December 24, 2003

安全な食べ物は安くはありません。

昨晩から本日にかけて、米国でBSE感染牛発見の恐れがあるというニュースが報じられた。日本ではすでに狂牛病騒ぎが鎮静化を迎えようとしていたところで、マーケットの反応は、まだ全容がみえてこない。しかし、間違いなく今年度最大級のニュースだと思う。

http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/03122401.htm

 あの米国の牛の飼い方で、BSEが発生しないはずがない、と思っていた。しかし、輸入牛肉の60%を占める米国の騒動だ。年を越しても、沈静化は時間がかかるだろう。すでに量販店や外食のバイヤーは、枕を高くして眠れない状況だ。電話しても全然つながらない。

 そろそろ気づいてもいいのではないだろうか。安心して食べられる食物は、安くはならない。これは当たり前のことだ。価格には理由がある。安いものには安くなる理由がある。100円で買えるということは、そのものが100円の価値しかないということでもある。

 食べ物を選ぶということは、自分の血や肉、細胞を構成する要素を選ぶということだ。近代栄養学では、食物を栄養素で分解しているわけだが、マクドナルドのハンバーガーのパンに使われている小麦と、無化学肥料・無農薬で生産された小麦とに差異を認めることはない。けれど、その両者の間には遙かなる隔たりがある。その隔たりの分、価格も違う。
 高いものと安いものがあり、それを選択するのは、買う人の自由だ。それは全く問題ない。けれど、

「食べ物は安全で、しかも安くあるべきだ。」

という論には僕は真っ向から反対である。

「安かったらいいな。」

であればいい。けれども「安全で安く」というのは横暴というものだ。

まず、食べ物とは本質的に、全方位的に安全なものではない。人間の体質は千差万別だ。ある食べ物が薬になる体質もあれば、毒になる体質もある。何を口に入れるか、というのは、あくまでその個人が能動的に選択すべきものなのだ。無論、食べ物を提供する人間には、安全なものを提供する義務がある(食品衛生法等)。しかし、法的義務として守るべき「安全性」は低いのだ。それ以上の安全性を求めるときに、「安く」という価値が併存できるはずがないではないか。

安全な食べ物は、安いものではないのだ。

Posted by yamaken at 06:32 AM | コメント (4)