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2004年01月11日

ネットリうまうまの米、「ミルキークイーン」を知ってますか

 ご家庭で食べている米、いろいろあると思うが、比較的最近によく見かけるようになったミルキークイーンという品種をご存知だろうか。炊いていない状態の米粒がミルクのように白濁した色味であることからネーミングがついたこの品種、今最もぼくが好きな米だ。昨日、ある友人から届いたので、早速食べてみた。
up-s.jpg

 ミルキークイーンは、もち米とうるち米(普通のお米のことね)を掛け合わせた品種。掛け合わせ(交配)は、それぞれの長所を引き出すためになされるものだが、ここでのねらいは「低アミロース化」。アミロースとは、でん粉質の一種で、この含有量が高いほどボソボソ感が強く食感の硬い米となる。このアミロースを低くすればするほど、ネットリ感の強い米になるのだ。
 で、ミルキークイーンは、もともとアミロース値が低いもち米の特質をうるち米に発現するようにチューニングされた品種なのだ。だから、ネットリもちもちの食感と、独特の香りを持っている。冷えても硬くならず、美味しい米なのだ。詳しいことを知りたい方は、

独立行政法人 作物総合研究所 の研究成果のページ

をご覧いただきたい。 僕はこの研究所の所長さんと別件でお話をしたことがある。所長室に行くと、1時間ばかり話をして、5時のチャイムが聞こえたところで、
「さてと、、、」
と、パタンと資料類を閉じて、部屋の片隅にある冷蔵庫を開け、ビール瓶を3本抱えて、
「じゃあ、本音で話しましょうか。」
ということに相成った。そこから2時間半くらいいろんなことをお聞かせいただいた。途中で、
「うちではね、低アミロース小麦ってのも作っていて、これで作ったうどんが旨いんだよ!」
と言って、本当に研究所の給湯室で茹でて食べさせてくれた。これがまた劇ウマだったのだが、、、

 話を元に戻そう。
 ミルキークイーンは素晴らしい品種だが、当然のことながら誰が作っても旨いというものではない。僕はいろんな産地のを、それこそ15種くらい食べてきたが、最も旨い、と思うのは福島県のある生産者団体のものだ。ただし、その生産者団体、生産量が極めて少ないため残念ながらここでは明かせない。残念だ、、、そこのは、ネットリとモッチリ感だけではなく、米の細胞壁の強さというか、しっかりした噛み応えがあり、香り、風味共に素晴らしいものなのだ。洋食にでも和食にでもあわせられるオールラウンダーで、毎食食べても飽きなかった。
tenohira-s.jpg

 さて本日はその品種ではなくて、秋田県の有望な若手農業者のミルキークイーンを紹介したい。名前を伊藤裕樹、通称「ひろっきい」という。昨年末に親友の本城しんのすけから紹介され、意気投合した人である。

出羽大内産 伊藤家のお米
総責任者 伊藤裕樹

※伊藤さんのWebより画像引用↑

 彼は、実は週末農家だ。東京ではなんと、経営コンサルタント会社の代表取締役であり、かつ最近流行りのコーチングの専門家である。で、週末や繁忙期になると、秋田県大内町の実家(専業農家)の田んぼに舞い戻り、ご両親と作業をする。関東圏からするとかなり大きな規模で稲作をやっているのだ。で、彼が作ったミルキークイーンを食べてみようと、買い求めてみたわけだ。
fukuro-s.jpg

 発送直前に精米してくれているのがとても嬉しいところだ。早速炊いてみた。ミルキークイーンは、通常の米よりも少し水を少なめにしたほうが旨く炊ける傾向がある。僕の愛用しているミニお釜を使って、細心の注意を払いながら炊いてみた。
okama-s.jpg

 炊き上がり~蒸らしときた段階で、少し水が多かったと認識する。やはりこればかりは都度、新しい米を買うたびに、水加減を試行錯誤する必要がある。
 米だけでかみ締める。あのネットリ感と、程よく強い甘さ、そして女性的な香りが鼻を抜ける。旨い。この米には、若干強めの味のおかずが合う。そこで、兄弟分の工藤ちゃんが作ってくれた自家製ベーコンを厚めに切ってカリカリに焼き、目玉焼きを2個つくり、これをミルキークイーンにのせていただいた。
bekon-s.jpg

 ねっとりした黄身と燻したベーコンの脂が染みた米は、テリテリと輝き、なんともしっかりと旨味をましていった。納得の味である。今度は少し水加減を落として食べてみよう。米を代えるだけで、毎日の朝が楽しみになる、、、

 ひろっきいの米は、通販で買える。興味のある人は試してみては如何だろうか。ただし、ミルキークイーン以外の米は、まだ食べてないゾ。

Posted by yamaken at 2004年01月11日 12:23 | TrackBack
Comments

「ミルキークイーン」今話題の米ですよね。
試してみたいと思いつつ、なかなか店頭ではみあたらないんですよねえ。
因みに僕が今食べている米はこれ。
http://page.freett.com/pewits/
この米も粘りが強いんですよね。握り飯つくるとなかなかいいです(´(エ)`)

Posted by: ぬのくま稲田 at 2004年01月12日 09:39

こんにちは
ひろっきぃ米、味はともかくパッケージにノックアウトされました。冗談のようなデザインいいですね。

Posted by: reitaro at 2004年01月13日 12:42

あけましておめでとうございます~♪

私もミルキークィーン愛食していますが、どうも家の夫は苦手なようで(モッチリ感がダメらしい)

人によって好みがあるのですね。
私は、かなり好き!!

そだそだ、やまけんさん今年は絶対に会いましょう。
我が家は今、夫が長期出張のため不在にしているため、食生活が寂しいのです~。

みなさんを誘って、ご一緒に「美味しいものをくいだおれる日」ってのを是非に!!
2月ならまだまだ予定はあいています!

Posted by: taka at 2004年01月13日 17:16

稲田君:
湘南周辺のキヌヒカリでそんなに旨いのには出会ったことがなかったのだが、旨いのか!今度1合分けてくれ。

reitaroさん:
ご本人、いたって真面目な方なんですよ。ていうかかなりのナイスガイ(既婚者)です。

takaさん:
日程調整しましょうや。

Posted by: やまけん at 2004年01月13日 19:54

写真から真面目そうな様子は伺えましたよ。
インパクトのあるデザインなので店頭に並んだら目を引きそう。
ところで、おかまといい、包丁といい、やまけんさん随分としぶいキッチングッズを使ってるんですね。鰹節削り器とかももってそうな印象を受けました。今度、ぜひ愛用グッズについて掲載してください。

Posted by: reitaro at 2004年01月13日 20:35

reitaro さん
 了解、近いうちに私のキッチンツールを紹介申し上げますわ。男ってのは、実は自分の持ってる道具を見せびらかしたいもんなんですよ、、、そういう部分をくすぐってくれちゃって困るなぁ~    なーんちゃって、、、

Posted by: やまけん at 2004年01月14日 23:22

「ミルキークィーン」ちゃんと載ってましたね。失礼しました!僕が食べているのは、福島のとある村のものだと思います。初め水の量の調性に苦戦しましたが、今では上手に炊けるようになりました。ご飯の表面はしっかりしているのに中はもちもちです。先日も目玉焼き丼にしていただきました。

Posted by: fukapon at 2004年05月07日 14:50

やまけんさん おひさしぶり 独立おめでとう(こんなとこで)

ところで、私も同じく所長室で所長手作りのうどんをいただいた口です。研究所広しといえど、所長手作りうどんの店、いや研究所はあそこだけですな。

あのかたはいまは札幌の所長さんです。

Posted by: ◆◇◆◇◆◇ at 2004年06月03日 15:40

Anyone know where I can read up on more info on this

Posted by: Loryn at 2004年08月09日 10:29

はじめまして。詳細な説明ありがとうございます。
僕もお米大好きで、池袋東部のデパ地下にあるお米屋さんで毎週1Kgずつ購入して色々と試しています。

やまけんさんみたいに詳細なことは書いてないですが、お暇な時にでも見てみてください。
http://blog.livedoor.jp/h2pidqpu/

これからも楽しみにしていますね。

Posted by: シンタン at 2004年10月12日 17:40

このエントリを読んでから、気になって気になって、6月に新米の予約をしていたのが先日やっととどきました。
甘くてむっちりしたミルキークイーン、おいしかったです。とても気に入ってしまって、お歳暮用にも予約してしまいました。
発芽玄米のミルキークイーンも一緒に注文したので、こちらも食べるのが楽しみです♪

Posted by: reitaro at 2004年11月04日 13:08