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2004年01月27日

大阪インデアンカレー 衝撃の事実が発覚した!

 さて 「こけし」でカツ丼を食べ、すぐさま地下鉄で2駅戻り、長堀橋地下1Fにあるインデアンカレーに向かう。この店に対する僕の入れ込み度合いはすでにご存知と思われるが、大阪を訪れる時にこのカレーを食べないなどということは考えられない。
 これまでは常に、大阪駅から地下道を歩いてすぐの阪急地下街にあるインデアンに食べに行っていた。しかし、どうやら大阪人によれば、店に寄って味が違うらしいのだ。この辺、情報が錯綜していて、「いや、あそこのカレーは一箇所で作っているから、味は同じだ。」という人が居たり、「店によって味が確実に違う。」という人が居るのだ。これは、真偽のほどを確認しなければならないな、と、やまけんが立ち上がることにしたのであった。

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■インデアンカレー 長堀橋店
住所:大阪市中央区南船場2 クリスタ長堀地下街2号8番
電話:06-6282-2040

メニュー:
インデアンカレー 730円
インデアンスパゲティ 680円
ハヤシライス 600円
ミートスパゲティ 600円
ピラフ 600円
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 見てのとおり、梅田店と違ってメニュー数が多い。梅田店ではカレーとハヤシライスだけだが、ここではスパまであるという。ハヤシはこないだ食べて、独特の旨さを感じたが、スパとかピラフと言うのはどうなんだろう。いずれ試してみよう。けど、やっぱまずはカレーだ!

 さっきカツ丼を食べてきたことだし、ここは大人になって普通盛りのカレーに卵の黄身ひとつで我慢しよう、と思っていたのだ。地下道を歩いているときは。でも、、、楕円形のカウンターの、一番奥の席に座った途端に、その大人っぽい決意や諦念は吹き飛んでしまっていた。

「インデアンご飯大盛り ルーも大盛り、 それと目玉!」

注)「目玉」とは黄身二つというオプションである。親友の竹から聴きました。
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いやあカレーの魔力って恐ろしいもんです。
ここでシマッタ!と思うことが。店の一番奥の席に座ってしまったので、飯盛り人の背中しか見えない!これまで書いてきたように、インデアンはカレーを盛る人(私は勝手にチーフと呼んでますが)の美技が素晴らしいのだ。大きなレードルですくったカレールーを、綺麗に盛り上げた白飯の上に肘と手首のスナップをシャコっと返すあの技。美しいとしか言いようが無い。阪急梅田地下街店の山田チーフの美技に惚れた僕としては、あれクラスのカレー盛りを切望するのである。

 ところが、この店に入店した時から感じるのだが、なんだか緊張感がない。飯盛り人は若い男性、その周りで接客をするのは4人のおばちゃんズだが、態度が悪いとか沿う言うことは無いのだが、あのピンと張り詰めた気が、漂っていない。いや、レベルが低いと言うわけではないけど、普通なのだ。ちょっとだけ、嫌な予感がした。

 そして、僕のオーダーが運ばれてきた。
curry.jpg

 すでにこの時点で、全体のフォルムに緊張感が感じられない。スプーンで一口すくう。口に運ぶ。そして驚愕

「味が、ぬるい、、、」

 一言で言えば、脇が甘いということだと思う。店内と同じく緊張感が無い味なのだ。何故だろう?あの特徴的な甘味と、その後に襲ってくる辛さは一緒のような気もするが、やや甘さに傾き、マシンガンのように速射される辛さの粒子が感じられないのだ。
 もう一口食べてみて、その理由がおぼろげにつかめた。ルーの温度だ。味がぬるいと思ったのは正解で、ルーの温度が若干低く感じる。したがって辛さも和らいで感じるのではないだろうか。

 味の世界は第一印象がすべてだ。一度、ぬるい味と思ったものが、しり上がりでよくなるというのはそうないことだ。2つ乗っている黄身を崩して旨味を増してみる。通常の旨さはある。しかし、、、なんだか満足度が低いのであった。

 あの梅田店の山田チーフの盛るカレー、そして店内にピンと張り詰めた「うちは旨いもんを出してる」という誇りが感じられる雰囲気、それが欲しいのだ。こんな風に僕は書いている。

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 これまでも観察していたのだが、この飯櫃前にいるのが店のチーフである。山田と名札に書かれた、20代後半っぽいそのチーフは「いらっしゃいませ」を言うとき、愛想笑いのひとつもない。かといって不快な無愛想感を漂わせているわけでもない。そして飯櫃から適量のご飯を皿に盛り、カレーをレードル一杯分、綺麗にかけて供する手際は、どうみてもプロフェッショナルである。このカレーかけはどんなに店が混んでも彼一人が担当している。
 大阪は、善い。顧客を喜ばせるためのプロフェッショナリティとサービス精神に満ち溢れている。
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 この時おぼろげに感じていた印象が、味わいに大きな影響を及ぼしていたんではないかと、思うわけだ。ちなみに大阪在住の友人女性によれば、もう一つあるインデアンの店も、梅田店に比べてぬるい感じがしたそうだ。 うーむ、、、もしかしたらインデアンの中でも、梅田店は特別なのではないか?

 ただし、本日は新しいオプションも発見した。なんだか興が乗らないので、いつもはついてくる分だけしか食べないキャベツの甘酢漬け(これをピクルスというらしい)を、追加で頼んでみようと思うのだ。

「おばちゃん、ピクルス!」

「大にする?小にする?」

「(え?大小があるの?そりゃ当然、、、) 大にして!」

「追加で50円になりますが、いいですか?」

「(おお、50円かぁ安いぞ。) ええよぉ!」

おばちゃん、ピクルスを皿に盛り始める。そこで一発。

「いやぁ ここのピクルス旨いもんねぇ」

おばちゃん、一瞬動作が止まってニマッとする。

「そうやろぉ、、、」

おお、ドンドンとピクルスが盛られていく!ぜったいにこれは規定の分量ではないだろう、キャベツ大盛りである。これは絶妙なタイミングであった。俺もこすくなったもんだ、、、

しかしこのピクルスが絶品の旨さなのだ。この旨さは梅田店と変わらないなぁ。ちなみに下の写真は、カレー皿にピクルスを半分いれてから、写真をとってないことに気づいて撮った。ので、皿の上部に写ってるピクルスと、皿に残ってる分の総量が盛られてきたと思って欲しい。通常は今、皿に残っている分より少ないのだ、、、むちゃくちゃ嬉しい。
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さて本日食べたのは、カレーにほぼすべてのオプションが加わったオーダーだ。
「カレー ルーもご飯も大盛り、目玉(黄身二つ)、ピクルス大追加。」
これを表すのが下の写真のプラ札だ。
nefuda.jpg
おばちゃんにこのプラ札の意味するところを教わったんだが、忘れてしまった。

 このようにちょっとがっかりした、初めての梅田店以外のインデアンだったが、収穫はあった。俺は梅田店ファンなのだ。これで迷うことが無くなった。いや、ほかのまだ行ってない店が旨ければいくけどね、、、

 そんなこんなで、仕事に向かうのであった。お腹は調度よい状態である、、、ウソです。

Posted by yamaken at 23:59 | Comments (5) | TrackBack

大阪・日本橋 とんかつ丼 「こけし」で憩う

 満を持して大阪で迎える朝。講演が始まるまで少々時間があるので、このblogの読者さんであり、ライターをやっていらっしゃる堺三保さんから教えていただいた、大阪日本橋のカツ丼・カツカレーの店「こけし」に行くことにする。色々とルートを調べると、宿泊した天満橋から地下鉄で日本橋まで行き、カツ丼を食べてから、地下鉄で1駅向こうの長堀橋駅構内に、なんとインデアンカレーの店があるらしい。僕にとって初めての「梅田店以外の」インデアンである。今回をこのコースを採用しようではないか。

それにしても大阪の人たちはフレンドリーである。地下鉄の出口の目の前の大通りで、いったいどっちにいけばいいんだっけ?と思って信号待ちのおっちゃんに「日本橋ってどっちですか?」と訊くと、大きなジェスチャーを交えて、熱の入った説明を3分くらいしてくれる。でも、その内容は「こっち側をまっすぐ行けばいい」という簡単な内容なのだが、懇切丁寧に教えてくれるのだ。しかもおいらのインチキ関西弁ではなく、ホンモノの大阪弁(いや、俺には判別できないが)である。なんだかその人情に感動してしまった。あまりに感動しておっちゃんの姿を遠くから盗撮(?)してしまった。

■この人だ↓
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 さて日本橋(にっぽんばし、と読む)は、東京で言う秋葉原、電気街である。その日本橋駅から地下鉄では一駅向こうの恵美須町近辺に、その「こけし」があった。
 この店は、秋葉原に於ける牛丼「サンボ」のような位置づけなのだろうか、とても愛好者の多い店である。この店独特のの作法とおもしろさはこちらのWebにかなり詳細にまとめられているので見て頂きたい。

 さて堺さんからは「ダブルエッグ ダブルカツ セパレーツがいいですよ!」と教えて頂いた。これは、玉子2倍、かつも2倍、具とご飯は別皿でという意味だ。相当にボリューミーである。これでご飯が大盛り(スーパーという)だと、「フルコース」という符丁になる。しかし、その直後にインデアンカレーも攻めなければならないことを考えると、ここは自重しておきたい。出張が続くので、体調管理には気を遣っているのだ。ということで、すぐに見つかった「こけし」に入店する。

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■こけし
住所:大阪府浪速区日本橋4-5-18
電話番号:06-6633-4956
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 店内はわりと綺麗で広く、明るい雰囲気だ。席の前にはこけしが沢山ならぶショーケースみたいなのがある。
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 この店のメニューが出色のできばえだ。表面はこのようなオーソドックスな品書きだが↓
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 裏面はこのように↓、系統図による分類がなされているのである(笑)!
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「ダブルエッグのセパレーツお願いします。」

「はい!」

 待ち時間の間に、タクワンをぽりぽりと噛む。そう、ここは「たくわんのわんこ蕎麦状態」を味わえる店なのだ。タクワンが減ると、すぐさま店員さんが補充してくれると言うことで有名。これは、皿を伏せるまで続くという。果たして、店内を一定時間で回遊している店員さんが「たくわんいかがですかぁ
と言って、2枚放り込んできた。タクワン自体は蛍光色の強い、みるからにその手のタクワンであるが、妙に美味く食べてしまう。ポリポリポリ。

 そして程なく運ばれてきた「ダブルエッグセパレート」がこれだ!
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 盛りはそれほど多いわけではない。うーむやっぱりダブルカツオプションをつければヨカッタかなぁ などと思うが、ここは次のインデアンにむけて自制心をはたらかせたのであった。

 セパレート(別皿)のカツをご飯にのせる。あれ?と思うほど薄い肉である。ショウガ焼き用に肉に少し厚みが加わったくらいか。しかし、この薄切り加減がきっとこだわりなんだろう。タマネギと玉子が絡まったご飯を一口食べる。関西風にしては濃く甘辛い香りが拡がる。カツ自体にもタレが染み渡っており、柔らかくかき込める。ナカナカに旨いではないか。というか、家でご飯を食べているような感覚だ。
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 店内を見回すと、同じようにホッとした顔をしながら、日本橋の各電気屋情報を交換したりというパーティが多い。そう、この店、やはり電気街のオアシスなのだ。秋葉における喫茶「東洋」(閉店しちゃうんだよなぁ、、、残念)や、牛丼「サンボ」(ここもBSE問題でやばいんじゃないかなぁ、、、心配)と同じ位置づけなのだなあ、と思う。

たくわん攻撃を2回受けたので、皿をひっくり返しておく。甘辛いカツ丼がすっきりと腹に入っていく。

「ごちそうさまでしたぁ」

 ダブルエッグセパレートは820円。それほど割安とは言えないが、みな安心感と満腹感を味わいにやってくるのだろう。

 日本橋の暖かな良心をみた。堺三保さん、情報ありがとうございました!

 さて地下鉄恵美須町から、インデアンカレーのある長堀橋駅へと向かうのであった、、、

Posted by yamaken at 19:05 | Comments (4) | TrackBack

大阪のうどんも旨い!つまみも旨い!2杯食っちゃった「川福」

 はりはり鍋の徳家から5分ほど歩いたところにある「川福」にきた。
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「大阪のうどんは、もっちりはんなりしてるのが多いけど、讃岐っぽくコシがあるうどんはあまりないんよ。でも、ここは最高!」

と友人が言う。彼が言うなら旨いはずである。
この店に至る道とかはよくわからない。酔ってたので忘れてしまいました。Googleで検索してみてください。

店内はこんな感じ。一杯飲んできた人たちが〆に入るみせという風情だ。
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お品書きにはうどん以外にもいろいろなメニューが並ぶ。牛筋みそおでんなどひねりの効いたタネだけでも1面を占拠。その他オムレツなど旨そうだ。

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「冷うどんも旨いけど、冬だしあったかいうどんを食わんと!」

と友人は言う。でも俺は冷も温も好きだ!ということで、かき揚げ天ぷら冷うどんときつねうどんのあったかいのを頼む。
ここ、厨房内はきっちりと割烹着を来た料理人が忙しく立ち働いている。非常にしっかりした、好感のもてる厨房であった。
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出てくるものも非常に気が利いている。このエビのオムレツ(卵焼きと書いてたかな)なんぞ、中華か洋食家で出てきても不思議は無いほどの完成度だ。ニンニクがビシっと効いていて、焼きの加減も絶妙。餡ともよくからんで旨いの何の。

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当然ながらうどんも旨い。サクサクのかき揚げにいろいろとのった冷うどん、実に綺麗。僕は型に入れて揚げたかき揚げは嫌いだが、ここのはそんな心配しなくても旨いかき揚げだ。全部よくかき混ぜて食べると、さぬき系のうどんなんだが、やはり大阪、いろんな旨い要素をとりいれたごちゃまぜうどんで最高である。

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そしてきつねうどんがまた最高であった!
友人の言うようにあったかいのが旨い!出汁が実に滋味溢れている。
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讃岐とは別系統の出汁。ほっとする。これで本日打ち止めしていい味だ!
あまりに旨く、秒速で食べる俺をカメラは捕獲できないのであった↓

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大阪の一日目の夜はこうして素晴らしいものになった。

その代わり、体のことを考えてホテルに帰って腕立て伏せ160回、スクワット50回やって寝たのであった。明日もまだ続くのだ、、、

Posted by yamaken at 01:42 | Comments (10) | TrackBack

関西の鍋と言えばハリハリ鍋にとどめを刺す! 大阪「徳屋」

jpg 大阪出張である。またもや講演なのだ。でもそれだけではない。関西で同世代の市場関係者、流通関係者に友人が数人居る。僕が大阪に行く時はほぼ必ず会って飲み、意見を交わすのだ。この友人達に言えるのは、キャラや強みがまったくかぶらないということだ。だから、非常に仲が佳い。その仲間が「やまけん、ハリハリ鍋食ったことがないならぜひ行こうや」と言ってくれた。そんな言葉に乗らぬ僕ではないのであった。

 ハリハリ鍋といえば鯨肉と京菜(水菜)を出汁で煮て食べる、関西圏を代表する鍋の一つだ。現在大ブレイク中の水菜にさっと火が通るか通らないかくらいで引き上げ、鯨肉と共に噛み締めると、「ハリハリ」という歯触りが楽しめるというこから名前が付いたと言うが、本当だろうか。ま、それはともかく僕はどこかの料理屋で、小鍋仕立てのハリハリを食べた記憶はあるが、全くその味については印象がないほどにインパクトがなかった。

 ところで鯨といえば相変わらず「食べちゃダメ」というワガママを押しつけてくる国際的なインチキ団体が多いが、全くもって腹立たしい。今や鯨は増えすぎており、イワシの漁獲量の低下などは実は鯨によるものではないかという推論もある。詳しくはこの本をご参照。保護しすぎてある個体が増えれば、そのしわ寄せがどこかに来るのは当たり前だ。しかもそれが食物連鎖の上の方に位置する動物なのだから、水産資源の圧迫は深刻だ。食い倒ラーとしては捕鯨反対には断固反対である。 ま、その理由の最たるものは「くじら食いたい」なんだけど。小中学生の頃に給食に出たくじらの大和煮が忘れられないのだ。あれは旨かった、、、

 さて今回友人が連れて行ってくれるのは、「大阪では知らぬ者がいない」という老舗の名店だそうだ。その名を「徳屋」という。場所は千日前だそうで、これは東京で言う歌舞伎町のようなところだそうだ。たしかに商店街に足を踏み入れると、風俗店と通常の小売店と飲食店がワイワイがやがやと軒を連ねる猥雑な空間が拡がっている。こういうところには旨い店が多いこともまた事実。非常に楽しみなのである。

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■徳屋
住所:大阪市中央区千日前1-7-11 上方ビル2F
電話:06-6211-4448
ハリハリ鍋 単品だと一人前2000円程度だったと思う
各種鯨肉刺身、ベーコン、竜田揚げ
コロおでん、さえずりおでん等
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 老舗と言うことで、喧噪の中に佇むあばら家を予想していたのだが、店はきれいなビルにあった。それも2階と3階にまたがっているらしく、相当に景気がいいようだ。店にはいると、テーブルや座席で客がつつく鍋の熱で、ムワッと熱い気がする。
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友人が言う。

「俺ここを予約の電話かけた時、おばちゃんが『ああ、はいはい予約ですね、、、あ、チョット待って下さいネ』って言われて それから5分くらい戻ってこんかったわ。もうこんな店いくの辞めよて思ったけどなぁ。」

 どうやらそれほどぞんざいに客を扱っても大丈夫なくらいに流行っているようだ。程なくもう一人の友人も来て、座敷に上がる。

 品書きには鯨の各種料理と鍋料理が並ぶ。まあとりあえずハリハリ鍋を2人前と、鯨肉の刺身とおでんなどを頼む。

 で、結論から言うと、この鯨肉料理がすこぶる旨かった

■さえずりとコロのおでん
 さえずりは鯨の舌。クニュクニュトロリとした食感がじつにかわいらしい。これがトロトロに煮込まれ串に打たれて出てくる。芥子をちょいと塗って食べると実に最高。
 コロは脂身である。皮目もついていて、そこの若干固い食感と柔らかくとろける脂味との食感ギャップが楽しい。
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■百尋(ひゃくひろ)の煮物
 百尋とは鯨の小腸である。ソーセージの輪切りのような見た目だが、食感はまさにソーセージ系。ま、鯨はほ乳類なので当たり前か。歯触りが強く弾力に富み、味も非常に濃い。焼き目を漬けてポン酢に浸して供してくれる。

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■くじらの刺身
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 最上と言われる尾の身と、赤身と脂身を交互に重ねたものを注文。しかしこれは感心しなかった。せっかくの尾の身はまだ十分に解凍しきっていない。刺身は切り身にする前に解凍しておかないと、旨味がドリップと共に流れ出て無惨なことになる。果たしてこの尾の身も、安酒場で頼むマグロの赤身のようなべったりとしたモノに化してしまった。赤身と脂の刺身は、まあ食えた。

■ハリハリ鍋
 刺身のまずさにかなり気分的に冷えてしまったのを温め返してくれたのが、やはり真打ちのハリハリ鍋であった。鯨肉と水菜がてんこ盛りになって運ばれてくる。
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 これを一見すると量が多そうにみえるが、、、水菜なんてのは加熱してしまうととたんに分量が減ってしまう。鯨肉は数片あるのみだから、案外にこの店の利益率は高いのではないかと見た。綺麗なビルにはいることはある。
 ただし味付けはまったくもって見事であった。しっかりした味の出汁には激辛唐辛子のハバネロが入っていて、これが全体の味を締めている。
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そこに鯨肉を入れるのだが、一口大の鯨肉にはあらかじめ片栗粉をまぶし下味を付けて茹でてある。この片栗粉の衣が出汁に溶けてプルプルとろとろの絶妙な加減になるのだ。鯨肉が煮上がってくると鍋の表面に浮いてくる。そこに水菜をざっと投入し、しばし火が通るのを待つ。そしてグラグラと煮立ってくるところに箸を入れて、水菜とくじらをザクリと食べるのである。
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「うーーー 旨い!」

 鯨の癖のある香りと衣のトロ味、そして一緒に食べる水菜の食感が際だち、あっさりとしてはいるが強い味の出汁が実に旨い。ハリハリというのがこんなに風流で旨い鍋だとは思わなかった。しかし、あっという間に水菜が無くなってしまう。

「もう一人前ね!」

 と頼むと、すぐに運ばれてくる。それをよーく見ると、、、???
なんだ?さっき二人前って頼んだのと、大差ない量が盛られている。鯨肉は若干量が少ないが、水菜の分量はさっきと同じくらいだ。水菜、皿に山盛りにすると崩れそうになるから、限界量があるのだろう。てことはつまり、ここでは一人前ずつ頼んで、追加しながら食べていくのが正解ってことだ!と三人ともに得心するのであった。

 3人とも農産物の流通に携わっている人間だけあって、

「この水菜は土耕か水耕か?」

「いや絶対に土耕でしょ。味が濃ゆいし」

 等々のつっこみが入る。そう、水菜は最近水耕栽培品が多いが、風味も食感も、土耕品とは別物。安い水菜はそれなりの味しかしない。だけどもキューピーなどのCMで採り上げられているせいか、流通の世界でも大ブレイク中である。

 ハリハリを3人前食べて、濁り酒を飲み、議論を交わし、いい気分になった。

「やまけん、旨いうどんを食べに行こう!」

と、大阪の町をさらに探索することになったのであった。

Posted by yamaken at 00:42 | Comments (2) | TrackBack

2004年01月26日

関西出張から生還。

 、、、ハードだ。

 月曜日大阪→火曜日大阪で講演後、和歌山へ→水曜日和歌山で早朝から仕事を終え、ただ今東京へ帰ってきた。その間にコメントをいただいた人には、レスを返せず申し訳ない。

 その間、さまざまなものをひたすら食べ続けた。これをきっちり消化するためにホテルでは腕立て伏せ150回以上とスクワット100回以上を課し、酔い覚ましの早歩き散歩を30分を心がけた。

 命を削りながら食べた記録を現在鋭意執筆中である。今回は少なくともWeb上には絶対に見あたらないようなネタを用意できた! またもや続く大量UPを待て!

Posted by yamaken at 22:52 | Comments (2) | TrackBack

北の都・札幌の寿司はやはり旨かった ススキノ「みのる」

 さてジンギスカンに舌鼓を打った後は、岩崎氏の手引きで少々アルコールを飲み、満を持して寿司へと向かう。
 先にも書いたとおり、僕は人生においてこのススキノで初めて「タチ」を食べたのだ。タチとは、昨晩までの帯広出張記録にもあるとおり、真鱈(マダラ)の白子だ。これを湯通ししてポン酢と紅葉おろしをかけたものが関東でも並ぶが、生のタチを寿司ネタとして食べられるのは、やはり北海道ならではだ。この季節、札幌の寿司屋でタチがなければ何を食べるのだろうか、という感じだろう。僕にとって「タチ」の最初の一口が、ここススキノの名店「みのる」なのである。

 この「みのる」、残念ながらどこを探してもWeb上に情報が載っていない。しかもまずいことに、住所や電話番号が載っていた箸袋を持って帰ろうとしたのに、落としてしまったらしい。今度訊いておくのでとりあえず場所データは無しとさせていただく。まあ、ススキノであることだけは間違いない。

 雪が凍結した路麺をツルツルと滑りながら店にたどり着く。この写真に写っているのが岩崎氏だ。
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「みのる寿司」は大将と女将さんの二人だけで切り盛りしている。オヤジさんは温厚そう、白髪交じりの頭は年期と風格を感じさせる。このみのる寿司と岩崎氏はいろいろと関係があるそうで、本当に昵懇である。旨い物を作るという双方の共通した目的があるせいだろうか、目に見えない信頼感で結ばれている感じだ。
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 さてここでは大将にお任せである。

「あのタチが忘れられません!」

「いいのがありますよ。」

そうしてまた、至福の時が始まったのだ。

順序は違うのだが、やはりまずこのタチ(真鱈の白子)から見て頂こう。
昨晩帯広で食べたタチも実に旨かった。そして本日のタチも最高!

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このプリンプリンの輝きである。妖艶である。口に入れて歯を当てると、官能的にムッツリとはち切れ、口中にそのトロトロを放出させる。ブワっと拡がる旨味、しかしそこには一片の生臭みもない。

「フウンム、、、」

とフランス人ぽく唸ったまま僕は動けない。その動けない状態の写真がこれ↓だ。

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なんだか歌舞伎役者の決めのポーズみたいだな。アホな顔である。

その後も素晴らしいネタが続く。昨晩の帯広に引き続き、シャコを所望する。北海道のシャコは旨いと言うことを知ったからだ。
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口にするとザラリ、ホッコリとした歯触り。おお、これはメスのシャコだ!いわゆる子持ちシャコである。肉の旨味はあまりないが、卵を抱いた甘みがある。

「本当はオスの方を出したいんですけどね、メスがお好きなお客さんが多いんですよ。」

いや、これはこれで非常に旨いです!

そして北海道の旬、ボタン海老だ。

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海老は金沢で旨いのを食ってきたが、北海道のボタン海老もやはり旨い。どっちがいいと言うことではなく、やっぱり質が違うような気がする。そう、北海道のネタは「大陸的」で男性的な味だと思うのだ。

と、岩崎氏が「おお、出たぁ!」と唸るネタ。生アワビである。
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生のアワビなんて、実はそれほど好きではない。柔らかく煮たアワビの方が旨いと思う。でも、この生アワビは実に素晴らしかった。よく出てくる水貝のように固い歯触りというだけではない。適度に柔らかく適度にコリコリ、そして旨味ジュースがタップリである。うーん やっぱ素晴らしいなぁ。


そして出てきた「ホッキ貝!」。
この堂々の偉容を見よ!美しく角が立っている。
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噛むと貝の甘みがシャッキリとした切り口から滲み出てくる。ホッキって旨いもんだ。貝の鮮度的にはやはり北海道の方が東京より有利だなぁと思う。

実はそれはウニについても同じだった。今回ぼくが一度食べたネタを所望したのは、タチとウニだけだ。

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このウニが、、、このウニが、、、本当に素晴らしいのだ。いつも寿司匠で食べるバフンウニの赤も旨いが、みのる寿司のウニはそれを上回る鮮度とみえる。もう、雑味はどこにも見あたらない。10メートル平方の白い絹布をバッと拡げても、どこにも汚点が見あたらないという感じだ。清廉にして濃密、クリームが舌の上で溶けていくのだ。

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と、程よい頃合いで、タチのみそ汁を女将さんが出してくれる。熱が入ったタチはまたその濃度を増し、味わいがふくらむ。ひたすら旨い。

昨日の帯広の寿司といい、このみのる寿司といい、「どちらが旨い」ということではない。北海道の寿司とはこういうモノだ、という気合と気概をストレートに打ち出してくる、誇り高き職人と、それを受け止める素晴らしい客がいる。そういう真剣勝負の中で、不味い寿司が生き残れようハズがない。

ビバ!北海道!
この1ヶ月で、また寿司に対する見識が拡がったのではないかと自分でも思う。そして以前にも増して、寿司が好きになった自分がいる。

ススキノに行かれる方は、ぜひタクシーの運ちゃんにでも訊いて、「みのる」に行ってみて欲しい。

満腹になった腹を抱え、凍結路面にツルツルと滑りながら、さらに奥深く分け入り、酒を飲みに行くのであった、、、

今回の北海道編はここまで。

Posted by yamaken at 01:20 | Comments (8) | TrackBack

2004年01月25日

北の都・札幌にて生ラムジンギスカンに驚倒する ススキノ「だるま」

jpg 帯広から札幌へ。前回、夕張から近くの栗山町の生産農家、岩崎氏の家で自家蕎麦を粉に挽いて蕎麦打ちをしたエントリをご記憶だろうか。あの岩崎氏が本日はメロン生産者の会議に出ているということだったので、札幌で合流することにしたのだ。
 北海道のメロンの世界では、如何にして味を向上させビジネスを安定化できるかという技術・経営双方についての生産者レベルでの議論がガンガン行われているらしい。そっちの会議も覗いてみたかったな。

 さて札幌といえば一 大歓楽街であるススキノだ。僕が札幌を訪れるのはこれが二度目。最初のススキノも、やはり5年前に岩崎氏に呼んで貰って北海道の農業者に講演をした際に連れてきて貰ったのだ。 その時も食いまくったものの記憶で忘れられなかったのが、「ジンギスカン」、「手打ちの蕎麦」、「タチの寿司」である。
 で、本日は岩崎亭ではないので蕎麦は無理だが、ジンギスカンとタチの寿司を食べようということなのである。

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 ところでジンギスカンには2種類ある。羊肉をあらかじめタレにつけ込んで焼くものと、生の味付けしていない肉を焼いてタレに漬けて食べるものの2つだ。前回食べた「カネヒロ」は、タレにつけ込んで食べるものだ(ちなみに帯広のノムさんには「あんなんだめだぁ」と言われてしまったが、、、)。僕は実を言うと漬け込みタイプしか食べたことがない。タレにつけ込んで旨~くなった肉のほうがよさそうじゃん、という感じであった。

「じゃあ今日は、生ラムジンギスカンを食べに行こう。」

と、岩崎夫妻は路面凍結しまくりの凍えるススキノをずんずん奥へと進んでいったのであった。小さな横町を入るとまさに雰囲気のある、汚い小さな店ばかり並んでいて興をソソル。そんな並びに、「だるま」があった。

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■ジンギスカン 「だるま」
札幌市中央区南五西四
生ラム 一人前700円
※しかし一人前では絶対に終わらない、、、

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すでに並ぶ人がいる。深夜までこの店は行列が途切れることがないという。うーむ人気店である。看板からは旨そうな雰囲気が漂っている。まどから覗いてみると、カウンターのみの店内は狭く、15~6人くらいで満杯になりそうだ。

「まあこの店の客の回転はラーメン屋並だから、ちょっと待とう。」

jpg そうはいいながらも根の生えた客がいたりして、僕らが入店するまで10分はかかったのであった。
 入店してからも壁に張り付いて待つ。秒速で動くおばちゃん4人で切り盛りされているこの店では、おばちゃんとの語らいとかは全くしている余裕がなさそうである。事実、客は一心不乱に生ラムを焼き、口の周りをタレでべとべとにしながら酒を飲んでいる。しかし女性が非常に多い。男性と半々ではなかろうか。水商売の女性らしき人たちと、一般の人が同等にいる。これは旨いってことだろう。


さてやっと席に着くことが出来る。

jpg 勢いよく燃える炭の入った七輪に、ところどころ穴の空いた鉄鍋がかぶさる。そのてっぺんには羊の脂が乗っている。てっぺんから鍋のふもとまでに数本のスリットが入っていて、それに沿って羊脂が流れて材料に絡まり、旨くなるのだそうだ。

「とりあえず生ラムと野菜。」

「はいよ!」

ときた材料をどーんと盛る。

炭火の威力で次第に肉が焦げ、旨そうな香りがしてくる。

「そんなに焼きすぎないで食べて大丈夫だから。」

という声で、すぐさまタレにつけて食す。
jpg タレは醤油ベースだが爽やかな酸味もある。そして生ラムはというと、、、僕はこんなに旨い羊肉を食べたことはない!!!

 まず、信じられないくらいに柔らかい。特にコッテリと白い脂身の部分はフンワリしており、筋目を全く感じない。

 そして、、、旨いジンギスカンでいつも言われることだが、まったく臭くない。臭くないどころか、程よい羊の香りがするのみで、嫌な成分が全てカットされているような感じ。

「旨いよぉ!!」

ここからはとにかくラムを頼み、食べまくったのであった。総計10皿は行っただろうなぁ。何故かは知らぬが、牛肉と違って嫌になることがないのだ。純粋に胃袋の限界まで突っ走ることが出来る。タップリ盛られたタマネギや長ネギなどの野菜を挟むとますます食欲が増す。
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あ!いかんいかん このあと寿司にも行くのに、大満足になるまで食べてしまった!しかしこれ一軒で打ち止めにしてもいいと思うくらいの美味い店なのであった。

帯広の岡坂さんノムさん、札幌のジンギスカン旨かったっす!(また怒られる、、、)
また連れてってクレー岩崎さん!

Posted by yamaken at 22:19 | Comments (2) | TrackBack

豊饒の大地・北海道帯広編その4 帯広インデアンカレーにまた新事実発覚だ

jpg 朝、目覚めると空腹である。昨晩あれだけ食べたにも関わらずきっちりと腹が減るのはどういうことだろう。でも、ホテルの朝飯などを食べるつもりは毛頭ない。帯広駅周辺のブランチといえば、インデアンカレーしかない!

 インデアンカレー。前回も述べたとおり、どうやら大阪のインデアン」とは全く関係ないらしいのだが、そのシンボルキャラクタはそっくりである。ただ、似ているのは名前とそのキャラクタだけで、味のほうは全く別物である。別物であるが、実に旨い!一番ベーシックなカレーが380円。日本風トロトロカレーであり、スープ系カレー好きの友人Yには敬遠されそうだが、僕はこの帯広インデアンのカレー、衝撃的に好きになってしまった。

 さて今回も帯広駅前の長崎屋に行く。開店前の5分間、中学生やらオババやらがうわーっと押し寄せる。そうか本日土曜日だもんな。でももしかしてこの人たち、一斉にインデアンカレーの店に向かったりして(笑)
 開店後の奔流にのって店内へ。インデアンカレーの看板が見えてくる。前回職人芸を見せてくれた眼鏡の彼が居る。

「いやーまたきちゃったよぉ!」

「あ、、、いらっしゃいません、、、」

彼の中のおぼろげな記憶が、この図々しく話し掛けてくる人間に見覚えありと囁いている。そしてしばしたって合点がいったらしく、にっこりとしてくれる。

「あんまり旨いんでねぇ、また東京から来ちまったよ。」

「ありがとうございます。」
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彼の名前は吉田君。

「店では下っ端です」

というものの、腰の据わったいい動きを見せるカレー職人だ。

本日食べるものは決まっている。それは、、、お世話になっている農協の、岡坂さんとノムさんのご上司であるI澤さんがいつも食べるという「シーフードカツカレー」だ。これは実はメニューには載っていない。
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I澤さんが頼むってことはそりゃぁ旨いと言うことだろう。

「シーフードカツカレー大盛りね!」

「はい!」

 吉田君がすぐさま調理にかかる。まずフライヤーでカツを揚げる。カツは中々立派なもので、正直、こういったスタンドで出てくることが想像できないようなものだ。そして平行してナス・ピーマン・たまねぎといった野菜類を素揚げする。
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 カツに火が通ると油を切り、素揚げした野菜を大盛りご飯にのせ、そこにシーフードルーをかける。ルーは味別に鍋に蓄えられているのが見えた。
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これで完成だ!大盛りにした分と、カツが載っている分で、てんこもり状態になっている。

■シーフードカツカレーライス 大盛り 950円
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これが一番この店で高いメニューだと言う。
スプーンを入れるとカツの層にぶち当たり進まない。仕方が無いのでカツをすくう。カレーの邪魔をしないよう、衣は微細できめの細かいパン粉で仕上げている。カリッと仕上がったその揚がり口はお見事である。このカツとシーフードのルーが実にベストマッチング!

「やっぱ旨い!東京から食いにくる価値あるよぉ」

「ありがとうございます。」

吉田君ともどうやら二回目で心の交流ができそうな気配だ。僕が自分のWebを見てもらおうと、メモにアドレスを書き始めると、

「それ、インターネットのアドレスですか?聞きたいと思ってたんですよ!」

と言ってくれる。よしよし、見てくれよな。ぜひ社長さんによろしく。

さてシーフード大盛りは中々のボリュームだった。旨かった!本日はこれで打ち止めにするつもりで、「大盛り」にしたのダ。

し、しかーし!

大変なことが発覚してしまった、、、机上にのっているメニューを何気なく持ってみると、裏面にも何かが書いてある。
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なんと!ここのカレー、辛さ調節ができたのだ!
メニューを良く見てなかったから、辛さは一つしかないのかと思ってた!

これはどうしたものか!?そのとき神の啓示のような内なる声が僕に囁いた。

「そこに山があるから登るのだ!」

僕の闘魂は燃え上がった。

「吉田君!大辛ちょうだい!」

もう厨房内のもう一人の女性も大笑いしている。やっぱ食べるんじゃん!
でも実は少々日和っているのだ。一番辛いのは極辛。でも本日は戦闘態勢ではないので、一歩手前の大辛で様子見なのだ。

すぐさま出てきた大辛は、やはりどことなく唐辛子の赤色が指しているような気がした。
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そういえば厨房にはGABAN社のカイエンヌペッパーとカレー粉の大缶が出ている。あれが辛さの源になっているのだろう。一口食べてみる。二口食べてみる。三口食べてみる、、、

「辛い。」

いや、辛い。これは辛い。なんといってもトロトロ系の強いルーなので、したの上に滞留する時間が長い。したがって唐辛子の刺激成分が刺さりまくる感じである。もうすぐさまブワッと噴出す汗。この情けない顔を見よ!↓
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写真では見えないだろうが汗が頬を伝っている。ていうか、すでにTシャツ姿であるところに注意。

だがもちろん食べられない辛さでは全然ない。けど、吉田君はこう言う。

「女性でいつも、極辛の3倍というのをオーダーされる方もいらっしゃいます。みていると、平然と食べていらっしゃるんですよねぇ、、、」

上には上が居るものである。その勝負は放棄したい。
あー辛い。辛かった!
でも旨い。やっぱ大好きだ帯広インデアンカレー。
社長さん、このカレー、東京でも受けると思いますよ。いちど進出考えてみてください。

超満腹になり、勘定。ここのカレーだけで一人1000円を越すのは中々居ないだろう。吉田君で再会を約束し、長崎屋を後にする。

帯広編、ご満足いただけただろうか。引き続き、札幌ススキノ編が始まるのである。

Posted by yamaken at 16:17 | Comments (3) | TrackBack

豊饒の大地・北海道帯広編その3 仰天の牛トロ寿司は帯広にあり

 引き続き、岡坂さん、ノムさんが言う。

「ヤマケン! あのな、金沢の寿司食ったくらいで『最高!』とか言ってんじゃないよ!旨い寿司はなぁ、旨い寿司はなぁ、、、帯広にあるんだよ!」

えええ?本当ですかぁ?(半信半疑)
おいら、寿司は結構食ってるよ?いいんすか?そんなこと言って、、、というのが僕の内心の呟きだ。正直、大地の恵みが旨いこの十勝において、寿司が旨いというのはちょっとわからんなぁという気持ちだったのだ。

、、、しかしこの浅薄な推測は、とてつもなく仰天の寿司によって覆されるのである。

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■金ちゃんの店 吟寿司
帯広市西一条10丁目
0155-23-6641
※帯広駅からすぐ、繁華街の大通り沿いにある。
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「かかし」から100メートル程度にある金ちゃんの店 吟寿司の暖簾をくぐる。路面に出ている看板をみて驚いた。「牛トロ寿司」が一番上に誇らしげに書かれているのだ。

「ヤマケン、ここの牛トロを食ったら、もう忘れられねーよ」byノムさん

そうなのか、、、
しかしここで心の中には不安がよぎっている。牛トロかぁ、、、サシが入った牛肉を生で食ったって旨いもんじゃないだろうになぁ、、、
いや、例外はある。以前、北千住にてバードコートの野島さんに連れて行って頂いた焼き肉「京城」では、熟成されまくった肉をそのまま焼かずに食べて、ムチャクチャに旨かった。しかしそれはトロトロになるまで肉の熟成を進めているからだ。寿司屋の感覚で肉を使う場合、そこまで熟成させるだろうか、というのが疑問なのだ。

頭の中に「???」マークを点灯させながら入店する。顔はにこやかだが目つきが異様に鋭い大将(おそらくこの方が金ちゃん)と、よく似た顔の息子さん「ケンちゃん」そして控えめな女将さんが迎えてくださる。

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ちょうど5人程度の先客の分を握っているところで、大きな板に寿司を握っている最中であった。

「ちょっとだけ待っててね、今すぐ握っちゃうから。」

そう言うや、金ちゃん大将が握りを始めた。

速い!
驚速の握り技術である。いろんな寿司職人さんをみてきたが、この吟ずしの金さんの握りに優るスピードはみたことがない!みるみるうちに25貫程度の握りが板を埋め尽くしていく。
その握りが出て、いよいよ僕たちの番である。

「じゃあオヤジさん、今日はね、、、今日はね、、、どうしようかなぁ」

とノムさんがしばし熟考。意を決したごとく怒濤のオーダーを決める。

「サバ、シャコ、タチ、トロ巻き、穴子、そんでトロ寿司。」

そして、快楽のひとときがやってきたのだ。

いい感じにトロトロと〆られたサバをいただくと、金ちゃんの握りは凄まじい速さながら、柔らかくまとめられたモノであることがわかった。
そして出てきたのが、とってもおおぶりのシャコだ。

■シャコ
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以前も書いたが、僕は江戸前のシャコが嫌い。食べるなら瀬戸内のきめ細かいものが好きだ。しかし北海道のシャコは堂々の存在感と、強く濃い濃い旨味がすばらしいものであった!
とにかく身が大きく熱いため、その旨さを存分に味わうことが出来る。塗られたツメも程よく甘く、シャコの甘さと香りと、そしてみずみずしい身の食感と相まって、思わずため息が出る。

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「うー、うー、ウマいっすよこのシャコ!」

「北海道もね、旨いシャコがあるんですよ。特に○○○あたり。」

残念ながら食べるのに夢中で、この○○○がどこだったのか忘れてしまった!うーん岡坂さん、どこでしたっけ?

そして、次にアレが出てきてしまったのだ!

■生タチ(真タラの白子)
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タチの旨いのを食べようと思ったら、残念ながら築地では遠すぎる。北海道で食べなければ、、、北海道での何年かぶりのタチだ。当然ながら臭みもえぐみもない。極めて繊細でトロトロの冷たいポタージュが、むっちりと弾けるのだ。

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さて、そして問題のネタが出てくるのである。

■牛トロ巻
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よく冷やしてある牛を、柳刃包丁で細いスティック状に切っていく。それを軍艦巻に盛りつけたものが「牛トロ巻き」である。サシは入りまくっている。ご覧の通り美しいピンク色だ。

「醤油つけないで、このまま食べてください!」

どうかなぁと思いつつ口に入れる。
冷やしているため、牛のネットリとした脂は最初は溶け出してはいかない。しかし噛んでいるうちに、牛を載せる前に軍艦に仕込んだとおぼしき、濃い旨味を持つタレ成分の味がひょいと顔を出してくる。そしての旨味が牛を包み込んでいく。若干の塩気の強みが、牛のモッチリした脂に包まれ、結果的に絶妙なバランスの味となるのダ!

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これは僕の人生で初めての生牛肉の味だ。「京城」のようなトロトロ感のある熟成肉ではない。どちらかというと熟度はそれほど進めていないフレッシュな感じ。そしてそのこなれ具合をビンビンに加速する謎の調味料があるのだ!

「こ、これ、どういう味付けなんですか?」

「ヤマケン!それが秘密なんだよ!特殊なミソなんだよ!」byノムさん

いやこれは素晴らしい。

「じゃあ、穴子で一息入れるよ。」
「うちの穴子はねぇ、東京には負けないよ。絶対に自信があるんだよ。○本譲二なんて、15貫食べてったんだから!」

そうして出てきた穴子は、実に見事、本当に江戸前でもナカナカ食べられない旨い穴子だった。

■穴子
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僕の好きな「焼き」の強い穴子である。タレは最初から刷毛で塗りつけて焼き目を入れているらしく、非常に香ばしく身にまとわりついている。代々木上原「カストール」の藤野シェフによれば「おそらく今の時期だと、築地から北海道に行ってると思いますよ。旨いのは産地よりきっと職人さんの腕でしょう。」という個人的コメントがあったのだが、実際そうなんだろう。この穴子、好みです。10貫食べたい。

しかし、そうはさせてもらえないのだ。この後、いよいよこの吟寿司の最大の目玉である「牛トロ寿司」が来るのだから、、、

■牛トロ寿司
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見よ!この誇らしげな切り口の立った牛肉片を!秒速の握りの工程をみていると、この牛の裏に瞬時に塗ったのは、ほぼ黒い粘着性のペーストだ。岡坂さんが言うように蟹ミソ系のものだろうか。それを塗り込み素早くシャリと合わせ握る。

「はいよっ これが牛トロ寿司!」

「ヤマケン、これを食ってみろ!ヤマケン!」byノムさん

食べた!
う~ん これは旨~~~い! 先に出てきた、細口切りの牛を軍艦に載せたトロ巻きとは全く違う感覚だ。一体なんだろう、肉の旨味が強く感じられる。生で食べるともっさりするはずの牛脂が、心地よい甘みで、溶けている気がする。ご存じと思うが牛脂は融点が高く、人間の体温では溶けない。マグロは溶ける。従って牛は生で刺身で食べると旨くないはずなのだ。しかしこの牛トロ寿司は、舌にロウがかぶさるような嫌味が全くないどころか、、、いやマジで旨いのだ!あの魅惑的な謎のミソの味が、噛んでいるうちにどんどんと染み出てくる。

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「どうだヤマケン!帯広の寿司は旨いだろ?」byノムさん

「、、、はい、初めてです、こんな旨いの、、、」

岡坂さん、ノムさんは満足げに微笑んででおられる。

「俺たちもここんとここの店ばっかり通ってるもんな!」by岡坂さん

「はい、岡坂さん野村さんは、この店の常連ベスト3に入ってます!」byケンちゃん

そう、そういうことなのだ。今回の組み立ては、店に通い詰めていないととうてい辿り着けない。例えば、牛トロ巻の後にいったん穴子を挟んでリセットしてから牛トロ寿司にいくあたりなんぞ、観光客には絶対にまねできないだろう。
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岡坂さん、ノムさんはご家族の分を包んで貰っている。お二人の心根の優しさがビシビシと伝わってくる。

「ヤマケン!旨かったか?」

「はい、もう最高っす!」
それしか言えない。ここでお二人とお別れ。僕も通常ならもう少し何かを食べに行くだろう。しかし、、、そうする気になれない。今日はこれで心の満足を持って打ち止めにしておきたい。それほどまでに素晴らしい寿司だったのだ!

 お二人とお別れする。本当にありがとうございました。しかしこのお二人を上京時にはどこへお連れすればいいのだろうか。悩みが増える今日この頃であった、、、

明日は帯広を発ち札幌へ向かう。その前にまたもや帯広インデアンカレーを襲撃する予定なのであった。

Posted by yamaken at 15:57 | Comments (3) | TrackBack

2004年01月24日

豊饒の大地・北海道帯広編その2 おふくろの味 「かかし」の豚丼とノムさんを味わう

 JAでの仕事は無事終了した。トラブルにも見舞われず、本当によかった。これに向けて徹夜で頑張っていた後輩もホッとした表情だ。
「お疲れ様でした!」
「うん、じゃーどこいこうか。何食いたい?」
そう、これから夜の部開始なのである。

 昼から一緒にいて下さる岡坂さんと、そのご同僚の野村さん(ノムさん)がお相手をしてくださる。ちなみに前回もこのお二人に美味い店に連れて行って頂いたのだ。お二人とも生粋の幕別生まれの幕別育ち。ノムさんは岡坂さんの高校の後輩である。
「いや、俺も岡坂さんと課長には頭が上がらないのよ。」
というノムさんはしかし、初対面の時には「こいつぁヤバイ」と思ってしまうムッツリ触れると切れちゃうヨ系の怖さを醸し出している方なのだ。でも段々とうち解けてきてくださると優しくニコッと笑ってくれるナイス兄ちゃんなのであった。
 そして、金沢編に引き続き、このノムさんこそが帯広に於ける味の先導人となったのである!
■ノムさん
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 さて帯広に来るととにかく豚丼しか食ってないということもあり、普通の居酒屋にいってみたいと所望する。そういえば今回も泊まるホテル「パコ」のそばに「かかし」という店があって、そこの豚丼もナカナカだという噂を聞いた。ということで、今回は「かかし」に行くことになったのである。

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■かかし

住所 : 北海道帯広市西2条南10
電話 : 0155-25-5911
営業時間 : 15:00~24:00
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品書きにはやはり海産物が多い。とはいっても、首都圏でみる居酒屋メニューとそれほど変わるわけではない。問題は、そのありふれたメニューの中身が、首都圏で食べられるそれとは全く違うということだ。

■いも団子
 これは北海道では広く食べられているものだ。じゃがいもをマッシュにし、片栗粉を加えてよく練り、団子状にしてあげたモノだ。これにバターと甘辛醤油タレがかかっている。
「これも豚丼系のタレの味なんだよ。」とノムさん。


■ししゃも
 ししゃも、、、実は東京にいる僕らは、ホンモノのししゃもを食べる機会がそうないのである。いっぱんにホンモノのししゃもが出回ることはごくまれで、よく似た別物の子持ち魚が売られているのが殆どだ。
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「ヤマケン、おめぇ、ししゃものホンモノ食べてケ!」とノムさん。
運ばれてきたししゃもは、なんともふっくらとし、かつ水分が適度に載った、我々が食べているものとは別物の出で立ちである。旅館の朝食とかで出てくるのは銀色だが、なんだかこちらのはオレンジがかった色だ。レモンを軽く搾ってかぶりつく。すると適度な塩の利いたジュースがじゅわっと溢れてくる。そして卵がモロモロと崩れる。まったくパサパサしていない!逆にトロリモロリと水分が絶妙なのだ。

「う、ウマいっす!」

「ヤマケン! これを食わないで出張食い倒れ日記なんて書いてちゃ ダメだ!」

そう、ノムさんはこれを言いたかったのだということが判明!ここから怒濤のノムさん責めが始まるのであった。

■イカの一夜干し
「ヤマケン! あのな、イカってのは北海道が一番旨いんだからナ!俺たちなんか、イカにゴロ(ハラワタ)巻いて凍らせたルイベで酒が何杯でも飲めるんだぞ。ま、とりあえずこの一夜干し食ってみろ。」
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 なんてことはない一夜干し、、、にみえた。しかし、驚くほどにふっくらとしたスルメイカの身は、一夜干されることによって旨味を増し、水分が抜けることによって絶妙に官能的な歯触りとなって、歯にむっちりとした弾力を返してくるのであった。

「おう、ちょっとまちな、今、特製ドレッシングつくってやっから。」
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と言ってノムさん、やおらマヨネーズに細工をし出した。
まず、マヨの小皿に七味を入れる。まあそれは我々もよくやることだ。次に、それに醤油を加える。ふうむなるほど。そしてみていると、なんとそこに、日本酒を加え始めるではないか!そして一気呵成にかき混ぜる!
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「これがポイントなんだぁ。知らなかっただろ?日本酒の性質で、いつまで経ってもマヨが乾いたり色が変わったりしねーんだよ。ほれ、食ってみろ」

この特製ドレッシングにイカをつけて放り込む。旨い!結構日本酒がはいっているのにも関わらず酒の香りは殆どしないが確実に旨味が増している。

「これ、「こまい」にも合うからつけてみろ」

と、丸焼きにしたこまいに漬けて食べる。当然ながら旨い。

「海老にもつけてみろ!これはブラックタイガーだな」

と、海老の丸焼きはかなり大ぶり。皮を剥いて特製ドレッシングで食べると、実に旨いのである。
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この時僕は海老に付いている皮は全部剥いて食べたのだが、そこでノムさんすかさず

「ヤマケン! 海老はね、薄皮は残して食べる方がうめーんだよ!そんなことも知らないで食い倒れ日記じゃねーぞ!」

へええええ そうなのかぁ、、、と思ったが後の祭りである。次回また海老で試してみるとしよう。

■ホッケ
さて北海道といえばほっけである。塩焼きを所望すると、「だいぶ小さいな」というサイズのものが運ばれてくる。我々にとっては十分な大きさなのだが、、、

「さてヤマケン、このホッケ、開いてある骨側と骨なし側、どっち側の身が旨いと思う?」

うーむ それは考えたこと無かったけど、、、太陽光に干して旨味成分が凝縮されるのは骨の周りだよなぁ、と思って骨側を指すと、

「違うよ!骨側はな、骨の厚みで干しの旨さが身まではいっていかねーんだよ。だから骨の周りは確かに旨いんだけど、そこの一枚だけなんだよなぁ。で、骨なしの側は、ブロックされねーから、中身まで旨くなるんだよ。食って確かめてみろ!」

食ってみた。確かにそうだ!骨側は骨を除いてしまうと、あとは白い淡泊な肉があるだけだ。しかし、骨のない側は、干された旨味タップリの部分が中まで浸透している感じだ。

「仰るとおりっす!」
「だろ?ヤマケン! だめだよこれくってから日記書かねーと!」

全くその通りだ。そして、さらにホッケの一番旨いカ所というのを教えて頂く。

「それはな、ここだ!」画像参照↓
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ホッケは背開きで開いている。つまり、開いた状態で頭の下の真ん中の部分が、いわゆる「はらす」の先っちょということになるのだ。

「せっかく俺がほじくってやったんだから食え!」

おお、たしかに歯触りがシコッとしていて、脂の乗りも旨さも他の部分とは段違いだ!
この後もしっかりシッポを持って皮をむけ等、実に含蓄の深い叱咤をいただきまくる。

そしてこの店の豚丼を食べたのである。

■「かかし」の豚丼
ここの豚丼は、フライパン焼きである。そして特徴としては、タマネギの千切りが一緒に炒められているのだ。
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「これはね、家庭でやる豚丼でよくやる方法だね。」
なるほど。食べてみる。昼間に食った「鶴橋」の黒豚丼に比べると全然あっさりしているが、これはホッとする味である。タレは甘め、でも適度にしゃっきりした味だ。飲んだ後をしめるにはちょうどよい程よい豚丼だ。

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いや、ずいぶんにたのしませていただいた。
この間、冷や酒が何本も空いている。僕も後輩もかなり酔っぱらってしまった。岡坂さん・ノムさんも酔っぱらっている。

さてこのかかしを出て、我々はすぐに帰っただろうか、、、?
いや賢明なる読者の皆さんにはわかるはずだ、、、これで終わるわけがない。この日最大のクライマックスとなる必殺ストレートがノムさんから繰り出されるのだ。

「ヤマケン! お前、金沢の寿司くらいであんなに日記かいてんじゃねーぞ!寿司はな、帯広が一番うめーんだ!」

ええええええ? 帯広で寿司っすか?それは違うんじゃねーの?と思いながら歩くこと100メートル。帯広駅からすぐの大通り沿いにある寿司屋に我々は誘われたのである、、、

(つづく)

Posted by yamaken at 13:57 | Comments (0) | TrackBack

豊饒の大地・北海道帯広編その1 黒い豚丼の謎!「鶴橋」

 眼下に広がる青い海面が突如として、一面の白い絨毯に変わる。雪の北海道に来るのは何年かぶりだ。
 JAの岡坂さんから「雪の北海道を舐めてはイケマセン。完全防備で来ること。」と言われていた僕は、数年ぶりにモモヒキ(ボディタイツという名前で売っていた)と、二重にした靴下、そしてゴアテックスのキャラバンシューズで防寒していた。飛行機を降り、にこやかに出迎えて下さった岡坂さんはしかし、上下作業服に無造作にパーカーを羽織り、ゴム底の運動靴という軽装であった。
「いやぁ今日は暖かいから大丈夫だよぉ」
言ってること違うじゃないですか!
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 さて本日はとっても重要な仕事の日だ。が、すでに岡坂さんは僕が何のために帯広に来ているか、よーくご承知なのである。
 
「じゃあ、行きますか、黒い豚丼。」

そう、黒い豚丼というのがあるんだそうだ、、、

「俺が子供の頃からオヤジに連れて行かれてよく食べてたのが、そこの豚丼なの。俺の記憶だと、そうだねぇ、店を建て替えるまでは普通の豚丼出してたと思うんだけど、なぜか建て替え後から真っ黒な豚丼になっちゃったんだよね。でも俺はそっちも好きだったから、俺がよく食う豚丼はそこのなんだ。だけど、人によって食べらんない人が居るんさ!だから山ちゃんがどうなんだか、楽しみなんだよ、、、」

おおおお
そいつぁ楽しみである!
空港から20分程度、帯広市街のハズレのあたりに、その店はあった。

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■豚丼専門店「鶴橋」
帯広市柏林台東4-1
TEL0155-34-1155

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紫の暖簾をくぐって店内に入る。1時を回っているのに満員状態である。
「あらあらごめんなさいねぇいつもは空いてるのに今日はすごいことになってるのよ。」
とお母ちゃんが迎えてくれる。厨房内には眼力の鋭い腰の据わったオヤジと、その息子さんらしき方がフライパンを振っている。それにお母ちゃん、むすこさんの嫁はんという構成らしい。


品書きは豚丼の並と特盛り、みそ汁は別注文で豆腐となめこが選べる。ちなみに帯広の豚丼専門店は、なぜかみそ汁が別注文の店が多い。でも岡坂さんによれば「付いてくるところもあって、よくわかんない。」んだそうである。
当然のごとく「特盛り」をたのみ、みそ汁は「なめこ」を選ぶ。

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超満員のお客さんを捌くために厨房はフル回転している。のぞき込んでみると、タレが入っているとおぼしきホーローびきのボウルがある。その横で息子さんが、でかいフライパンで肉を焼き、タレで煮付けている。そう、この店のスタイルは炭火焼きではなくフライパン方式なんである。

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「なんか、炭火焼きだとあっさりしちゃっててね、、、旨いとは思うんだけど、満足しないのサ。」

それは前回「ぱんちょう」で食べた時に僕も感じたことだ。炭火だと、余分な脂が落ちることもあるのだろうが、全体的にあっさりめに仕上がる。タレをネットリ絡ませたコッテリ豚丼が好きな人には、フライパン方式の方がいいようだ。

30分くらい待っていると、とうとう出てきた!

うわっ
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マジで黒~い! そして、香りが半端じゃない。香ばしいというのをちょっと通り越した、少しコゲ香の入った強くねっとりとした香り、いやクラクラしそうな「匂い」が立ち上っている。豚を食う。

「おお、ニガ旨い!」

みたとおりちょっと苦い!けど、その苦さと濃さ、甘辛さが渾然一体となって、強い刺激を味覚細胞を襲ってくる。次にこの黒タレがかかったメシを喰らう。
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「タレだけでご飯がいけちゃう~」

すんごく濃厚なタレがご飯に絡むと、苦さは消え、程よいまろやかな「まぶし飯」になるのである。これは旨い!

「ああそう、山ちゃんも好きかい、よかったよぉ。俺もタレだけでご飯たべれちゃうんだよね。」

いやこれマジでウマいっす。

実は黒い豚丼というのを訊いて、その黒の由来は何だろうと大体の想像はしていたのだ。おそらくカラメルで黒とコクを出しているのだろうなと。砂糖を炒めてできるカラメルは、実は様々な料理にコクとテリを出す秘密兵器だ。岡山名物の海老メシ(東京では、カレーショップの「いんでいら」と八丁堀のダイニングバー「ラティーノ」で食べることが出来る。)も、こげ茶色の炒めご飯だが、カラメルが大量に使われている。
この「鶴橋」の豚丼もそれではないかと。最初の一口は苦さを感じるかも知れないが、その奥から深みのある香りと旨さが立ち上がってくる。コッテリ好きには堪らない第4の味覚を刺激されるような感じだ!

食べてみた感じ、カラメルとして使っているかはともかく、予想通り糖類を加熱してできたコゲ味ではあろうと感じた。夜の宴席におつき合い頂いた、岡坂さんのご同僚のノムさん曰く
「鶴橋の豚丼のタレにはさぁ、ザラメと黒砂糖を合わせて使ってるらしいんだ。」と仰っていた。フームなるほど。

この豚丼についてくる真っ黄色のたくわん、実は豚丼との相性がばっちり。豚丼→タクワンという連鎖でいくらでも食べられてしまう。空港レストラン「白樺」の豚丼についてきたキュウリのキューちゃんもそうだが、やはり豚丼は浅漬けではなく古漬けとの相性がよいのであろう。
 しかしこれ、家庭ではとうていまねできん!と思う。食べ終わった後のドンブリは真っ黒黒状態。割り箸に付着したタレはおそらく絶対に洗っても落ちん!
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 特盛りはかなりの分量があるが、通常の僕であればもっと食べられる量だ。しかし、ここの豚丼には大満足だ。もう何も食べなくても大丈夫だ。

「岡坂さん、おれ、これ好きっす!」
「そうですかヨカッタ!俺の嫁さんはここ、ダメなのよ!」

このように好みがまっぷたつに別れる「黒い豚丼」、帯広を巡るなら絶対にはずせないところだ。また一つ、ぼくの豚丼ライブラリに欠かせない店が登録されたのであった。
さあ、仕事だ仕事!

Posted by yamaken at 09:24 | Comments (0) | TrackBack

2004年01月22日

出張予告とお詫び

さて、すでに恐怖の出張月間に入っている。
明日は、猛吹雪の帯広に発つ。しかもJAS便だ。(でも問題の機体ではないらしい)
帯広では、また新手の豚丼を食べる。JAの方が、
「まっ黒の豚丼を食べに行こう!」とおっしゃってるのだ。むふふふ楽しみである。こんな短期間で何種類の豚丼を食べているのだろうか。

新年明けてからいろんな人と「飲もうね」という声を交わしている。が、そのほとんどに応えられないまま、繁忙期に入ってしまった。BLOGへのコメントで「飲もうね」約束をさせていただいた皆様にも申し訳ない。3月まで待ってくれ~

ちなみに明日からも食い倒れ更新はするが、きちんと仕事してるんだからね!食い歩きに行ってるんじゃないんだからね!勘違いしないでね!
という、お詫びでした。

Posted by yamaken at 23:23 | Comments (2) | TrackBack

速報! 明日発売の「デジタルID革命」

 食倒ラーであるやまけんはしかし、またの姿として農産物ITコンサルタントという身分を持っているのだった。で、日経新聞のIT戦略チームである「デジタルコア」というところが本を出すのだが、そこに寄稿を要請されたので書きました。
 本の名前は
「デジタルID革命」
だ。

 明日発売なんだが、すでにAmazon.comでは予約できるようになっとる。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532311179/qid%3D1074769034/249-4467765-3286718

この本、分かり易く言えばIDタグ(RFIDタグね)の技術と社会との関連について書いた本だ。で、技術的な話などが並ぶ中、食品のトレーサビリティというコラムで僕が3000字くらい書いている。関心がある人は、ぜひ手に取って頂きたい。

ちなみに主著は、有名な國領二郎先生(慶應義塾大学)だ。

立ち読みはやーよ。

Posted by yamaken at 20:02 | Comments (0) | TrackBack

三軒茶屋 盛岡じゃじゃ麺「じゃじゃおいけん」と カレー「とんがらし」のハシゴ その1

 すっげー気になっていたのだ!とうとう、東京にあの盛岡じゃじゃ麺の専門店ができたというニュース! 「元祖盛岡じゃじゃ麺専門店 じゃじゃおいけん」というその店、三軒茶屋の思いっきり小さな店らしいのだが、ココロザシの高い若店主により営まれているという。うーむ食べに行きたい。

 と、そこに「三軒茶屋には美味しいカレーを出す「とんがらし」という店がある。」と、カレー好きYからの情報が。それぢゃあ、ぜひこの二軒をハシゴしよう!ということで、急遽三茶に出向いたのであった。もちろんこんなハシゴ企画にYがのってくれるはずもなく、事前に僕が一人でじゃじゃ麺を食べ、その後カレーをということなんだけどね、、、

さて
 盛岡じゃじゃ麺という食べ物をご存じだろうか?中華料理屋で出てくるジャージャー麺とは違う。盛岡オリジナルの素晴らしい麺料理だ。通常、日本の中華料理店でジャージャー麺というと、ラーメンの麺と同じような灌水(カンスイ)入り、玉子麺を茹でた上に、キュウリの千切り、もやしの茹でたのを置いて、そこに甜麺醤(てんめんじゃん)タップリの肉みそをかけたものを指す。
 一方、盛岡のじゃじゃ麺は小麦粉・塩のみで練った、うどんを平べったくしたモノ、、、というかきしめんみたいなプレーンな麺だ。そして、その麺が茹で上がると、水に通すことなく熱いままをドンブリに盛り、キュウリやネギをトッピングし、ここに肉みそをかける。スタイルは同じなのだが、肉みその味や先述の麺の違いなどから、全然別物だと言える。

 この盛岡じゃじゃ麺を創り出したのが、盛岡市内にある老舗白龍(パイロンと読む)」だ。僕は今から8年前の大学院生時代に、講演のついでに東北一周をしている最中にこの店に行って食べた。あまりに美味しくて、普通盛りを食べた後に大盛をもう一つ食べた!
 この店で面白いのは、じゃじゃ麺を食べ終わる頃、少し肉みそを残しておき、テーブルの上の生卵を割り入れてかき混ぜ、厨房に「チータンお願いします」と言うと、うどんの茹で湯を入れてくれるのだ。これがかき玉肉みそスープ「チータンタン」である。こいつが実に旨いのである!以来、じゃじゃ麺の店が沢山できるのだが、この「白龍」こそが、チータンのスタイルも含め、盛岡じゃじゃ麺の発展に多大な影響を与えているわけだ。

 で、実は、本場中国のジャージャー麺は、実は盛岡じゃじゃ麺スタイルらしい、という説がある。こちらを参照して欲しい。

炸醤麺と水餃子情報

僕はこのWebを1年くらい前からチェックしているのだが、とにかく情報量がスゴイ!ジャージャー麺に対するあくなく執着心を感じる、お見事な論考ページだ。いや、論考どころか中国や台湾にも実際に足を運んでジャージャー麺研究をしておられる。世の中、素晴らしい食い倒ラーが居るものだ、、、

 さて話を戻すと、その盛岡じゃじゃ麺の店が東京にできた!と言うわけだ。

■「元祖盛岡じゃじゃ麺専門店 じゃじゃおいけん」
http://member.nifty.ne.jp/yudai/oiken/
↑この方のWebで、店へのアクセスや食べ方が説明されているので、読んでください。

 で、申し訳ないんだが、この日、デジタルカメラを忘れた!なので久々に活字オンリーである。うーむこういう時のためにカメラ付きケータイというのがあるわけだなぁと納得。

 三軒茶屋の南口から歩くこと5分。コスモ石油の裏手にその店はあった。中にはいると本当に小さい。カウンターが9席くらいの店だ。その時店内にはお客は居なかった。

「いらっしゃいませ」

メジャーリーグ・マリナーズのイチローをもう少しぼんやりさせたような、長身の若い店主が迎えてくれる。愛想笑いのヘタそうな、ひたむきな一直線のまなざしを持っていう。

「中盛り。」 ←この後にカレーも食べるのでセーブした

麺が鍋に入る。わりと小刻みに箸でかき混ぜながら茹でているのをみると、くっつきやすいのだろう。麺がゆだるまで店内を眺める。直筆らしい筆字で書いた、じゃじゃ麺の食べ方などの解説がある。そして、ところどころに詩のような、決意表明のような文句をしたためた色紙がある。きっとこの店主が書いたのだろう。

と、男性客が一人入ってくる。すぐ後に女性の一人客も入ってくる。女性は、中盛りにビールを頼んでいる。かっこええなぁ。

 と、じゃじゃ麺が出来上がってくる。うーん 写真がないのが残念だ、、、実に盛岡じゃじゃ麺なのだ。白いきしめんのような麺の上にきゅうりとネギの小口切りが乗り、無造作に肉みそがぽってりと載っている。さて、食べる作法だが、、、とにかくこれをかき混ぜるのダ!上品に食べてはいけない。じゃじゃ麺は絶対によくかき混ぜて食べる食べ物なのだ

 これでもかと言うくらいにかき混ぜ、全体が肉みそに絡まったら、食べる。温かい麺に絡んだ肉みそは、ゴマがタップリ入っており、風味が香る。味はそれほど濃すぎず、上品な肉みそだ。キュウリとネギの食感が素晴らしいアクセントになり、どんどん食べ進むことができる。
 僕としては、白龍の肉みそのギトギト感が欲しいところだが、この店のスタイルはこのあっさり上品系肉みそなのだろう。それに異論はない。実に美味しいじゃじゃ麺だと思う。

 ここで異変発生。隣の男客にもじゃじゃ麺が運ばれたのだが、彼はやおらすり下ろしニンニクを放り込んでかき混ぜている。そのニンニクの香りが暴力的に僕を揺さぶるのダ!いや、実はニンニクは絶対に入れるべきなのだ!でも、、、おいらこの後、人と会うんだよネ、、、と、やまけんらしくない弱気姿勢で、入れてなかったのだ。うーんニンニクいれてぇ と思いながら自制する俺様だった。

 最後の一口を残し、卵を割り入れてかき混ぜ、店主に「チータン」と言って渡す。当たり前のように茹で湯を入れてくれ、あのチータンタンが運ばれてきた。湯気の立ち上るそれを啜ると、小麦粉が溶けた湯の、茫洋とした拡がりの中に肉みそとネギ、そして混沌からカタマリへと遷移し始めた生卵がからみ、喉を焼きながら通っていく。 これに出会いたかったのだ、、、

 一気に食べ、勘定(650円)をする。店主に旨かった、東京に店を出してくれてありがとうと声をかける。

「盛岡の方ですか?」

と目を輝かせながら若店主が言う。

「いや、違いますけど、白龍のファンなんです。」

と言うと、にっこり笑ってくれた。

この店主、目力がナカナカひたむきで佳い。じゃじゃ麺の味はこれからもっと深みを増していくだろう。この店、カメラを持って近く再訪しよう。そしてこの次は絶対に、特盛りににんにくを落として食べよう!と決意しながら、カレーの「とんがらし」へ向かうのであった、、、

(続く)

Posted by yamaken at 18:30 | Comments (1) | TrackBack

なんと大手町のロメスパ「リトル小岩井」にトッピングメニューが!

tennai-l-s.jpg 所用で大手町に行く。時間17時、ちょうど小腹が空きまくって仕方がない。ということでいつもの通り「リトル小岩井」に行くのであった。さすがにこの時間、行列はないけど、それでも店内にはお客さんが途切れることがない。

 で、メニューを眺めてビックリした。なんと、トッピングメニューが選べるようになっているのだ!
topping-l-s.jpg

 トッピングできるのは温玉(温泉玉子)、メンテルバター、ガーリックチップの三種。すべて50円増しだ。1ヶ月くらい来ない間に、こんなことになっていようとは思わなかった!店員の兄ちゃんにきくと、「ええ、つい最近始めたんです。」とのこと。
さっそく本能的に温泉玉子の黄身がトロリとケチャップと合わさった旨味を想起してしまう。

「ナポ大盛に温玉!」

程なくして出てきたのがこいつダ↓
napo-l-s.jpg

そして玉子を割ったのがこいつダ↓
napokimi-l-s.jpg

 予想通り、ケチャップの濃さに黄身の濃厚さが絡んで劇ウマ!これは素晴らしい。ただ、温泉玉子のはずだが、あまり白身が固まっていない。生卵と温泉玉子の中間という感じ。でも、これで普通の温泉玉子なみの堅さだと、スパとうまくからまないな、とも思う。きっと厨房で試験が繰り返されたのだろう。

 と、ここで激しく後悔!

 なんで俺は、 「トッピングメニュー全部盛り」 を試さなかったんだろう、、、出張の谷間だから自分に手加減をしてしまったかもしれない。金沢でよく食べたから、この谷間は節制を、、、などと思っていた自分がそこに居た。

いかん!イカンいかん