で、カメラの話ばっかりになっちゃったけど、今年の〆は、死ぬほど感動したたべもの。それは伊勢たくわん。
来年またしっかり書くけど、今年の出会いの中で、三重県の様々な食材を巡る旅をできたのがとてもよかった。三重県庁三人娘、というのがいて、その人達の熱意に県内のいろんなところを引き回してもらった。年を越してしばらくしたら、がーっと書きたいと思う。
ということで、来年もよろしくお願いします!
さて、二回ほど「このコンデジすげぇ!」と正体を明かしていなかったカメラがあったんだけど、先日でた週アスに掲載されたので解禁。
富士フィルムのX10です。
いやーもうこのカメラには本当に痺れてしまった。正直な話をすると、オリとニコンのミラーレス機よりも「欲しい!」と思ってしまったくらいだ。
このカメラ、電源スイッチがない。手にして本機で「あれっ?あれっ?」と探してしまった。とうとう見つからず、説明書を開梱して電源スイッチがどこか探すが、、、このカメラにはそういうものは着いていない。レンズのズームリングを回して撮影可能位置にすると、自動的にスイッチが入るのだ。なんだ、そういうことなのね、、、
でも、このズームリング回してスイッチはよくわからなくて、入ったり入らなかったりした。おそらく「ここまで回さないとダメ」とかの位置があるんだろうけど、それを僕が守れてないらしく、うまくオンオフできないことが最後まであった。まあ、でもそれはいいんだ。すっげーよく写るから!
センサーサイズは2/3型。通常のコンデジよりは大きくて、マイクロフォーサーズや1インチサイズのニコンV1よりは小さい。だから最初はそんなに期待してなかったんだけど、かなりぼけるし、出てくる画がとてもいい。センサーの処理ももちろんだけど、レンズがいいんだろう。
そのレンズだけど、レンズ周りには28-112mmと表示してある。これはもちろん35mm版換算の数字であって、実際の焦点距離は7.1mm~28.4mm。けど、使ってる側としては35mm換算値を表示してくれた方がわかりやすいので、これでイイ!と思いました。
F値はF2~F2.8。オリのXZ-1はもっと明るいけれども、このカメラはそれにはこだわらず、全体最適を選んだんだろうなと思った。この写真↓は45mmでF2.5で撮影。
こちらが望遠端の112mm、F2.8。
どちらも実に綺麗な画像。実はこの週アス連載の試用期間中、うっかりRAWの記録をしていなかったので、すべてJPEG撮って出しなんだけど、とくに不足を感じないんだよなぁ。
それと、やっぱりこのカメラは光学式のズームファインダーが着いているというのが特徴だ。
撮影:スタジオATOM 平原氏
望遠域になるにつれて、パララックス(視差)が大きくなってくるから、ちょっと使いづらい。けど、広角側でスナップ撮影するなら使えるし、EVF内蔵のV1と同様、写真撮ってるぜ感が強くなり、満足度高し。
ただ、やっぱりデジタル時代なんだし、何らかの形でのパララックスの解消が欲しいとは思う。
さて、このカメラが「すげぇええええええええええええええええええええ!」と思った、一番のシーン。それは、外部フラッシュをつけての撮影だ。
左側、ボディのホットシューに着いているのが、X10にフィットする大きさの、純正フラッシュだ。これも悪くないんだけども、残念ながら縦方向のバウンスしかできない。対して、右側の大きなフラッシュは、これも純正だけど、デジイチ用に造られているらしく、あきらかにX10には不釣り合いだ。
この外部フラッシュでいえば、ニコン1のシステムが最も先進的だ。というのは、本体から給電して発光し、なおかつ縦横方向へ首を振ることができる、完成度の高いフラッシュがあるのだ。
ただし、専用ホットシューでの接続ということもあって、カメラボディからコード経由で離すことができないのはちょっと残念。本当は、ニコンのデジイチ用のフラッシュであるSB-900やSB-700をワイヤレスで発光させられると最高なんだけどね。
で、富士フィルムX10の場合は、ホットシューが通常のタイプなので、コードで延長することができる。
これは、宮崎県宮崎市が誇る、カメラ好きの間では知る人ぞ知る「よしみカメラ」のTTLストレートケーブルだ。これはなんと5メートルの長さでTTL信号を延長できるコードで、これは本当にスゴイ製品。なぜかというと、キヤノン・ニコン・オリ・ペンタ・富士フィルムそしてリコーなどのカメラに適合するのだ!純正のケーブル使ってる場合じゃありませんよホント。
このコードでX10とフラッシュをつないで、ディフューザー越しに発光させて撮影する。
このセッティングで撮影したのが、何を隠そうこの写真だ。
うーん、ビックリ。ぼけるべきところはぼけ、シャープな部分はがっちりシャープ。ブロアーで吹き飛ばさなかったからレンズの根本についてるホコリまで写ってる。元画像みたらみなさん驚くと思う。A4以上に伸ばした場合にはアラが出るかもしれないけれども、ブログにアップするだけの用途であれば、これでホント十分だと思ってしまった。
ということで、富士フィルムには今後、大注目だね!来年はAPS-Cサイズのミラーレス機も出るそうだけど、これもいきなり上位機から出していくそうなので期待できる。けどね、このX10のラインのほうに、より期待しちゃうね。メーカーに返却するのがもったいないと思う、本当に素晴らしいカメラでした。
今年、ニコンが満を持して発売したニコン1シリーズは、レンズ交換可能なミラーレス機の中でも実にユニークな存在だと思う。というのは、他のメーカーがあくまでデジタル一眼レフ機で実現してきたことをそのままミラーレス機で踏襲しようとしているのに対して、このニコン1システムは全く違うアプローチでシステムを開発しているような気がした。
一言でいえば、ちょっと先の未来からやってきたカメラだ。
先日、新聞記事でこのニコン1を都内の美容室に置いて、お客さんの髪の仕上がりの写真を美容師が撮影したのを、SDカードごともらえるというサービスをしているというのを読んだ。これ、なかなかに上手いアプローチだ。カメラマンでもなんでもない美容師さんが、シャッターおすだけで綺麗に撮れちゃうということを表現しているのだろう。でも、ホントこのカメラなら、それが可能なのだ。
1インチサンズのセンサーは大きからず小さからず。マイクロフォーサーズより小さく、かといってコンデジよりは大きい。うーむ結構中途半端だなぁ、と最初はあまり興味が湧いてなかった。ただ、ニコンの現行レンズとのアダプターも発売されるので、それが出ればサブのサブ機にはなるかという期待があったくらいだ。
そして届いたこのカメラを手にして、すっごく戸惑った。普通のデジカメにはあるはずの、撮影モードのPASMが書いてあるダイヤルがない。俺は絞り優先で撮りたいんだけど、と思ってメニューをいろいろ探してみるが、なんだかよくわからない。ホワイトバランスやISO感度を確認したいのにボタンがない。
そこでハッと気がついた。そういやオリンパスのE-PM1も、ダイヤルがないから仕方なくカメラ任せで撮影したら、割合簡単に撮ることができた。もしかするとこのカメラも、カメラに任せてしまったらいいんじゃないか。そう思って、とりあえず静止画モードというのを選択して、構図を考えてシャッターを押してしまえと割り切ることにした。
その結果! ものすごく快適に撮影することができるようになったのだ。例えば「東京バルバリ」の、実に低照度での料理撮影。
1/15秒ですよ。意外に、ぶれてない。それに、ちゃんと奥はぼけている。全般的に、当たり前だけど、ニコンっぽい画になっています(笑)
この写真↓なんか、ISO2500ですよ!この絵、撮って出しではなくてRAWをSilkyPixでホワイトバランスだけいじって現像したけど、ノイズリダクションはかけてない。ということは、かなりノイズ少ない、、、
いろんなところで書かれているけれども、高感度特性はあきらかにいい。マイクロフォーサーズ機よりも高感度ノイズは少ない。低照度下でも手持ちで十分、いける。それは主に画像エンジンの性能の両方の恩恵だろう。D3以来のニコンの高感度技術がここに結集したという感じだ。
これはISO2200。片手でフォーク持って撮ってるのによく止まったな、、、しかも肉の線維のディティールは潰れていない。
もちろん高感度だけじゃない。っていうか、このカメラの未来性はここからだ。
世界初の撮像面位相差AF機能と、物理的にシャッターをパコパコ動かさないで済む電子シャッターのすごさは使ってみないとわからない。とにかくミラーレス機とは思えないほどのAF速度なのだ。オリンパスのPENシリーズのAF速度もすさまじく速いが、それをあきらかにしのぐAF速度だ。
あとはシャッターがスゴイ。といっても最初、何のことかわからなかったんだけど、説明を読んでいく内にゾワッとしてしまった。シャッター方式を、通常のミラーレス機と同じメカニカルシャッターと、電子シャッター(エレクトロニック)のどちらかを選べる。この電子シャッターがスゴイ!
まず電子シャッターを使うと、ミラーレス機特有の「パコペッ」という、二回シャッターが切れてるような音がしない。電子シャッター方式で無音で撮影すると、これまでのシャッターは何だったんだと思うくらいに静謐だ。
しかも、なんと最速で秒間60コマの連続撮影ができるのだ。
同じような画像が並んでいるのがわかるだろうが、これはNHK宮崎内の食堂(美味しくて安い!)のおっちゃんがフライパンで炒飯をあおっているところを撮った画像を並べている。これが10コマ以上並んでいる。これだけ速い速度で撮影できるならば、炒飯がうまく空中を舞っているのを選ぶことも容易だ。しかもなんと、JPG画像だけじゃなくてRAW形式のファイルも同時記録できる!
ちなみに関係ないけど、そのNHK宮崎の食堂で食った親子丼と漬け物炒飯。
こんな凄いスピードを実現するためには、現段階では画素数やセンサーサイズが大きいと信号を送ることもままならないだろう。そういうことで1インチセンサーと現在の画素数のバランスが決められたのだと思う。
で、冒頭に書いた美容室で仕上がりを写して云々の部分だが、なぜそれが可能なのか?このカメラのウリの機能の一つなのだが、スマートフォトセレクターというのがある。これは、シャッターを押した前後20コマをなにもいわずに撮ってくれ、その20枚の中からよく写っているものをカメラが5枚セレクトして、記録するというものだ。
この機能、「カメラがいいと思う画像を選ぶ」というのがキモだ。僕も数回試したのだけれども、例えば顔が向こうを向いていたり目をつむっていたり、ぶれたりしているものはたしかに除かれるようだ。逆に言えば、目をつむってるシーンが撮りたいとかいうのには向かない(そんなの無いと思うけど)が、だいたい一般的に、こういうシーンではこう写って欲しいという写真が選ばれるみたいだ。使い込むまで借りていないのでなんともいえないが、ニコンはこうした様々なシチュエーションでの撮影データを相当に集め、自動判別できるようなロジックをデータ化しているらしいので、かなり信頼度は高いのだろう。まあ、僕はこの機能は使わないと思うけれども、例えば母ちゃんのような、デジタル音痴な人にカメラを持たせようとか思ったとき、この機種はかなり使えると思う。
ということで、このカメラは、センサーの性能と画像エンジンの性能、そして瞬時に合うAF性能の三つを備えたことで、とりあえずカメラ任せでかなりいい絵が撮れますよ、というカメラととらえるべきなのだと思う。そう考えてみると、いきなり楽になる。
ちなみに今回、EVFが内蔵されているV1を借りたが、大正解だった。
やっぱり、ファインダーを覗いて撮影できるのはありがたい。手を伸ばして背面液晶をみて構図するよりも、眼と鼻骨の間あたりにカメラをがちっと押しつけておけるので、ゆらゆらしないのだ。それに、EVFの性能は極めて良好だ。これからのミラーレス機の上位機種にはEVF必須でお願いしたい、、、
ちなみにレンズは、単焦点の10mm(28mm相当)と、ズームレンズの10-30mm f/3.5-5.6を使用した。10mmはそうとうに寄れるみたいなんだけど、あまり使ってない。昆虫カメラマンの海野さんが撮ったニコン1使いこなしガイドの写真をみてビックリ。最短撮影距離が短くて、けっこう背景がぼける。
ということで、誌面では短くて伝えられなかった感想を書きました。どちらかというと、一眼レフを使ったことがないような、カメラ初心者のほうがこのカメラを使いこなせると思います。先入観ないほうが、楽しめる!
なんだかんだで今年も撮影のメインはニコンD700。
僕がこのカメラを購入したのが2009年の1月17日だったから、丸三年が経つわけだ。その間、画質的に不満を覚えたことはほとんど無い。たしか購入時は23万円程度だったと記憶している。フルサイズ機の価値からすると安い方だが、一般的なデジタル一眼レフからすれば高価。でも、安価なカメラを買って頻繁に買い換えるよりも、よいカメラを買って3年使う方がまったくもってお得だと今では思う。
年が明ければ、タイの洪水の関係で遅れていたニコンも新機種発表が相次ぐだろう。オリンピックイヤーだから、報道用フラッグシップ機の更新はもちろんのこと、このD700後継機も噂されている。3000万画素を超えてくるとか、ローパスフィルターレスにするとかいろいろ噂があるが、実に嬉しい、、、まあ、ほぼ確実に買ってしまうでしょう。
しかし、今年は実にいろんなカメラを触りまくった年でもあった。週刊アスキー誌上のテストレポート記事では、毎回恒例になっているけど僕が興味あるカメラを試用させてもらった。
そして、今年後半には不明よな話題で騒がしかったオリンパスだが、カメラ事業部はなんとかぜひ頑張って欲しい。そのオリからはマイクロフォーサーズ機は今年、PEN三兄弟がデビュー。
この三台のカメラ、どれも個性が違う。けれども三台ものカメラを、店頭でちゃちゃっと触るのではなく、じっくり使い比べることは普通できないだろう。そこを、取材特権で三台借り受け、使い比べてみた。こんな写真↓はオーバーだけど、、、(笑)
そうするとよーくカメラの個性がわかる。まず、誰が撮っても撮影時に最もストレスないのは絶対に最上位機種のE-P3。AFも早いし、メインダイヤル・サブダイヤルがあって操作がしやすく、そしてタッチパネルである。
このタッチパネルというのが最大のポイントで、とにかく使いやすい。
この機種、ごくごく周辺までは届かないが、画面内のほとんどの場所にAFポイントを置くことができる。そして、AFが強烈に早いので、ビュンビュンとフォーカスが合うのだ。
タッチパネル操作には、タッチでAF合掌だけのと、AF合掌+シャッターまで切るの二種がある。これは間違いなくAF合掌だけにしておいた方がいい。指先タッチすることでカメラが揺れてぶれたり、構図が少し変わってしまうことが多いからだ。素早く合掌してくれるので、ここにピントを合わせたい、というところをタッチし、最終的にはシャッターボタンでレリーズすることを薦める。
さて、価格がぐっと安くなるE-PL3という弟分だが、通常はこれを買って満足できると思う。タッチパネルがないということと、フラッシュが内蔵されていないこと、ダイヤルが一つであるがE-P3との違いだ。その代わり、バリアングル液晶(縦方向のみ)が着いている。
僕は、フォーサーズのE-3を持っている時でさえ、あまりバリアングル液晶を使用しなかった。どうも手持ちだと水平や垂直を出しにくくなるので、実用に供さなかったのだ。だから、このE-PL3もとくにローアングル撮影とかする人以外には、バリアンの意味はないと思う。ただし、画質やAF機能はE-P3に準ずるので、お買い得機種である。そうそう、フラッシュが内蔵されていないけど、もれなくホットシューに装着する外付けフラッシュが着いてくるという大盤振る舞いだから、そこは気にする必要はない。
E-PM1については、三兄弟中で最も小さい。画質もAF機能もあまり上位機種とかわらない。その分、操作感が犠牲になっていると思えばいい。でも逆に言えば、初心者だったらカメラが持つオート機能で撮るケースが多いだろう。オリンパスのカメラにはi-Finishというモードがあって、カメラの児童判断でその場に最適な設定にしてくれる(たまに色とか間違えるんだけどね)。それを考えると、E-PM1はカメラ任せで撮るということにすればいいカメラなのかもしれない。
ちなみにオリンパスから出た今年最高のブツはといえば、45mmF1.8というレンズだ。
これ、間違いなく名玉。しかも安い! F1.8という明るさで、ボケも実にいい。
ピントの合った部分のシャープさはさすがオリンパスという感じだ。
何より、人を撮影したときにこのレンズは真価を発揮する。
こうした写真を撮る際に、PENシリーズの三兄弟どれでも共通する武器がある。それは、顔認識機能だ。
どのミラーレス機にも着いている機能だけども、オリンパスの顔認識も優秀で、顔のなかでも瞳にピンを合わしてくれる機能がある。しかも、よりレンズ面に近い方の瞳を検出してそこに合わせてくれる。もちろん、被写体が激しく動いてる場合は外しちゃうことが多い(うえの最後の一枚もずれてる)けど、そこはまあ仕方がない。静止してもらっている被写体ならバッチリなのだ。
つまり、45mmレンズを装着し、顔認識機能をオンにしておけば、誰でも背景が大きくぼけたポートレート写真を撮ることができる(このとき、被写体と背景はできるだけ離れているのがよい)わけだ。
ということで、この組み合わせならE-PM1でもOK。PENを買うならとにかく45mmレンズは絶対に買った方がいい、ということでした。ただし、いいことだらけじゃない。PENシリーズは高感度性能に期待しないようにしてほしい。ISO1600以上は、僕的には緊急用という感じだ。ある程度の明るいところで撮影するのにむいたカメラという位置づけです。
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沖縄にて、カナダ人のマーク・シャッカー氏による「ステーキ!」を読了。中央公論社の編集者さんから献本いただきました。ありがとうございました!
最初から最後まで、なんというかとても共感をもって読んでしまった。シャッカー氏は旨いステーキに巡り会うため、牛肉の評判の高い各国(登場するのはテキサス、フランス、スコットランド、イタリア、日本、アルゼンチン)を巡ってステーキ体験をする。
そして、挙げ句の果てには自身で牛を手に入れ、牧場に預託する形ではあるが、自分の牛を育ててステーキにするというところまでやってしまう。しかも彼の「旨い牛肉」の方向性は、草で肥育したグラスフェッドの追求なのだ。
なんか、、、おこがましいかもしれないけれども、僕が短角牛たちや土佐あかうしたちとやっていることに似ている(笑) しかも僕もこの冬の終わりごろから、このテーマで本を書く。
実はこういったアプローチの本を一冊、親友ののざけんから貸してもらっていた(あ、ゴメン、まだ借りっぱなしだ)。それがこの本だ。
| 私の牛がハンバーガーになるまで―牛肉と食文化をめぐる、ある真実の物語 | |
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これは、アメリカ人ジャーナリストが、自分らが日常的に食べているハンバーガーの元となる牛がどのように育っているのかということを追求する本で、この中でも彼は自分で牛を持ち、牧場に預託して育てることとなる。ただしその牛の品種は肉用牛ではなく乳用牛のホルスタインだ。そして、結末も少し違う(ここには書かないでおきましょう)。
どちらの本も非常に共感を持ち(ああ、僕が感じた問題意識と疑問と、そして知識の欠落が!)、筆者が自分の牛に対して持った愛情と、屠畜をしなければならないという局面で覚える悲しみを追体験してしまった。
そういえば今年、国産丸を出荷して以降、岩手県に足を運べていない。他の地域への出張仕事があまりに繁忙になってしまったからだ。僕の短角牛「ひつじぐも」は元気だろうか。もう、お腹が大きいはずだ。5頭目の子を孕んでくれているはず。もう、5年経つのか、、、
そして、高知県の畜産試験場にいる「強力」と「優男」は、それぞれ1月下旬と2月に出荷される。十分に熟成をした後、「食べる会」と「焼き肉セット」を販売することになる。
牛を巡る冒険はまだまだ続きそうだ。中央公論社さん、献本ありがとうございました!
今回のハワイ編で、現地でお世話になった一人が伊藤園ハワイ常駐のタローさんだ。実にナイスガイで、ローカルグルメ好き、しかもカメラ好きでもあるのですぐに仲良くなった。
伊藤園の製品はかなりアメリカ市場にも食い込んでいるようで、一番売れ筋はTEAS’ TEAという商品群だ。しかし、ここハワイにだけあるイチオシ商品があるという。
「アロっていう商品なんですけどね。三種類のフレーバーがあるんですが、すべてにアロエ果肉が入っていて美味しいんですよ!」
というので、三種をコンビニエンスストアで買い求めた!
アリュール、エクスポーズド、アウェイクンの三種があるが、タローさんとしては「アウェイクンはちょっと日本人向きじゃないと思います。お勧めはアリュールかな」という。
エクスポーズドがこちら。
おおっ本当にアロエ果肉がタップリ入っている! ごくごく淡く甘い、ライチのような香りにすーっと清涼感を感じるような味。それにアロエ果肉のなんともいえないニュルシャクッという食感が絶妙にマッチする!
アリュールはマンゴーやマンゴスチンフレーバーのようなリッチな味。とても美味しいけど、僕はエクスポーズドのシンプルで清涼な香りが好きだ。
アウェイクンは、、、なんだろうこれ?独特な味だ、、、
このアロ、タローさんも自信の一品なんだけど、日本市場ではアロエ果肉を入れた際の衛生関連の基準が厳しすぎて、売れないのだそうだ。残念。生肉関係といい、日本の食品衛生はヒステリックなまでに基準が高くなりすぎているきらいがある。最近は、それが味や文化性まで損なっているように感じられるので、ちょっと警戒しているところだ。
そんなことを思いながら、この滞在中、エクスポーズドを3本呑みました。タローさん、教えてくれてありがとう!
ホテルのライブラリーにある写真集の背表紙を観ていたら、「緑と水のおくりもの 大山ターブックヮ」という不思議なタイトルが。不思議に思ったのは、大山という日本語とターブックヮという、知らない響きが混在しているからだ。引き出してみたら、里芋畑のような表紙。そこではっと気がついた。これは沖縄の田芋だ!ということは、「ターブックヮ」とは、田圃のことではないか。
表紙をめくり、ぱらぱらと観ていくと、実に素晴らしい写真で構成された、沖縄特産の田芋(ターンム)産地の写真集だった。大山というのは宜野湾市の地域名で、豊かな湧水に恵まれた一大田圃ゾーンだそうだ。以前から田芋にとても興味があったのでむさぼるように読んだ。うん、この写真集は絶対に買う。何より著者の伊佐實雄さんの写真と文が実に素敵だ。長くJA職員を勤めた後、いまは生産者として大山で田芋を作っていらっしゃるそうだが、大山に居る人にしか撮れないような画ばかりだ。思わず僕もこの大山地区に行きたくなった。
この本、琉球新報社から出版されているようだ。絶対に買おうっと。
大地を守る会とともに取り組んでいるちゃんと・たべもの・プロジェクト、略してTTP(笑)は、もちろんTPPなど日本の食の風景をがらりと変えてしまいかねない政治の流れに対して、消費者自身がちゃんとたべもののことを考えることから事態を変えていこうという運動だ(と思いながら書いている)。
少し間が空いてしまったが、、、ようやく僕も福島のことを書いた。時間がかかったのは、とにかく繁忙であったこともあるけれども、やはりそれだけではない。たべものに携わる人間として、福島の農産物をどうとらえたらいいのかという問題は、あまりにヘビーで取扱注意だからだ。
――でも、ようやくまとまった。
僕が10年ほど前から愛してやまない、日本で最も旨いと思うコメを生産する団体・ジェイラップ。福島第一原発から約70kmの須賀川市にメインの田圃が集中する。当然、空間線量率は高くて、持って行ったウクライナ製ガイガーカウンターのECOTESTは0.3以上、場所によっては0.4以上となっていた。
しかし、このジェイラップの田から収穫されたコメは、スペクトロメーターで測ってもほとんどが10ミリベクレル以下、さらに精度の高いゲルマニウム分析をしても同様の低い数値しか出なかった。それはなぜなのか。そうしたことを書きました。
こちらから、お読みくださいませ。
■日本最高峰のコメ生産者・ジェイラップの取り組みを観て、ふれあって、食った!そして僕はこう考えた。
http://www.daichi.or.jp/ttp/know/vol03/
一足お先に休ませていただきます。
時間ができるから、ブログ更新と読書です。
延岡のビジネスホテルにチェックインし、すぐに向かうは漁師料理の店、と訊いていた。リエちゃんが「とにかく美味しいらしいから!東京からわざわざここに食べに来る人もいるんだって!」という店に行くのだが、なかなか見つからない。夜の延岡をフラフラ歩くうちに、見つけましたよ密やかなたたずまい。


■日本料理 きたうら善漁。
宮崎県延岡市本町1-3-14
http://zenryomaru.jp/
店内は実に清潔感あふれ暖かな照明だが、ピーンと張り詰めた感じの空気。日本料理の一本勝負!という感じだ。ちなみにこの店はEM豚のヘビーユーザーだという。だから、ずいぶんと手厚く遇していただいた。
しかし、、、この店、ものすごい実力の持ち主だったのですよ!

まずは白和え。

あまっぽい感じの味付けがベースになる宮崎だから、白和え餡の味はどうだろうかと思ったら、実にその中庸というか、ふっくりとした甘さに品がある。菜も茸類も素材の食感が活きている。おおっこれは期待できるぞと思ったのだ。
そしていきなり椀が登場。

鱧 菜っ葉 佐土原茄子のお椀

出汁、淡すぎず力強さがあるが、品を保つ。微かに浮かぶ玉になった油がどこからしみ出てきたのかと思ったら、宮崎市の佐土原町に伝わる佐土原茄子を、事前に油で揚げていたらしい。

美味しい、、、トロリとしながら、油でカラメリゼされた部分に香りと甘さが宿っている。
魚は、34時間熟成させたハタ、日向灘の真鯛、島野浦よりゴマサバ。

いやもう、、、美しいね、、、何より、マグロがのっていないのが嬉しい。

ここの主人は、フォーマットにはこだわらず、その日仕入れて旨いと思えるものしか出さないという意気込みが伝わって来るじゃないか。

醤油は宮崎特有の甘醤油ではない。小豆島のものらしいが、熟成によってアミノ酸を発生させたハタや鮮度のいいマダイの身肉の香りを消さずに旨さを引き出している。
眼を見張ったのは揚げ物。ちょっとビックリするくらいに大ぶりなメヒカリの唐揚げが出てきた。しかも二尾!

比較対象するスケールがないので伝えにくいけど、とにかくでけぇ!

「こんなんが、けっこうこの辺の海では釣れるんですよ。ほかんとこの海から魚買うより、地元のが一番旨いんです」
という大将。

ほれこのとおり、ほっこりホロホロと口にほぐれる身肉は、実に上品な旨みとホクッとした香り。素晴らしい!

この間、ヨシチクのお母ちゃん、そして跡取りの勇作君と楽しい語らい。

ヨシチクの養豚はこれまで、さまざまな気づきをえながら、苦労して進化してきたということがよくわかった。そして時代を担う勇作君は、業務をひととおりこなせるようになったところ。でも、僕が「これはやったの?あれは?」と尋ねると、「えっ そこまで試してみませんでした!」と、、、ということは、まだまだこれから伸びしろがあるってことだぜ!ヨシチクの肉はあと5年すると、もっと佳くなる!末恐ろしいことです。今の時点で十分旨いのに、、、

こういう席で実は僕はあまり酒を飲まないようにしている。なぜなら酒はカロリーの塊。食べることと呑むことを一緒にガンガン俺のペースでやってたらすぐに成人病になっちゃう。
けれどもこの日は美味しい酒を飲みたかった。亮天という地酒、軽やかで料理によく合いました。

酢の物のなますを挟んで、いよいよメインディッシュ!
吉玉家より 上ロースとフィレ

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ
なんちゅう火入れなの?

ロースにもじんわり中まで火が入り、、、

ヒレにも絶妙な火入れ。双方を同じタイミングで出せるところが経験を語る。

いや、絶品ですよこの豚ロースト!いわゆる「休ませ焼き」だと思うが、この技術はいったい、、、?日本料理でこんなことやるんだっけ?
実は店主の吉田善彦さん、日本料理を修行した後、フレンチでも修行をしている。そして、彼は気づいたそうだ。
「あ、俺、修行はもうこれでいいわと思ったんです。大阪の一流店で出している素材も料理も味わったけど、やっぱり地元の延岡の漁港で水揚げされた魚の方が旨いわって思ったんです。なんで、戻ってきました。」
こういう風にさらりと、地元を誇ることが出来るのが羨ましいね!

さて〆のご飯は土鍋炊き。

僕の大好きなミルキークイーンです。もちろんこれも北浦産。

定置網でひっかってたよ、という風情のなにげない魚の干物。しかしこいつが極めつけに旨かった!吉玉のお母ちゃんが残したのをいただいちゃった位です(笑)

アラ汁の味噌はやはり麦中心の甘やかな汁。俺好みだぜ!

いやぁ、素晴らしい!ワンダフル!感動的な3時間でした!
ようやく、笑ってくれた店主と女将(笑) 「いやー緊張しましたわ~」 マジですか?

宮崎に、それも延岡にわざわざ行く用事ってあまりないかもしれないが、もし行くことになるのなら、、、必ず予約をして行った方がいいお店であることは間違いない!
俺はもうすでに再訪したくてしょうがない、、、吉田さん、吉玉一家のみなさん、ご馳走様でした!

さて五ヶ瀬から高千穂峡を通って延岡に抜け、養豚場へ向かう。吉玉畜産(ヨシチク)のお母ちゃんと一家に会いに、だ。
宮崎県商工会議所との仕事で、農商工連携や6次化をめざす生産者の人たちの手伝いをしてきた。その中で、自分のところで育てている豚をどうやって世に出していこうかと試行錯誤しているヨシチクの一家に出会ったのだ。

ちよちゃんのみそ豚。この、豚肉を自家製の味噌で漬け込んだ商品を食べて、僕は唸った。

うーん。こいつぁ豚も味噌も旨い!

融点の非常に低い、さらりととける脂。南国・宮崎の豚らしく開放的な、柔らかい肉質。けれども嫌な臭みはほとんど無し。
きけば農産物のボカシ肥としてよく使われているEM菌を米ぬか等で培養したものを、餌に入れているそうだ。そうすると、腸内細菌の活動が活発になり、免疫力も上がり、結果的に投薬をまったくせずに豚を育てることができるようになった。通常、飼料メーカーから供給される餌には抗生剤等が添加されているケースが多いのだが、それを頼み込んで辞めてもらった。しかしそれ以降、深刻な病気に悩まされることは一切なくなったという。
副次的な話だが、この豚肉はアレルギー症状のひどい子供でも食べることができた、という報告が、当の本人の家族から寄せられている。ほかの肉を食べるとアレルギーで酷いことになるのが、EM豚ではまったく出ないそうだ。だから、この子は月に数回のEM豚配達の日を心待ちにしているという。
このヨシチクにようやく顔を出せる!

延岡の、マラソンコースにもなっているメジャーな街道沿いに、ヨシチクはある。
EM菌を使う以前は、マラソンランナーが糞の匂いに顔をしかめて通り過ぎるのを申し訳なく思っていたそうだ。ある日、男性が「あんたのところの糞尿の匂いはひどい。これを使ってみんか?」とEM菌を持ってきたそうだ。そこで試行錯誤して使っているうちに、糞尿の匂いも消え、豚の体調もよくなり、味もグングン向上してきたというわけだ。
僕はEM菌は数ある有用微生物資材の一つであり、とくにEM菌じゃなきゃダメ、というものでもないと思っている。ただ、このヨシチクとは非常に相性がよかったのだろう。結果的にいい豚が生まれているので、効果はあったと言うことだと思う。

まあまあ、やっときてくれたのねぇ~とお母ちゃん。 なかなかの美人なのである。
そして、頼もしい3代目となる勇作君。

航空自衛隊のパイロットあがりの、できる男である!
まずは豚舎をみせていただく。
「ごく普通の養豚経営なんですけどね、、、」
というが、まあ本当に糞尿の匂いがあまりしない。

中には、あまりの臭気に圧力のようなものを感じることがある豚舎もある。なんというか、匂いってのは質量をもってるんだなぁ、と思うような、匂いの粒子が着々と身体に溜まっていくようなのを実感することも多い。
けど、この豚舎にはそんな匂いは皆無。写真の見た目上、清潔感を感じないかもしれないけれども、実はこの撮影時は9月下旬の暑い最中。普通なら過発酵した糞尿の匂いがすごい時期だが、そんなきつい匂いは皆無だったのだ。


暑さにもかかわらず、子豚の発育も非常にいい。その原動力となっているのが、EMを培養させた独自の飼料だ。

「これがうちの豚の最大のミソです。」
とさらさらさせているのがEMボカシ。

香りが実によい!あまい醤油のような香りがするのだ。思わず僕は一口食べてしまった。

原則として、人間が食べて不快なものは動物が食べても不快だと考えよ、と僕は獣医師さんに教わった。このボカシ、米ぬかなど混ぜていると思うが、綺麗に乳酸発酵していて実に美味しい。アミノ酸の塊だ。


そのせいかどうかわからないが、子豚の生存率もなかなかに成績がいいらしい。


お父さんもおとこまえ!美男美女カップルから生まれた勇作君だから、男前なんですなぁ。
さて、事務所前のテントで、「直ちゃん」でメシをたっぷり食ってきたのに、豚肉三昧(笑)!


これは、余ってしまう腕肉でつくったという自家製ハム!これが、筋の部分のこりこりした感じが実にいいできあがり。これも売れるんじゃないの?

ヨシチクでは、通常の市場出荷もしているけれども、数頭分をEM豚として直売している。だから、カット設備もあって、いろんな人が立ち働いている。

焼き肉用ロースや、、、

とんかつ用カットも販売している。

EM豚の豚バラしゃぶは、実にクリアな味で美味しい!

南国系の豚は、特有の獣臭さを持つものが多いが、ここのEM豚は匂いが押さえられている。クリアな味わいだ。

そして、なんといってもここの味噌漬けが旨い! 通販もやっているので、興味のある人はぜひお取り寄せを。
■吉玉畜産精肉部
〒882-0083 宮崎県延岡市柚木町738
0982-33-1087
もちろん、宮崎市のスーパー「フーデリー」でも買えるはずだ。

リエちゃん、リエコさんと記念写真。いい応援団がついてますな!
さて、この日の夜は、EM豚を扱ってくれているという延岡の店で一緒に食べることに。では、後ほど会いましょう~!


NHK宮崎の美人ディレクター・A藤ちゃんから連絡があった。
先日の番組が再放送されることになりました。
17日(土) 10:05~
九州沖縄地方全域です。放送区域が増えました(笑)
農家さん達から恨まれないように、私も気をつけます(笑)
ということで、僕も出演しているこの番組、めでたく再放送だそうだ。評判よかったらしい。
この番組の最初の方で、僕は宮崎牛の肥育農家さんたちが居並ぶその前で、
「宮崎牛が有名になったのは、前知事のPRと口蹄疫が重なったからであって、特に美味しさで有名というわけじゃない」
という発言をして、さーっと会場内を凍り付かせている。そういうところで、「農家さん達から恨まれないように、、、」ということなのだ。けどこの番組に関しては、NHKよ、よくぞ創った!と思っている。
黒毛和牛は言うまでもなく日本の宝だ。けれども、黒毛優遇の価格決定システムを維持し続けてきたため、いまや日本で飼養されている肉牛の46%が黒毛。次いでホルスタインやF1などの乳用種。残る短角やあかうしたちはたったの1%である。
では黒毛和牛の肉は消費者から歓迎されているのだろうか?というところが重要で、この番組内では、当の宮崎県内のスーパーでの聞き取り調査を行っている。その結果、消費者が求める肉についての、驚くべき事実が明かされる、、、
ということで、肉を愛する全ての九州・沖縄地方の皆様にみていただきたい番組です。見終わっても僕に石を投げないでネ。
みやざきスペシャル
「よみがえれ"畜産王国" ~宮崎県産牛 再興への道~」放送予定
12月17日(土) 午前10時 5分~11時18分(再)
※11月25日(金)に総合で放送した番組の再放送です。
去年、宮崎県で発生した口てい疫を始め、生肉による食中毒事件や牛肉からの放射性物質検出など、畜産を取り巻く現状は最悪と言っても過言ではありません。特に牛肉の生産は宮崎県を支える産業の大きな柱です。これを元気にするためには、どうすればいいのか?消費者の皆様のご意見も参考にしながら、畜産農家や流通コンサルタント、大学教授など県内外の専門家をスタジオに招き、討論します。

さて五ヶ瀬からギュギュギュッとふもとに降りて、宮崎県北部の延岡市へ。 あっ よく考えてみたら、延岡に来たのはこれが初めてだ!もう数十回も宮崎に来ているのに、こちらへは無沙汰というかまったく足を向けることがなかったわけだ。実は延岡へはいつか行かねば、と思っていた。それは僕が愛する宮崎の郷土食の一つであるチキン南蛮の元祖がここにあるからだ。
「直ちゃん」は、チキン南蛮を生み出した店である。その元祖チキン南蛮は、宮崎市内などでチキン南蛮に慣れ親しんだ人からすると、大きな違いがある。タルタルソースがかかっていないのだ。
「いや、こっちが元祖で、タルタルなんてかけてなかったんだから、驚かれても困る」
と延岡の人は言うかもしれない。が、いま全国的にチキン南蛮として識られているのはタルタルをかけたものである。ちなみに、宮崎県の学校で家庭科実習で習うチキン南蛮のレシピには、タルタルが記載されている。このブログの2003年の過去ログに紹介してあるとおりだ。
■2003年11月21日 これがチキン南蛮のレシピだ!
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2003/11/post_89.html
以来、いろんなチキン南蛮を食べてきたけど、直ちゃんはこれが初めて。詣でるのがおそくなって申し訳ありませんでしたという気持ちで一杯です。
初めて歩く延岡の繁華街だが、実にいい感じに地方都市の繁華街っつう空気が漂っている。

和風スナック「延岡すずめ」入ってみたいぜ!
そんな、細い通りに直ちゃんが、飾り気なしに建っている。


店内手前のカウンター席は結構うまっていて(昼時だからね)、奥の座敷へ。

お品書きは実にいさぎよし。チキン南蛮と鶏のタタキ風、鶏もも焼き、串焼きという感jじで、一貫して鶏肉料理の店である。

チキン南蛮定植と単品で鶏モモ焼き、タタキ風をオーダー。程なくして、元祖チキン南蛮が登場した!じゃじゃーん!

出てきた瞬間、オオッと思った。というのは、チキン南蛮の最大の特徴である衣が実にふんわりと立っているからだ。

勝手ながらチキン南蛮の最大の特徴は、衣の作り方にあると思っている。普通は小麦粉やパン粉などが外に来るところを、チキン南蛮は先に小麦粉をまぶし、それを卵液にくぐらせたのを脂に投入する。つまり卵が外になるのだ。こういう揚げ物って結構少ない。
ただし宮崎市内でみかけるチキン南蛮は、その多くが純粋な卵の衣ではないことが多い。つまり、独自に卵液にさまざまな粉を配合したものを使っているところが多いように思う。つまり唐揚げ甘酢づけにタルタルをかけた、というものが結構に多いのだ。
しかしこの直ちゃん元祖のチキン南蛮は、ほんとうに卵が外側だ。このちりちりに縮れている衣は、したたるような卵液をまとった鶏肉が油に入り、ゆらゆらと踊りながら火が通り固まったという様を実にダイレクトに想起させてくれる仕上がりになっているではないか!
しかし、面白いことに気がついた。

ご覧の通り、表面はちりぢりに縮れているが、裏面はほとんどこのちぢれがない。これはなぜ?とおもいつつ一口。卵の衣は甘酢を通したことによってふんわりした食感となっている。甘酢の酸味はマイルドにねかされているのでむせかえるほどの強さではなく、実にやわらかな香り。肉はもちろんチキン南蛮の正道である胸肉。若鶏特有の柔らかさで、ボソッとしないいい火加減で熱が通っている。
美味しい、、、
タルタル付きチキン南蛮の、わりと獰猛にズンズン押してくる味ではなくて、ホッとするような柔らかな味だ。甘酢の味が本当にマイルドなので、全体的にやわらかいイメージとなるのだろう。でも白飯はズンズン食える。ほんと、宮崎のおぐらチェーンが広めたチキン南蛮とは別物の味である。ちょっと、感動してしまった。

タタキ風と鶏モモ焼きも食べてみて思ったのだけど、同じ宮崎県でも北と南で全然違うな、と。直ちゃんで出てくるものは基本的に若鶏か銘柄鶏を使っているからだろうが、炭火で真っ黒に焼いたあのインパクト系の鶏肉ではなく、あくまで柔らかな感じ。

だから宮崎市内の人間からすると「味気ない」「おとなしすぎる」と映るかもしれない。
けど、きっとこれがこの延岡周辺の人たちの舌に合う味なのだろう。とにかく、全体的に丸く柔らかい。そんなイメージの昼餉でした。

元祖チキン南蛮のタレが売っていたので、もちろん購入!

ご主人にあの、チキン南蛮のちぢれがなんで片面しかないのか聴いてみた。
「そりゃあ、揚げる時に裏か表かになるわけだから、どっちかしかちりぢりにならないよ」
あ、そうか! なるほどおそらく上になった方の衣が、鍋底から上に向かう油の対流によってちりぢりになっていくわけだ。納得しました。
元祖チキン南蛮、大変に美味しくいただきました。そして、歴史を学んだ気分です。うん、また食べたくなってきた、、、


熊本から宮崎へ入るのはなかなかに遠い道程だ。長距離バスに乗り、揺られに揺られて五ヶ瀬町の停留所に降りると、宮崎で僕が最も頼りにしている女傑・宮田りえちゃんが待っていてくれた。

一緒に居る(右)のは、シンガーでもありフード系のこともいろいろやっておられるという寺本りえこさん。
■寺本りえこさんのblog http://plaza.rakuten.co.jp/riecon/
「いやーん いつかは会うと思ってたのよ~」 と最初からフレンドリーで美しき彼女、ここ五ヶ瀬の出身なのだそうだ。震災炊きだしボランティアを積極的にする中で、今回スケジュールもあり、地元を案内していただけることに。
「まずはね、うちの実家でお茶飲んで!」
ん?実家?その辺の農家さん? と思っていたらビックリ!

ここが実家なのです、、、(笑)
宮崎県ではこのしだれ桜に花が咲く頃、かならずニュースで「五ヶ瀬の浄専寺(じょうぜんじ)のしだれ桜に花が咲きました」と報じられるそうだ。りえこさんは、それほどに有名なこのお寺の娘なのであった!


いろんな由来やら何やらがあるんだけど、僕が感動しちゃったのはこれ。

五ヶ瀬最初の茶園、とある。宮崎県は鹿児島や福岡と同じく茶の栽培も盛んだ。しかしこの五ヶ瀬で最古の茶園があるとは!
「あらら、お茶すき? そこくぐったところにあるわよ。けど、手入れしてない時期だから恥ずかしいなぁ、、、」
と言われるのを無視して突き進むと!


ありましたよ茶園が!

やぶきたとかの、よくある品種ではないらしい。確実に50年以上は経っているのであろう、だって「いつ植えたのかわからないかなぁ、、、」ということだから。

山あいで水がとても清らかなこの地の茶、旨いだろうなぁ、、、
「あ、いま義理の妹がお茶煎れてくれてるから」
マジスカ?
「はぁ~い、お茶、煎れますね!」



このお茶、どこで製茶しているのかというと、なんとその義理の妹さんのご実家!お茶問屋さんなのだそうだ!ひえーーーこのお寺、お茶に相当、縁があるわけだ。
このお茶、実に実に健康的な、すっきりとした味わいでした。なんか、40才になってからいくつかの嗜好が変わってきたのだけれども、以前のようにアミノ酸度の高い濃厚な味わいの煎茶に、くどさを感じるようになってしまった。伊勢で出会った茶もそうだったが、余計な旨みを添加していないお茶をすっきり呑みたいというほうにシフトしてきている感じだ。その嗜好からするとこの浄専寺のお茶、とても佳いお味。

お茶うけのポン菓子もこれまた自家製。ポンをしてくれるところに自前の玄米を持っていってやってもらうそうだ。

それにしてもこんな庭(?)を眺めながらのお茶タイムは贅沢の一言!

りえこさん、すごい実家だねぇ、、、
「いやいやそんなの感動してる場合じゃないから!それじゃ、次は綺麗な場所観に行くよ!」
と旅はまた始まるのであった、、、
だいぶ疲れてます、、、前のエントリは出張前に書いたもの。今週はブログ書くペース落ちますのでよろしくお願いします。本日、帯広にて一件こなしてから、札幌へ移動します。
高知の夜の最終地点はやっぱり「なとな」だ。
このはちきん女将の声に癒されに行くのである(笑) シケのせいでいい鰹がなかったと言うことで、軽く皮目を炙ったサバを塩タタキに。
宮崎の食品スーパー「フーデリー」の宮田武虎も言うのだが、宮崎と高知の魚種も野菜や果樹もとてもよく似てるんだけど、食べ方は一枚も二枚も高知の方が上手、と。塩タタキのざっくりした美味しさ、だいたんな塩加減はたしかに高知の方が上だよなぁ。
「だいたい、高知ではニンニクをスライスで大きいのを出しますが、宮崎では細く切ってしまいます。どっちが旨いかというと、高知方式の方が旨いんです。だから、うちのタタキに添えるニンニクは高知カットでやってます」
だそうだ。
二の皿はウルメイワシをミョウガとネギ、醤油で和えたの。この日の市場はウルメの一本釣りものがよかったらしい。トゥルンという食感で旨い、、、
大人数だとカウンターに座れないのが残念。うーむ。かぶりつきで「やまけんちゃんあんたもっと頑張らんといかんよ-」と怒られるのがいいのである(笑)
スペシャリテは焼く前にほとんどかき混ぜない卵焼き。口の中で白身と黄身が混ざ~る。
大根葉の塩もみを混ぜ込んだおにぎりにて〆。今日もよく食べました、、、数名、この時点で沈没。
大豊の食材はうまいぜよ、の熱弁中の女将劇場。
この店に来て、何か新しい味を食べたいとは思わない。ド定番をいつも一通り食べるだけでいい。さー次はいつこようかな。ごちそうさん。