さて 帯広二日目は、午前から午後にかけて、気象情報ロボットである「ウェザーバケット」の現地視察だ。
このバケットは、通常なら200万円くらいする精密な気象情報ロボットを30万円にダウンサイジングした優れもので、太陽電池で自家発電して動作し、情報を無線で200m飛ばせるという凄まじいものだ。また、リアルタイムの気象データをネットワーク上に配信することで、日本中のバケットのデータを基にした気象予測などが可能になるという、Linux的な非常に面白い気象情報システムなのだ。すでに、三浦の長島農園に配備されているのは、2月頃の過去ログにあるとおりだ。
バケットを販売しているのはアグリウェザーという、北海道の江別にある会社だ。その社長である横山さんは、北海道の開拓心と良心を双方持ち合わせた尊敬すべき方だ。大手の気象情報サービス企業の支部長をやっておられたが、自分の信念に反する仕事はできないと、独立をして作ったのがこのウェザーバケットなのだ。この詳細については近いうちに兄弟blogである「俺と畑とインターネット」に書いていくつもりである。
で、それらの視察をしながら、昼食。帯広から芽室に向かう道すがら、あちこちに「ジンギスカン」の看板がみえる。実はこの時点で、「今日はジンギスカンだな、絶対」とヤマを張っていた。もう腹はジンギスカン待望状態である。
しかし! 違ったのだ。車は芽室と帯広の間くらいにあると思われる国民宿舎に入っていった。

「ここのレストランが美味しいんですよぉ、、、どこかの一流ホテルのコックがいるんです。」
そうか、早急にお腹のモードを変えねば!と努力。「コロボックル」というそのレストランはたしかに国民宿舎とは思えないクオリティの高さであった。
■豚のコートレット(カツレツ)

ランチとは思えぬ造りだった、、、タップリのオイルでパン粉焼きしたコートレットは、断じてカツではない!ホテルのフレンチの王道を行くような料理であった。

こういう料理に油控えめはいけない。主婦と料理屋の違いは、油や砂糖を思い切り使うか否かだけなのだ。
■デザート
それと、ランチなのにデザートも出色のできばえであった。

アップルパイはきっちりと焼かれているのである。コーヒーと共に、これだけで500円取っていいぞ。

という感じではあったのだが、何かやはり物足りなさが残る。柔らかく談笑するみんな。しかし、前日に鶴橋の超特大豚丼で拡張された胃袋にはあまりにも少ない。
車に乗り、移動する。津田ちゃんが急遽、早めに帰らねばならないということで、帯広空港に向かう。
と、そこで横山社長がニヤリとした声で僕に声をかけたのダ!
「やまけんさん、白樺がありますよ、し・ら・か・ば。寄ってきます?どうします?」
おおおおおおおおおおおおお
生ラムジンギスカン「白樺」である!
この白樺は、帯広空港の食堂「白樺」ではないのでご注意! 帯広近辺に住む者であれば誰でも知っている、ジンギスカンの名店である!
僕はJA幕別の人に連れてきてもらったのだが、あの札幌の名店「だるまや」と同等の旨さでびっくりしたものだ。以来、再訪のチャンスをうかがっていたのだ。
しかーし! 寄ってる時間あるのだろうか?
「空港への道のりを考えてもまだ間に合いますよぉ。どうします?」
車内の視線が僕へ集中しているのがわかる。オトナとしての対応は、
「はは、何言っちゃってんですか、もうお腹一杯ですよ。空港に急ぎましょう!」
ということであろう。
でも俺には無理! 無理ムリムリムリムリ無理!
「じゃあ、二人前くらいつついていきましょうかぁ!」
ええええ まだ食べるのぉ という車内のざわめきをヨソに、車は駐車場へと吸い込まれた。
■じんぎすかん 白樺
北海道十勝郡帯広市清川町西2線126番地
0155-60-2058
11時~17時
定休日:月曜日

着座するとあの白樺ジンギスカン鍋が鎮座ましましている。

このプレート、盛り上がった筋のところに穴があいているのに、なぜか油がテーブルに落ちたりしない、不思議な鍋だ。そしてしっかりと白樺の刻印顔されている↓

品書きはシンプルだ。基本的にジンギスカンと飯、野菜しかない。ジンギスカンを頼むとタマネギがついてくるので、それで十分だ。ここではとにかく肉を食べよう。

「じゃあ、とりあえず6人前持ってきて!それとご飯、ご飯食べる人いる??? 俺だけか!じゃあ一つご飯!」
皆の顔に、6人前って誰が食べるんだ、、、?という疑問マークが点灯している。いや、この○人前ってのは実はフェイクだ。一人前がそんなに多くないから、6人前くらいでちょうどいいはず、、、と思ったらこんなに出てきた。
「多いじゃないですかヤマケン!」
う~ん確かに計算違い。けど、観てくださいこのラムと思えないピンクの美しき肉肌を!旨そうでしょう、、、

ここのラム肉は本当に臭みなど全くないのだ。本州では喰えない羊である。これで食べられない人はどこへ行っても羊を食べられないのではないだろうかと思うくらいだ。
鍋を熱く焼き、肉をガンガン載せていく。

ジュワワワと瞬間的に肉が焦げる。紅一点の鈴木女史が「焦げちゃうわよ」と仰るが、僕は少々は焦げ目を付けた方が好きなのだ。肉のタンパク質が焦げることで変化し、旨味成分が多量に感じられるようになる。
生ラムジンギスカンは、モミダレに肉を漬け込まないので、焼いた肉をタレに付けて頂くのが基本になる。このタレが店の味を決めている。

白樺のそれは、フルーツタップリの甘いまろやかなタレだが、若干の酸味とニンニクが効いており、最後まで飽きさせない。このタレだけご飯にかけて食べてもいいと思うくらいだ。ああ、書いているうちによだれが出てきた。

とりあえずみんな食べないから僕がガンガン食べる。この食べっぷりについて、同行者(僕の対面で、最後まで箸も握らずじーっと僕の食う姿を見ていた)の津田君が、彼のblogでこう評してくれている。ちなみに彼のblog「父親的生活」は非常に面白い。僕はまだ結婚すらしていないのだが、将来参考にしようと思っている。
ガンガンガンガンガン食べる。いつの間にか肉が無くなったので、2人前追加し、ご飯ももう一杯たべる。同行のヤナさんとDさんが一口ずつ食べていたので、全部で8人前中の7人前を僕が食べた計算になるだろうか。

「ごちそうさまでした!」
皆さん拍手をしてくださる。鶴橋豚丼効果てきめんである。胃袋が巨大化しているのであろう。いや実に旨かった。この後、帯広空港で津田ちゃんを送り、その後、六花亭の美術館を見物。アグリウェザー一行と別れを告げて、次なる地、富良野に向かう。
富良野でもとても素晴らしい最強の出会いが待っていたのだった!続きはまた。
おかげさまで仕事が色々あって忙しくなってきました。
本日は明治記念館というところで行われるセミナーにて講演です。
そして明日は!待望の秋田県に行って来ます。明日は大潟村にて仕事、そして翌7月1日は太田町という産地に行って来ます。秋田の旨いもんを食べられるのだろうか。
そうそう、どなたかがコメントに書いて下さったように、今発売中の日経ビジネスの特集は「農業再興」ですね。内容は、まずまずですね。業界の中で最もエッジの立った人たちを取り上げているので、これが現状のスタンダードとは思わない方がいいですね。けどよくこういう内容を日経ビジネスが取り上げたな。非常に良い傾向だと思います。ていうか個人的に知ってる人が多すぎて笑えました。
ただ、農協批判がちょっと強いなぁ。農協と卸売市場流通の構造的問題は確かに大きいのですが、なくそうといってもなくせない組織なので、どういう方向に進んでいけばいいのかを明示したほうがいいですね。
とかなんとかは、「俺と畑とインターネット」の方でやったほうがいいか。
本日中に北海道編をあと2編アップできればいいなぁ、、、
さすがの僕もとかちっこと鶴橋の豚丼(しかも鶴橋は超特大)を食べた後は、抜け殻である。身体の全ての機能は胃袋に集中し、意識朦朧であった。JA御用達のホテル「パコ帯広」(←こんな名前だが決してラブホではない)で腕立てをなんとか100回するが、どうも集中できない。シャワーを浴びて一睡し、夜の部に備えた。
夜は一次会はJAの皆さんと、そして二次会からは明日の午前中に視察を行う気象情報ロボット「ウェザーバケット」を開発した、アグリウェザー社のご一行と一緒になる。さらに、嬉しいことに、この食い倒れ日記の読者である「十勝やっち」君が、ジョインしたいと申し出てくれ、二次会から合流することにしたのであった。十勝やっち君は、姉妹blog「俺と畑とインターネット」に数回コメントを残してくれている。
さて、一次会はJAとあるスーパーのバイヤー様ご一行に混ぜて頂いて、居酒屋「たけとんぼ」で飲みである。

帯広極悪コンビである「岡坂&ノム」が復活。しかしこの日はノムさんの毒舌はあまり聴けず。
帯広だけでなく、十勝の飲食店のレベルは高い。地元の人にとっては居酒屋の普通のつまみだというが、かなり旨いものが揃っている。
■北海シマエビの塩ゆで

「これがさ、安くてウマイのさぁ。気づいたらドンブリ一杯食べちまうよ。」

というのがこの北海シマエビだそうだ。確かに味が濃く、旨味タップリだ。
■時しらず鮭の刺身&ルイベ

本土ではあまりありつけない時しらず鮭も普通に出てくる。サシが入り旨い。でも岡坂さんは「そんなん旨いかぁ?だまされてっぞ」と言うんだが、、、
■アイヌネギ(行者ニンニク)酢みそ和え

行者ニンニクはアイヌネギという。山菜なのだが、こういった店で出てくるのは栽培種だろう。しかも「これは冷凍物だ。香りが抜けてる。」とのことであった。しかし俺にはこれでも十分旨かったりするのだが、、、
■ラーメンサラダ

このラーメンサラダ、ラーメンがゴマ風味のドレッシングというかタレに野菜と一緒にまぶされてくる。冷やしラーメンみたいなもんだが、旨い。十勝の居酒屋ではそうめんサラダなどこうした麺を使ったサラダがよく出てくるらしい。そして旨い!
■芋だんご
つぶしたジャガイモに小麦粉か片栗粉を混ぜて円くだんごにし、揚げたものだ。芋餅などという名前で他でも食べられるが、さすがは十勝のじゃがいも、旨い。中にチーズが仕込まれており、かつバターが載ってくる。

「ヤマケン、だんごを割ってさ、そのバターを中に入れて溶かすんだよ!」
とノムさんから激が飛ぶ。これがまた旨いのだ。
■目抜(メヌケ)刺身

このメヌケの刺身が最高にグンバツであった!歯触りがシコッシコッとしており鮮度は抜群。独特の溶けるような風味と粒状感のある身。これで500円程度とは、どうなっているんだろう。やっぱり移住するか?
■時しらずハラスの塩焼き

もう言うことはない。
一次会はこんな感じで料理が出てきたが、おればかりがバクバク食べていたような気がしないでもない。一期一会だからなぁ 食べ物は。
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さて
岡坂さん&ノムさんコンビと、バイヤー軍団ご一行と別れ、二次会へ。ウェザーバケット社長の横山さんが連れて行ってくださったのは「番々亭」だ。
ここではまたもや豚丼を食った!もうこの頃になると胃袋もリフレッシュされておりばっちりだ。

「ここの豚丼はねぇ、結構美味しいと思うんですよ、ヤマケン。」
横山社長が仰るとおり、実に滋味深い、柔らかい味の豚丼であった。甘めのタレがふっくらと厚めの柔らかい豚肉に絡んで非常にナイス。いや、帯広の居酒屋はどうなっているのだろうか。本当にはずれがないじゃないか。
この店では、ガーリックラーメンという、ニンニクチップがバカスカ入ったラーメンがまた旨かった。脱帽である。東京の居酒屋は帯広のサービスレベルを見習って欲しいと思う。

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さて、ここからが本題だ。
番々亭を出た後、横山社長が「さあ、ヤマケン、行きますよぉ~」と言う。そう、帯広にきたらここに行かねばならない! 牛トロ寿司の吟寿司である。牛肉を寿司にするという趣旨はいろんなところでみかけるが、旨いと思うものは少ない。しかしここの吟寿司の牛トロ寿司は、間違いなく旨い!しかも牛トロ以外のネタも実に最高。中でも穴子とシャコは絶品中の絶品である。それは過去のエントリにも書いた通りだ。陸の国というイメージの強い帯広にあって、最高の寿司がリーズナブルに満喫できる、素晴らしい店なのだ。
十勝やっちも含め5人で入店。カウンターに座ることができた。店に入り、「どうも!」と声をかける。僕は気に入った店があると、2回目から厨房に声をかけることにしている。向こうが僕を覚えていようといまいと関係ない、僕から愛を投げかけたいからだ。今回もその通り。

しかし!
大将以下、店の人達の僕に対する目が優しい。なんだろう?まだこの店に来るの4回目くらいなんだけどな。
と、大将が口を開く。
「インターネット、観ましたよ!」
おおおおおおお
大将がカウンターの下から、僕の食い倒れ日記の、吟寿司の項をプリントアウトしたものを出してくれる。
「息子が見つけてね。プリントしてもらったんだよ。書いてくれてどうもありがとう!」
厨房の奥さんらしき女性も御礼を言ってくださる。嬉しいなぁ、、、こういう時が、「書いててよかった」と思う瞬間である。この日本という国、恥ずかしがり屋が多いためか、お店の人に「美味しかった!」と伝えることをする人が意外に少ない。思ったことを伝えるというシンプルな行為が、店をハッピーにさせ、もっと旨いものを食べさせたいという動機につながるはずなのだ。食い倒れ日記の読者は、積極的にお店の人に「美味しかった!」を伝えるようにして欲しい。もし美味しくなかった時は黙って立ち去ろう。
いやしかし吟寿司の大将が観てくれたのは嬉しい。大将も喜んでくれ、いつもの超光速握りテクニックが炸裂しまくりだった。
「1分間で12貫握ったことがあるからねぇ!」
と、いつもよりも饒舌に握りまくりである。
■穴子

この穴子が僕は大好きだ。北海道産の穴子ではないだろうが、焼きの技術とタレが絶品だ。僕の名前(山本謙治)と一字違いの大物演歌歌手がこれを18貫食べていったのもわかる気がする。
■シャコ

ふっふっふ、、、観てしまった。ネタケース内にある大ぶりの殻付きシャコをさばくのかと思いきや、冷蔵庫からシャコッと違うシャコを出してきた。ネタが違う瞬間。密かに心の中で微笑む時である。
この芸術的なシャコとタレのコンビネーション。実はどんな茹で海老よりも旨いと思うのは僕だけではあるまい。
「う、旨いっす、、、」
地元民十勝やっちも感動している。
さあそして牛トロだ。牛トロは、握りと巻きがある。どちらも風味が変わって旨いので、双方食べるのが吉である。ビニールシートに丁寧にラップしてある薄切り肉を切り分け、秘伝の味噌をシャリに塗り込み、そして牛肉を握り合わせる。
■牛トロ寿司&巻き

帯広に来てこれを食べなかったら後悔すること間違いなしだ。勝手ながら、食い倒ラー御用達の帯広三大名物の一つに数えさせて頂きたい。三大名物とは何かって?食い倒れ日記読者の皆様ならおわかりであろう、「豚丼・インデアンカレー・牛トロ寿司」である。
そう言えば店の奥に、こんな画伯っぽい人との写真が飾ってある。眼鏡かけているのは大将だ。

「これは18歳頃だねぇ。その頃から店やってたんだよ。有名な美人画の○○○○センセイが来店してね。その時、ベレー帽かぶって寿司を食べてるから、俺が『センセイ、寿司食う時くらい帽子脱いだらどうなのよ』って言ったんだ。そうしたらセンセイ怒ったのか、なんなのか。絵を描いてくれたんだよね。若いヤツに説教されて、いまいましいのと快いのと、一緒になっちゃったんだろうな。」
そう言ってみせてくれたのが、この店のお土産寿司をつつむ紙などに使われるこの絵だ。なるほどすごく風情がある。そんなストーリーが、心地よい。

気持ちよく食べて、気持ちよく飲んだ。大将とガッツリ握手もした!

それと駆けつけてくれた十勝やっち、ありがとう!

横山社長様、ご馳走になりました!
本日はこれにてバタンキューだったのであった。明日もまた帯広なんである。

「とかちっこ」の豚丼は期待通り旨かった。あの豚肉は素晴らしい。仕入れの良さとオペレーションの組み立ての勝利であろう。店員の教育も行き届いており、今後も伸びるに違いない。
が、しかし!
一周年記念キャンペーンのため、肉大盛りができなかったため、我々(俺だけか)の腹は満たされていないのであった。
「じゃあヤマちゃん、鶴橋で黒い豚丼食べるかぁ?」
「モチロンですよ岡坂さん。俺を誰だと思ってるんすか!」
というわけで、場所的には近くにある鶴橋に向かう。鶴橋は、以前のこのエントリで紹介した、驚愕の黒い豚丼を供する名店だ。運ばれてくると、初めての人は誰もがびっくりするような漆黒の闇が、ドンブリ上にブラックホールのごとく展開している。恐る恐る黒い塊を口に運ぶと、意外や意外、焦げ臭さはほとんど無く、濃いカラメル味に甘い醤油ダレの煮詰まった旨味、そしてタレに煮詰められた薄切りの豚肉の食感が相まって、素晴らしい濃厚濃口旨味世界が全面に拡がるのである。ちなみにここの豚丼はフライパン煮詰め系だ。
外見上はなんてことのない定食屋風の店に車を止めると、厨房の網戸から一重まぶたの親父がぬっと顔を出し、「もうちょっと白線に沿って停めてくれるかい、後からの人が入りにくいから」と親父が言う。皆さんも鶴橋に行く際には、白線に沿って駐車をお願いします。
この店は超人気店なのに、親父とお母さん、そして息子さんとその奥さんくらいしか労働力がない。だから、着席してから出てくるまで15分は待たされるので、できるだけピークタイムをずらして行くのがよい。今回は12時前に入店できたが、それでも店内には数組の客が豚丼を待っていた。

「まあ、ここで大盛り食えばヤマちゃんも収まるでしょ。」
そうですね、、、と品書きを観る。

何か、違和感がある。
なんだろう、、、 はて、なんだろう、、、
あ!
こないだきた時には無かったメニューがある!
「岡坂さん、なんか、大盛りの上に『超特大』ってのが新設されてますよ!」
「ええっ? 、、、ホントだ、、、1600円の超特大か、、、観たこと無いぞぉ。」
そう、前回来たのが2月の終わりだが、この4ヶ月の不在中に、「超特大」がメニュー化されたのである。お母さんが注文を取りに来た時に訊いてみた。
「あー、あのね、実は知る人ゾ知る裏メニューだったのよ。それを表メニューにしようかってことで始めたの。一日一人は必ず食べていくわねぇ。」
そうか、そうだったのか!やはり限定されたハイソサエティ向け裏メニューがあったのだ、、、これは是が非でも食べなければならないだろう!
「じゃあ、俺行きますよその特大!」
「ほんと?じゃあ、頑張って、、、」(ニヤッ)
と怖い微笑を浮かべてお母さんが厨房に戻った。もう後戻りはできない。岡坂さんは当然普通盛りだ。
「俺、豚丼をハシゴするなんて初めてだよヤマちゃん。」
地元民でそれはいかんでしょう!私がやります。ちなみに豚丼のハシゴは、これまでの帯広滞在でもよくやっている。ただ、1時間程度は空けてのハシゴが多いので、こんなに短いスパンでやるのは初めてだ。
しかしここからの待ちが長いのであった。フライパンの面積は限られているし、一つのフライパンで火加減が違う2つの炒めを同時に行うなんてことはできない。まだ僕らの前のお客さんにも豚丼が出ていないのである。この日も15分以上待つわけだが、今回はやけにドキドキしている。期待通りの内容だったらいいけど、それより少なくても多くても怖いなぁ、、、
厨房を観ると、棚にドンブリが並んでいるが、大盛り用の大きなドンブリがあるかと思いきや、同じ大きさのものしかみえない。うーんどういう盛りつけなのだろうか。もしかして限りなく縦に積み上げているのだろうかと、あれこれ思いながら出てくる時を待つ。
そして、、、
「はいおまちどおさま。 頑張ってね!」

これが、超特大である(右側のが、岡坂さんが頼んだ普通盛りだ)。ドンブリは、この店のスタンダード丼の2倍あると思って良い。そうか、大盛りは1.5倍、そして超特大は2倍なのだな。漆黒の、テラテラと輝きを放つ闇が丼空間に拡がっている、、、そして、普通盛りの上に乗っているグリーンピースは2粒だが、超特大は4粒である!ここもきっちりと2倍だったか。
おばちゃんがドンブリをテーブルに置いた瞬間、店内の他のお客達の視線が一気にこちらに集中し、ザワっとする。↓みんなこっちを観てる画像。

「なんだあれ?」「あんなでかいのあったのか?」ちょっとだけ優越感の瞬間である。しかし、これを維持するためには食いきらないといけない。もし残してしまったら、「ケッ」「やっぱり関東のヤツはサ」などと言われるのであろう。それは食い倒ラーとしては絶対的に避けねばならないことである。
観念して、あまりに変色している肉口と飯をグワッと箸でつかみ、口に放り込む。瞬間、あの濃厚なカラメル味と醤油の芳香がドワッと拡がる。
「旨いがなぁ~」
旨い!やはり鶴橋の漆黒の豚丼は最高だ!黒いタレが飯に絡んでいる部分を口に入れるだけで、暴力的に濃厚なカラメル醤油香が俺の油断した鼻孔をつんざくのである。間違いなくタレご飯だけで丼が一杯食べられる!

ましてや肉の味の濃さはグレイトフル・デッドである。やや薄切りの黒く染まった肉は、豚肉の風味というよりはタレの風味に強制変換された上で、なおかつ肉としての存在を誇示している。しかしこれ、肉だけで何枚乗っているのだろうか。まさしくこれはいつまで食べても終わらない物語~ネバーエンディングストーリー~ミヒャエル・エンデが書いた「虚無」とはこの漆黒のドンブリ空間内にあるのではないか!(←言い過ぎです)
「旨い!どんどん喰えるなぁ、俺、完食宣言を出しときますよ!」
と、ふと岡坂さんをみる。額に汗がにじみ、呼吸が荒くなっている。うーむ この世界に引きずり込んでスミマセン。
旨い、旨いと快調に喰い進む。しかしあと1/3という地点に到達し、いきなりズズーンと来た。俺は悟った。満腹中枢とは量のみに反応するわけではないな。味の濃さにも刺激されてしまうのではないか。 これだけ濃い味のタレを、このドンブリ一杯で何デシリットル摂取していることになるのか。そして1合半はあろうかという大量の白飯。味の濃さと分量のダブルパンチが、これまでにない強烈な満腹感を感じさせる。ヤバイ!
そう思った瞬間、人間の心とは不思議なもので、絶望感がサーッとホルモン分泌のように身体中を駆けめぐる。軽くゲップが出るが、100%タレの香りである。食道のかなり上の方まで、タレご飯と肉片が胃袋への順番待ちをしているのが感覚的に分かってしまう。
「俺も、ここまでか、、、」
そう思い下腹に手をやった時、ベルトとジーンズのボタンを緩めていないことに気づく。そう、デジカメや携帯をジーンズのポケットに入れているため、いつもよりきつく締めていたのであった。あれっと思いベルトを緩める。途端に胃が蠕動(ぜんどう)し、詰まっていた管が開通したかのごとく、タレご飯と肉片が下方に大移動を始めた。
これで、また喰える、、、
30秒で、さっきの半分喰った時くらいのキャパシティに戻った。人生、なんとかなるものだなぁと、この時はしみじみと実感してしまった。食い倒れ人生に汚点を残さずに済みそうだ、、、
あとは一気呵成である。あくまで綺麗に、最後の米一粒まで噛みしめていただいた。

完食である。この、タレのカラメルまみれのドンブリと、割り箸の長さの比で、容積が想像できるだろう。人生33年やってきたが、まさしく最大の敵であった。しかし、週刊少年チャンピオンの学ラン暴力漫画風にいえば、
「タイマン張ったらダチ」
である。食べ終わった今、この超特大には愛情すら覚えた。僕好みの白みそのなめこ汁を美味しく飲み干し、茶をすする。岡坂さんはもう汗びっちょりである。
「ヤマちゃんやったなぁ、、、農協のみんなにも言っておくよ、、、」
「あらぁ、全部食べた?やったわねぇ。」(店のお母さん)
「じゃあ、次はサラダボールに入れて出そうかねぇ!」(同・親父さん)
このお二人も、まさか僕がここに来る15分前にとかちっこの豚丼を食べてきているということは想像もするまい。ここまでする十勝人はいらっしゃるであろうか。ふっふっふ。
今回ばかりは、自分を褒めてあげたい。よく食った! しかし、また一つ勉強になったことがある。
「人は、極限状態まで満腹になると、昏倒してしまう。」
長いも畑への視察に向かう車の中で、僕は岡坂さんに運転してもらいながら、ほとんど記憶がない。胃に身体中の血液が総動員されてしまうに違いない。本当に、ぐっすりと眠ってしまった。
鶴橋超特大豚丼で、すっかり胃袋が拡張されてしまった。これ以降、帯広滞在では僕は未曾有の快進撃を行うことになる。さらに続く帯広編を待て。
最近、豚丼の知名度が向上してきていると感じる。が、その多くは残念ながら牛丼の吉野屋が出している豚丼(ぶたどん)のせいである。北海道とくに十勝の人間にとっては、あれは「豚すき焼き風煮丼」だ。豚丼という料理は、フライパンか網で、タレを絡めて焼いた豚肉を熱々ご飯に乗せたものを言うのだ。それ以外のものは豚丼ではない。
さて過去このblogにも数々掲載している帯広の豚丼だが、今回また素晴らしい店に連れて行って頂いた。そして今回も懲りずに豚丼屋二軒をはしごした。おそらく今回の物量的には、たった2軒で、これまでの食い倒れ人生史上最も困難な道だったかも知れないので報告しよう。
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「こないだヤマちゃんが来たのは3月だから、この景色はびっくりでしょ?」
と岡坂さんが言うように、帯広の初夏は一面の濃い緑だった。ビート(砂糖大根)、大根、じゃがいもが収穫の時を待っており、その傍らで今年は大豊作になりそうな小麦畑が拡がっている。幕別町は国内有数の大型産地なのだ。

昨年、農林水産省の実証実験で長いもを実験的に出荷してもらった。その長いもだが、こんな畑で栽培しているとは、読者のみなさんもしらないだろう。鉄の支柱にネットがかけられ、それに長いものツルがからんで葉を茂らせ、太陽光と積算温度によって根部が肥大していくのである(専門用語でした)。これが長いも畑だ。

畑を視察し、事務所で販売関連の戦略の打ち合わせをする。飛行機の中まで持ち込んで作った資料は概ね方向性として受け入れられたようだ。
「じゃあ、ヤマちゃん、混まない時間のうちに行くかい!」
「よしゃ!今日は連れてってくれるんですよね、『とかちっこ』!」
そう、岡坂さんとノムさんから、耳にたこができるほど訊いていたのだ。新しく店を出した「とかちっこ」というチェーンの厳選豚丼というのが、やたらめっぽうに旨いのだと。分厚い肉が炭火で焼かれ、ドドンと乗ってくるという。俺の食欲は瞬間的にたぎり立ったのだ!
幕別町から30分ほど車を飛ばし、帯広の西側にある新興住宅街のあたりへ。
「このへんはさぁ、ほら、あの黒い豚丼の鶴橋があるところだよ。」
おお!そうか、あの真っ黒ド迫力豚丼の鶴橋の近くか!それならばとかちっこで食べた後に鶴橋にはしごするか?と思ったが、さすがにとかちっこの大盛りを食べたらそれは無理だろう。
と、大通り沿いに、新築ログハウス風のイマドキな外観に目立つ看板の店が。
「ああ、あった、あれだよとかちっこ。」

なんだか予想とは違って、かなり商業的なチェーン展開をしそうな店構えである。というか、実はすでにチェーン展開をしているのであった。帯広でガソリンスタンドなどを展開する燃料会社がこのとかちっこチェーンのオーナーなのだそうだ。なるほどなぁ。

店内に入ると、過剰なまでに愛想の良い「いらっしゃいませぇ~!」がこだまする。ホールに3人、厨房に3人程度で、店員はみな若い。そして、お客様への対応は非常にしっかりとしており、好感が持てる。こういう社員教育の行き届き方に、さすがにSSを展開している企業が出社しただけはあるなと感心。
しかし!残念なことが判明した。なんとこの日からとかちっこは、開店1周年記念キャンペーンに入り、メニューが限られてしまうのだ。

「普通の豚丼と厳選豚丼の二つのみで、肉増しとかはできないんですよ、大変申し訳ありません。」
うーむ、、、口には出さなかったが、岡坂さんも俺も、ここですでに「次は鶴橋だ」と思っていたのだった。ま、それはともかくとかちっこの豚丼である。
「じゃあ、厳選2つ。」
「はい!」
さて豚丼には大きく分けて、炭火で網焼きするか、それともフライパンで焼くかの2派がある。前者だと、網焼きの過程で油が落ちるし、タレは焼きながらつけるのと、ご飯に乗せた後にタレをかける方式になるので、見た目はゴージャスだが以外にあっさりしているのが特徴だ。一方フライパンだと、肉を焼きながらタレを煮詰め、肉に浸透させるので、コッテリした味になる。ここの豚丼は炭火焼き、しかもオープンキッチンで客前でジュウジュウと焼くのであった。

若手の店員君が豚肉をドカッと出してくる。実にきめ細かいサシの入った肩ロースで、みているだけで旨そうだ。厚みも十分で、1cm程度ある。

これを、タレの入った雪平鍋に一回つける。肉のまわりにタレを絡めて、炭火網の上に載せた。瞬間ジュワッといい音がする。

炭火コンロにはふんだんに炭が熾っており、幅も広い。この方式だと、一度に時間差で数人分が焼けるので効率がいいと言うことに気づいた。フライパンだと、一回作っているロット分以上は、中身を空けないと焼くことが出来ない。網だと、端っこで次のロットが焼けるのである。うーん 効率優先するなら網焼きがよいのだな。

さて焼き網の上で一回ひっくり返し、ほどよく火が通ったら再度タレの鍋に絡ませ、さらに焼く。この辺、ノウハウがありそうである。焼きながら、眼鏡の店員君がぼくらにフランクに話しかけてきてくれる。
「東京からいらっしゃったんですか、ぜひご感想を書いていってくださいね。」
かなりフレンドリー度が高い。店員には、あきらかに商売上のテクニックとしてではなく、本当に真摯な態度を感じる。これは帯広の他の店でも感じることだ。総じて十勝の飲食店の店員さんの態度は佳い。
「でしょぉ。僕らは十勝から出たくないもんね。大抵のお店で、肉だけもう一枚乗せろとかワガママ言っても、やってくれるもん。その分いくらとられても文句言えないけどサ。」
とは岡坂さんの言だ。
さて豚丼は最終局面に入った。肉が焼き上がり、鉄板で厨房に運ばれた。中ではほどよい大きさに切り分けられ、どんぶりご飯に乗せられている。そして最後にタレをかけて、運ばれてきた。

これがとかちっこの厳選豚丼(通常価格1200円)だ!


実に旨そう。肉の圧倒的迫力が素晴らしい。もうすでに極限状態で待っていたので、何はともあれ肉にかぶりつく。

「!」
この豚は旨い! すんごい豚肉である。むっちりと柔らかく油が甘く溶ける。そして素晴らしくジューシーだ。タレはあっさり味で、豚の風味を殺さない。しかし、炭火焼きで焦げた部分はタレの濃さが出ており、食べながら食欲が増進されてしまう。
「岡坂さん、これ旨いっすよ!」
「でっしょお。山椒かけるとまた旨いよ。」

山椒をかけてみる。これまた甘いタレに渋い「麻」の痺れ感と香りが絡んで旨い!ご飯の盛りは少なめ(ヤマケン比です)なので、瞬く間に食べ進んでしまう。これは本当に旨いなぁ、しかしお腹一杯になろうとすると厳しいな。肉増しにして、ご飯も大盛りにして1500円くらいかなぁ。
「肉をもう一枚載せると、がつーんと来るんだけどねぇ。あと、この店はやっぱり普通の十勝の人間の感覚からすると高いよ。高いけど旨い。だから、お金じゃなくウマイの食いたいという人は来るね。ま、ヤマちゃんには足りないでしょ。もう一軒行こう。」
よっしゃ!
店のアンケート用紙にはぼくのwebアドレスを書いておいた。次にいったら一番大盛り食べますよ。
そして、焼き手の店員君に礼を言って店を出る。最後まで店員一同、ナイス笑顔だった。佳い店でした。
そして、、、驚愕の後編へと続くのであった。この後、僕は人生最大の豚丼に出会うのである。
今年度の出張第一弾、栃木県の農協組織に行って来た。今回は先方も、
「山本さん、ホームページみましたよ、、、打ち合わせ終わったらご飯食べにいきましょう」
とお誘い頂く。先回感動した「正嗣(まさし)」を超えるディープな店があるというのだ。これは楽しみだ、、、
JAのビルにて打ち合わせご、そそくさと書類をたたみ、ビルを出る一行。先ほどまでの打ち合わせよりもかなりテンションが上がってきていることがわかる。大通りから一本裏に入ったところに、なんとも怪しげなピンクの看板がみえてきた。
「山本さん、ここが地元民の私らとしては一番お奨めの餃子屋さんなんですよ。」

■餃子の店「香蘭」
住所:栃木県宇都宮市本町2-5
電話:028-622-4024
営業時間:16:00~21:00
定 休 日:日曜日、祝日、水曜日

運の良いことに、僕らが一番最初の客となった。店は本当に小さい。カウンターが10席程度、その先が土間になってはいるが、テーブルは置いていないらしい。その土間に餃子の餡を皮に包む台があり、お母ちゃんがひたすら包みをやっている。

品書きをみると、「焼き」と「揚げ」の二種類である。正嗣では焼きと水餃子だったが、ここでは揚げというのがあるんだな。それは、食べたこと無いなぁ、、、

カウンターの向こうに白髪のオヤジが立つ。今回連れきてくださったT氏がオヤジと親しくお話をしている。

「このヤマモトさんは沢山食べるから、焼きダブルに揚げダブルでお願いします。僕たちは焼きと揚げを一人前ずつね。」
と、T氏がニッと濃い笑みを浮かべる。望むところだ!けどこの後、郷土料理も食いに行くって言ってたんだけどなぁ、、、
さてオヤジが行動に出る。白木の板の上に整然と並んでいた生餃子をフライパンに置いていく。

火はかなり強火らしく、バリバリと焼き音が鳴っている。しばらくするとアルミポットの水をフライパンに投入。ものすごいバリバリ音が炸裂するところを、すかさず蓋をして蒸しに入る。
「ここは全部手作りですよぉ。」
どうやら自動餃子包み機とかもあるらしいのだが、香蘭では断固として使わないらしい。
焼きの間に酢、醤油、ラー油を調合。宇都宮ではラー油は自家製が普通らしい。この店のはややあっさりめのラー油だ。

しばらく間をおいて、オヤジは二度目の注水をする。またもやバリバリと凄まじい音がする。チラッと覗いたのだが、テフロン加工の深めのフライパンに、厚手のアルミ蓋を数台コンロに仕掛けているようだ。注水すると油が飛び、引火して炎がブワッと立つ。相当な火力で火を入れていると思う。
「はい、焼きダブルね!」

これが香蘭の焼き餃子である。そのたたずまいは惚れ惚れするほどに美しく背筋が伸びている。

表面の焼き色の見事さと、側面の皮が油で極く薄い黄色になりかけている。すかさず醤油をつけずに食べてみる。底面の芸術的な焦げ目がバリっと強い食感を残す中、野菜たっぷりの餡からフンワリとした香りが上る。餡は極めて上品。強い香りや味はせず、あくまで優しい味である。

タレに浸して食べる。今度は控えめの餡に色が付き、餃子としての存在感が全面に出てくる。皮は厚手というわけではないのに、しっかり感が強い。いわゆる「主食としての餃子」の王道はこれであろう。

「旨い!」
旨いのである。他に言うことはない。
「でしょー、やっぱりココが一番ですよ。JAグループの利用率、高いですよぉ」
とT氏が嬉しそうに仰る。
さて
焼き餃子がオヤジに仕込まれている間に、奥の方で盛大なジュワジュワという揚げ音がしていた。揚げ餃子である。焼きを1人前食べ終わるタイミングで、ものすごい外観のそいつが出てきたのである。
「はい、揚げダブルね~」
みよ、このスパルタンな外観を!

昔、小学校の給食で出てきた揚げ餃子とは一線を画す、ハードコア系餃子がそこにある!箸でつまむと、協力に脱水されており、しっとりした焼き餃子とは正反対の硬質な感触が伝わってくる。

と、オヤジが、新参者の僕に声をかけてくれる。
「塩で食べてみるか?」
おお!それはぜひ試してみたい! オヤジさんが厨房奥の奥さんらしい方に声をかけると、こだわりっぽい塩の瓶が出てくる。それを小皿に入れ、つけて食べてみる。

まず、盛大なカリっという歯触り。低温で火を通した後、一気に高温で脱水をしているのだろうか。そして、外側にまぶされた塩味が効き始めると同時に中の餡の香りが流出してくる。醤油ダレとは違い、皮のカリっ感が最大限に引き出される塩の選択はベストと言える。
「う、旨いっすよ!こんなの初めて!」
と叫ぶと、
「若い人には塩が人気なんだよ。タレにつけると皮が柔らかくなっちゃうからね。」
と優しく教えてくれる。オヤジ、超人気名店で30年以上の歴史があるのに、余裕の優しさである。奥様も非常に上品。いい店とはこのように、謙虚なにこやかさを持つ店のことだ。暖かい。
ちなみに店は僕らが入ると同時にドンドンと人が入ってきて、満員に。裏からも人が立ち並び行列が出来ている。子連れの主婦が土間で座りながら待っていたり、非常ににぎやかだ。
と、JAのT氏が「あっどうもぉ!」とお辞儀をしている。後で訊くと、「栃木県のJAグループの本部長です、、、」とのこと。その本部長さんはお土産で数人分を焼いてもらっていた。これから飲み屋に餃子を持ち込んでつまみにして食べるのだそうだ。そんな技があったのか、、、
「餃子1人前250円で安いからねぇ、そういう飲み方する人は利口なんだよ!」
とオヤジが笑う。
いや、またもや感動した! 宇都宮の餃子は本当に郷土食である。
しかし、店を出た後にT氏がしみじみと語ってくれた。
「ウチでは、親爺が水餃子しか好まなかったんですが、冬の白菜を使った水餃子は最高ですよ!餃子をやる時はご飯も出さず、餃子だけ!山本さんにも食べさせてあげたいなぁ、、、」
ぜひ!ぜひ!ぜひ食べさせてください! 宇都宮餃子、お店とは違う世界が、家庭に拡がっていそうである。4人前の餃子を平らげて1000円ナリ。(T氏にご馳走になってしまいました。ありがとうございました)
まだまだ知らない食文化があるんだなぁ、、、素晴らしいことだ。
(その1から続く)
さて御園家に付く。デザイナーズマンションか?と思わんばかりの綺麗なマンション一室である。真空管アンプ専門誌を出している出版社の編集者らしく、かっちょいい真空管アンプが鎮座ましましている。YMOを聴きながら、撮影と調理を開始した。
今回はなんと言っても、スパイスのメッカである大津屋商店のオリジナルレシピを教えて貰ったのが最高の収穫だ。できるだけ記憶に忠実に、レビューを再現していこう。撮影はすべて、新進気鋭のカメラマン・青柳君だ。「CAPA」などのカメラ専門誌にも登場する彼により、クオリティ高い画像をお届けできるのが嬉しい。被写体は俺なのでクオリティ低いけどゴメン。
■スパイス一覧

上段左からクローブ、カルダモン、シナモン、そして問題の長胡椒。
中段左からターメリック、カイエンヌペッパー、クミン。
下段左からガラムマサラ、コリアンダー。

そしてこれも特選素材!左がカレーリーフというハーブの一種。ベイリーフのように使うが、香りがカレーの風味を増す。右が激辛の唐辛子、、、
以下、解説をしていくが、分量は4人前見当で、適当だ。レシピの分量は参考程度。ちびちび味見をして自分のよい塩梅を見つけて下さい。
■ジャスミンライスをセットする。

さっと研いで、水を少なめにして炊飯器にセットする。本当は鍋で炊く方がいいらしいが面倒なので。オイルコーティングしていないレーズンを適量入れる。
■鶏肉を準備

もも肉の皮を剥き、余分な脂肪を捨て、肉の筋繊維に沿って食べやすい大きさに切り分ける。筋繊維に沿わせて切る方が、歯触りが残って美味しい。下味は特につけなくてよい。インドではこれを焼いたりせず、生のままカレーに投入する。それによって味がすぐに染みこむようだ。
■タマネギをみじん切りにする

タマネギ大一個をみじんに。それほど細かくなくていい。インドではすり下ろしタマネギを炒めたりもするが、ここではみじん。
■ニンニク、ショウガはすりおろしておく

ニンニクは3かけ、ショウガは親指2本分くらいか。ケチると旨くないぞ。控えめな味のカレーはなんとも頼りない。ドンと濃い目でいこう。

■ギーを熱し、スタータースパイスを投入

インド料理に欠かせぬ油脂、ギーを投入。ラードのように固まっているのが溶け、黄金色の海になる。ここに、香り出しをするスタータースパイス群を投入する。

クローブ、カルダモン、シナモン、そしてカレーリーフを投入する。
なぜ油の中に投入するかおわかりだろうか?スパイスの香り成分は、水には溶けない。油にしか溶け出さないのだ。だから、油を控えめにしたカレーやパスタは旨くない。カレー食った翌日は走ることにして、思い切り油を使おう。スパイス群が焦げないように弱火でじっくり熱を通し、油に香りを移す。あ、そうだここで唐辛子も入れる。唐辛子の辛み成分も、油に溶けるのである。
■スタータースパイスが薄く色づいてきたらタマネギ、ニンニク、ショウガを投入。


油が少ないとここで焦げ出すので注意。

弱火にして、蓋をして蒸し煮する。料理研究家の辰巳芳子さんがおっしゃるように、「蒸し煮は素晴らしい。」蓋をすることで、素材の水分のみでの加熱調理ができる。蓋を開けると、水蒸気がブワッと出る。この状態でタマネギが薄く色づくまで火を入れよう。
■ジャスミンライス炊きあがり。

水分はできるだけ飛ばしておこう。
■スパイス類投入

先のパウダースパイスを投入していく。大体4人分だと、すべて大さじ1.5杯と考えればいいらしい。唐辛子の量だけは好みに応じて加減した方がいい。カイエンヌペッパーは結構辛い。

僕はそれぞれのスパイスを大目に入れた。この辺になると凶悪に旨そうな香りが立つ。そうそう、特選素材の長胡椒は、ミルで細かく挽いてこの段階で投入した。あのすさまじい香りも一役かっているはずだ。
■トマト投入

缶詰のホールトマトを手でつぶしたものを投入する。トマトを入れると味がとたんに日本人好みになる。
■ヨーグルト投入

無糖のヨーグルトを投入。200ml程度かと思うが、これが水分だと思って調整して欲しい。この段階で味見して辛すぎるようだったら、ヨーグルトをどさどさ入れて中和しよう。インド料理にヨーグルトは必須です。

かなりカレーらしくなってきました。ここで塩を少なめに投入して味のベースを決めます。
■鶏肉投入

ここでもも肉の投入です。鍋があふれそうになってきた。ちなみに鍋は合羽橋商店街で買い求めたアルミ鍋です。熱伝導がよいチープなやつ。

ミックススパイスであるガラムマサラを加える。先に入れると香りが飛んじゃうのだ。

塩加減をみて、必要なら加えること。もうかなり完成に近い。
■盛りつけ、完成

ジャスミンライスにカレーをかけて完成。もう~早く食いたい!

どう?やっぱりプロが撮ると決まるね! なんだか料理研究家になった気分でしたよ。
インドカレーだから水分が多め。だから、米は水分すくなくパラパラに炊いた方がいい。

長胡椒の香りとかカレーリーフがどこに利いているのかを見極めようとしたが無理!スパイス群の相乗効果で香りが増幅されているので、とにかく芳醇な香りと味が口中に炸裂する!そして辛い!カイエンヌペッパーに、生唐辛子を入れたので、かなりすごいことになった!でも旨い!でも辛い!でも旨い!でも辛い!(以降ループ)
辛さは、バジルシードジュースで中和すると非常によいな。

編集者御園氏とカメラマン青柳君もご相伴。いや、マジで旨いでしょ。やっぱり大津屋レシピ、最高ですわ。ところどころヤマケン流にアレンジしましたけど、ベースが決まってるから旨い。これでパーティがあっても大丈夫ですな。
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大津屋商店は素晴らしい店だ。アメ横にいくと、一見ぶっきらぼうそうに見える店の人が恐いかもしれないが、全然そんな心配はない。スパイス類も、使い方をきけばよい。レシピも教えて貰おう。大津屋の皆さんはそれに応えてくれる方達だ。
近日中に、このスパイスボーイズの連載の第二弾、タンドリーチキン編をお送りできるはずだ。お楽しみに、、、
今更だが、Yahoo!ってスゴイな! 数日前に、Yahoo!ディレクトリに掲載しますよという連絡がきて、一昨日からめでたくグルメカテゴリの公認サイトになった。
> このたびは、貴殿が一般に公開されているサイト
> URL:http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/
> をこのディレクトリサービスにて広くユーザーの皆様にご紹介させて
> いただきたく、ご案内差し上げました。
で、これがその載っているページ。下の方に僕の食い倒れ日記が紹介されている。
http://dir.yahoo.co.jp/Society_and_Culture/Food_and_Drink/
そして、ここからのトラフィックがすごい!
21日の一日で、なんとトータルのアクセスが8837という数値になってしまった。

Yahoo!、すごい。ダテじゃないな、、、
ここ最近、いろんな動きが同時多発的に起こっている。面白いからどんどんいくつもりだけど、このサイトを初めて見に来る人も多くなるだろう。ということで、初めてのことだけど、初心に立ち返って、この出張食い倒れ日記を心安く読むために、ご理解いただきたい事項を述べておこう。
やまけんの出張食い倒れ日記は、
・グルメガイドではありません。単に、私が食い倒れるだけの記録です。
・そしてやまけんはグルメではありません。どっちかというとグルマン(大食漢)ですな。
・ですから、掲載されている店に行って美味しくなかったとしても、責任は負えません。私の味覚や楽しみ方と合わなかったのだと、ご理解下さいネ。
・本サイトでは、お店やメーカなどからお金をいただいて記事を書くことはありません。旨い、マズイについては本音のみ書いてます。
・基本的に「まずい」と思う店や食材は掲載しません。日々、掲載している内容の数倍は食べていますが、載るのはそのうちのごく一握りです。よく「何でも美味しいって感じる舌なんじゃないの?」と言われるんですが、、、そうだったら幸せですね。
そんな感じでしょうかね。
あと、最近のコメント数の増加についていくのが辛い!コメントつけてるのに返事がない!という方も多いと思うんですが、ご容赦ください。
さて今週後半からは待ちに待った出張が始まります。帯広~富良野に行ってくる。来週は栃木県に宇都宮餃子再訪し、そして満を持して食材王国・秋田県に2泊してくる。←仕事だからネ!仕事。
また怒濤の日々が始まる、、、
先日、僕が10年くらい連載を書いている農業雑誌「農耕と園芸」を出版している誠文堂新光社から、「ハーブスタイル」という雑誌というかムックが創刊された。季刊誌なので年4回の販売となる。
ごらんの通りの地味な装丁なのだが、なかなか販売好調らしい。ハーブを使った生活・料理ネタを紹介している入門編的性格のムックだ。
で、なんで紹介しているかというと、、、ここで連載というか、写真日記的アホらし連載が始まったのだ!その名も「スパイスボーイズ」! 俺はもう33歳なのに、なぜボーイズ? その趣旨がまたアホらしい。
「やまけんがさ、スパイス売ってる店に突撃して、レシピ聴いて、バカ辛い唐辛子とかで玉砕すんの。その様を写真日記にしてマンガにしちまおうよ!」
これを、老舗出版社である誠文堂新光社(「天文ガイド」や、真空管アンプ専門誌「MJ」のような気品ある雑誌を出している名門である)の編集者である御園氏が言うのだ。そんないい加減な企画でいいんだろうか。
「でもさぁ、取材費でスパイス買うから、好きに使ってくれていいんだぜ!」
おお、これでぐらっときた。
「じゃあさ、アメ横の大津屋っていうスパイス専門店があるんだけど、あそこで俺が好きなスパイス買ってイイか?」
「うん、原稿料は出さないけど材料費は出るから、それでいいよ。」
ちゅうことで連載開始と相成ったのであった。で、すでにこのムック、販売されている。正直、あまりに恥ずかしいのでそのページはここには載せない。そんなことよりも、大津屋である。
今回は、僕が被写体となる企画だったので、なんとプロのカメラマンが僕のような、全く写真ばえない素人を激写してくれた。こっぱずかしいったらありゃしない。誠文堂からは、「雑誌に掲載していない画像は載せてもイイよ」という寛大なお許しを得たので、プロが撮影した写真でゴージャスリッチにお送りしよう。
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さて、カレー好き、スパイス好きのマニアの間ではアメ横「大津屋」は有名な店である。雑多な店が軒を連ねるアメ横の中にひっそりとたたずむ外観。店頭には豆類などの乾物が並んでいるため、一目みただけではそこがスパイス販売のメッカであるとはわからない。

■インド食材専門店 大津屋商店
http://www.ohtsuya.com/
上野アメ横 (株)大津屋商店
東京都台東区上野4-6-13
TEL03-3834-4077 FAX03-3834-4078
お問い合わせ専用電子メールアドレス
info@ohtsuya.com
しかし!
一歩店内に入ると、みたこともない食材・スパイス類がガバッと並んでいるのである!これを目当てに来るアジア系外国人も多く、モノが本物であることが伺える。

ホールスパイスからミックススパイスまで何でも並んでいる。

僕が話をしている人が、この店の二代目となる竹内さんだ。家族経営なので若旦那という感じである。スパイス屋だけあって、
「毎日カレー食ってます」
とのことだ。

この大津屋、国内のスパイス輸入商社やメーカから、サンプル商品のテスト販売を請け負ったりすることもあるくらいの店であり、スパイスマニアからは熱い視線を贈られている超マニアスペースなのだ。しかし、ここで働く人たちはとても優しく、全然マニアックではない普通の人たちだ。ちょっとびっくりした。

僕も過去、ここでスパイスを何回か買ったことがある。とにかく鮮度がよく安い! これはみな見落としがちなことだが、スパイスは生鮮品だ。香り成分は揮発性なので、購入して置いておくと、ただの色つきの粉になってしまう。しかし、スーパーで市販されている瓶入りのスパイス類は高くて、買うのにためらうことが多い。ふんだんに使うのがちと惜しくなってしまうのである。
ところが大津屋では、だいたい200g程度入っているパウダースパイスが400円程度で買える。ホールも勿論ある。素晴らしいのはナッツ類で、カシューナッツやアーモンド、殻を剥いたピスタチオなどの生のホールが手に入る。ここで重要なのは「生」ということだ。安く売っているのはローストしたものがほとんどで、これだとすぐに酸化してしまいがちだ。ナッツの脂が酸化したものには猛烈な毒が発生することもあるので、お勧めできない。しかしここでは生のホールが、しかも安く手に入る。僕が知る中では最もリーズナブルだ。これからバジリコのペーストを作る季節だが、僕は大量に使うナッツ類はここで仕入れる予定である。
スパイスだけではなく、その周辺素材も沢山販売している。例えばインド料理には絶対に必要な油である「ギー」は、オリジナル商品が置いてある。カレーのコクのある風味を出すにはこのギーが必須だが、なかなか置いてなかったり、高かったりする。写真の商品はでっかいやつで900円程度、半分くらいのだと600円くらいで買え、全然使い切らないのでリーズナブルだ。

また、香りのよい長粒米(インディカ米)であるジャスミンライスなんぞも販売している。これがインド系のサラサラのカレーにばっちりマッチするのである!

この日の企画としては、とにかく大津屋のお母ちゃんがいつも家庭で作っているレシピを教えて貰い、その通りに作ってみるということになっている。そのために買い求めなければならないスパイス類が下記である。

■ホールスパイス
カルダモン
シナモンスティック
ベイリーフ
クローブ
■パウダースパイス
クミン
コリアンダー
ターメリック
カイエンヌペッパー
ガラムマサラ
■そのほか
マンゴーチャツネ
ホールトマト缶
ヨーグルト
鶏肉(モモ)
カシューナッツ
アーモンド
ジャスミンライス
バジルシードのジュース
などなど、、、

そして、、、これに加えて、特選素材があるのダ!
「ええとですねぇ、、、長胡椒ってのがあるんですよ。」

インドではよく使われている長い胡椒、本当に長い! 松ぼっくりのような細かい模様が外側についており、見た目はちょっと気持ち悪い。
「生で噛んでみます?」
といって袋を開けてくれた。正直、俺は噛みたくない!けど、カメラマンはすでにセットアップ済みである。うーん しょうがない、、、

口に入れて噛む。かなり硬い!「ガリっ」という硬質な音と共に、衝撃的な刺激成分が俺の脳内物質を大量に分泌させた。駆けめぐる胡椒の香り。かぐわしい、確かにかぐわしい!しかしあのブラックペッパーの香り成分を50倍くらいにした香りの塊が鼻孔を抜けてゆき、その後にすさまじい辛みが味蕾を直撃した!
「ヒー!」
の顔の写真は、雑誌掲載されているので残念ながらここではみせられん。が、とにかくすさまじいパワフルな香辛料だ。
「これ、やっぱカレーに入れるんですかね?」
「う~ん、僕は使ったことないからわかんないですね、、、」
そんなもん、俺に食べさせないでくれ!
ま、しかし、この長胡椒を使って、カレーを作ることになったのだ。スパイス類をたんまり買い込んで、大津屋・竹内ファミリーに別れを告げる。目指すは編集者・御園氏の愛の新居(湯島)である。
(後編・カレー作り編へと続く)
以前のエントリにも書いたとおり、東京でタイ料理を食べたくなったら、六本木の「バンコクレストラン」に行くことにしている。店のウェイター陣が総入れ替えになったらしく、古顔が居ないのが寂しかったが、その分、タイ国イケメン店長と握手を交わしたりして、楽しかった。
(彼のコトね↓)

と、思っていたら、この店長律儀な人だ、日本語でメールをくれた。
この間ご来店してくれてありがとうございます~ あなたのHPを見ました、本当にうちの店の事をHPに載せていただいて、ありがとうございます。店の内容だけではなく、私についても書いてくれたんですよね~(^^)たくさんほ められた~ 本当にありがとうごさいます~またご来店お待ちしております~
この力の抜けた「~」の使い方、そして絵文字まで使ってて、ほぼ日本人じゃん!これを自分で書いているとしたらすごいことである。たしか日本にきてまだ1年ちょっとのはずなんだが!?
返事をすると、またメールをくれた。
やまけん~ メールを返事してくれて、ありがとうございます。 そうです~僕はバンコクのニコニコイケメン店長のノートです。 なぜ僕は日本語が書けるかとういと、一年前に日本に日本語学校に勉強しました。 まぁ~勉強したけれども、なかなか上手く話せません。 今でも●●●●●という専門学校に勉強してます。(コンピューター学科) ところで、なぜ山本さんはタイ語がおしゃべれますか? タイへ行ったことがあるでしょう?もしくはタイ人の女の子が居るでしょう?(^ ^) まあ~これから、友達になりましょう~ よろしくお願いいたします~ ノート
いや、俺のタイ語は料理の名前しか知らないけどさ、お前の日本語マジですごいよ!天才である。ちなみに俺には、タイに女の子は居ないからな!そういうのを邪推というのだ、邪推。
さて、ノート君にも会いたくて、バンコクに行った。芋焼酎の京屋酒造のWebを運営しているダイナディクト・システマ社の永友さん一行に、独立祝いにごちそうして貰ったのだ。
店に入り、ノート君と握手を交わす。ビア・シン(シンハビールのことね)で乾杯し、メニューをガガガっと頼む。この店、というかタイ料理は異様に調理が早いものが多く、頼んで5分以内に料理が来るので、食べたいものを前編・後編くらいに分けてとるのがよいだろう。
本日はまず、タイ料理の中でも日本人がとっつきやすいものを頼んだ。
それは「ヌア・パット・ナンマンホーイ」である。ヌアは牛肉。パットは炒める。ナンマンホーイはオイスターソース。つまり、牛肉のオイスターソース炒めである。

オイスターソースの濃い旨みにニンニクがガツッと利いて、飯が何杯でも食べられそうだ。タイではこれをご飯(カオチャーオ)にかけて食っていたものだ。
それと青パパイヤのサラダである「ソムタム」これは欠かせない。

で、本日苦言を呈したいことが一つある。
「トートマン・プラー」という料理がある。トートマンは薩摩揚げみたいに団子にして揚げる料理、プラーは魚である。つまり薩摩揚げそのまんまですな。これが、日本の薩摩揚げみたいな外観だが、味は全然違ってタイ料理。かなり旨い。

これに、付いてくるスイートチリソースをベシャベシャに塗りたくって食べると、甘いのと酸っぱいのと、トートマン・プラーの若干香辛料が入った旨みが利いて最高にイケル。

魚肉にどんなスパイス類を放り込んでいるのか、実に謎である。

で、激ウマなんだけど、これよりもっと旨いモノがある。それは、魚ではなくエビをすり身団子にして揚げる「トートマン・クン」である。そう、「クン」はエビのことだ。想像しただけで旨そうでしょ?
でも残念ながらバンコクではトートマン・クンをメニューに載せていない。何故だと聞いてみたが、にこやかに「出してないんですよぉ~」というだけである。うーーーーむ
ということで、ノート君!ぜひトートマン・クンをメニューに載せる努力をしてみてくれませんか??おいら食うよ。
読者の皆さんも、六本木バンコクいったらぜひ「トートマン・クンありませんか?」攻撃を!
しかしその際に注意!発音をきちんとしないと「トムヤムクン」と間違えられてしまうことが多々あります。おれはタイで過去二回、鍋一杯のトムヤムクンを一人で食いました。
本日はもう一つタイご飯。「ガイ・パット・バイカバオ」(鶏挽肉のバジル炒め)である。一皿料理で出てくることが多いのだが、タイ風にご飯の上に載せて、目玉焼きを載っけて出して貰った。

目玉を崩して、ナンプラーをかけ、かき混ぜて食う。これがマジで旨い!タイ料理はグリーンカレーとトムヤムクン、春雨サラダのヤムウンセンしか知らない人はぜひ、こいつを試して欲しい。


この日もノート君はニコニコしながら見送ってくれた。今度、遊びたいものだ。
匠~オーパのゴールデンコースは、いと楽し。匠で食べられる、この初夏の季節しかないネタと言えば、生のトリ貝だ。
「あいよ 生トリ貝! 煮きり塗ってあるからそのまま食べてねっ!」
その蠱惑的なトロトロ感の伝わってくる外観、堪らない。

口に運ぶと、とろり、シャクリとした歯触りと、柔らかな甘み、旨みが煮きりと絡んで舌にまとわりついてくる。身が、とても甘い。
「これはこの季節しかないからね!」
このネタ一貫だけ食べに来ていいかね、加藤ちゃん? 最近はネタが早い内に切れてしまうことが多い。あったらすぐに頼んだ方がいいのはこの生トリ貝と、入梅の最高なイワシだ。
しかし、僕の分は残しておいて欲しい。
バーテンダー技能競技会後、オーパは連日満員が続いていた。おかげでゆっくりと飲む雰囲気でなくなってしまったが、でも、よかったと思う。その分、水澤君はオーバーワーク気味だ。競技会後、休む間もなく翌日から店に出て、先週の日曜日にようやく休みを入れたくらいの出ずっぱりのはずだ。飲食店というのは、大変な仕事なのである。一昨日も議員秘書のモロイさん夫妻と田中君と一緒に飲みに行ったのだが、一杯目のスプリング・ヒルの味のバランスが少し悪かったように思う。水リン、疲れを癒してくださいね。
でも、思いやりというものは本当に人の心を温かくするものだ。先日、一人で飲みに行った際のことだ。最近は彼の作るモスコミュールにはまっているので、「辛口、大盛り」を頼む。ショウガ多めということだ。

知らなかったのだが、本当のモスコミュールにはジンジャー・ビアという、ショウガを発酵させた炭酸飲料を使うのだそうだ。缶を見せてくれたが、みたことのないジャンルの飲み物だった。それに、ショウガの生のすり下ろしを加える。これを多めにしてもらうと、疲れたときに元気がでるソウルドリンクになるのだ。ステアされて銅製のマグカップになみなみとつがれて出てくる。
熱伝導の優れた銅のカップの持ち手は、キンキンに冷えている。これを握ったときにヒヤっと来る感覚が大好きなのだ。
と、水澤君がつつ、と近寄ってきて、ささやいてくれる。
「山本さんにお渡ししたいものがあるんですよ、、、」
そう言って、トランクルームに消えた後、小さな木箱を手に帰ってくる。
「先日の技能協議会の記念に、何か差し上げられないかと考えていたのですが、20名の出場者だけに配られた記念バッジを、貰って頂けませんか。」
そう言って彼は、ジャケットの襟に誇らしげに着けていた金のバッジを外して、僕に手渡してくれた。シェイカーの形をしたそのバッジの裏面には、「技能競技大会」と刻印されている。
「こんなすごい記念品、もらってはまずいんじゃないの?」
「いえ、トロフィーとかメダルとか一杯ありますし、これは山本さんに。」
そう言ってにっこり微笑んで、彼はシェイカーの戦場に戻っていった。

このバッジの重みはよく知っている。生涯の宝物がまた一つ増えた。昔は、こういう大事なものが増えるのは、自分が重たくなってしまうことだと思っていたが、最近はそうは思わない。また一つ、その重さで自分の中心軸が定まっていくような、そんな気がしている。水澤君の気高さは、まさに全日本チャンプにふさわしい。
しばらくは休めないだろうけど、本当に身体をこわさないようにね。今度、栄養ドリンクを差し入れようかな。
僕が気の向いた時に、青果物の商品を提供しているオーガニックサイバーストアというWebショップがある。実はここが飛ぶ鳥を落とす勢いである。最近ではYahoo!ショッピングのデザートランキングで上位をとり続けるほどにスイーツの取り扱いに成功していると聞く。
ここを観て欲しい。1位、3位、6位、7位が同社の商品だ。(6月17日現在)
観てみると、相当にこだわった商品ばかりだ。ネット上では販売できないだろ?というような商品を、メーカーと共に開発し、極安の配送料金で消費者に届ける仕組みが完備されている同店ならではのことだ、、、と、もっとももらしくうなずいていたら、同店のカリスマバイヤー池田さんから連絡が!
「やまけんちゃ~ん、こんどうち、すっごく旨いプリンを売るんですよ。食べたい?」
食べたい食べたい、そんなの食べたくないわけないでしょう~頼むから送って下さい。
「ああ~ そうね、じゃあリコメンド記事書いてくれます?」
むむっ?リコメンドか、、、でも美味しくないものを美味しいとは書けませんよ!
「大丈夫、絶対に美味しいプリンです!」
そんなやりとりの後、大阪のスイーツ専門店「Paff」からプリンが6つ送られてきたのであった。その名も「極上まろやかプリン」。北海道十勝平野の酪農家からの牛乳とクリームを用いた逸品だそうだ。

綺麗な小さな容器に入ったプリンは、薄いクリーム色の、みるからに繊細そうな顔立ちをしている。少し強めに容器を振るとプユプユと可愛らしく揺れるが、表面は安定したまま。実はここにかなりのノウハウが入っているとみた!

プリンというのは宅配を考えると、非常に難しい商品。何故かというと、焼きを強めにして堅くすれば、形が崩れないけれども、この商品のように「滑らか」と言い切るためには、クリームを多用し、トロトロの食感に仕上げなければならない。でも、そうすると配送時にドロンドロンになってしまい、自宅についた時点では目も当てられなくなっている可能性が、、、そう言うこともあり、プリンって宅配には難しい食べ物なのである。
しかし!さすがはオーガニックサイバーストアとPaff。この問題にきっちりと解答を出してきた。その秘密は「皮」!
これは単に好みの問題なんですけど、プリンで一番好きな部分って、僕はカップの一番上の、空気とふれあっている表面にできた薄い皮の部分なんですよね。熱に当たって、さらに空気に触れていることで水分が抜けて、味がすご~く濃くなってる。僕は先ず蓋をとったら、この皮の部分を薄~くすくって食べるのが最大の楽しみなのよ。いや、フェチっぽくてすみません。

でもこの商品のように滑らかさを売りにするプリンだと、そういう皮ってできないんじゃないかと思ってたんだが、、、それは杞憂だった。表面には火が通っており、うっすらと味の濃い層ができている!
思わずその部分だけをすくって食べてみた。当たり前だがウマイ、、、クリームの旨味が加熱され、皮になり、むちゃくちゃ濃厚。この皮だけ5メートル四方分食べたい。


そして、この皮がきちんと衝撃安定剤になっているため、皮の下にはトロントロンの滑らかなクリームペーストが保持されているワケである。これがなんと言っても一番主役のプリン生地だ。
スプーンを入れると、中にはタップリのバニラビーンズが。このバニラビーンズ、マダガスカル島で収穫された天然のバニラだそうだが、贅沢にもつぶつぶだらけなのであった。まったりと甘いリッチな香りが口中にずっと残る旨さだ。
そしてその滑らかクリーム生地の最下層には!品のいいカラメルソースがひたひたに入っているのであった!本品のカラメルは上品な感じでしつこくなく、生地の旨さをサポートするに徹している。

こんな風に書いていても、食べるのは一気呵成。思わず一度に3つも食べてしまった、、、
クリームと卵の旨味を凝縮するのと、衝撃安定の役目の双方を満たした皮、トロットロのクリーム生地、強い香りで存在感をアピールするバニラビーンズ、そして品の良いコクを与えるカラメル。最高ではないか!これで6つ1500円(+送料)はリーズナブルといってもいいな。でも、食感がライトなので、あっという間に食べてしまうのが難点か!?
旨いプリンを、どうもごちそうさまでした!
(その1より続く)
さて お茶のテイスティングだ。
4種の茶葉を紙の上にあけて観る。茶葉の形状と光沢などから、茶葉の性質や揉み具合を推測するつもりになってみる。プロの茶業人や日本茶インストラクターだったらこういう時にすごい言葉を持っているのだろうが、、、
今回いただいた茶は、A、Bが本山茶、C,Dが静岡茶と書かれている。本山とは、静岡市内の安倍川流域にある、最も素晴らしいお茶が育つと言ってよい地域である。静岡茶という表記は、それ以