やまけんの出張食い倒れ日記

食品の機能性表示はどうなるのか? 食のジャーナリストによるメルマガ たべもの最前線 最新号では、ちょっとこれから危なくなるかもしれない日本の食品の表示制度について書いています。ビジネスの自由度と食の安全を天秤にかけて、いったい日本はどうなるのかね。

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メルマガ「たべもの最前線」の今週号は、佐藤達夫さんによる「食品の機能性表示はどうなるのか」。

■「アベノミクス」ありき

7月30日、消費者庁は「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」の報告書をとりまとめて発表した。

この検討会は、消費者庁が平成25年12月から26年7月にかけてたびたび開催してきたもので、私も何度か取材した。たとえば6月16日に発表した第19号の「たべもの最前線」の「日記」でごく簡単に紹介し、「近いうちに特集で取り上げたい」と書いた。

消費者庁が「報告書」をまとめたので、このメルマガでもきちんと整理しておきたい。

そもそもこの検討会は安倍首相の「鶴の一声」で始まった。以前から「食品に機能性を表示したい」という業界の要望は、間違いなくあったが、消費者庁も厚生労働省もそれほど乗り気ではなかったし、消費者もその必要を感じてはいなかった、と私は思う。

ところが、安倍首相が打ち出した経済政策いわゆる「アベノミクス」の3本の矢の3本目として打ち出された「成長戦略」に、医療・介護・健康関連産業の規制改革が入っていた。平成25年6月14日には、この分野における「規制改革実施計画」が閣議決定された。つまり、「新たに食品に機能性を表示できるようにしろ」と決められてしまったのだ。

消費者庁は閣議決定に沿ってナントカしなくてはならなかった、というのがスタートだということを知っておく必要があろう。これが、ある官僚が非公式に発言した「B級トクホ」のスタートであった。

達夫さんは、これまで何度となく開催されたこの検討会に足を運び、傍聴してきた。その場に居合わせなければ感じとることのできない、空気が変わる瞬間を、まさに感じたという。今回の号は、僕が「早ければ早いほどいいと思います」とお願いして、特別にせかして書いてもらったものだ。今号だけでも読んでおく価値があると思う。

■たべもの最前線
http://ch.nicovideo.jp/tabemono