August 25, 2004

オーガニック検査員講習会に参加した

 21,22,23の3日間、日本オーガニック検査員協会(JOIA)が主催する、講習会を受講してきた。ご存じと思うが、オーガニックつまり有機農産物と名乗って生産・販売する場合は、JAS法に定められた手続き、手順を踏んで認定を取得しなければならない。取得に際しては、第三者認証機関に申請をし、農場や施設の検査を受け、検査判定会議を経て認証を発行してもらうことになる。ここで農場の検査を行うのが検査員だ。検査員の仕事は、申請者の農場や施設、そして作業内容がオーガニック基準に沿っているかどうかを確認し、認証機関に報告するというものだ。検査員は、認証機関に属することもあるが、フリーで契約する場合もある。この検査員になる方法はいくつかあるのだが、JOIAの検査員講習会は、国内の検査業務の事実上のスタンダードであり、受けなければ始まらないといえるものだ。

 実は、僕はオーガニック検査員になろうと積極的に思っているわけではなかった。農産物のトレーサビリティに関する知見を獲得するためというのが、一番のモチベーションであった。
 僕が現在行っている、生産・流通のコンサルティングにおいて、トレーサビリティというテーマが占める割合は高い。現在はこのトレーサビリティに関する法律がないため、ISOシリーズのような外部認証が義務づけられているわけではないが、いずれそうなることが予想される。つまり生産者や流通業者が監査を受けて、自分達が行うトレーサビリティ対応業務が信頼性を確保しているということを証明する監査認証という仕組みができあがるということだ。この時に重要になるのが監査業務で、これを行うのが認証機関だ。認証機関は、申請者に対して検査員を派遣する。そう、この検査業務は、オーガニックの検査と相似していると思われるのだ。これが、今回講習会の参加動機の第一たるものである。
 とはいえ、僕は昔からオーガニック農業の支持者であり、実際に大学時代の6年間つきあった畑は、完全に無農薬無化学肥料でやっていた。どうしたってオーガニックがよいということは、普通の消費者の観点からではなく、身体でわかっている。トレーサビリティの仕事が無くとも、いずれはこの検査員講習会は受けていたと思う。ともあれ、そういう2つの大きな動機が、僕を久しぶりの勉強の場に誘った。

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 今回の講習会は農場コースで3日間のものだ。1日目は座学でオーガニックの検査業務について学ぶ。2日目は午後から農場に出て、監査の実習だ。そして3日目、まとめをした後にテストを行う。テストである水準以上に達しないと合格しない。また、テストをクリアしても、農場を監査したレポートを提出することになっており、そこで定められた基準をクリアしていなければ修了証はいただけないようになっている。
 大学院を出てから久しぶりの勉強で、非常に緊張したのだが、実に楽しい経験だった。昼食と15分程度の休憩以外はぶっ続けで9時〜17時まで講義を受ける。今回は会場が恵泉女学園という女子大で、そこの学生さんも出席していた。面白かったのは、社会人の方が学生さん達よりも居眠りしてなかったことだろうか。まぁ、仕事に直結するわけだから、より緊張感をもっていたということか。僕も数回意識が飛んでしまったが、通常時より頻度は全然低い。周りの方々は、僕より年配の方も多かったが、非常に眼光鋭く受講していた。社会人として働き、問題意識を持っている人間というのは、勉強するとまだ伸びるもんなんだなぁ、と改めて感じたのであった。

 最終日、テストを受けた。最後の設問までなんとか行ったが、100%にはほど遠い出来だった。何とかなるだろうか。実際にはこのテストに加えて農場監査の報告書を提出しなければならない。書かなければならないのだが、原稿締め切りが多数重なり合っていて、書いている時間がない。これが、食い倒れ日記更新ができていない理由だ。困った困った。

 ちゃんと修了証をいただけたかどうかは、1ヶ月後くらいにわかる。受かっていたら報告しよう。落ちていたら、、、やけ酒に付き合って下さい。

Posted by yamaken at 10:58 AM | コメント (4265)

August 18, 2004

農業気象情報システムが新しい波を迎えようとしている!

 最近、実に高度で面白い機械を手に入れてしまった。その名を、「ウェザーバケット」という。気象情報を収集するためのロボットだ。これまでも農業情報の世界では、こういった気象情報を計測し、蓄積するための装置の開発が色んな形でなされてきた。しかし、一人の農業者が自分の圃場(園地)に設置できるような安価な機械はほとんど無かった。あったとしても精度が低く、分析に足る環境計測を行えるような物ではなかったと言ってよい。

 そこに、極めて気迫のこもったシステムが登場したのである。下記の画面を見て欲しい。

codebase="http://download.macromedia.com/pub/shockwave/cabs/flash/swflash.cab#version=6,0,0,0"
WIDTH="128" HEIGHT="472" id="y_wb" ALIGN="">
TYPE="application/x-shockwave-flash" PLUGINSPAGE="http://www.macromedia.com/go/getflashplayer">

 おわかりだろうか?Flashで動いているのだが、これは、東京都の木場にある僕の部屋のベランダに設置したバケットに採られている気象データが、リアルタイムに表示されている。これは、機能のほんの一部だ。

 これがバケットだ。

このバケット、ソーラーパワーで自律動作する。そして、無線でそのデータをサーバマシンに送り込んでくれる。僕のWindows2000サーバは24時間稼働にしているのだが、そこにどんどんと気象情報が貯まるのだ。

これを、このバケットのメーカであるアグリウェザー社のサーバに送り込むと、このページに表示されているようなFlushの形式にして気象を配信してくれるのである。

どうだ?
面白いでしょう?

(ちなみに、もし時刻が現在時でない場合は、サーバが止まってしまっている可能性が高い(笑)早速今、止まっているようだ、、、もう19時なのに14時のデータが表示されている、、、ゴメン、家に帰ったら再起動します)

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「35万円で買える、気象情報システムを創ったんです。これを、トレーサビリティや、作物の生育分析に使えないかと思っているんですよぉ」

 北海道・江別市の気象情報ベンチャー企業であるアグリウェザー社の横山社長の弁である。僕の本「実践農産物トレーサビリティ」を読んで、「会いたい」と東京に出てきて下さったのだ。
 以前から気象情報システムには関心があった。しかし、とにかく高い!農家が自分の圃場における金額ではない。これが、バケットで実現できるようになったのだ。話を訊いて、かなり興奮した。

 その数日後、横山社長から連絡があったのだ!

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早速,「農耕と園芸」12月号を書店で求め,山本様の記事を読ませて戴きました.お話の中にありました”三浦半島にある友人の農場”の記述がございました.

そこで,山本様の「いやー,ホンモノのバケットを見てみたいですねえ」というお言葉をふと思い出しました.
......山本様にウエザーバケットをご提供させて下さい.

また,もしご迷惑でなければ,私も実験に参加させて戴けませんか?
個人農家のツールとしての気象解析ソフトをブラッシュアップさせる実験を,山本様のグループのご意見を聞きながら行ってみたいと思います.
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端折っているのでわかりにくいだろうが、つまりバケットを一台、提供してくださるというのだ!35万円とはいえ安いとは言えない貴重な機械を、、、

ここから全ては始まった。横須賀にある長島農園の勝美君の農場に、今バケットが稼働している。そしてその後、僕の木場の部屋にもバケットを設置した。このシステムは無限の可能性を秘めている。しばらく、このバケットについて語りたい。

基本的に押さえるべき内容は、実は僕が連載を持っている「月刊JA」に書いた。その記事が、ネットで公開されている。これをぜひ読んで欲しい。PDFになっているので、ご留意を。

話は、それからだ。

農業気象システムの新しい波(1)
http://www.zenchu-ja.org/JAnewHP/ja-zenchu/monthlyJA/PDF/0407p38.pdf

農業気象システムの新しい波(2)
http://www.zenchu-ja.org/JAnewHP/ja-zenchu/monthlyJA/PDF/0408p43.pdf


Posted by yamaken at 09:58 AM | コメント (190)