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2003年09月04日

兵庫県加西市と淡路島にはスバラシ食文化が横たわっていた

 会津若松・福島出張から帰った翌日、すぐさま兵庫県加西市に向かう俺であった。今回も農産物のトレーサビリティについての講演。そもそもは淡路島の農業改良普及員の小谷さんという方が、いきなりお誘いのメールをくれたのがきっかけで、結局、県の農協全体が結束して呼んでくれた。その際には勿論「夜は淡路にわたって旨いものをぜひ」とお願いしていたわけだが、淡路には今回初めていくことになるのだ。
 さすがに出張二連戦で疲れていたこともあるが、新幹線の中で爆睡。新神戸にて、迎えにきてくださった県の方と落ち合う。神戸から加西市の試験場まで1時間半の間に、車中で兵庫県の食について伺う。
 まずどこでも「この辺にしかない料理ってなにがありますか」と訊くことにしているが、ほぼ例外なく相手の反応は「いやぁ、、、ふつうですよ」というものだ。そう、彼らは生まれてからずっとその土地の食文化で生きているから、普通のものしかないと言ってしまう。けれども、外からきた人間が観ると「えぇ~ こういうものがあるの?」と言ってしまうようなことが多いのだ。
 今回面白かったのは、車の運転手をしてくださった榎本さん。いろんなことを訊いたのだ。例えば下記。

・兵庫では海でいかなご(小魚)がたくさん獲れる。これを甘辛く炊きあげて佃煮のようにするのを釘煮(くぎに)という。何で釘というか、だが、実はこれを作るとき、年代が上の人はわざわざ釘を水に漬けて錆びさせたものを鍋に入れる。すると酸化鉄の作用か何か知らないが、照りが出て美味しそうになる。黒豆もこうして釘を入れて煮るとよいとされている。この釘を入れるタイミングと時間が微妙なこつで、適当なタイミングで引き上げないと、鉄臭くなるのだ。

・加古川市では、「かつメシ」という食べ物がある。関西では割と有名でテレビにも取り上げられているが、、、どういうものかというと、ご飯に千切りキャベツを乗せたうえにトンカツが乗り、そこにデミグラスっっぽいソースをかけて食べるというもの。このソースが旨い。加古川では「かつ一」という店が元祖とされるが、運転手仲間では、その隣町のイナミという町のある喫茶店のカツメシの方が旨いとされている。高速道路の三木のSAでも食べられるよ

・姫路駅構内の立ち食い蕎麦屋には不思議な蕎麦がある。ここで「そば」というと、だしは普通の醤油だしで、麺が中華麺というものが出てくるのだ。もし、通常の蕎麦を食べたいならば「和蕎麦」と言わなければならない。そしてこのソバの味は、、、

とこのようなヨダレのたれそうな情報をたくさんくれる。

この話をしているときは昼食時で、加西市の近くの小野町にある「豊後」という魚料理の店。〆鯖の丼定食と、豊後巻きという、長芋と海鮮の海苔巻きという、二人前のメシを食べてしまった。悪いのは、旨そうな情報を教えて、やまけんの食欲を増進しまくる榎本さんである。

■豊後
〆鯖丼定食
豊後巻(山芋と海の幸を巻いた、超ビッグ海苔巻き)

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午後から始まった講演自体は大成功。それほど大きくない会議室に150人がすし詰めになり、熱心に訊いてくれた。会の終了後、そもそものきっかけをつくってくれた小谷さんと落ち合い、淡路へ。
その途中、例の三木SAに寄っていただき、カツメシを探す。なんとこのSA、地元の名門ホテルである宝塚ホテルのレストランとベーカリーが入っていて、とてもきちんとした料理を食べさせる。うどんコーナーで出てくるカツメシもしっかりとしたものが出てくるのだ。
 出てきたカツメシは、確かにソースカツ丼のソースがデミグラスベースのものになっているものだったが、それだけではない、何か特徴的な旨さがあった。それで680円である。スバラシイ。思わず榎本さんに電話で感謝の意を伝えてしまった。

■中国自動車道 三木SA 宝塚ホテル直営うどんコーナー
かつ飯 680円

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 さて、淡路である。まずは旅館にチェックインし、すぐさま宴席へ。ここで、実に実に旨い創作魚料理を堪能することになったのだ。淡路と言えばタマネギ。このタマネギをふんだんに使ったドレッシングが活躍するのだ。

■魚佐太(淡路島津名町)
0799-62-0215

太刀魚と焼きなすのおろしタマネギマリネ
レンコン豆腐のあんかけ
ハモとタマネギと水菜の小鍋仕立て
お作り三種(サンマ、鯛、鮪赤身)
瀬戸内の穴子のソテーゴマソース
鰻蒲焼きと茄子素揚げ トマトジュレ添え
穴子の磯部揚げ
茶碗蒸し
但馬牛のたたき

uosada1.jpg
uosada4.jpg
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この一つ一つが旨かったが、非凡に美味しかったのが、最初の太刀魚と、ハモとタマネギの小鍋仕立てだ。列席してくれた改良普及員さんから、淡路特産のタマネギの技術情報について色々教わった。いかにして糖度がきっちりと乗ったタマネギを作るか、いろんなノウハウがあるのだ。そうしたプロフェッショナルな話を聞いていると、マーケティングやトレーサビリティについてのコンサルをしている自分の足下がずいぶんと軟弱な地平のような気になる。ああ、生産技術っていいなあ、、、やっぱり早いとこ、畑がほしい。

なんと残念ことに今日の宿泊施設は11時が門限。一次会で切り上げということに。明日は淡路の農家の現場を数件のぞかせていただき、一路大阪へ移動である。


Posted by yamaken at 2003年09月04日 14:27
Comments

過去ログを少しづつ見てますので、亀レスで恐縮ですが、
加古川出身で、加西にある大学の実験農場にも頻繁に出入りしてましたので、超地元
コメントさせて下さい。

・加古川市では、「かつメシ」という食べ物がある。関西では割と有名でテレビにも
取り上げられているが、、、どういうものかというと、ご飯に千切りキャベツを乗せた
うえにトンカツが乗り、そこにデミグラスっっぽいソースをかけて食べるというもの。
このソースが旨い。加古川では「かつ一」という店が元祖とされるが、運転手仲間では、
その隣町のイナミという町のある喫茶店のカツメシの方が旨いとされている。高速道路
の三木のSAでも食べられるよ

とあるのですが、「かつ一」ではなく「一勝」です。ビフカツのカツ飯の元祖とされてます。
トンカツバージョンもあって元祖はかつて加古川駅前にあった「いろは」とされてます。
この「いろは」は今はなく、「いろは」の跡取がやっている喫茶店に引き継がれてます。
喫茶店なのにカツ飯がメニューにあるのが可笑しいです。

あと、加古川で美味いものというと、駅前の下村の「焼き穴子」ですね。
これは、間違いない、というかあのエリアの昔からの住人で下村の「焼き穴子」を知らぬ人
はありえません。

同じく駅前のラーメン屋「翁介」(おーすけ)もよく知られてます。
ラーメンが有名ですが、実は焼き飯も美味しい。
(ラーメンは子供の頃の記憶とは味が少し変わった気もしますけどね)

Posted by: いわ at 2004年05月17日 14:19