やまけんの出張食い倒れ日記

牛の肉関係本二冊。 「ステーキ! 世界一の牛肉を探す旅」と「私の牛がハンバーガーになるまで」

ステーキ! - 世界一の牛肉を探す旅
ステーキ! - 世界一の牛肉を探す旅マーク・シャツカー 野口 深雪

中央公論新社 2011-12-17
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沖縄にて、カナダ人のマーク・シャッカー氏による「ステーキ!」を読了。中央公論社の編集者さんから献本いただきました。ありがとうございました!

最初から最後まで、なんというかとても共感をもって読んでしまった。シャッカー氏は旨いステーキに巡り会うため、牛肉の評判の高い各国(登場するのはテキサス、フランス、スコットランド、イタリア、日本、アルゼンチン)を巡ってステーキ体験をする。

そして、挙げ句の果てには自身で牛を手に入れ、牧場に預託する形ではあるが、自分の牛を育ててステーキにするというところまでやってしまう。しかも彼の「旨い牛肉」の方向性は、草で肥育したグラスフェッドの追求なのだ。

なんか、、、おこがましいかもしれないけれども、僕が短角牛たちや土佐あかうしたちとやっていることに似ている(笑) しかも僕もこの冬の終わりごろから、このテーマで本を書く。

実はこういったアプローチの本を一冊、親友ののざけんから貸してもらっていた(あ、ゴメン、まだ借りっぱなしだ)。それがこの本だ。


私の牛がハンバーガーになるまで―牛肉と食文化をめぐる、ある真実の物語
私の牛がハンバーガーになるまで―牛肉と食文化をめぐる、ある真実の物語ピーター ローベンハイム Peter Lovenheim

日本教文社 2004-05
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これは、アメリカ人ジャーナリストが、自分らが日常的に食べているハンバーガーの元となる牛がどのように育っているのかということを追求する本で、この中でも彼は自分で牛を持ち、牧場に預託して育てることとなる。ただしその牛の品種は肉用牛ではなく乳用牛のホルスタインだ。そして、結末も少し違う(ここには書かないでおきましょう)。

どちらの本も非常に共感を持ち(ああ、僕が感じた問題意識と疑問と、そして知識の欠落が!)、筆者が自分の牛に対して持った愛情と、屠畜をしなければならないという局面で覚える悲しみを追体験してしまった。

そういえば今年、国産丸を出荷して以降、岩手県に足を運べていない。他の地域への出張仕事があまりに繁忙になってしまったからだ。僕の短角牛「ひつじぐも」は元気だろうか。もう、お腹が大きいはずだ。5頭目の子を孕んでくれているはず。もう、5年経つのか、、、

そして、高知県の畜産試験場にいる「強力」と「優男」は、それぞれ1月下旬と2月に出荷される。十分に熟成をした後、「食べる会」と「焼き肉セット」を販売することになる。

牛を巡る冒険はまだまだ続きそうだ。中央公論社さん、献本ありがとうございました!