やまけんの出張食い倒れ日記

人形町カレー戦争勃発! 大阪インデアン風のルーにガツ盛りトッピングの「日乃屋」と、アメリカ式バーベキューのせ上質カレーの「カレーMaster」がなぜか隣り合わせに。どっちが勝ちか!? RICOH GXR 28mmf2.5 にて

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リコー GXR A12 28mmf2.5

僕の事務所のある日本橋小舟町は、地下鉄銀座線の三越前駅と日比谷線の小伝馬町駅、そして人形町駅の真ん中くらいにある。交通は至極便利な場所なのだが、意外にランチスポットに乏しい。場所柄か高級店か、雑な大衆店しかなくて、気の利いた店が少ないのだ。

とくに悩ましいのが、カレーの美味しい店がないこと。ないんですよ、これが、、、 あまり嬉しくない本場インドカレーの店は多々あるんだけど、俺はそっちはあまりなんだよね。和のカレーでガツッと旨い店ないのか?と思っていたら、少し歩いた人形町方面に新しいカレー屋ができたのでうれしくなっちった。と思ってたら、あれよあれよというまに隣にもう一店、カレー専門店が!いったいどーなってるの、という感じである。

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一店舗めが、ここのところチェーン展開を始めている「日乃屋」という店だが、その店の看板写真をみて「あー もしかして」とおもった。おおぶりの楕円形の白い磁器の皿にねっとりかかるルー。大阪の孤高の存在、インデアンのカレーを模倣しているな、と。

実際、入って食べてみた。もっともベーシックな日乃屋カレーをたのむと、生卵または温泉たまごが付いてくるという。ご飯は大盛り無料、ならば大盛りでということで頼んでみると、はたしてインデアンが確立した楕円形カレーたまごの黄身乗せスタイルである。食べてみるとやはり最初に甘さが来てあとから辛みがくるというセオリーだが、辛みのインパクトはそれほどない。ルーのトロ感が本家インデアンよりも強く、より日本人ごのみのカレールーと言える。

インデアンのカレーを愛する僕だが、これはこれでありだなということで数回足を運ぶうちに、この店のお薦めは1080円のスペシャル3点トッピングだということがわかった。夜に入って牛すじカレー大盛り&チキン南蛮トッピングを食べてたら、店主らしきお兄ちゃんが「これ、けっこう限界まで腹いっぱいになりませんか?」と聞いてきたので、「いやこれ普通です」といったら「まじですかぁ!いやすごいお客さんが多いなあ」と言う。

フレンドリーだったのでいろいろ聞き込みしていたときに、「でもうちの一番お得メニューはこれ、スペシャル三点トッピングです」というのだ。1080円でトッピングメニューのなかから好きなもの3点選べるというものだ。

「これでメンチやエビフライ、野菜三種とかを乗せてもらう想定だったんですが、なかには強者がいて、チキン南蛮×3にしてくれっていうのがいるんですよ!」

えーーーそれはすごい!チキン南蛮はおおぶりのチキンモモ肉が3つくらい乗っているのだ。それ×3とは、正直チキンだけで腹一杯になるだろう。でもたしかにそれはお得かも、、、

ちなみに僕的に最良の3種トッピングがこれだ。

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リコー GXR A12 28mmf2.5

野菜三種 エビカツ チキン南蛮 ご飯大盛り である。ここまでくるとルーが見えない(笑)

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ルーはこんな感じで、みたとおりトロみ強し。いぜん、大学の同期の女友達に「なんか小麦粉でとろみつけてるカレールーって貧乏くさい」と両断されたことがあるのだが、ふざけんなこれこそが日本のカレーだっつうの、と憤慨してしまったのであった。セオリー通りの甘辛ルーであります。

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これ一杯食べたら超満腹。ちなみに野菜なんかいらねぇっていう人には、かわりにメンチカツもお薦めだ。ここのトッピングの揚げ物は、なかなか品質的によいです。

さてしばらくしてその横に、もう一店のカレー屋ができたのには驚いた。

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Smoked BBQ Curry と銘打っているだけあって、この店はバーベキュー肉を出すみせなのだ。ちなみに最近、すこしずつ流行始めているので知っている人もいるだろうが、日本で言うバーベキューというのは、バーベキューの祖国アメリカでいうそれとは全く違う。

日本でBBQといったら、河原とかにグリルを置いて、火を熾して、その上で薄切り肉やウインナー、野菜などを焼いてエバラ焼肉のタレにつけて食べる、最後は鉄板おいて焼きそばでしめる。その一連の行動をもってバーベキューといっているようなかんじだよね。

でも実はバーベキューというのは、数少ないアメリカ発祥の郷土料理なのだ。ポークの骨付きバックリブや、ビーフのブリスケなどの肉塊にスパイスを塗り込みマリネし、それをごくごく低温に温めたグリルまたはスモーカーでじっくり火を入れていくというもの。そうして出来上がった肉に自慢のソースを塗りたくって再度それを乾かすように火を入れて、お客さんがきたら塊から骨付き一本分を切り取ってバンと渡し、客は手掴みでそのバーベキュー片にくらいつく。驚くほどに柔らかくほぐれる肉の線維に、口のまわりにビダビダにくっつく甘辛風味でどこかスモーキーなバーベキューソース。タマラナイ! これがバーベキューなのだ。

このカレーMasterはどうやらスモークタイプのBBQを使ったカレーをうりにしている。さて、この店に関しては写真をとっていない。そのうち撮らせてもらおうとおもっていた矢先に、とても残念なことがあったのでもう行かないと思う。

一回目、できたばかりの際に入店するとメニューには普通のカレー800円と、BBQの乗ったカレー1200円がある。BBQはポークかビーフから選べる。BBQ乗せたのを頼もうとするが、BBQが品切れだというので、ふつうのカレーに。食べてみると実に上質、上品なカレーで、スパイスが前面に出てこないタイプ。ただしスモークタイプのBBQが入っているというが、そのスモーキーさもあまり感じない。

美味しかったが、しかしやっぱりカレー単体だと弱いな、と思い、後日再訪。このときはBBQトッピングがあったので、ビーフを選択。ブリスケを燻して火入れをしたであろう肉が二枚乗ってくる。400円増しで乗ってくるポーションとしては文句はない。

ただ、、、 なんか味気ないのである。僕の中でBBQといえば、ねっちゃりとしたすっぱ甘辛いソースを塗りたくって喰うものなんだけど、それがないせいか、味気ない。うーん、これだとな、、、と思ってしまった。ただ、僕にとってBBQの本当の主役はポークだったりする。なので、もう一回だけ来ようと思って三度目の再訪。ここで衝撃的なことが発覚した!

三度目の訪問時は協力会社のデザイナーの女性を連れて行き、ぼくはポーク、彼女はビーフの選択。カレーが出てきた、と思ったら、、、

「はい、これがバーベキューソースです。お好みで肉にかけて召し上がって下さい!」

おいおいおいおいおいおいおいおいおい

ソースあったんじゃないかよ!

それ、前回出てきてないよ!

ちょっとピキッときて「おいおいソースってあったの?前に来てビーフ頼んだとき、それでてこなかったぞ!?」と、ホールの兄ちゃんに言ったら、、、

「あ、そうでしたか、すみません~!」 と去っていく。

 

 

 

 

 

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい それだけかよ!!!!!!

いやー怒った。 内心、席を立とうかと思ったが、連れもいたしやめた。

だってですよ、ソースがあってはじめて完結する料理にソースがついてこなかったら、それはオーダーした料理と違いませんかね? カツカレーにカレールーがかかってなかったら成立しないよね? それと同じくらいのインパクトのあるミスだろうに。

あ、いちおう公平に言っておくと、BBQソースを塗ったBBQポークもビーフブリスケも、とても美味しい。NYの味とはいわんが、それをほうふつとさせるものはある。

しかし、、、あんたその謝り方、軽すぎるでしょう。

会計時に、再度「あのさ、本来出るべきソースを出さなかったのは問題だと思うんだけど」と言うと、「本当にすみませんでした、次回から気をつけます」と言われて終了。

僕もクレーマーと思われたくないのでそれで店を出たけど、、、

次回はもうないよ。

ということで、人形町カレー戦争、日乃屋をお薦めします。

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