やまけんの出張食い倒れ日記

フランスが誇るシャロレー牛の本当の美味しさを識る旅! その6 フランスは牛の地方品種が非常に多い国だった! 土佐あかうしとそっくりお目々アイシャドウな可愛いパルトネーゼ種との邂逅!

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雪崩のような仕事をなんとかこなしたので、やっと続きを書けます。

フランスの代表的な肉牛品種であるシャロレー種を観に行く旅だったのだけれども、実はフランスにはそれ以外の品種がたくさんあって、それぞれに持ち味があるということをいまさらながらにして識ったという夜だったのだ。

さて、昼にいやというほどブーダンノワールを詰め込んだ腹だが、意外なことに夜になるとお腹が減った(笑) トップトレーディングの中澤社長は、僕らがフランス入りする4日前からパリに入っていたので、ここから日本へ帰る。

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電車に乗るのを見送り、宿泊地、パルトーネ市へと向かう。ちなみに結構長い長いドライブであった、、、

ホテルにチェックインしてロビーに集まると、オリヴィエが笑いながらこう言うのだ。

「あのね、月曜日ってろくな店が開いてないんだ。だから今日も、チョイスは一つしかない。駅前のしがないレストラン。我慢してね!(意訳です)」

ということで駅前のしがないレストランに向かったわけだが、結果的にとても愉しめた食事だったのだ。

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これが駅前しがないレストラン(笑) 入ってみると、とくにしがなくない。景気がよくてお金があるときに建てたんだろう、いまとなってはもちろん古いが、造りのよさを感じる。

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ここの名物はパルトネーゼ種の牛肉料理。そう、ここパルトーネ市が発祥となっている肉牛品種だ。

「フランスには肉牛の品種が22種類くらいあるんだよ。パルトネーゼはそのうちの一つだね。早く育ってくれる品種だよ。だから、熟成もかけずに焼いて食べるんだけどね」

とオリヴィエが説明してくれる。ので、メインはそのパルトネーゼ種の骨付きロースのステーキにした。

前菜は地元の牡蛎があるというので、それをば。

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あれ?もしかしてこれ、日本の牡蛎品種じゃないか?ご存じの人も多いだろうが、かつてフランスでは牡蛎の伝染病が大発生し、壊滅に近い状態になる。それを救ったのが日本で、稚貝を提供し、フランスの牡蛎養殖のかなりのパーセンテージが日本の品種になっているはずだ。

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味わいもなんとなく親しみがあるのは気のせいか!?

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一緒に旅路に参加しているヴェロニカはエスカルゴ。

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オリヴィエは、現地人じゃないとよくわからない内蔵料理を頼んでいた。これ確かに旨かった、、、

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さて、パルトネーゼ種の骨付きロース登場!二人からでないとオーダーできないというのはこの肉塊だからである!

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じゃーん!これがフランスのステーキです。

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付け合わせはクタクタに火の通ったジャガイモにマッシュルーム、トマトにニンニクバターを塗ってローストしたもの、それにヨーロッパらしい、フダンソウのソテーだ。

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ご覧のように、かなり大胆なカッティングである!しかもこの焼き具合の雑さかげん(笑)。はっきりいいましょう、僕は「あまり期待をしてませんでした」。でもね、これが実に意外なくらい美味しかったんですわ!

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肉の熟成は二週間程度ではないだろうか。先にも書いたように、この牛は早く仕上がるものだそうで、その分、熟成もそれほどかけないという。たしかにあっさりしていて、内部の赤身部分はカツオのたたきのような感じである。でもそれが物足りないというのではなくて、豊かな味わいがある。えっ、とっても美味しいじゃん、と嬉しい驚きだったのだ。

「しがないレストランしか開いてないから」というけど、割りといいレストランだよ、オリヴィエ!

昨年の赤肉サミットにて、今回も同行してくれている進藤さんが「日本では牛肉は、濃い味のするおかずという位置づけですけど、フランスの牛肉は主食としてご飯のように食べられる味なんです」と言っていた。実際、シャロレーを食べた人の数人が「まったく世界の違う味で驚いた」とアンケートに書いていたが、そういうことだと思う。そしてフランスには実際、シャロレーよりも風味が柔らかで、ご飯のごとく(というよりはお刺身のごとく)食べられる肉が本当にあったわけだ。

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さてせっかくなのでチーズのワゴンサービス。トップトレーディングの新入社員である淺水クンが苦い笑いをしているのは、ナチュラルチーズが嫌いだからである。彼は元・テコンドーのチャンピオンで、キックボクサー。しかし、チーズには弱い!

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わりとハード系の熟成チーズばかりオーダーされて(もちろんオリヴィエが選んだ(笑))、悶絶していたのであった。頑張れ淺水君!トップトレーディングにいてチーズを食べられなければ、仕事にならないゾ!

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仕上げはタルトタタンとアイスクリーム。温かなタルトタタン、実に美味しかった。やっぱり使っているリンゴは甘酸っぱくて、焼いたのが美味しい。

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ということで実に愉しめた一夜。そして明日、僕らはパルトネーゼ牛に出会い、実に驚くことになったのである。