この特集を読んでいただきたいですね。
プレゼント用雑誌の件ですが、これまでも山本様には宣伝をしていただいておりますので、20冊中10冊については献本とさせていただき、残り10冊につき著者割引扱いにて代金を請求させていただきます。」
そうなると、10冊分の予算があきますので、もう10冊注文して、合計30名の方に送付することにさせていただきました。30人のかたが、これを読んでどんな反応をしていただけるのか、とても興味深いです。
金曜日あたりに発送処理できると思いますが、今週、秘書のN女史が南国にバカンスにいってしまっているので、もしかすると来週になってしまうかもしれません。あしからず。
それまで待てんという人はぜひ農文協から買ってあげて下さい。なお、amazonではいま在庫切れを起こしているそうです。いずれ入荷するとは思いますが、農文協のWebからも買えます。送料は120円なのでこちらでもいいかも。
■農文協通販・田舎の本屋さん
http://shop.ruralnet.or.jp/
■農文協直営書店・農業書センター
http://www.ruralnet.or.jp/avcenter/

以前のエントリにも書いたが、季刊 地域という雑誌のTPP特集号に記事を書いた。この本を、ブログ読者の方20名にプレゼントしたい。これは、僕の会社であるグッドテーブルズが自腹で購入しプレゼントします(偉そうに言ってて冊数が少ないけどゴメン)。なぜかというと、TPPに関するまともな議論はテレビや週刊誌にはほとんど載らないということがわかってきたから。口コミやソーシャルメディアでで伝えていくしかない。
なので、プレゼントさしあげる条件は「ご自分のブログやツイッターで本書の内容の紹介や感想を書いていただける人」とします。もちろん、「読んでみたけど私はTPPは賛成」でも構いません。議論が起こることが重要だからね。
日曜日の朝の報道番組、ねぼけまなこで終わりの方にスイッチをつけたら、ちょうどTPP議論のまとめのころだった。僕も仕分け人として参加した、政府の「規制仕分け」の際に、一緒に仕分け人をされていた方が「TPPは参加すべきなのです!それを契機に農業を改革していかねば!」というようなことを言ってていた。
あーあ、またそれかよ、と思ってしまった。TPP参加と日本農業の改革には、全く連関性がない。だいいち、日本の農業を改革すべきというが、何をどう改革したいというのかをきちんと述べている人も居ない。
しかし、こういう論調の番組がとても多い、というよりそれしかないことにハタと気がついてしまった。つまり、このまま待っていてもTPPの驚異、負の側面について正しく報道する番組は出てこないだろう。多くの原発関連番組のあり方と同じだ、、、
僕が見る限り、日本の農業に「問題」があるわけではない。問題は、農業や畜産、水産業などの第一次産業から生まれる産品を、安く買いたたくことによって産業として成り立たなくさせている消費の側にあるというのが、「日本の食は安すぎる」や、その後「日本の論点」に寄稿して以来の、僕の主張だ。これについては近く、本にまとめていきたいと思っている。
ということで、季刊 地域「TPPでどうなる日本?」を読んでみたいと言う方は、下記フォームにアクセスどうぞ。
■「TPPでどうなる日本」プレゼント受付
http://my.formman.com/form/pc/0uxkBfXn6ZADZlNU/

ハワイに持ち込んだカメラバッグは、つい先日発売になったばかりのKATAのスリング&リュックになるカメラバッグ、3N1-PRO 35PLだ。手前にあるニコンのマークの入った細長いバッグはストロボ用のスタンドとアンブレラを入れる、ニコン&ミレーのバッグ(現在は販売終了)。


http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110926_479662.html
二気室に別れているタイプだが、横幅がそれなりにあるので、70-200mmF2.8並に長いレンズも入れられる。しかもプロユースを意識していて、頑丈でしかも軽い素材が使われている。
もしかするといいかも、と思ってタムロンのレンズと共に出発当日の昼に買ったんだけど、実にいい!

とにかくがっちりした造りで、要所要所をストラップやバックルで固定しているので、機材を思いっきり入れても型崩れしにくい。これは、軽い機材だけで移動するとわからないことだけど、重量級のボディやレンズを持って歩くときには重要なことだ。
しかも、スリングバッグ形態にして持つときのストラップも頑丈だし、パッドが当たる肩や胸に過重なストレスがかからないように、厚めのパッドが装備されている。ご覧のように、サイドからカメラやレンズを取り出す形のポケットもがっちりと固定できて、信頼性が高い。

いやこれ、佳い買い物しました。これより前にもこの形式のモデルはあったんだけど、ちょっとチープな造りで、手を出せなかった。この商品ラインはかなり頑丈にして軽量なので、使えますョ!

さて、ハワイで朝食というとかなりいろいろな選択肢があるのだけれども、今回のキモの一つがこれ。パンケーキだ。日本ではパンケーキではなくホットケーキが一般的だけれども、アメリカ人はパンケーキ。どうやら中身もちょっと違う。まずかならずしも甘いものということではなく、その上に目玉焼きやベーコン乗せて食べたりもするらしい。とはいっても甘いトッピングが一般的みたいだけれど、そのボリュームがすごい!日本なら、小さくて薄いパンケーキ数枚が厳かに皿にのってくるようなところを、こちらでは信じられないボリュームで来たりするのだ。
ハワイでパンケーキが有名な店、、、といえば、実はもうここしかない。表題にある「Eggs’n Things」で、これ、読み方がすげー難しい。最初、ぼくは一平寿司の村岡さんに
「エグズンスィングスがさぁ」
と言われて、一体なんて言ったんだか聞き取れなかった。
「え? エグザイル? なんすかぁ!?」
と間の抜けた反応をしちまった(笑)
発音としては「エグズン・スィングス」という感じか!? メンドイので「エグズ」と略して話すことにした。この店、超人気店で、朝6時半の開店時からすさまじく人が並ぶ!

二階建ての商業施設の、二階フロアがぶち抜きでエグズの店舗になっている。一階には他のテナントも入っていて、写真中央のエグズの看板真下が、エグズの受付になっている。ここにいる係の人に声をかけて自分の名前と人数を記入し、ページャーと呼ばれるポケベルみたいなのを渡される。自分の番が来たらそれが鳴るか、または大きな声で「やまもとさーん!」と呼ばれるという算段だ。
幸いなことに、日本人観光客が客の数割を占めているせいか、日本語ができるアメリカ人または日本人スタッフが対応してくれる。

それにしても尋常じゃない混み方だ。9時くらいに行くともう40分以上の待ち。そうまでしてここで食べたいと思わせる魅力は一体何なのだろう?
さて順番が来て我々も入れていただく。二階に上がると、ドワッと蒸せるようなひといきれ。活気に満ちているのは、落ち着いた夕食ではなく、これから行動するための朝食という時間帯だからだろうか。

日本語のメニューもきっちりとしている。


この店によくきている村岡さんのはからいで、オススメ料理をがんがんだしていただくことになった。パンケーキはプレーンのものにストロベリーホイップのせと、マカデミアナッツパンケーキの二種。アヒ(カジキマグロ)のステーキをプレーンとケイジャンスパイスバージョン。チーズオムレツにワッフル、クレープも。でも、そのオーダーを聴いていた日系人のウェイターさんが日本語でひとこと。
「Oh, I think ぜったいたべきれないよ!(笑)」
マジ?こちら5人だけど、、、 というのは甘かった!

なんとここのパンケーキ、5枚のせがノーマルサイズなのだ!
これ、広角レンズで撮ってるからわりと控えめに見えるけれども、ドッカーンとデカイ皿だからね!

うわさのパンケーキ、ホイップクリームがどんどん溶けていっちゃうのだけれども、実にうまそうである。

正直、日本人なら一人2枚で腹一杯だな(笑)

テーブル上にはシロップが三種。メイプルシロップにココナツフレーバー、トロピカルフレーバーがあるのだけど、プレーンで一口いただく。あたたかい生地はふわふわと言うよりもさっくりとしていて、口当たりがいい。けれども中心部が生っぽいなんてことはない。なんだか涼やかな独特の風味があって、小麦の香りがなんとも心地よい。ホイップクリームはローファットタイプなのか、実に軽い感じなのでそれほど邪魔にならない。
うん、美味しい! リゾートホテルのコンチネンタルビュッフェでパンケーキを食べたことは多々あるが、専門店のそれは全く別物だ。実に上質に美味しいものなんだな、と初めて思った。
こちらはマカデミアナッツ入りのパンケーキ。やっぱり5枚(笑)

生地の中にナッツが入っていてクリスピー&ナッティーだ。

これも正直、シロップかけずにプレーンで食べるのが美味しいな。そのほうが生地の風味がよくわかる。そんなことをいうのは日本人だけなんだろうけどね。
さて、見回してみるとローカルハワイアンやアメリカ人らしきひとたちは、このパンケーキを一人一皿(つまり五枚!)とって、それに一皿卵料理などをとってシェアするというオーダーをしているようだ。すげーなー(笑)
われわれも負けずに食うわけだが、この店、パンケーキ以外の料理がまた美味しい!

感動しちゃったのはオムレツ。店名が「eggs'n」とあるように、卵料理の店なのである。で、ハワイの卵はなぜかとても美味しい! オムレツ自体は日本の洋食店で出てくるようなフライパンの妙技によるものではなくて、半分にパタンと折っただけのシンプルなものだけど、折り目にはチーズが挟まれていて、舌にはカナディアンベーコンとハッシュドポテトが敷いてある。小さなカップに入ったサルサソースをつけて卵を食べると、日本の無味無臭の卵よりもきちんと「卵です!」と主張してくるようなあじわいと食感だ。
しかもどの料理を頼んでも、「○○&Two eggs」のように、卵オプションを着けるのが普通だ。たとえばアヒのステーキには目玉焼きが。

この目玉焼きがまた実に美味しい。食材の仕事をしている人間がこんなふうに書くのも変な話なのだけども、僕は日本の卵の目玉焼きよりも味わいの深さが二段ほどあると感じてしまった。君の色もへんなオレンジ色素を加えてないようで、自然な淡いレモンイエローだ。餌に何を与えているのか、実に気になる。

ちなみにアヒのステーキも美味しいのだけれども、やっぱりカジキマグロはすこし単調。だから、このボリュームのアヒを食べきるために、サルサソースやハッシュポテト、卵というトッピングがあるわけだと思った。

パイナップルをトッピングしたワッフルも頼んだんだけど、これがまたデカイから困った。
んでもってこちらはクレープにフレンチトースト。どちらも日本で出会う味とは全く違う!クレープも、すごく甘いのを想像していたけれども、そんなことはない。生地はもっちり、少し塩がきいているのか、クリームとの相性ばっちり。

フレンチトーストはわりとハードな感じに焼き上がっている。これまた大量のクリーム攻撃!しかもバナナチョコチップがちりばめられている!でも女性陣には実に好評だ。

もくもくと食べ続けるが、男性陣がことごとく「もうダメ!」と音を上げる中、最後まで「あらこれおいしい!」と食べ続けていたのが鈴木夫人だ。

やっぱりこういうスイーティー中心な食卓は、女性のパワーに頼るに限る。
いやー 朝から超満腹!実においしゅうございました。パワーブレックファストというけれども、本当に美味しいね!
ところで、このEggs'nThingsという店が、日本の原宿にもあるらしい。僕はまだいったことがない。同じ名前、同じブランドなので同じ味のパンケーキが出るものと皆思っているだろう。原宿店も行列ができるほどの人気店だそうだ。
でも、原宿店の味はこのオリジナルの味と全く違うそうだ。これは又聞きだけれども、日本法人は原宿店オープンに際し、この店の味とは全く違うパンケーキミックスを採用し、別のものを提供しているそうだ。Eggsの創始者がわざわざ自費で日本に飛び、原宿店でパンケーキを食べたらしい。そして、あまりの違いに帰国後、情けなくて泣いたそうだ。
「あれは私たちのEggsのパンケーキではない、、、」
と。本当であれば、ちょっと後ろめたい話だ。今度、原宿店にいって確認してみたいと思う。
と、どうも苦い話もあるが、ハワイ本店のEggsは実に最高! この冬にはワイキキに二号店もできるという。そっちにも是非行ってみたいものだ。
宮崎で僕が一緒に仕事をしているチームが企画したイベントが明日、九段下のホテルグランドパレスで開催される。宮崎市内の繁華街である一番街で毎月最終土曜日に開催されている朝市イベント「街市」を東京にもってこようという内容だ。
明日、僕は終わりの方になっちゃうけど、夜の19時半くらいから行こうと思っている。もし宮崎の食に関心あるかたは是非ご一緒しましょう。
【小皿前菜で楽しむ”宮崎・佳き食”。Amusée de Miyazaki 2011】
料金:各回3,000円 チケット制
(フードチケット6品・ドリンクチケット2品付き・消費税込)
開催時間:昼の部/12:00~15:00
夜の部/17:30~20:30(入れ替え制)
※昼の部・夜の部とも事前にチケットをお求めください。(現金のみのお取り扱いとなります。)
■農サポの告知ページ
http://www.nousapo.jp/news/item_92.html
えー 実は40歳にして学生になりました(笑)
北海道大学農学院の博士課程に、社会人入学しました。なんで北海道?と言われるかもしれないけど、3年前の北大静内キャンパス、秦先生との出会いを覚えている人なら、経緯も想像がつくだろう。
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■畜産システム研究会の会場となったのは北大の静内キャンパス。なんと470haもの敷地内は、動物ワンダーランドだったのである! 肉牛のヘレフォード種と短角種、そして本物の道産子・馬を観た!
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2009/06/470ha.html
■本物の道産子こと北海道和種馬との再会。北大の静内キャンパスより
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2009/09/post_1373.html
この秦先生のサポートをいただいて、晴れて合格。10月1日から学生です。とはいっても社会人学生ですよ!東京から、月に数回通って論文を書きます。
北大を選んだ理由はいくつかある。第一に農学部が充実していること。母校の慶應には農学部がないのである。それに僕がオーナーになっている短角和牛は放牧に向いた肉用牛だが、放牧といえばやはり北海道が最適だ。そうした研究もここでは手厚い。第二に、まさに在所が北海道であるということ。僕は年の半分くらいを出張しているから、正直なところ放射能から待避できている実感がある。けれどもうちの嫁さんは東京にずーっと居続けるので、できれば離れた場所に連れ出してやりたい。そういうことで北大を選んだ。
北大キャンパスはとても美しい。いっぺんで好きになった。ちなみに、指導していただく先生は秦先生ではない。秦先生は理系の専攻で、僕は農業経済をめざすので、学科が違うのだ。
で、北大における僕の師匠となるのがこちら。
坂下先生だ。お酒が大好きで、権威が嫌い。べらんめえの素敵なオヤジさんだ。
で、いったいどういうテーマの論文を書こうとしているのか、はまた後ほど。これから、キャンパスにいって図書館データベースのアクセス方法を勉強してきます。
昨朝の日経新聞の論説ページで、慶應義塾の教授が「TPPに参加することは、日本がこれまで世界経済の中で発展してきた借りを返す意味もある」というような論を展開していて、ちょっと見入ってしまった。いや、コーヒーを飲みながら記事をばーっと読んだだけだしきちんと覚えてはいないけど、意味のない「乗り遅れるな」論ではなくて、国際協調の観点からすればTPP参加が道徳的なのだという言い方であり、これにはちょっとマイッタ。
僕は倫理・道徳的な部分をつつかれると弱い。何せうちの両親の親世代からクリスチャンホーム(プロテスタント)で、子供の頃から「神は君をいつもみている!」と言われて育ったから、万引きなんかも恐ろしくてやったことがない。こういう論じ方で向かってこられるとうーんと思ってしまう。
けどね、そんなのやっぱ駄目。日本だけが倫理的・道徳的にと言ったって、そんな国を犠牲にしてまで倫理的であるような甘ちゃん国家がどこにある。大新聞やマスコミが、相も変わらずTPPを「農業対他産業」という、一般人からすればどうやっても「農業が引いた方がいい」となるような図式で話をしているのは、非常に気持ちが悪い。医療や労働、金融サービスの問題はなぜ目立った報じ方をしない?野田総理はなぜ群馬県の産地視察へ行く?
いや、そもそもTPPに参加して日本にはどういう幸せが待っているわけ?そこをズバリ、わかりやすく説明してくれた人って居ただろうか?
ということで、これまでも援用してきたけれども、硬派メディアであるザ・ジャーナルのTPPに関連した記事をいくつか提示しておきます。
■特集:TPPとは一体何物か?TPPの真相と深層
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/09/tpp_19.html
ここで山田さんが言っている「極端にいえば、日本は米国の51番目の州になりかねない問題」というのがぐぐっとくる。一昨日までハワイにいた訳だけども、ハワイも独立した王国だったのに、アメリカの州になってしまった経緯がある。そのことに対してはいろんな見方があるけれども、それをとても悔いている人もまた、多いだろうことを感じた。ニヒリストじゃないんだから抗い続けないとね。
そんなわけで、もうしばらくしたら札幌駅です。
さて、マヨネーズたっぷりのホットドックに分厚いパティのハンバーガーを食って、あんましお腹が空いてないけれども、夕食の時間である。実はこんな風に、まだ前の飯が胃袋に残ってるんだけど次の飯の時間がきたるという状態がこの後も続く(笑)
「今日の夜飯はね、ハワイのローカルレストランに行くから!もう、こっちの地元の人たちしか行かないいい店なんだよ!」
といわれるが、実は初ハワイの僕には「ローカル」という言葉の意味がよくわからなかった。ハワイ通の人はご存じの通り、もともとこの地は独立した王国だった。それが様々な経緯からアメリカ合衆国の一州になり、食文化もアメリカのそれがドワッと入ってきて、そうとうにミックスされた。そのうえ日本からの大規模な移民もあり、食文化のミクスチャーはさらに進んだ。そうして紡ぎ出されたハワイの食文化は、もともとの気候・土壌がもたらす潤沢な素材と、大陸の新興食文化、そしてローカライズされた和食の影響をすべて併せ持った特殊なものになったのだ。なんだか日本の南にも似た経緯をもつ食文化がありますネ。
んで、ハワイを訪れる多くのアングロサクソンは観光地にてコンチネンタルな食事を中心にしているわけだけども、一歩(てほど近くでもないけど)裏路地に入ると、ロコつまり地元の人が食べるレストランがある。その中でも、ハワイ中の飲食店のベストにも輝いたことがある名店が、今日行く「Side Street Inn」だ。
村岡さんがタクシーの運ちゃんに「サイドストリートインね、古い方の店に行って!」とオーダー。超人気のこの店、しばらく前に新店を出しているのだそうだ。ヒルトンから10分ほどで降ろされたところは、割と端正なたたずまいのビル。
ここで村岡さん、予約を確認するが、、、「なんか、予約が通ってないって言ってる。おかしいなぁ」
待ち人もおらず、なんかおかしいねといってたら真相判明。タクシーの運ちゃんに「古い方の店」と言っていたにも関わらず、新店の方に来てしまっていたのだ! なんだよ~ハワイのタクシーは信用できんなぁ、、、
ということで再度移動、着いたのは、、、実に何というか、ほんとうの「サイドストリート」って感じの裏路地である!
ホント、裏通りの食堂って感じ! しかしこの店が、予約がないと普通は入れないくらいの大人気店だというのだ。
店に入った時は空席もあったけれども、またたくまにこれが埋まっていった!確かに人気店だ!この店で、村岡さんのビジネス上のお仲間である鈴木夫妻と落ち合う。鈴木さんは神奈川で飲食店と食材卸を展開する方だ。
「今度、海軍カレー食べに来てくださいよ!」
あっ 行きます行きます~!
コナの地ビールをいただきつつ、メニューはハワイ経験の長い方々におまかせ。と思ったら出てきた一皿目で思わずにんまり。
「やまけんさん、これなんだかわかります?エダマメを茹でただけじゃなくて、たっぷりのニンニクで油炒めしてるんですよ!これがこっちの食べ方で、フレーバーはまだいろいろあるんです。」
いやこれ、おもしろいねぇ!
たっぷりの油と、いかにもテキトーに刻まれたニンニクが絡まった枝豆。この枝豆はハワイ産なんだろうか?日本の黒崎茶豆などからすれば大味、けれども大ぶりな豆にだっくだくのニンニク香が絡まって、実に蠱惑的!ビールがしがしの味なのである!
そして、我が愛しのアヒポケ。
マグロのぶつ切りを、ハワイ風の味でヅケにしたサラダである。僕はこれを、八丁堀にある「ラティーノ」でしょっちゅう食べていた。サーフィン好きのマスターやスタッフが日本風においしくアレンジした、ライスサラダ風のアヒポケ。
マスターが「ハワイだともっとうまいよ!」と言っていたのを、ようやく食べることができた!これがまた、実にハワイの、いい意味でゆる~い味付けでよろしいのダ。江戸前の醤油ほどにはキリッとしていない。アミノ酸度もなんとなく低いような印象。そんなハワイの地醤油やその他調味料で味付けされたアヒポケ、緩やかに食べ続けていたい味だ。ちなみにこの滞在中、僕は現地マスターおすすめのアヒポケに悶絶することになるのだが、ここでの体験はまさにそこへ近づく一歩であった。
これ、なんて言ったかなぁ、忘れてしまった。豚肉を柔らかく甘辛く煮てほぐした身のようなのが、中華まんじゅうに挟まっている。これに、甘酸っぱいソースをチョイとかけて頬張るのがまたうまい。
それと、このサイドストリートインの名物料理といわれているのがこれ。
豚リブのパイコー、とでもいうんだろうか、メニューみてないのでわからなくてごめん。ガリンと強めに揚がっていて、食感が楽しい。
しかし!
なんといっても僕がこの店でぶっ飛ぶほどにうまいと感じてしまったのが、これだ!
これこそ、サイドストリートインを訪れる誰もが頼むという、名物中の名物「フライドライス」。
炒飯だろ!?と言うなかれ。ぱっと見だけで全然違うのがおわかりだろう? まずは、具材がとにかくムッチャクチャにたくさん入っている。肉モノだけでもチャーシューを刻んだの、ハワイアンが愛するというポルトガルソーセージなるニンニク風味ソーセージの刻んだの、ランチョンミート風のが入ってる。それににんじん、グリーンピース、オニオン、刻み青ネギなどが、申し訳程度じゃなくどかっと入ってる。
しかも、第2の特徴として、とにかく味が濃い!ハワイ特有のアロハ醤油はもちろんと思うが、そのほか中華ベースだろうと思われる甘辛調味料がドッカーンとぶち込まれているような印象だ。
このフライドライスがやたらめっぽう旨い! 旨い旨いうまい!とどかどか食い進んでしまった。はっと気がつくといつものごとく対面から「すごい食べるんですねぇ~」という声をいただく。いや、我を忘れてしまいました。
このフライドライス、炒飯ではない。ほんと、ハワイのローカルフードだね。以後、どこへ行ってもフライドライスを頼むようになってしまったのだけれども、最終的にもっともおいしいと思ったのは、このサイドストリートインのものだ。
そうそう、このアサリ炒めも旨かった。これにもポルトガルソーセージが一緒に入ってる。貝とソーセージ?こいつがまた旨いんだ。美味悦楽。
これは現地の人が愛するマルガリータ。グラスの縁に着いてるのは、塩ではなくてなにか柑橘系のパウダー。スッパ甘でおいしい!
デザートはもちろん超甘スイーツです。
これは「ピーナツバターチョコレートケーキ、アイスクリーム乗せ」なる、恐ろしい食べ物(笑) 甘党の親友・しんのすけに食わせてやりたい。
そんな衝撃のローカルハワイアンの夜であったのでした。
旨かったぁ!
ということで昨晩10時半に日本に帰着。ツイッター上ではつぶやいていたけど、今回は旅先でかなりマシントラブルに悩まされる日々だった。

これまでウイルスの被害はなかったのだけれども、初めてノートPCにウイルス混入。しかも、ウイルス駆除用のソフトを動かそうとするとそのソフトを動作させなくなるようなマルウェア。iPodTouchでインターネット接続していろいろ調べる。対処法がわかればなんてこと無いのだけれども、動転しているのでうまくその情報を探すことができず。お門違いの方法を試しているうちに、とうとう起動画面でブルースクリーンが出てしまうようになり、そこからは修復も何もできず。仕事用のデータは会社のデスクトップマシンのHDDに二重化しているので、放棄することにしたのでした。

本日、午前中からThinkPadのHDDを違うHDDに入れ替えて、リカバリディスクで工場出荷状態に戻している最中。これがまたムチャクチャに時間がかかる!11時~始めているのに15時半現在、まだ終わりません。明日は朝から北海道なのでノートPCを持参したいのだけれども、、、うーむ 間に合うだろうか!?

それと、今回は標準ズームレンズも落として破損してしまったのだ。とはいっても、18万円するニコン純正の標準ズームレンズではなく、この旅の出発直前に購入した、タムロンの28-75mmF2.8 の方をだ。なにか、予感がしたのだ。今回なにかトラブルでレンズを壊してしまうかもしれない、という予感が、、、それで、代替レンズとして急遽、タムロン28-75mmF2.8を購入した。カメラマンの新藤先生が以前、「このレンズはオススメなんですよ」と仰っていたのを思い出したのだ。

実際、ハワイで撮影してみたら、実にいいレンズだった! ちょっと前のレンズだから逆光時のゴースト出現とかについてはさすがに厳しかったが、逆に言えばそれ以外のシーンでは特に問題なし。いつものニコン純正の標準とは違う、撮ってて新鮮な表現ができたような気がする。これ以降、ハワイ編の写真みてくれればわかると思います。
で、せっかくのこのレンズを、食事中のテーブルから落としちゃったのだ。レンズにひびなどは入らなかったものの、ズームリングとフォーカスリングがひっかかるように重くなった。そしてAFが巧く作動しない。あーあ、と思ったが、マニュアルフォーカスでは特に問題なく撮影できる。なので後半の3日間はマニュアルで撮影した。いい経験になった(笑)

ということで、時間を見ながらハワイ編書いていきます~
ハワイのローカルフード編に乞うご期待。ハワイ在住の日本人お勧め店ばかり行ってきました!
では搭乗しまーす。
ハワイのローカルフード編に乞うご期待。ハワイ在住の日本人お勧め店ばかり行ってきました!
では搭乗しまーす。
ツィートみてくれている人ならご存じと思いますが、TinkPadがウイルス感染してしまい、いろいろいじってたら、マスターブートレコードが壊れちゃったらしく、完全に起動しなくなりました。いゃ〜 色々なことが起こります。そして、この旅用に購入したタムロンのレンズもおとしてしまい、AFが効かなくなり、マニュアルで使うことに。もう大変です。ので、水曜日帰って、かつノートパソコン復旧後にドカンとハワイエントリを書きますね。
一言書くと、ローカルフード最高。特にフライドライスとアヒポケ気に入りましたよ。
回線がそれほど太くないので、いつもより画質を落としてアップ。それでもけっこう観られる画質だなぁ。
コナコーヒー農園の収穫風景撮影とカッピング、そして全米No.1パンケーキのビジネスの絡みでハワイに来ています。
ビジネス展開をしているのは、ブログではおなじみ、宮崎のレタス巻き元祖「一平寿司」の村岡さん。実はこの方、タリーズコーヒーのハワイにおけるフランチャイズの権利を持っている。
ハワイで最初に口にしたのはホットドッグ。
「食べさせたい、ちょっと面白いホットドッグがあるんだよ!」というので、宿泊のヒルトンから昼飯にワイキキへ。
ここがそのPUKADOG。けっこう人気があって、常に人が入っている。
この店の何が面白いかというと、別にパンが特別美味しいわけでも、ソーセージが最高!というわけでもない。何かというとこれ。
バンズなのだ。よくある、上部をナイフで一文字に割ったものではないのだ。この、袋に入れたバンズを、、、
ブスッと太い釘のようなものに刺す!
この、五寸釘より太く突き出ているこの針が熱源なのだ。そこに、バンズをブスッと刺している。これによって、バンズの内部を焼くのだ。しばらくすると、、、
ほら内部がこんがり焼けてます!輻射熱で外までじんわり温かくなっている。お次はこの空洞の中に、ソース類をトロトローっと流し込む!
オリジナルのマイルドソースに、僕はパパイヤレリッシュソース、マスタードをオーダー。
ここに、ソーセージをぶちこむ!
最後に、これでもか!とばかりにソース類をさきっちょにドーン!
いやー実に興味深い。
味もなかなか。ベースが甘いソースなんだけど、なんだかハワイのぬるい空気の中ではすごく美味しく感じる!湿気の多い日本で美味しいと思うかはわからんが、、、これは気に入りました。かなりボリュームがあって、昼飯これだけでも十分てかんじ。7ドル程度。
でも、昼飯のメインはあくまでハンバーガー。
![]()
なんとメニューに「ブラック&ブルー」がある!ドライエージングビーフのNYツアーで食べた、外が焼けてて中はレア状態のあれか!と思ってオーダーしたら、違った、、、ブルーチーズ乗せバーガーのことをそう呼ぶらしい。
やっぱりバーガー文化はアメリカだね。パティが旨いです。
ただ、バンズはわりとふにゃふにゃの食べ応えのないパン。ただいま、村岡さんは食べ応えのあるバンズを開発中だそうだ。
今日は時差解消して、もしかすると夜はハワイ市長と懇談してくるかもしれません。若い市長さんらしい。
そして明日は念願のパンケーキを食いつつ店舗視察、そしてハワイ島へ移動します。
ところで今回の通信環境はこれ。
日本のグローバルデータという会社が展開している海外渡航者向けのモバイルルーターをレンタルしました。ハワイだと3Gまたは高速な4G回線で接続し、WiFi接続を提供してくれるというもの。一日1200円くらいかな。ホテルのインターネット接続より安いし、小さいので持ち運べる。速度もバッチリ。このルーターのSprintという会社が、次期iPhoneを独占販売するらしいですな。
日本でもWIMAX対応のiPhone出て欲しいなぁ。俺、iPod Touchで通信してるからね(笑)
では、ホテルの部屋で原稿執筆しまーす。
北海道の北十勝ファームで毎日牛たちの面倒をみてくれている中村さんから、子牛の写真が届きました。向こうにいる母牛は、この北十勝ファームの上田さんが「やまけんさんに一頭、母牛あげるよ」とくれた牛(笑)
「ぺっぴん」と名付けたのですが、子供が生まれました。これから名前を考えます。でもね、中村ちゃん。この子の性別教えてくれるかな?
ちなみに今日からハワイです。半分仕事、半分お休み。11日までハワイから更新します。

大地を守る会が始めたTTP(ちゃんと、たべもの、プロジェクト)の第2弾コンテンツを書き上げた。今回はお豆腐。
おっとその前に、第一回目に掲載するべきだった、「なんでこんなことやるのか」という宣言文を後から書いてしまったので、まずはこちらを。僕と大地との出会いから書いてます。
■やまけんのちゃんと、たべもの、の秘密
さて、そんで今回とりあげるのは、絶品の豆腐だ。僕が大地を守る会の宅配で毎週頼んでいる「神泉豆腐」。この豆腐の最大の素晴らしさはその水にある。その名も「神泉村」、つまり「神からいただいた泉が湧く村」という、超絶に美味しい軟水が湧き出ている村にメーカーがある。それも、この水に惚れてメーカーが引っ越ししてきたのである(!)


もちろん豆腐はすべて国産大豆。大地を守る会向けの豆腐は、厳しい大地基準をクリアしたものだけを使用している。美味しさの秘密等はぜひコンテンツを読んでいただきたい。
■http://www.daichi.or.jp/ttp/know/vol02/
ところで震災後、いろんなところから「食材、どこから買えばいいの?」という相談を受けている。そしてその全てに「大地を守る会に入会すればいいんじゃない?」と返している。これはいま、このTTPの記事とかで仕事をしているからリップサービス、では全くない。正直、すっげーありえない予算で取材をし、記事を書いてます。でも冒頭の宣言記事を読んでもらえれば、大地と僕の関係はわかってもらえると思う。
で、大地では、シンチレーション式の放射線測定器、ガンマ線スペクトロメータ、そしてむちゃくちゃ高価なゲルマニウム半導体検出器まで購入した(実稼働はこれから)。できる限りの商品を放射線測定し、その数値を公開している。宅配流通の中ではかなり正直な売り方をしていると思う。
それに、ですよ。
放射能の恐ろしさを重視するあまり、食品添加物や残留農薬の問題をスルーしている人が多いが、それらは同じくらいに危険性が高いという見方もある(ここはデリケートなので、あくまで「見方もある」と書いておく)。僕もそう思う。そのどちらも心配した上で産地を見ながら買おうぜ、と言うことになったとき、大地は、まあ信頼できる流通だよ、と言っておきたい。
ただ、こういうことを言う人もいる。
「でも大地宅配って、いいのはわかるんだけど、ちょっと高い、、、」
、、、 そんなの当たり前だろう!
「放射能測定をしていて、危険な農薬や添加物を使っておらず、しかも安い食べ物が欲しい」
なんて、ムシのいい話があるわけがない。膨大なコストをかけて検査態勢を造り、一般商品とは別に選別しているのだから、高くなるのです。
でも、これを安くする方法はあります。それは、大地に会員がもっと入って大きく強い流通になること。そうすればもっとスケールメリットが出て、安くなる可能性もある。生産者やメーカーから安く買い叩いて価格を下げるのではなく、消費者が集まって「これだけ買います」と約束をすることに寄ってしか、誠実な値下げはできない。そろそろ、そういうことをこの国の消費者は認識すべきだと思う。
ちなみに、この記事をみて大地を守る会に関心が出た人に情報。大地を守る会に入会するとき、お試しセットを購入して、その後入会のお誘いがくる。その際に「お友達紹介」というのがある。ここに「やまけんさんの紹介」と書くと、、、あなたにも、そしてわたくしにも、買い物ポイントがつきます(笑)それもけっこうな額の、、、うっしっし、これ見て大地に入会する人はぜひお友達紹介よろしくです。これも一つのアフィリエイトだな、、、

熊本空港に着くと、県庁のナイスガイ・杉村君が待っていてくれた。

彼は「料理王国」のブログの、九州特派員みたいな立ち位置で記事を投稿したりしていた異色の人。彼が居なければ第一回赤肉サミットの熊本参加も危うかったと思う。今回は宮崎北部の出張前に、くまもとあか牛関連の情報収集のために立ち寄ったのだが、思わぬ旨いものと、懐かしの場所への再訪が叶ってしまったのだ!
阿蘇はやっぱり佳い!
いるだけで気分がよくなってしまう、土地の力の強い場所だと思う。僕の農業の最初の師匠である「ぽっこわぱ農園」がここ阿蘇を選んだこともよく理解できる。ぽっこわぱの主であるドニー&佳子夫妻はフランスで出会い、有機農業をしながら一緒に生きていこうと決めた。佳子さんの両親に会うために日本に来たドニーさんは、成田空港のタラップを降りた瞬間に叫んだという。
「なんという強い力!わたし、日本で農業やりたい!」
そして千葉県で、日本初のバイオダイナミック農法を実践する農場を開いた。その十数年間のうちに、高校生の僕も足を運んだのである。ある時ドニー&佳子夫妻が講演に呼ばれて長崎へ行ったとき。初めて九州に降り立った時、やはりドニーさんが叫んだそうだ。
「うわーお、なんてすごい力のある土地!わたし、九州で農業やりたい!」
その後、いろんな縁で熊本の長陽村に居を見つけることとなり、5町歩程度の面積で有機農業を実践している。大学時代僕は毎年、ここに畑サークルの学生を連れて合宿を張った。まさしく青春の地である。
その熊本と、あか牛の関係でつながりができるとはその当時全く思っていなかったが、面白いものだ。

まずは南阿蘇で、周辺で飼養されたあか牛の直売&焼肉店となっている「あか牛の館」へ。

ここで、先般の赤肉サミットに参加&肉を出品していただいた、井 信行さんと再開。

井さんは国産飼料100%のあか牛飼育に情熱を傾ける方だ。阿蘇では広大な土地で牧草栽培が可能なので、イタリアンライグラスなど栄養価の高い粗飼料を低コストで手に入れることができる。これに、麦類やヌカ、おからなどを合わせて給餌することで、国産飼料100%を実現できている。もちろん頭数は少なくて、完全な100%国産は年間で10頭未満であり、75%とか50%国産の牛はもう少し多く出荷できている。
先日の赤肉サミットでは、彼の100%国産飼料あか牛が実に面白い評価を得た。肉を焼いてくれた青山「ランベリー」の岸本シェフは「むっちゃくちゃ旨いッスよぉ!」と気に入ってしまい、今もランベリーでは出してくれているはずだ。いまある肉がなくなるとしばらく入手できなくなるみこみなので、気になる人は予約をして足を運んでみて欲しい(もう亡くなってたらゴメン)
さて、昼飯をどっかで食べようということで移動していたのだが、杉村君がアタリをつけていたところがことごとくダメ。予約必須の店ばかりだったのだ。参ったなぁ、、、

「じゃあ、こっからちょっといった長陽村(ちょうようむら)に、お母ちゃんのお煮染めとか食わせる店がありますから、そこ行きましょう」
と井さん。そこも予約制らしいのだが、なんとかなるでしょうとのこと、、、
ええっ 長陽村に行くの? 心の準備が、、、と慌てつつも、この成り行きを楽しむ僕。ぽっこわぱ農園には、きちんと「そのためだけに」行くものだと思っているので、ここ数回の熊本来訪時も「ついでの」訪問は控えてきたのだが、、、ここまできたら連絡するか、と思ったわけだ。

さて、長陽村で井さんが昵懇にしているというのが、ここ「しゃえんば食堂」。しゃえんばとは「菜園場」とのこと。つまり農家の自家菜園だ。自分とこ用に作った野菜や惣菜を食べさせるよ、という意味。こんな店が長陽村にあったんだっけ?とビックリ。

きけば、ここは鍼灸院だったところを改築してできたそうだ。あ、そういえばドニーさんはひどい腰痛持ちで、針に行ってたなぁ、と回想。その鍼師の先生がお亡くなりになった後、写真家の息子さんがお母ちゃんに「料理やをしてみたらどうか」ということでこうなったそうだ。詳しくはWebを。
■しゃえんば食堂 http://shaenba.com/
案の定、勝手口からとびこみで挨拶すると、「予約制なんですよぉ~」という声が。でも、井さんはここでも顔であった!
「うーーーーん、信行さんを追い返すわけにはいかないからなぁ、、、じゃあ、正規の料理じゃなくてあり合わせになるかもしれないけど、よろしいですか?」 と、切り盛りをする男性。
うわっ もちろんそれで結構です! ということで入れたのであった! 井さんの顔に感謝!

週に3回しか営業しないそうで、完全予約制。しかも美味しい煮染めを作るためにはある程度の人数分を仕込まねばならないため、4人以上の来店がないと営業はしないという方針だが、それでもこの日はほぼ満杯!そんな横に、席をあつらえていただいた。

このしゃえんば食堂の主、長野ミエさん80歳! この方、南阿蘇では有名で、観光ポスターのモデルにも!

このミエさんが作る昔ながらの阿蘇の味の料理を、大皿ではなく現代的な感覚で盛りつけして出してくれるのがこの食堂のミソだ。


今日は急だったで、あまり綺麗に飾れんかもしれんけどゆるしてな、と。信行さんもミエさんも、どちらも阿蘇を代表するキャラクターなのだ。
さて、お料理は思ったより多種類出てくる!まずはメインディッシュのお煮染め。

ここらへんではいりこ出汁でにしめるのだそうだ。そのいりこだしも、煮干しを煮だしたところへ、鉄の棒を真っ赤に焼いたのをジュッと入れる。そうすると、いりこの生臭さが消えるという言い伝えを守っているそうだ。

これも絶品、この辺で穫れる「地キュウリ」。加賀太キュウリのような太さに半白だが、内部はマクワウリのように瑞々しい。苦みもない。これは美味しいキュウリだ、、、

ナスとニガウリの味噌炒め、なます、ピーナツ豆腐、干しタケノコとインゲンのきんぴら、真ん中は青菜数種を茹でて味噌であえたもの。

この、青菜の味噌和えが実に旨くてご飯おかわりしちった。味噌和えってなかなかないでしょう、、、しかもお祖母ちゃんの手造り味噌ですよ。出張一日目じゃなけりゃ、味噌買わせてもらうところだ。

柿なますとずいきの酢の物も美味しゅうございました。
ちなみにご飯はぎんなんご飯!

品数は香の物あわせて10品以上!

もちろん季節によって変わるけど、これは素晴らしいお膳ですよ! しかも、結構満腹になります。それでなんと1500円。たまりませんな、、、

こちら、阿蘇出身で、東京で百貨店勤務や居酒屋経営などを経て阿蘇に戻り、このしゃえんば食堂を切り盛りする「堂守(どうもり)」を任ずる村上さん。この人のセンスが、多分に食堂のカラーとして出ているのだろう。いきなりの来訪なのに、とても楽しませていただきました!


さて、しゃえんばを出て、少しだけ顔を出すためにぽっこわぱ農園へ。

ドニーさん、よっちゃん、よしこさん。かわらねぇなぁ、ホントに。

ドニーさんの前に座ると、僕はいつも、自分がとてつもなく小さな存在だということを実感してしまう。ここではいつまでたっても僕はペーペーです。
わずかな滞在だったけれども、来て佳かった。いつも温かく迎えてくれてありがとう。今度、ゆっくり行きますよ、、、