Recent Entries
Archives
Search


Links
Powered by
Movable Type 2.64

2004年07月02日

カレーファンよ「唯我独尊」のソーセージカレーを食べに行こう!

その1より続く)

宮田さんは、学生時代はラガーマンだったというだけあって、それほど背は高くないものの、がっしりした体躯、デカイ声、常に前傾姿勢的に話をしまくるパワフルな人だ。

「おう、よく来たよなぁ~ カレー、食べてって!そんで、うちでゆっくりしてってよ!」

そう、なんと本日はD黒さんのおかげもあって、宮田家に宿泊させていただくのである。ウェルカムな態度。D黒さんは20年来の関係だからともかく、僕のような初対面の人でもすぐにグイッと引き込む力を持つ、極陽性のパワーを持つ人だった。

「流通コンサルタントってさ、どういう仕事なの?」

しばらく僕が何をやっているかを話す。自分の仕事の中身を話すのは、僕の場合はあまり他がやらないことをやっているので、ナカナカに難しい。しかし、食べ物の話が基本だ。だから、宮田さんもここぞというツボをがしっと攻めてくる。


「何々、生のリコッタチーズが欲しいわけ?だったらいい生産者が居るよ!いま連絡してあげるからサ!」
 ひょいっと携帯を取り出し
 「おう、どうだい最近?あのさ、リコッタ探してる人がいるんだよ!今度うちに送りなよ、試したいからサ!」

とこんな感じだ。

「あのぉ宮田さん、カレーはどれがお奨めですか?俺、ルーはD黒さんにいただいて食ってるんですけど、ホンモノは初めてなんですよ!」

「そうだなぁ、じゃあ豆カレーをベースに、ソーセージのっけなよ。豆は色々使ってるしヘルシーだし旨いよ!」

よし、それで行こう。

唯我独尊はカレー屋さんとして有名ではあるが、各種燻製も有名らしい。僕は事前にWebをみて、自家製ソーセージが有名だということは知っていたのだが、それもハンパじゃなく素晴らしいらしい!

「裏の部屋でソーセージ作ってますから、観に行きましょう!」

D黒さんが、スタッフルームの裏手にある作業場に入っていく。と、数人の若者がぶっとい腸詰めを手際よく処理している。

「あ、D黒さん!」
と数人の若者がD黒さんに挨拶をしている。20年来の付き合いはダテではない。非常に強い信頼関係が築かれているようだ。
 まだ生のソーセージに目をやる。ああ、静岡県中小家畜試験場でソーセージ作りを体験しておいて本当によかった。この店のレベルは非常に高いな、と思った。これから乾燥させて、燻煙をかける一歩手前の段階のソーセージだ。僕は、唯我独尊という店名から、かなり荒々しい、ごつごつした粗挽きのソーセージを予想していたのだが、肉の挽き加減をみると非常にきめ細かく挽かれている。シルキーな舌触りのソーセージになるのだろうか。これは楽しみダ!

さて席に戻ると、待ちに待ったカレーが出てきたのであった。


■唯我独尊

豆カレー大盛り&ソーセージ

「はいっ豆カレー大盛りです!もしルーが足りなかったら言ってください、足しますから!」

と厨房のデカイ若衆が、横からこぼれそうな大盛りカレーを持ってきてくれる。カレーはかなり黒に近いチャコール色だ。トロ味はそれほど強くないものの、一見してインドカレーとは全く違う、唯我独尊流漆黒カレーの世界が拡がっているのが分かる。具材に入っている豆が非常に多彩だ。

「花豆、白豆、ガルバンゾ、レンズ、とにかく色々入れてるよ!この辺でも結構とれるから、収穫時期にどかっと買うんだよ。大豆だけは保ちが悪くなるからいれないけどネ!」(宮田さん談)

 なるほど!もう待ちきれん! カレーを白飯にまぶし、一口目をガツンといただく。瞬間、スパイス香が立ち上る。小麦粉を使うルー系カレーで、スパイスを際だたせるのは難しい。唯我独尊の場合は、スパイスの焙煎を強めにして、アタックと香ばしさの強い配合にしているように感じた。その焙煎の強さが漆黒に近い深いルーの色に出ているのであろう! そしてジワッと、旨味が拡がる。実に拡がる。まったく拡がる。これは、大阪インデアンや帯広インデアンとはまた全然に違う旨さだ。トロ味が薄い分幾分あっさりしているように感じるのだが、スパイスの深い香ばしさと濃い旨味が、食べ口のゴージャスさを先の二店以上のものにしている。

「旨い!旨いっすよマスター!」

「そうかい、今日は若いのが作ってるからマダマダ甘いんだけどな。」

いや これでマスターが作ったらもっとスキのない味になるのかいな!恐るべし唯我独尊である。

 そして輪切りにされたソーセージをいただく。ソーセージの皮目はかなり茶褐色が濃く、強めに燻煙をかけていることがわかる。皮の歯触りはブチっとハード。しかし中の肉は、先に書いたとおりの滑らかな挽き具合だ。外側のワイルドな仕上げと、上品な肉詰め。このコントラストを際だたせるためか、味は非常にシンプルに決めている。だからストレートに旨いソーセージだ!完成度は非常に高い。

 このソーセージとカレーを一緒に食べると、燻煙香とスパイスが絶妙にマッチして、すんごい旨い! またたくまにルーが減っていく。

「ルー足すよ!」

と、マスターがひょいと皿を持っていき、厨房の若衆に指示を出す。ソーセージ作りも含め店内には若衆が6人ほど働いているが、マスターのコミュニケーションは直截的に耳障りでないどなり方をする。その声はお客さんの耳にも入るように調整されている。そう、ばらばらな席に座っているお客さん同志をも、宮田マスターの言葉で結びつけるかのごとくである。そしてお客さん一人一人に声をかけている。

「どっから来たんですか?ああ、札幌!仕事ですかぁ。大変ですねぇ、、、」

帰っていくお客さんにも全員に声をかける。

「ありがとうぉ! また食べに来てください! 気ぃつけて帰ってね」

初めてのお客さんから、道を訪ねる電話がなる。厨房の若衆に、

「おう、これから台湾の女性3名様いらっしゃるから、お前ナンパするなよ!」

などと笑いを込めた気持ちよい怒鳴り声が聞こえる。ああ、これが唯我独尊なんだな、と思った。マスターの周りには磁場が張られている。


 しっかし旨いカレーだ! ルーお代わりしたがすぐに食いきってしまった。

「マスター、もう一杯食いたいんですけど、どれがお奨めですかね。」

「おっ食うねえ! そうだね、本当は牛タンカレーが超人気なんだけど、ご存じの事情で今は牛タンが入ってこないから扱ってないんだよ。そうだね、ポーク、旨いよ!」

これがポークカレーである。角煮風のトロトロ豚肉がぶち込まれていて、パワフルな味だ。

ちなみに朗報がある。このカレールー、なんと銀座で手にはいるらしい。アンテナショップがあるのだ。店でルーを買うと1200円だが、菜館では1500円だ。まあ運び賃だと思っておこう。とりあえずカレーファンは買っておいて損はないゾ。

ふらの彩館
http://www.furano.ne.jp/saikan/

ポークカレーを食べ終わり、一息ついていると、マスターがコーヒーを出してくれた。
「俺はコーヒー大好きでさ、ほら、厨房の右側がカレーで、コーヒーはその香りが移らないように左側でマメを挽いて、煎れるんだよ。」


これがそのコーヒーだ。濃い香りは、かなり焙煎の深いフレンチローストっぽく、オールドビーンズに近い香りがする。すすってみると、意外にあっさりしている。オールドビーンズではない。深入りのフレンチを使って、中温で煎れている。しかし、ネルドリップには違いないだろう。

「おおっ そうだよそうだよ、ネルドリップが一番だよ!なんだよ山本君、はなせるねぇ、さすが食品関連の仕事してるわ。このコーヒー豆はね、北海道にしか入ってないんじゃないかな。輸入元から直截取り寄せてるんだよ。」

このマスター、熱だけではなくかなり集中的に研究をしている。しばしコーヒー談義をする。僕もほんのちょっとの間だけ鎌倉のネルドリップコーヒーの名店「湘南倶楽部」で教えてもらったので、なんとかついていくことが出来た。

「じゃあマスター、山本さんと地ビール館に行ってますね!」

しばらく仕事をこなしていく、というマスターに見送られ、二人で駐車場に歩いている間、ソーセージ工場でマスターが若衆に細かく注意をしているのが聞こえてきた。

(さらに続く)

Posted by yamaken at 2004年07月02日 10:54 | TrackBack
Comments

先生、またうまそうなカレーじゃないですか。
こいつはそそられた。

Posted by: かがや at 2004年07月02日 12:02

追伸:あと、このおやっさん、かなりいい味だしてるね。

Posted by: かがや at 2004年07月02日 12:02

ここのソーセージ&カレーセットはたしか通販でも買えたはず。
以前、知り合いから真空パックされたソーセージとルーを頂いた覚えがあります。

Posted by: KIN at 2004年07月02日 12:28

お腹なりましたぜ。お昼時にこれは辻斬り状態ですな…(苦笑)

Posted by: at 2004年07月02日 12:53

はじめましてtoniです。
圧倒的迫力のブログですね!気に入りました。
ちょいちょい遊びに来ます。
blogpeople登録させていただきました。
よろしく♪

Posted by: toni at 2004年07月02日 15:02

早く続きを・・・
でも、カレーはホント美味そう。
スパイスの風味を出すのって、炒めるだけじゃ駄目なのかなぁ。

Posted by: つだ at 2004年07月02日 17:18

やまけんです。スパイスの香りを出すには、配合してから寝かしたりしないといけないんだよね。その辺が妙味だと思います。

toniさん初めまして!ちょくちょく覗いてくださいね!

Posted by: やまけん at 2004年07月02日 20:33

 唯我独尊の話題が取り上げられたので思わず懐かしくなって書き込んじゃいます。
 富良野には2003年の冬にスキーに出かけて、食べ物に不自由してた記憶がありますが、唯我独尊の尖った味に出会えたその日だけはちょっとすてきな気分でした。
 カレーは勿論だけどお水も美味しかったしサラダの野菜が「元気」なのが食べた瞬間にわかるし、、。地元に直結しててこだわりと創意工夫があるお料理って本当に満足させられますよね。
PS やまけんさんのレポート、いつもお腹ぐぅぐぅさせながら読んでます。それにヘタなTVグルメ紀行番組より、ずっと面白いし、これからも頑張って下さい。

Posted by: chika at 2004年07月02日 22:09

夜です。嫁さんと見てます。
母乳のためにカレーを今後1年間食べられない(香辛料がだめらしい)嫁さんには非常に酷なblogでした(^^
でも、いいモンね、今度東京行ったら、銀座の店教えてくれい!

Posted by: つだ at 2004年07月02日 22:48

chikaさん:
 どうもどうも!昔の唯我独尊に行ったことがあるんですね、貴重だ。頑張って食い倒れますから応援お願いします。Chikaさんのblogも私には未体験ゾーンで、時々どきどきしながら観てます。

津田君:
 嫁はんには悪いなぁ、、、

Posted by: やまけん at 2004年07月03日 02:07

こりゃまた、イキの良さそうなぷりぷりのソーセージですねぇ。
皿からはみ出さんばかりのカレールー。

ああ、北海道おおおぅぅぅぅ!!

Posted by: ハギワラ at 2004年07月03日 22:06

初めまして、パルサーといいます。
少し前から拝見させてもらってますが、初めてコメントさせてもらいます。

「唯我独尊」には10年ほど前、まだ学生だった頃の北海道旅行の時に行きました。当時からすでにガイドブックにも載っており、富良野市街で昼食を物色していた僕は写真に載っていた「黒いカレー」が食べたいと、そこを訪れたのです。
売り物のソーセージカレーはちょっと金が無くて断念、普通のカレーを食べたのですが、いわゆる辛いカレーではなくてなんというか、すごく奥行きのあるカレーだな、と感じました。
今ならば金ももう少しあるし、味覚もあの頃よりは研ぎ澄まされて、あのカレーをもっとちゃんと味わえるに違いない・・・!と思うんですが、北海道はあまりに遠い。金はないけど時間だけはあった、あの頃が懐かしいです。

Posted by: パルサー at 2004年07月05日 10:56

ソーセージだけなら中野の伽哩人(カリスト)で食べられるようですね。
http://www.diningworks.com/p2.html

Posted by: とらぞー at 2004年07月08日 03:08

昨日,帰省した際に唯我独尊,行ってきました.ソーセージカレーを食べて満足,満足.
思わず,帰り際にカレールーを買ってしまいました.
で,帰り際,マスターの宮田さんと多少,お話したのですが,来週に東京に行かれるとのこと...
やまけんさん関連で,何かイベントがあるとか!?

Posted by: いっち at 2005年04月30日 18:34

昨日,帰省した際に唯我独尊,行ってきました.ソーセージカレーを食べて満足,満足.
思わず,帰り際にカレールーを買ってしまいました.
で,帰り際,マスターの宮田さんと多少,お話したのですが,来週に東京に行かれるとのこと...
「やまけんさんのリクエストでカレーを作りに行くんだよね~」と言っていましたが,何かあるのですかぁ?>やまけんさん

Posted by: いっち at 2005年04月30日 18:35

うわっ.作成途中で「Post」を押しちゃったので,二重投稿になってしまいました...
失礼しました.

Posted by: いっち at 2005年04月30日 18:37

Buy Phendimetrazine diet
pills cheap now and get to know about Phendimetrazine side effects

Posted by: Phendimetrazine diet pills at 2005年07月19日 01:16