とある地域の餌違いの短角牛を食べ比べる。やっぱり牛肉は、餌が変わると味わいが全く変わるのだ!赤身を美味しくする方向性を進めていくべきでしょう!

2017年10月21日 from 日本の畜産を考える,食材

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ある短角牛の産地がある。地域ぐるみで一本の餌を給餌していたのだが、あるきっかけがあって餌の給餌内用を変える可能性が出てきた。僕もその過程にすこし入っていたのだが、最終的に僕が薦めていた餌は入らなかった。ただ、餌を変える方向性としてはこの方向でよいだろうということになり、経緯を見守っていた。

その実験用の肉が仕上がってきた。冒頭の写真の上が実験区、下が今まで通りのものだ。もうこの時点でいろいろ違いが見える。上は去勢 29ヶ月齢、赤身の色が深く粗ザシ、サシ量も少ない。下は同じく去勢 31ヶ月齢で赤身の色は比較すると薄く、細かなサシが入っている。

この二種を食べ比べる!

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どちらもリブ側で、カブリをはずして食べ比べる。ちなみに僕は、カブリの部分の味わいも好きなので、食べ比べる際はリブロースを買い、芯の部分とカブリを別に食べ比べることにしている。

肉質を識るための純然たる食べ比べの際は、塩を振らずに焼く。美味しく食べるためには、塩によって引き出されたドリップの成分でメイラード反応が強くなり、うま味が増すため、塩を振る方が好きだ。でも、食べ比べの際はそれは余分となる。

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軽く火入れをして余熱を浸透させるが、この段階で同じ時間火入れしているのにメイラード反応の生成しぶりに違いがある。あきらかに実験区の肉のほうが色が濃く出る。

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そして二度目の焼きで焼き上げ。左の通常区のほうがしまっていて型崩れしていない。右の実験区のほうが繊維がほぐれやすい感じだ。また、この写真では見えないが実験区はドリップが多めに出る。

すこし厚みに差があったので完全に同じ焼き加減という感じではないけれども。

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実験区の、新しい餌配合で育てた牛の肉。

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口に入れて噛んだ瞬間にうま味が口中に散る。こうばしい香りも強く、パンチが効いている。その分、脂の質はギンッとしており、直線的で、好みが分かれるかもしれない。

こちらは今まで通りの餌で仕上げたもの。

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ああ、やっぱり、、、いつもこの地域の肉を食べていて僕が不満に思っていた、味の輪郭がボンヤリしていること、落ち着きすぎた味わいであること、パンチがまったくないこと。その分、脂の質は穏やかでまろやか。いくらでも食べられるという特質が、餌違いのものと食べ比べるとはっきりわかる。

やっぱり餌だ、、、

ここでその餌の内容についてのことは書けないけれども、あきらかに味わいが変わった。なんか聞くところによると、食べ比べた流通関係者が「あまり変わらないね」というようなことを言っていたそうだが、もし本当にそう思っているならボンクラだね。担当をやめた方がいい。

ただし、実験区の餌は僕がこれがいいと思っていたものとは違い、一般的な肉牛に給餌するものと同じ中身だ。より赤身を強くするためのてこ入れがされていないこともあって、十分とは言えない。とくに、脂質に関してはすこし問題を感じた。ただし、飼料に添加してある補助飼料のおかげか、赤身のうま味はとても引き出されていると思う。

この方向で、ブラッシュアップをしていくのが、産地全体のためになるとおもいますけれどもね。関係者のみなさん。もうハッキリ言いますけど、いままでの餌でできた肉、正直いってあまり美味しくなかったです。速攻で変えた方がいい。

さて、変わるかなぁ、、、