やまけんの出張食い倒れ日記

これがマイクロフォーサーズの綺麗なボケだ!12-40mmレンズのキレのよさと、E-M1のファインディティール処理が素晴らしいってのをみて欲しい。そして、一番大事なピント合わせが、フォーカスピーキング機能でバッチリ!

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OLYMPUS E-M1 12-40mmf2.8 40mm 絞り優先 f3.2  1/1000秒 -0.7EV

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OLYMPUS E-M1 12-40mmf2.8 40mm プログラムモード f5 1/250秒 -0.3EV

すみません、前置きが長いので、かったるい人は「この続きを読む」ボタンを押して写真だけみてくださって結構ですので。

デジタルカメラ初心者にはわかりにくいことがある。
それはAPS-Cとかフルサイズとかフォーサーズとか、はたまたレンズ交換できないコンパクトデジカメって何が違うのさ?どれも映る写真は同じでしょ?という疑問だ。僕も最初はわからなかった。

フィルムカメラの時代は、まさにそのフィルムで画質が決まっていた。そのフィルムの大きさは、普通の人が使うカメラは35mm版と言われていて、どこのカメラ会社もそれに準拠したカメラを造っていた。だから、コンパクトカメラであっても、ごつい一眼レフであっても、条件さえよければ同じような写真を撮ることは可能だった(もちろんレンズの差はあるけど)。

デジタルカメラはそのフィルムを撮像センサーという電子的なしくみに置き換えたものだ。フィルムとの最大の違いは、やたらとそのセンサーが高いということ。35mm版の大きさ(これをフルサイズと呼んでいる)のセンサーを造ろうとしたらめちゃめちゃ高い!ということで、デジカメの黎明期には、フルサイズのセンサーを搭載するデジタルカメラはすさまじく高かった。

それではいつまでたっても普及しないので、少々小さめのサイズのセンサーにしようよということでAPS-Cサイズというのができた。なんでそういう名前なのかというと、フィルム時代の終わり頃にでてきたAPSカメラってのがあったけど、これには35mm版より小さいフィルムが装填され、小型化ができるようになった。このサイズに近いので、APS-Cという名前でそのセンサーサイズが展開された。いまでも、10万円以下の一眼レフカメラに搭載されているのはほとんどがAPS-Cサイズだ。

そんで、オリンパスやパナソニックが出しているミラーレス一眼が採用しているのは、そのAPS-Cよりさらに小さいマイクロフォーサーズ規格というもの。これはフルサイズのちょうど半分くらいのセンサーサイズになる。センサーが小さいことでボディやレンズの小型化もできるというメリットがあることは、いまのミラーレス一眼の隆盛をみてもおわかりだろう。

ただ、センサーサイズの大きさは画質に影響するというのが当初から言われていることだ。いま、フルサイズ機でもAPS-C機でもマイクロフォーサーズでも、だいたい1600万画素のセンサーというのが標準だと思う。異なるサイズの盤面に同じ数の素子を埋め込むということは、一番小さいフォーサーズのセンサーに1600万個の素子を埋めるのと、その二倍の面積のフルサイズセンサーに埋めるのとでは、密度のギュウギュウの度合いが違う。

この密度に余裕があるほど、ひとつひとつの素子が光をとりこむ余裕が生まれるということで、一般には同じ画素数ならフルサイズの方がいい画質になるといわれている(ただ、このセンサーの受光性能だけでは画質は決まらないのだけれども、基本的にはそうだということ)。

ということで、マイクロフォーサーズは小さくて使いやすいけど、画質的にはフルサイズやAPS-Cに負けると言われ続けてきた。確かにセンサーサイズからくる違いはあると思う。しかし、その差は限りなく小さくなってきてるんじゃないの?とくにフルサイズと比較すると大変だけどさ、APS-C機と比べたらそんなに言うほど変わらないんじゃないの?というのが最近の傾向だ。

僕もオリンパスから出た初代PENを買ったとき、佳いカメラだと思いつつも、絶対性能としてはやっぱり落ちるな、と思っていた。けれども、それはまだレンズ群が充実していなかったからだというのが、今なら言える。佳いレンズを使えば、佳い画がえられるのだ。

また、フォーサーズはボケないとも言われ続けてきた。これはカメラの構造的な問題で、フルサイズの二分の一のセンサーサイズなので、ボケ量も半分くらいに割り引いた方がいいということだ。例えばフルサイズカメラのf2.8で得たボケを得ようとしたら、フォーサーズではf1.8のレンズを使わなければ得られないというような感じ(正確には微妙に違いますが、あくまで初心者向けの説明ですので、めくじらをおたてにならぬよう。)。

しかし!

マイクロフォーサーズのレンズでも実用十分なボケが得られますよ、それも高画質で、ということをみてもらおうと思う。まあフルサイズ機にf1.2とかf1.0とかの高いレンズをつけてる人から見れば「全然足りないよ」というかもしれないけど、そんなの初心者~ハイアマチュアにはあまり関係ないからね。

ではここから大きめの画像です。

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OLYMPUS E-M1 12-40mmf2.8 40mm プログラムモード f5 1/320秒 -0.3EV

これ、試用機が到着して最初に撮った画像だ。だから、まだプログラムモード(カメラ任せモード)のままで、開放絞りにはなってない。でも、明るいとは言えないf5.0でもうすでにこんなボケである。

この花はすごーく小さい。その小さな被写体にここまで寄って撮るので、背景はf5でも大きくぼけるのである。この「被写体に寄れる」のが今回の12-40mmレンズのすごいところで、もうマクロレンズなくていいかな、と僕は思ってしまった。

小さな被写体に寄る時に大事なのはピント合わせなのだが、E-M1にはとても見えやすいEVFが搭載されている。しかも、フォーカスピーキング機能をオンにすると、ピントが合っている部分が白か黒に強調表示される(白黒以外の色も欲しいですよ、オリンパスさん!)ので、どこにピントが来ているかよくわかる。

このよく見えるEVFとフォーカスピーキング機能によって、ミラーレス機のピント合わせは無敵状態といえるようになったと思う。上の写真は、画面中央からやや左下にある花の、ピンク色のしべにピントを合わせてるのがわかるだろうか。

比較用として、その左隣の花の黄色のしべにピントを合わせるとこうなる↓。

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近接しての撮影だと、ピント位置が少し変わるだけで、写真の印象がグアッと変わってしまう。二枚目の写真だとピント位置の花の上にある紅茶色の葉にはもうピントが合っていない。

両方の写真のピント位置付近を拡大してみる。

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↑この写真だと、ピンク(紫かな)のしべにピントがある。

そして↓こちらの写真は、画面中央にある花のしべにピントが来ている。

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こんなにも微細にピント合わせできるのは、E-M1だからである。ちなみに三脚使ってません!手持ちです~

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そして、f5でもこんなにボケてくれるんです。

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あ、拡大したらちょっとぶれてるかな。

自宅近所のタイ料理屋さん「スアン・サワン」のイケメンオーナーシェフであるチャイワット君。

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OLYMPUS E-M1 12-40mmf2.8 40mm プログラムモード f28 1/20秒 ISO1600

帰り道、わらびがまだうよーんと伸びていた。こちらは開放で。

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OLYMPUS E-M1 12-40mmf2.8 40mm 絞り優先 f3.2 1/1000秒 -0.7EV

個人的にはこれだけのボケがあれば十分以上だとおもうのだけども、いかがですか?

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ということで、センサーサイズの問題も、ボケの問題も、ピント合わせもすべて技術でうまく対処しているのが、最近のマイクロフォーサーズだと思う。これで圧倒的に小さく軽いシステムなのだから、僕がコンデジからステップアップしようとしている初心者に薦めるのは、マイクロフォーサーズなのです。