日本でいちばんまっとうな学食・自由の森学園の食堂を支えてきた、泥谷政秋(ひじやまさあき)さんが亡くなった。いままで本当にお疲れ様でした。安らかにお眠り下さい。

2015年5月25日 Category:日常つれづれ

DSC_0476

僕が農と食の道にわけいるきっかけとなったのは、自由の森学園高校の学食で出会った一枚のキャベツの葉の美味しさだった。まだ学力重視、競争重視の教育が主流だった30年前、生徒に食べさせる食事はなるべく天然のものを使い、素材はすべて顔の見える関係を結んだ産地から契約取引をするという主義で食堂を運営しつづけている学校だ。

その自由の森学園の食堂の設立から参画し、ずっと支えてきた中心人物である泥谷政秋さんが亡くなった。大腸ガンで、厳しい状態だが自宅療養中ということは妻の千代子さんからきいていた。

1週間ほど前、泥谷さん名義のはがきが届き、読んでみたら「3月末をもって退職しました」という挨拶のはがきだった。でもおかしいな、3月末のことなのに、いま?と思いつつ、もしかしたらとも思っていた。実は政秋さんの遺志で、葬式もなにもかも身内だけでひっそりと執り行ったらしい。学校関係者にも知らされていなかったので、みな呆然としているそうだ。

縁の下の力持ちを地で行った彼らしいな。スタイルを貫いたんだな、と思った。

電話口の千代子さんから「あのね、やまけんが撮ってくれた彼の写真、送ってもらえないかしら」といわれたので、もちろんだということでハードディスクの中身を探索し、現像した。そうして写真をみていて、あらためてこの自由の森学園の食堂の素晴らしさに思いを馳せた。

DSC_1655

緑多い埼玉県飯能市の山中にひょっこり顔を出す学園。

DSC_0549

DSC_0299

DSC_0483

DSC_0157

DSC_0569

DSC_1546

DSC_0161

野菜の多くはJAS有機の認証マーク入り。当然のように有機農産物や有機食品がふんだんに使われている。

DSC_0186

DSC_0078

お米は、創立時から契約栽培米を熊本から籾つきで取り寄せ、精米している。

DSC_0093

DSC_0087

胚芽米と白米を搗いて、玄米もすこし出す。

DSC_1511

出汁の素材は全て昆布やカツオなどの天然素材だ。

DSC_1496

DSC_1601

それはもちろん「美味しいから」である。

DSC_1522

驚いたことにこの学校ではパンも自分達で焼く。それも天然酵母でおこしたパンだ。

DSC_1737

サンドイッチやコールスローに使うマヨネーズも手造り。

DSC_1557

DSC_1551

DSC_1594

もちろん野菜だけではなく、畜肉や卵といった畜産物もすべてに気をつかっている。

DSC_1553

DSC_1609

自森のトンカツ定食は、学食の域を超えているのだ。

DSC_1671

鶏肉の仕入も、抗生物質の投薬量などに気をつかった仕入れ先を選んでいる。

DSC_0189

DSC_0270

唐揚げを揚げる油は溶剤抽出ではなく、圧搾絞りの油を惜しげなく使っている。

DSC_0328

だから唐揚げ定食にはいつも長蛇の列ができる。

DSC_0211

これがなんだかおわかりだろうか。

DSC_0219

なんとうどんは自家製麺なのである。

DSC_0238

DSC_0335

カレーを作るときも、市販の業務用ルーを使うことはない。

DSC_1540

職員がスリランカに研修に行って、教わった調合で本格的なカレーを作る。

DSC_1602

DSC_1597

だから、自森の卒業生はみな卒業後、食堂のカレーに思いを馳せるのだ。

DSC_1659

カレーの付け合わせに載っているピクルスだって、自前だ。

DSC_0509

漬物類はかなりの割合で、自分達で漬けているのを年間につかっている。

DSC_0507

DSC_0525

配食計画はめんみつに、そして生徒たちのことを考えながら作っている。

DSC_1626

DSC_0317

昼の時間とともに、食堂は戦場のようになる。

DSC_1707

この子達の多くが、社会に出てから「なんか自森の食堂ってすごかったな」と思うことになる。

DSC_1711

こんな学食を、支えていたのが政秋さんだ。とくに仕入に関しては彼しかわからないことも多々あるという。仕入担当は生産者・メーカー・流通業者からすれば取引先の顔だ。長いこと、彼は自由の森の顔だったのだ。

DSC_0441

このメンバーの仲には、創立以来のスタッフもいる。けれども政秋さん、ちょっと早いよ。学食の仕事を頑張ってくれて、これから少しくらいは楽をしてもらいたかったのにね。

 

DSC_0474

泥谷政秋さん、これまで本当にありがとうございました。あなたがいてくれた食堂のおかげで、いまの僕があります。少しでも、この世界の食をより佳くすることに貢献することで、あなたへの恩返しをしたいと思います。

安らかにお眠り下さい。

地元民に圧倒的に支持される低価格帯・庶民向け沖縄そば・名護の宮里そばに和む。そして名護の突端・金剛石林山を楽しむ!

2015年5月25日 Category:出張,常夏の楽園・沖縄を食べ尽くす

PC210311_1
OM-D E-M1 12-40mmf2.8

先日書いた、茉屋(まつや)をハイエンドとするならば、こちらは表題にある通り、庶民派沖縄そばである。名護市の突端にある金剛石林山に遊びに行った帰りに、タクとキッペイが連れて行ってくれた店だ。

PC210308

ここはアジアか!と叫びたくなる、実に味わい深い店舗である。これなんだよな、、、3時という中途半端な時間にもかかわらず、このあとも店内はひっきりなしに客が訪れる。

ソーキそばや三枚肉そばは500円。カレーライスやスパゲティーなるメニューもあって「ん!」となるが、夕食も待っていたのでググッと我慢(笑)

PC210309

PC210310

PC210312

小腹が減って、サッとかき込むというのにこれほど合うものがあるだろうか!? 手軽に美味しくいただきました。この佇まいが実に味わい深い、いい感じ。沖縄そばのA面とB面なのであった。

ちなみに金剛石林山は、沖縄本島最北端の辺戸(へど)岬の手前にある、カルストの奇岩が立ち並ぶ山で、バスで中腹まで登り、トレッキングを楽しむことができるスポットだ。ここからさきはキッペイチームの思い出アルバムとして。おそくなってゴメン。

→→→この続きを読む

熊本県益城町にて

2015年5月20日 Category:出張

P5190447

益城(ましき)といえば熊本空港ちかく、高速のインターもある地域で、畑が一面に拡がっている、僕好みの地域だ。ここでコンサルをしている会社の新たな6次化拠点の落成式があり、レセプションに参加するために昨日、朝便で熊本入り。雨が降り気温が18度と寒かった東京から、いきなり大雨が降った翌日、晴天の熊本へ。暑い!

レセプションが開始されるまで、隣の畑へ。加工用だろう、かなり肥大が進んだ大根を掘って鉄コンテナに入れている。

P5190429

モンシロチョウが乱舞する、実にファンタジックな光景だったんだけれども、こういうのって動画で撮らないとダメですね。静止画じゃどこにc追うがいるのかわからない。

まあしかしとにかく暑かった、、、これから帰京します。

10~5月までで15万円。岩手県二戸市に所有している短角牛母牛「いなほ」にはこんな風にお金が掛かっています。

2015年5月20日 Category:日本の畜産を考える

image

2007年から、岩手県二戸市で短角牛のオーナーになっている。とはいっても、家畜としての牛は農家認定がないと実質的には飼えない(共済等のからみ)ので、僕はお金を出して農家さんに育ててもらうという形。同じようなことはそうそうはできないので貴重な取り組みをさせてもらっている。

初代の母牛「ひつじぐも」は乳房がすべて乳房炎でふさがってしまったのでおととし、お肉にしていただいた(素晴らしかった!)。そしてその二女である「いなほ」を後継の母牛としている。ひつじぐもの良い点を受け継いでいて、大きな子を産んでくれている。ここ3回、連続して女の子を出産してくれていて、今年生まれた子をどうしよう、肉にすべきか後継牛にすべきか真剣に悩んでいる。

さて、いなほは母牛なので、年中飼うことになる。今の時期から秋までは牧野に放され、放牧で子牛を育てながら、同時に放される種オス牛と恋愛をして(笑)、次なる子を宿す。草が枯れて雪が降ると、餌がなくなるので里におろし、牛舎で飼う。いま、二戸で新しく畜産農家になった槻木さんのところで預かってもらっている。

その、昨年10月からの請求がきた。一日600円の世話代で計算している。以前は400円台だったのだが、ここしばらく全世界的に穀物が高騰しており、なおかつ円安ということもあっての値上げだ。

このように生産している人達はかなりのコストアップなのだが、出口である肉の販売価格は、これほどの牛肉・ステーキブームにもかかわらずそれほど上がっているわけではない。だから、いま肉牛の繁殖・肥育の双方の農家が辞めようとしている。

消費者が牛肉をご馳走であると再認識して、もう少しまともな価格で買ってくれればこんなことにはならないのだが。腹が立つのは、輸入の割安なUSビーフを法外な値段で出す店が多いことだ。ある意味、便乗商法っぽいところがある。

日本の伝統的な品種の牛肉が今後どうなっていくのか、静かに岐路にたっている。

DSC_8592

圧倒的に優しく滋味深い沖縄そばを食べた! 卓パパお薦めの店は「茉家」と書いて「まつや」と読む。ダイナミックでやわらかな炙りソーキのど迫力!

2015年5月18日 Category:出張,常夏の楽園・沖縄を食べ尽くす

PC220364

しばらく前の話なのだけれども、印象的なお店なのでアップ。沖縄そばの美味しい店は多々あれども、その中で「本当に佳いなあ」と思える店は少ない。というか、沖縄そばに求めるものがどんなものかによって「佳い」は変わるからだ。

例えばこのエントリの後にまた書くけれども、地元民に圧倒的に支持される低価格帯・庶民向け沖縄そばも最高な風情だ。一方で、食材を吟味し、出汁や製麺にもひとつひとつ気遣いを見せる店もある。どちらも正しい沖縄そばだし、受け取る側のコンディションやTPOによって評価は変わる。

で今回は例によって、僕にとって最良にして最初の沖縄の導き手であるタクに連れて行ってもらった。いや、タクの父君である卓パパに連れて行ってもらったと言う方が正しいかな。卓パパって誰!?というあなた、このブログ「やまけんの出張食い倒れ日記」のタイトル文字を書いて下さっている方ですよ!

そして、僕はその店のそばをすでに食べている。タクパパがおくってくれたこのエントリだ!

■絶品沖縄そばとソーキのセットが届く。啜る。旨い、と鳴く。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2014/02/post_2071.html

そう、このお店にやっと行くことができたわけだ!

PC220349

「こんなところ地元の人じゃないとわからないでしょうが!」というかんじの、住宅街の裏手にひょいとのれんの掛かったこの店。 「茉家」と書いて「まつや」と読む。こんな隠れ家的な立地なのに、入店すると常連のようなお客さんがいて、食べている。識る人ゾ識る店なのだ。

PC220351

いろいろ頼もうねということになって、僕はソーキが旨いのを覚えていたので、炙りソーキそばに。タクは福幸豚の中落ち生姜そば。卓パパは限定の、キムチとゆし豆腐の載ったそばをオーダー。

PC220354

店主の本村貞彦さんは石垣島出身。だから、ここのそばは明らかに石垣の流儀にのっとっているそうなだ(沖縄の人間でない僕にはそこはわからないのだが!)。

さあ、本当にほどなくして、参りました!

PC220358

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

PC220360

透明感あふれるこのスープと麺の世界観を打ち破る、、、

PC220359

このショッキングにテリテリ光るソーキはぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

PC220366

素晴らしいプレゼンテーションっ!

これはもう全部のせるしかないっ!

ということではいここからほとんど写真ありません。ひたすらスープをのみ、ソーキにかぶりつき、麺を噛みしめました。

本村さんのそばのスタイルは、すべてにおいて優しく穏やか。スープは福幸豚という県内の銘柄豚で、「これ、他の豚肉とは全然違うんです」という。ソーキはほぐれるほどに煮込まれているものの、味が抜けている感は一切無く、やわらかな旨みに満ちている。脂も絶妙にトロ感があって実に美味しい。この店では圧力釜で短時間に仕上げることは一切しないそうで、一から煮込んでいるそうだが、そういう部分が味わいに反映するのかもしれない。

PC220361

そうそう、大好きな沖縄の炊き込みご飯「じゅーしー」も美味しい。セットでどうぞ。

PC220363

こちらがタクがたべた中落ち生姜そば。豚肉の中落ち部分をフレーク状になるまで煮込んだもののうえにこんもりと生姜が載っている。こいつはパワフルです。スープの味わいがまったくかわるので、「ソーキソバと中落ち生姜そば」のダブルオーダーしても飽きないね(そんなのする人いないか)。

PC220367

こちらがゆしどうふキムチ煮込みそばみたいなやつ。冬場の限定メニューなのでいまはありません。パパが「全部は食べられないよー」といってたが、結局すべてパパが食べてしまった。それだけ食べやすく優しい味わいだったのだろう!

PC220370

ちなみに、ここのそば麺は鹹水の使用量が非常にすくないそうだ。身体へのインパクトもあるし、味わいとしてもそのほうが本村さんの好みなのだそうだ。たしかに、強い味重視のひとにはわからないが、当たりが柔らかくデリケートな麺である。

極上のスープも一滴も残さずに飲み干すことができた。塩味もやわらかく、一口目の美味しさよりも、最後に飲み終わった後にちょうどよくなる、絶妙な塩梅である。じんわり旨かった!

PC220382

PC220391

実は本村さん、先日のGW中に湯河原にきて、コラボレーションイベントで沖縄そばを出していたらしい。Facebookで識らせてくれていたのだが、GW中は僕も体調を崩して寝ていたので、行けなかった!ゴメン本村さん。

という、喰いたかったぁの念を込めていま書きました。

PC220396

この店に行きたい人は、レンタカーを借りて行くべし! 本村さん、また沖縄で会いましょう!

琉球麺茉家(まつや)のブログ
http://ryukyumen1717matuya.ti-da.net/

札幌は桑園の夜、二軒目は室蘭やきとり「太助」で

2015年5月14日 Category:出張

2015-04-20№(309)

たん右衛門のあと、もう一軒いこう!ということになり、もちろん行く行く、と移動。それもほんのちょっとだけ移動してJR函館線の桑園駅のわきのガード下!

2015-04-20№(277)

おおーーーこんなところに店が!

2015-04-20№(279)

しかもここ、室蘭やきとりの店だという。やった!おれ室蘭やきとり大好きなんだよね。

2015-04-20№(353)

ここでもまたつのご夫妻は超・常連。

2015-04-20№(287)

牛タンの串をしこたま食べてきたにもかかわらず、肉を所望しました。

2015-04-20№(299)

室蘭やきとりは、やきとりと銘打ってはいるものの、豚肉のバラや内臓肉を焼いたもの。そして北海道らしく、肉と肉の間にはさむのはタマネギである。野菜の中でもタマネギが一番重要だと思う僕(冷蔵庫の中にタマネギがなくなると落ち着かない、ほぼ全ての料理に入れてる)にとっては天国のようなやきとりなのである。

ハツは塩で食べたけれども、ほお肉やバラなどはタレで。

2015-04-20№(305)

これに辛子をしこたま塗りたくって食べる。タレはシツコサがなく甘すぎず、肉を引き立てる味わいで旨い!

2015-04-20№(313)

あっというまにこんな感じに。他のメンツが食べないので、僕がわしわし食べることになってしまった。

2015-04-20№(321)

2015-04-20№(329)

そして、向こう側では恐ろしげなものが焼かれている、、、

2015-04-20№(331)

ドカーン! この店名物の、ジャンボ焼きおにぎりダブルチーズのガーリック味!

2015-04-20№(337)

巨大だ、、、ご飯1.5合分くらいだろうか?これで600円は安い!

2015-04-20№(343)

このおにぎり、余力があるときに食べないと大変なことになるので注意!決して、一人で食べるもんじゃありません(俺は食べた)。でも間違いなく旨い!そしてガーリック味は翌日ひとに会わない時に食べること!

2015-04-20№(371)

店主の渡邊さん(左)が、こわもてなのかと思いきや正反対!最高にフレンドリーかつ的確な串焼き火入れ術の持ち主でありました。ここの精肉・内臓類は実に品質高いです。

2015-04-20№(379)

やきとり太助
北海道札幌市中央区北10条西15丁目桑園駅ウエストプラザ
011-641-0417

また北海道で再訪したい店が増えてしまった、、、

2015-04-21№(004)

これはびっくり、ドライエージングのブームのはるか昔から熟成をやっていた、あの牛タン屋が札幌にもあったのか。リーズナブルなねかせ牛タンの旨さに痺れまくる夜だったのだっ!

2015年5月13日 Category:出張

2015-04-20№(133)_1

「やまけんちゃん、魚はうちで食うからいいだろ、肉食べに行こう。旨い牛タン屋があるんだよ」と、札幌に行くときには必ず足を運ぶ海鮮酒家「またつ」の親父と女将が誘ってくれたのがここ。札幌の隣の「桑園」駅からすぐのところだというが、店構えは本当に路地にぽつんという感じで、仰々しさも何もない。L字型のカウンターで10人も入れば満席だ。

→→→この続きを読む