浅田農産会長夫妻の自害のニュースは、香川県でラジオから聴いた。一瞬絶句したが、確かにそうせざるを得ない状況に追い込まれていたのだろう、と思う。しかし無惨だ。感染の隠蔽は確かに悪と言えるが、もし私や貴方が、莫大な負債を抱えたままで、収入の途を一切手放さざるを得ないという決断をすることができるだろうか?僕にもできないような気がする。
だから、浅田農産問題は、社会的には責任の深い事件ではあるが、しかし人間としてはあまりにも無惨な事件であった。
さて 気の早い消費者はすでに鶏肉の買い控えなどに走っているらしいが、。誠に愚かなことである
インフルエンザウイルスは加熱すれば死滅する。つまり鶏を刺し身にするのでなければ、問題はないはずだ。調理段階で生肉を触ることについては、獣医さんにいろいろと訊いてみよう。 、、、ただし、この前提は健康なひとであれば大丈夫、ということになるのかな。 免疫力が低下している人などはようわからん。
今後問題になるのは、人間自体の免疫力の低下についてではないか。抗菌性なんとかという商品群が示すように、ここしばらく人間が本来持っている免疫や菌との共存性を人為的に破壊するようなモノが多い。菌なんてものは人間より歴史が古く、そこかしこに偏在するのである。それこそ八百万の神と同じくらいに、、、本来的に人間が持つホメオスタシスでは、そうした菌類と共存しながらうまくやっていくように調整されていたはずだ。それなのに、ある種の菌類をやみくもに除去するようなことをやっていると、均衡を保っていた菌類の勢力図が大きく変わってしまう。
これは農業でも同じで、同じ作物を一つの土地で作り続けていると、「厭地(いやち)」といって、菌類やミネラル類が偏ってしまう。その結果、作物を作りにくくなる。だから、基本的に農業において連作をするというのは御法度だ。欧米では土地面積が広いので、循環的に作付けを交代しながら土地を休ませ休ませ利用している。日本ではというと、土地が小さいため、同じ土地に同じ作物を作り続けることが多い。では厭地をどのように回避しているのかというと、、、 土壌消毒という行為で、土壌中の菌類をすべて死滅させ、まっさらにして作付けするということが多い。ダニアースみたいに地中にノズルを差し入れ、薬剤を噴射するのである。消毒と呼ぶが、あきらかに「噴毒」だな。今まではこれに臭化メチルという農薬が使われていたが、これはあまりに土壌への影響力が大きいため、廃止になった。現在では、熱湯消毒(熱湯を浸透させ、菌類を死滅させる)や太陽光消毒などの代替技術ができてきた。
しかし、これも結局は「沢山の菌類との共生バランスを保つのが難しいから、いっそのことゼロにしてしまう」という恐ろしい発想ではないかと思ってしまうのだ。なので、僕も小さな畑を創っていたが、土壌消毒は一度もしたことがない。というか、農薬自体使ったことがない。
まあしかしこれは日本農業の状況からは難しい問題なのでこのへんで終了。
とにかく菌やその他を遠ざけるという発想で、かつ「よくわからないけど危険そうな食品は買わない」という安易な途に流れないで欲しいと思う。日本人はきちんと考えて向き合うべきだ。
僕の静岡県における旨い物の導師である中小家畜試験場の獣医さんである岩澤氏からこんな話をいただいた。
「知ってるかい? 家畜の経済性(卵の数、肉量等)は免疫力(インフルエンザにかかるかどうか等)に反比例するって事を。
つまり5%経済性が上がると、5%免疫力が落ちる事を、、、皆、知らないんだよね。今回の発生は経済性を追った結果と私は考えている。
で、日本古来の鶏は非常に免疫力が高いのだ。だから病気には強い。今後、地鶏については、このあたりをもっと理解して貰う必要があるんだな。」
なるほど!経済性と免疫力反比例はまったくそうだと思う。で、免疫力が高い地鶏と低いブロイラーの違いは?
それは血統もあるだろうけど、加えてエサと飼い方。カロリーが高すぎないエサを与え、適度に運動させる。それでいいのだ。間違っても外界と遮断した閉鎖系にはしない。無菌状態は、それが続く限りに置いては安全だけど、なんらかのアクシデント時にはそこにいた個体はすべて全滅する危険性がある。
人間も、自分の健康能力を高めることで自衛するのが本道だろう。鶏が「エサと飼い方」なら、人間は「食事と生活習慣」であろう。
やまけんさん始めてメールさせて頂きます。今回の件とても胸が痛みました。被害者が加害者になり自害しなければならないなんて本当に悲劇です。私もやまけんさんと全く同じ意見なのですが・・・極論かもしれないですが、この地球上で毎日食事がとれている人は一割もいないと聞いた事があります。私がその中の一人なら加熱すれば飢えが凌げるなら間違えなく口にすると思います。鳥インフルエンザもBSEも先進国の驕りの様な・・・気がします。
Posted by: 三津 at March 10, 2004 02:57 AM人間の驕りに対する自然の手痛いしっぺ返しでしょうね。
Posted by: ハムの師匠 at March 10, 2004 12:52 PM三津さん:
師匠:
そうですね 人間とは業の深い生き物といってしまえばそれまでではありますが、、、
まあ 食い倒ラーにできるのは、うまい鶏を食べまくることですな。とにかく今回騒動で何羽の鶏が無駄に死骸になってしまったことか、うーむそれが一番悲しいですね。
最近は、年のせいか量が減ってきて、これからは美食小食で行こうかな
Posted by: ハムの師匠 at March 11, 2004 12:37 PM