さて 帯広二日目は、午前から午後にかけて、気象情報ロボットである「ウェザーバケット」の現地視察だ。
このバケットは、通常なら200万円くらいする精密な気象情報ロボットを30万円にダウンサイジングした優れもので、太陽電池で自家発電して動作し、情報を無線で200m飛ばせるという凄まじいものだ。また、リアルタイムの気象データをネットワーク上に配信することで、日本中のバケットのデータを基にした気象予測などが可能になるという、Linux的な非常に面白い気象情報システムなのだ。すでに、三浦の長島農園に配備されているのは、2月頃の過去ログにあるとおりだ。
バケットを販売しているのはアグリウェザーという、北海道の江別にある会社だ。その社長である横山さんは、北海道の開拓心と良心を双方持ち合わせた尊敬すべき方だ。大手の気象情報サービス企業の支部長をやっておられたが、自分の信念に反する仕事はできないと、独立をして作ったのがこのウェザーバケットなのだ。この詳細については近いうちに兄弟blogである「俺と畑とインターネット」に書いていくつもりである。
で、それらの視察をしながら、昼食。帯広から芽室に向かう道すがら、あちこちに「ジンギスカン」の看板がみえる。実はこの時点で、「今日はジンギスカンだな、絶対」とヤマを張っていた。もう腹はジンギスカン待望状態である。
しかし! 違ったのだ。車は芽室と帯広の間くらいにあると思われる国民宿舎に入っていった。
「ここのレストランが美味しいんですよぉ、、、どこかの一流ホテルのコックがいるんです。」
そうか、早急にお腹のモードを変えねば!と努力。「コロボックル」というそのレストランはたしかに国民宿舎とは思えないクオリティの高さであった。
■豚のコートレット(カツレツ)
ランチとは思えぬ造りだった、、、タップリのオイルでパン粉焼きしたコートレットは、断じてカツではない!ホテルのフレンチの王道を行くような料理であった。
こういう料理に油控えめはいけない。主婦と料理屋の違いは、油や砂糖を思い切り使うか否かだけなのだ。
■デザート
それと、ランチなのにデザートも出色のできばえであった。
アップルパイはきっちりと焼かれているのである。コーヒーと共に、これだけで500円取っていいぞ。
という感じではあったのだが、何かやはり物足りなさが残る。柔らかく談笑するみんな。しかし、前日に鶴橋の超特大豚丼で拡張された胃袋にはあまりにも少ない。
車に乗り、移動する。津田ちゃんが急遽、早めに帰らねばならないということで、帯広空港に向かう。
と、そこで横山社長がニヤリとした声で僕に声をかけたのダ!
「やまけんさん、白樺がありますよ、し・ら・か・ば。寄ってきます?どうします?」
おおおおおおおおおおおおお
生ラムジンギスカン「白樺」である!
この白樺は、帯広空港の食堂「白樺」ではないのでご注意! 帯広近辺に住む者であれば誰でも知っている、ジンギスカンの名店である!
僕はJA幕別の人に連れてきてもらったのだが、あの札幌の名店「だるまや」と同等の旨さでびっくりしたものだ。以来、再訪のチャンスをうかがっていたのだ。
しかーし! 寄ってる時間あるのだろうか?
「空港への道のりを考えてもまだ間に合いますよぉ。どうします?」
車内の視線が僕へ集中しているのがわかる。オトナとしての対応は、
「はは、何言っちゃってんですか、もうお腹一杯ですよ。空港に急ぎましょう!」
ということであろう。
でも俺には無理! 無理ムリムリムリムリ無理!
「じゃあ、二人前くらいつついていきましょうかぁ!」
ええええ まだ食べるのぉ という車内のざわめきをヨソに、車は駐車場へと吸い込まれた。
■じんぎすかん 白樺
北海道十勝郡帯広市清川町西2線126番地
0155-60-2058
11時~17時
定休日:月曜日
着座するとあの白樺ジンギスカン鍋が鎮座ましましている。
このプレート、盛り上がった筋のところに穴があいているのに、なぜか油がテーブルに落ちたりしない、不思議な鍋だ。そしてしっかりと白樺の刻印顔されている↓
品書きはシンプルだ。基本的にジンギスカンと飯、野菜しかない。ジンギスカンを頼むとタマネギがついてくるので、それで十分だ。ここではとにかく肉を食べよう。
「じゃあ、とりあえず6人前持ってきて!それとご飯、ご飯食べる人いる??? 俺だけか!じゃあ一つご飯!」
皆の顔に、6人前って誰が食べるんだ、、、?という疑問マークが点灯している。いや、この○人前ってのは実はフェイクだ。一人前がそんなに多くないから、6人前くらいでちょうどいいはず、、、と思ったらこんなに出てきた。
「多いじゃないですかヤマケン!」
う~ん確かに計算違い。けど、観てくださいこのラムと思えないピンクの美しき肉肌を!旨そうでしょう、、、
ここのラム肉は本当に臭みなど全くないのだ。本州では喰えない羊である。これで食べられない人はどこへ行っても羊を食べられないのではないだろうかと思うくらいだ。
鍋を熱く焼き、肉をガンガン載せていく。
ジュワワワと瞬間的に肉が焦げる。紅一点の鈴木女史が「焦げちゃうわよ」と仰るが、僕は少々は焦げ目を付けた方が好きなのだ。肉のタンパク質が焦げることで変化し、旨味成分が多量に感じられるようになる。
生ラムジンギスカンは、モミダレに肉を漬け込まないので、焼いた肉をタレに付けて頂くのが基本になる。このタレが店の味を決めている。
白樺のそれは、フルーツタップリの甘いまろやかなタレだが、若干の酸味とニンニクが効いており、最後まで飽きさせない。このタレだけご飯にかけて食べてもいいと思うくらいだ。ああ、書いているうちによだれが出てきた。
とりあえずみんな食べないから僕がガンガン食べる。この食べっぷりについて、同行者(僕の対面で、最後まで箸も握らずじーっと僕の食う姿を見ていた)の津田君が、彼のblogでこう評してくれている。ちなみに彼のblog「父親的生活」は非常に面白い。僕はまだ結婚すらしていないのだが、将来参考にしようと思っている。
ガンガンガンガンガン食べる。いつの間にか肉が無くなったので、2人前追加し、ご飯ももう一杯たべる。同行のヤナさんとDさんが一口ずつ食べていたので、全部で8人前中の7人前を僕が食べた計算になるだろうか。
「ごちそうさまでした!」
皆さん拍手をしてくださる。鶴橋豚丼効果てきめんである。胃袋が巨大化しているのであろう。いや実に旨かった。この後、帯広空港で津田ちゃんを送り、その後、六花亭の美術館を見物。アグリウェザー一行と別れを告げて、次なる地、富良野に向かう。
富良野でもとても素晴らしい最強の出会いが待っていたのだった!続きはまた。
おかげさまで仕事が色々あって忙しくなってきました。
本日は明治記念館というところで行われるセミナーにて講演です。
そして明日は!待望の秋田県に行って来ます。明日は大潟村にて仕事、そして翌7月1日は太田町という産地に行って来ます。秋田の旨いもんを食べられるのだろうか。
そうそう、どなたかがコメントに書いて下さったように、今発売中の日経ビジネスの特集は「農業再興」ですね。内容は、まずまずですね。業界の中で最もエッジの立った人たちを取り上げているので、これが現状のスタンダードとは思わない方がいいですね。けどよくこういう内容を日経ビジネスが取り上げたな。非常に良い傾向だと思います。ていうか個人的に知ってる人が多すぎて笑えました。
ただ、農協批判がちょっと強いなぁ。農協と卸売市場流通の構造的問題は確かに大きいのですが、なくそうといってもなくせない組織なので、どういう方向に進んでいけばいいのかを明示したほうがいいですね。
とかなんとかは、「俺と畑とインターネット」の方でやったほうがいいか。
本日中に北海道編をあと2編アップできればいいなぁ、、、
さすがの僕もとかちっこと鶴橋の豚丼(しかも鶴橋は超特大)を食べた後は、抜け殻である。身体の全ての機能は胃袋に集中し、意識朦朧であった。JA御用達のホテル「パコ帯広」(←こんな名前だが決してラブホではない)で腕立てをなんとか100回するが、どうも集中できない。シャワーを浴びて一睡し、夜の部に備えた。
夜は一次会はJAの皆さんと、そして二次会からは明日の午前中に視察を行う気象情報ロボット「ウェザーバケット」を開発した、アグリウェザー社のご一行と一緒になる。さらに、嬉しいことに、この食い倒れ日記の読者である「十勝やっち」君が、ジョインしたいと申し出てくれ、二次会から合流することにしたのであった。十勝やっち君は、姉妹blog「俺と畑とインターネット」に数回コメントを残してくれている。
さて、一次会はJAとあるスーパーのバイヤー様ご一行に混ぜて頂いて、居酒屋「たけとんぼ」で飲みである。
帯広極悪コンビである「岡坂&ノム」が復活。しかしこの日はノムさんの毒舌はあまり聴けず。
帯広だけでなく、十勝の飲食店のレベルは高い。地元の人にとっては居酒屋の普通のつまみだというが、かなり旨いものが揃っている。
■北海シマエビの塩ゆで
「これがさ、安くてウマイのさぁ。気づいたらドンブリ一杯食べちまうよ。」
というのがこの北海シマエビだそうだ。確かに味が濃く、旨味タップリだ。
■時しらず鮭の刺身&ルイベ
本土ではあまりありつけない時しらず鮭も普通に出てくる。サシが入り旨い。でも岡坂さんは「そんなん旨いかぁ?だまされてっぞ」と言うんだが、、、
■アイヌネギ(行者ニンニク)酢みそ和え
行者ニンニクはアイヌネギという。山菜なのだが、こういった店で出てくるのは栽培種だろう。しかも「これは冷凍物だ。香りが抜けてる。」とのことであった。しかし俺にはこれでも十分旨かったりするのだが、、、
■ラーメンサラダ
このラーメンサラダ、ラーメンがゴマ風味のドレッシングというかタレに野菜と一緒にまぶされてくる。冷やしラーメンみたいなもんだが、旨い。十勝の居酒屋ではそうめんサラダなどこうした麺を使ったサラダがよく出てくるらしい。そして旨い!
■芋だんご
つぶしたジャガイモに小麦粉か片栗粉を混ぜて円くだんごにし、揚げたものだ。芋餅などという名前で他でも食べられるが、さすがは十勝のじゃがいも、旨い。中にチーズが仕込まれており、かつバターが載ってくる。
「ヤマケン、だんごを割ってさ、そのバターを中に入れて溶かすんだよ!」
とノムさんから激が飛ぶ。これがまた旨いのだ。
■目抜(メヌケ)刺身
このメヌケの刺身が最高にグンバツであった!歯触りがシコッシコッとしており鮮度は抜群。独特の溶けるような風味と粒状感のある身。これで500円程度とは、どうなっているんだろう。やっぱり移住するか?
■時しらずハラスの塩焼き
もう言うことはない。
一次会はこんな感じで料理が出てきたが、おればかりがバクバク食べていたような気がしないでもない。一期一会だからなぁ 食べ物は。
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さて
岡坂さん&ノムさんコンビと、バイヤー軍団ご一行と別れ、二次会へ。ウェザーバケット社長の横山さんが連れて行ってくださったのは「番々亭」だ。
ここではまたもや豚丼を食った!もうこの頃になると胃袋もリフレッシュされておりばっちりだ。
「ここの豚丼はねぇ、結構美味しいと思うんですよ、ヤマケン。」
横山社長が仰るとおり、実に滋味深い、柔らかい味の豚丼であった。甘めのタレがふっくらと厚めの柔らかい豚肉に絡んで非常にナイス。いや、帯広の居酒屋はどうなっているのだろうか。本当にはずれがないじゃないか。
この店では、ガーリックラーメンという、ニンニクチップがバカスカ入ったラーメンがまた旨かった。脱帽である。東京の居酒屋は帯広のサービスレベルを見習って欲しいと思う。
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さて、ここからが本題だ。
番々亭を出た後、横山社長が「さあ、ヤマケン、行きますよぉ~」と言う。そう、帯広にきたらここに行かねばならない! 牛トロ寿司の吟寿司である。牛肉を寿司にするという趣旨はいろんなところでみかけるが、旨いと思うものは少ない。しかしここの吟寿司の牛トロ寿司は、間違いなく旨い!しかも牛トロ以外のネタも実に最高。中でも穴子とシャコは絶品中の絶品である。それは過去のエントリにも書いた通りだ。陸の国というイメージの強い帯広にあって、最高の寿司がリーズナブルに満喫できる、素晴らしい店なのだ。
十勝やっちも含め5人で入店。カウンターに座ることができた。店に入り、「どうも!」と声をかける。僕は気に入った店があると、2回目から厨房に声をかけることにしている。向こうが僕を覚えていようといまいと関係ない、僕から愛を投げかけたいからだ。今回もその通り。
しかし!
大将以下、店の人達の僕に対する目が優しい。なんだろう?まだこの店に来るの4回目くらいなんだけどな。
と、大将が口を開く。
「インターネット、観ましたよ!」
おおおおおおお
大将がカウンターの下から、僕の食い倒れ日記の、吟寿司の項をプリントアウトしたものを出してくれる。
「息子が見つけてね。プリントしてもらったんだよ。書いてくれてどうもありがとう!」
厨房の奥さんらしき女性も御礼を言ってくださる。嬉しいなぁ、、、こういう時が、「書いててよかった」と思う瞬間である。この日本という国、恥ずかしがり屋が多いためか、お店の人に「美味しかった!」と伝えることをする人が意外に少ない。思ったことを伝えるというシンプルな行為が、店をハッピーにさせ、もっと旨いものを食べさせたいという動機につながるはずなのだ。食い倒れ日記の読者は、積極的にお店の人に「美味しかった!」を伝えるようにして欲しい。もし美味しくなかった時は黙って立ち去ろう。
いやしかし吟寿司の大将が観てくれたのは嬉しい。大将も喜んでくれ、いつもの超光速握りテクニックが炸裂しまくりだった。
「1分間で12貫握ったことがあるからねぇ!」
と、いつもよりも饒舌に握りまくりである。
■穴子
この穴子が僕は大好きだ。北海道産の穴子ではないだろうが、焼きの技術とタレが絶品だ。僕の名前(山本謙治)と一字違いの大物演歌歌手がこれを18貫食べていったのもわかる気がする。
■シャコ
ふっふっふ、、、観てしまった。ネタケース内にある大ぶりの殻付きシャコをさばくのかと思いきや、冷蔵庫からシャコッと違うシャコを出してきた。ネタが違う瞬間。密かに心の中で微笑む時である。
この芸術的なシャコとタレのコンビネーション。実はどんな茹で海老よりも旨いと思うのは僕だけではあるまい。
「う、旨いっす、、、」
地元民十勝やっちも感動している。
さあそして牛トロだ。牛トロは、握りと巻きがある。どちらも風味が変わって旨いので、双方食べるのが吉である。ビニールシートに丁寧にラップしてある薄切り肉を切り分け、秘伝の味噌をシャリに塗り込み、そして牛肉を握り合わせる。
■牛トロ寿司&巻き
帯広に来てこれを食べなかったら後悔すること間違いなしだ。勝手ながら、食い倒ラー御用達の帯広三大名物の一つに数えさせて頂きたい。三大名物とは何かって?食い倒れ日記読者の皆様ならおわかりであろう、「豚丼・インデアンカレー・牛トロ寿司」である。
そう言えば店の奥に、こんな画伯っぽい人との写真が飾ってある。眼鏡かけているのは大将だ。
「これは18歳頃だねぇ。その頃から店やってたんだよ。有名な美人画の○○○○センセイが来店してね。その時、ベレー帽かぶって寿司を食べてるから、俺が『センセイ、寿司食う時くらい帽子脱いだらどうなのよ』って言ったんだ。そうしたらセンセイ怒ったのか、なんなのか。絵を描いてくれたんだよね。若いヤツに説教されて、いまいましいのと快いのと、一緒になっちゃったんだろうな。」
そう言ってみせてくれたのが、この店のお土産寿司をつつむ紙などに使われるこの絵だ。なるほどすごく風情がある。そんなストーリーが、心地よい。
気持ちよく食べて、気持ちよく飲んだ。大将とガッツリ握手もした!
それと駆けつけてくれた十勝やっち、ありがとう!
横山社長様、ご馳走になりました!
本日はこれにてバタンキューだったのであった。明日もまた帯広なんである。
「とかちっこ」の豚丼は期待通り旨かった。あの豚肉は素晴らしい。仕入れの良さとオペレーションの組み立ての勝利であろう。店員の教育も行き届いており、今後も伸びるに違いない。
が、しかし!
一周年記念キャンペーンのため、肉大盛りができなかったため、我々(俺だけか)の腹は満たされていないのであった。
「じゃあヤマちゃん、鶴橋で黒い豚丼食べるかぁ?」
「モチロンですよ岡坂さん。俺を誰だと思ってるんすか!」
というわけで、場所的には近くにある鶴橋に向かう。鶴橋は、以前のこのエントリで紹介した、驚愕の黒い豚丼を供する名店だ。運ばれてくると、初めての人は誰もがびっくりするような漆黒の闇が、ドンブリ上にブラックホールのごとく展開している。恐る恐る黒い塊を口に運ぶと、意外や意外、焦げ臭さはほとんど無く、濃いカラメル味に甘い醤油ダレの煮詰まった旨味、そしてタレに煮詰められた薄切りの豚肉の食感が相まって、素晴らしい濃厚濃口旨味世界が全面に拡がるのである。ちなみにここの豚丼はフライパン煮詰め系だ。
外見上はなんてことのない定食屋風の店に車を止めると、厨房の網戸から一重まぶたの親父がぬっと顔を出し、「もうちょっと白線に沿って停めてくれるかい、後からの人が入りにくいから」と親父が言う。皆さんも鶴橋に行く際には、白線に沿って駐車をお願いします。
この店は超人気店なのに、親父とお母さん、そして息子さんとその奥さんくらいしか労働力がない。だから、着席してから出てくるまで15分は待たされるので、できるだけピークタイムをずらして行くのがよい。今回は12時前に入店できたが、それでも店内には数組の客が豚丼を待っていた。
「まあ、ここで大盛り食えばヤマちゃんも収まるでしょ。」
そうですね、、、と品書きを観る。
何か、違和感がある。
なんだろう、、、 はて、なんだろう、、、
あ!
こないだきた時には無かったメニューがある!
「岡坂さん、なんか、大盛りの上に『超特大』ってのが新設されてますよ!」
「ええっ? 、、、ホントだ、、、1600円の超特大か、、、観たこと無いぞぉ。」
そう、前回来たのが2月の終わりだが、この4ヶ月の不在中に、「超特大」がメニュー化されたのである。お母さんが注文を取りに来た時に訊いてみた。
「あー、あのね、実は知る人ゾ知る裏メニューだったのよ。それを表メニューにしようかってことで始めたの。一日一人は必ず食べていくわねぇ。」
そうか、そうだったのか!やはり限定されたハイソサエティ向け裏メニューがあったのだ、、、これは是が非でも食べなければならないだろう!
「じゃあ、俺行きますよその特大!」
「ほんと?じゃあ、頑張って、、、」(ニヤッ)
と怖い微笑を浮かべてお母さんが厨房に戻った。もう後戻りはできない。岡坂さんは当然普通盛りだ。
「俺、豚丼をハシゴするなんて初めてだよヤマちゃん。」
地元民でそれはいかんでしょう!私がやります。ちなみに豚丼のハシゴは、これまでの帯広滞在でもよくやっている。ただ、1時間程度は空けてのハシゴが多いので、こんなに短いスパンでやるのは初めてだ。
しかしここからの待ちが長いのであった。フライパンの面積は限られているし、一つのフライパンで火加減が違う2つの炒めを同時に行うなんてことはできない。まだ僕らの前のお客さんにも豚丼が出ていないのである。この日も15分以上待つわけだが、今回はやけにドキドキしている。期待通りの内容だったらいいけど、それより少なくても多くても怖いなぁ、、、
厨房を観ると、棚にドンブリが並んでいるが、大盛り用の大きなドンブリがあるかと思いきや、同じ大きさのものしかみえない。うーんどういう盛りつけなのだろうか。もしかして限りなく縦に積み上げているのだろうかと、あれこれ思いながら出てくる時を待つ。
そして、、、
「はいおまちどおさま。 頑張ってね!」
これが、超特大である(右側のが、岡坂さんが頼んだ普通盛りだ)。ドンブリは、この店のスタンダード丼の2倍あると思って良い。そうか、大盛りは1.5倍、そして超特大は2倍なのだな。漆黒の、テラテラと輝きを放つ闇が丼空間に拡がっている、、、そして、普通盛りの上に乗っているグリーンピースは2粒だが、超特大は4粒である!ここもきっちりと2倍だったか。
おばちゃんがドンブリをテーブルに置いた瞬間、店内の他のお客達の視線が一気にこちらに集中し、ザワっとする。↓みんなこっちを観てる画像。
「なんだあれ?」「あんなでかいのあったのか?」ちょっとだけ優越感の瞬間である。しかし、これを維持するためには食いきらないといけない。もし残してしまったら、「ケッ」「やっぱり関東のヤツはサ」などと言われるのであろう。それは食い倒ラーとしては絶対的に避けねばならないことである。
観念して、あまりに変色している肉口と飯をグワッと箸でつかみ、口に放り込む。瞬間、あの濃厚なカラメル味と醤油の芳香がドワッと拡がる。
「旨いがなぁ~」
旨い!やはり鶴橋の漆黒の豚丼は最高だ!黒いタレが飯に絡んでいる部分を口に入れるだけで、暴力的に濃厚なカラメル醤油香が俺の油断した鼻孔をつんざくのである。間違いなくタレご飯だけで丼が一杯食べられる!
ましてや肉の味の濃さはグレイトフル・デッドである。やや薄切りの黒く染まった肉は、豚肉の風味というよりはタレの風味に強制変換された上で、なおかつ肉としての存在を誇示している。しかしこれ、肉だけで何枚乗っているのだろうか。まさしくこれはいつまで食べても終わらない物語~ネバーエンディングストーリー~ミヒャエル・エンデが書いた「虚無」とはこの漆黒のドンブリ空間内にあるのではないか!(←言い過ぎです)
「旨い!どんどん喰えるなぁ、俺、完食宣言を出しときますよ!」
と、ふと岡坂さんをみる。額に汗がにじみ、呼吸が荒くなっている。うーむ この世界に引きずり込んでスミマセン。
旨い、旨いと快調に喰い進む。しかしあと1/3という地点に到達し、いきなりズズーンと来た。俺は悟った。満腹中枢とは量のみに反応するわけではないな。味の濃さにも刺激されてしまうのではないか。 これだけ濃い味のタレを、このドンブリ一杯で何デシリットル摂取していることになるのか。そして1合半はあろうかという大量の白飯。味の濃さと分量のダブルパンチが、これまでにない強烈な満腹感を感じさせる。ヤバイ!
そう思った瞬間、人間の心とは不思議なもので、絶望感がサーッとホルモン分泌のように身体中を駆けめぐる。軽くゲップが出るが、100%タレの香りである。食道のかなり上の方まで、タレご飯と肉片が胃袋への順番待ちをしているのが感覚的に分かってしまう。
「俺も、ここまでか、、、」
そう思い下腹に手をやった時、ベルトとジーンズのボタンを緩めていないことに気づく。そう、デジカメや携帯をジーンズのポケットに入れているため、いつもよりきつく締めていたのであった。あれっと思いベルトを緩める。途端に胃が蠕動(ぜんどう)し、詰まっていた管が開通したかのごとく、タレご飯と肉片が下方に大移動を始めた。
これで、また喰える、、、
30秒で、さっきの半分喰った時くらいのキャパシティに戻った。人生、なんとかなるものだなぁと、この時はしみじみと実感してしまった。食い倒れ人生に汚点を残さずに済みそうだ、、、
あとは一気呵成である。あくまで綺麗に、最後の米一粒まで噛みしめていただいた。
完食である。この、タレのカラメルまみれのドンブリと、割り箸の長さの比で、容積が想像できるだろう。人生33年やってきたが、まさしく最大の敵であった。しかし、週刊少年チャンピオンの学ラン暴力漫画風にいえば、
「タイマン張ったらダチ」
である。食べ終わった今、この超特大には愛情すら覚えた。僕好みの白みそのなめこ汁を美味しく飲み干し、茶をすする。岡坂さんはもう汗びっちょりである。
「ヤマちゃんやったなぁ、、、農協のみんなにも言っておくよ、、、」
「あらぁ、全部食べた?やったわねぇ。」(店のお母さん)
「じゃあ、次はサラダボールに入れて出そうかねぇ!」(同・親父さん)
このお二人も、まさか僕がここに来る15分前にとかちっこの豚丼を食べてきているということは想像もするまい。ここまでする十勝人はいらっしゃるであろうか。ふっふっふ。
今回ばかりは、自分を褒めてあげたい。よく食った! しかし、また一つ勉強になったことがある。
「人は、極限状態まで満腹になると、昏倒してしまう。」
長いも畑への視察に向かう車の中で、僕は岡坂さんに運転してもらいながら、ほとんど記憶がない。胃に身体中の血液が総動員されてしまうに違いない。本当に、ぐっすりと眠ってしまった。
鶴橋超特大豚丼で、すっかり胃袋が拡張されてしまった。これ以降、帯広滞在では僕は未曾有の快進撃を行うことになる。さらに続く帯広編を待て。
最近、豚丼の知名度が向上してきていると感じる。が、その多くは残念ながら牛丼の吉野屋が出している豚丼(ぶたどん)のせいである。北海道とくに十勝の人間にとっては、あれは「豚すき焼き風煮丼」だ。豚丼という料理は、フライパンか網で、タレを絡めて焼いた豚肉を熱々ご飯に乗せたものを言うのだ。それ以外のものは豚丼ではない。
さて過去このblogにも数々掲載している帯広の豚丼だが、今回また素晴らしい店に連れて行って頂いた。そして今回も懲りずに豚丼屋二軒をはしごした。おそらく今回の物量的には、たった2軒で、これまでの食い倒れ人生史上最も困難な道だったかも知れないので報告しよう。
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「こないだヤマちゃんが来たのは3月だから、この景色はびっくりでしょ?」
と岡坂さんが言うように、帯広の初夏は一面の濃い緑だった。ビート(砂糖大根)、大根、じゃがいもが収穫の時を待っており、その傍らで今年は大豊作になりそうな小麦畑が拡がっている。幕別町は国内有数の大型産地なのだ。
昨年、農林水産省の実証実験で長いもを実験的に出荷してもらった。その長いもだが、こんな畑で栽培しているとは、読者のみなさんもしらないだろう。鉄の支柱にネットがかけられ、それに長いものツルがからんで葉を茂らせ、太陽光と積算温度によって根部が肥大していくのである(専門用語でした)。これが長いも畑だ。
畑を視察し、事務所で販売関連の戦略の打ち合わせをする。飛行機の中まで持ち込んで作った資料は概ね方向性として受け入れられたようだ。
「じゃあ、ヤマちゃん、混まない時間のうちに行くかい!」
「よしゃ!今日は連れてってくれるんですよね、『とかちっこ』!」
そう、岡坂さんとノムさんから、耳にたこができるほど訊いていたのだ。新しく店を出した「とかちっこ」というチェーンの厳選豚丼というのが、やたらめっぽうに旨いのだと。分厚い肉が炭火で焼かれ、ドドンと乗ってくるという。俺の食欲は瞬間的にたぎり立ったのだ!
幕別町から30分ほど車を飛ばし、帯広の西側にある新興住宅街のあたりへ。
「このへんはさぁ、ほら、あの黒い豚丼の鶴橋があるところだよ。」
おお!そうか、あの真っ黒ド迫力豚丼の鶴橋の近くか!それならばとかちっこで食べた後に鶴橋にはしごするか?と思ったが、さすがにとかちっこの大盛りを食べたらそれは無理だろう。
と、大通り沿いに、新築ログハウス風のイマドキな外観に目立つ看板の店が。
「ああ、あった、あれだよとかちっこ。」
なんだか予想とは違って、かなり商業的なチェーン展開をしそうな店構えである。というか、実はすでにチェーン展開をしているのであった。帯広でガソリンスタンドなどを展開する燃料会社がこのとかちっこチェーンのオーナーなのだそうだ。なるほどなぁ。
店内に入ると、過剰なまでに愛想の良い「いらっしゃいませぇ~!」がこだまする。ホールに3人、厨房に3人程度で、店員はみな若い。そして、お客様への対応は非常にしっかりとしており、好感が持てる。こういう社員教育の行き届き方に、さすがにSSを展開している企業が出社しただけはあるなと感心。
しかし!残念なことが判明した。なんとこの日からとかちっこは、開店1周年記念キャンペーンに入り、メニューが限られてしまうのだ。
「普通の豚丼と厳選豚丼の二つのみで、肉増しとかはできないんですよ、大変申し訳ありません。」
うーむ、、、口には出さなかったが、岡坂さんも俺も、ここですでに「次は鶴橋だ」と思っていたのだった。ま、それはともかくとかちっこの豚丼である。
「じゃあ、厳選2つ。」
「はい!」
さて豚丼には大きく分けて、炭火で網焼きするか、それともフライパンで焼くかの2派がある。前者だと、網焼きの過程で油が落ちるし、タレは焼きながらつけるのと、ご飯に乗せた後にタレをかける方式になるので、見た目はゴージャスだが以外にあっさりしているのが特徴だ。一方フライパンだと、肉を焼きながらタレを煮詰め、肉に浸透させるので、コッテリした味になる。ここの豚丼は炭火焼き、しかもオープンキッチンで客前でジュウジュウと焼くのであった。
若手の店員君が豚肉をドカッと出してくる。実にきめ細かいサシの入った肩ロースで、みているだけで旨そうだ。厚みも十分で、1cm程度ある。
これを、タレの入った雪平鍋に一回つける。肉のまわりにタレを絡めて、炭火網の上に載せた。瞬間ジュワッといい音がする。
炭火コンロにはふんだんに炭が熾っており、幅も広い。この方式だと、一度に時間差で数人分が焼けるので効率がいいと言うことに気づいた。フライパンだと、一回作っているロット分以上は、中身を空けないと焼くことが出来ない。網だと、端っこで次のロットが焼けるのである。うーん 効率優先するなら網焼きがよいのだな。
さて焼き網の上で一回ひっくり返し、ほどよく火が通ったら再度タレの鍋に絡ませ、さらに焼く。この辺、ノウハウがありそうである。焼きながら、眼鏡の店員君がぼくらにフランクに話しかけてきてくれる。
「東京からいらっしゃったんですか、ぜひご感想を書いていってくださいね。」
かなりフレンドリー度が高い。店員には、あきらかに商売上のテクニックとしてではなく、本当に真摯な態度を感じる。これは帯広の他の店でも感じることだ。総じて十勝の飲食店の店員さんの態度は佳い。
「でしょぉ。僕らは十勝から出たくないもんね。大抵のお店で、肉だけもう一枚乗せろとかワガママ言っても、やってくれるもん。その分いくらとられても文句言えないけどサ。」
とは岡坂さんの言だ。
さて豚丼は最終局面に入った。肉が焼き上がり、鉄板で厨房に運ばれた。中ではほどよい大きさに切り分けられ、どんぶりご飯に乗せられている。そして最後にタレをかけて、運ばれてきた。
これがとかちっこの厳選豚丼(通常価格1200円)だ!
実に旨そう。肉の圧倒的迫力が素晴らしい。もうすでに極限状態で待っていたので、何はともあれ肉にかぶりつく。
「!」
この豚は旨い! すんごい豚肉である。むっちりと柔らかく油が甘く溶ける。そして素晴らしくジューシーだ。タレはあっさり味で、豚の風味を殺さない。しかし、炭火焼きで焦げた部分はタレの濃さが出ており、食べながら食欲が増進されてしまう。
「岡坂さん、これ旨いっすよ!」
「でっしょお。山椒かけるとまた旨いよ。」
山椒をかけてみる。これまた甘いタレに渋い「麻」の痺れ感と香りが絡んで旨い!ご飯の盛りは少なめ(ヤマケン比です)なので、瞬く間に食べ進んでしまう。これは本当に旨いなぁ、しかしお腹一杯になろうとすると厳しいな。肉増しにして、ご飯も大盛りにして1500円くらいかなぁ。
「肉をもう一枚載せると、がつーんと来るんだけどねぇ。あと、この店はやっぱり普通の十勝の人間の感覚からすると高いよ。高いけど旨い。だから、お金じゃなくウマイの食いたいという人は来るね。ま、ヤマちゃんには足りないでしょ。もう一軒行こう。」
よっしゃ!
店のアンケート用紙にはぼくのwebアドレスを書いておいた。次にいったら一番大盛り食べますよ。
そして、焼き手の店員君に礼を言って店を出る。最後まで店員一同、ナイス笑顔だった。佳い店でした。
そして、、、驚愕の後編へと続くのであった。この後、僕は人生最大の豚丼に出会うのである。
今年度の出張第一弾、栃木県の農協組織に行って来た。今回は先方も、
「山本さん、ホームページみましたよ、、、打ち合わせ終わったらご飯食べにいきましょう」
とお誘い頂く。先回感動した「正嗣(まさし)」を超えるディープな店があるというのだ。これは楽しみだ、、、
JAのビルにて打ち合わせご、そそくさと書類をたたみ、ビルを出る一行。先ほどまでの打ち合わせよりもかなりテンションが上がってきていることがわかる。大通りから一本裏に入ったところに、なんとも怪しげなピンクの看板がみえてきた。
「山本さん、ここが地元民の私らとしては一番お奨めの餃子屋さんなんですよ。」
■餃子の店「香蘭」
住所:栃木県宇都宮市本町2-5
電話:028-622-4024
営業時間:16:00~21:00
定 休 日:日曜日、祝日、水曜日
運の良いことに、僕らが一番最初の客となった。店は本当に小さい。カウンターが10席程度、その先が土間になってはいるが、テーブルは置いていないらしい。その土間に餃子の餡を皮に包む台があり、お母ちゃんがひたすら包みをやっている。
品書きをみると、「焼き」と「揚げ」の二種類である。正嗣では焼きと水餃子だったが、ここでは揚げというのがあるんだな。それは、食べたこと無いなぁ、、、
カウンターの向こうに白髪のオヤジが立つ。今回連れきてくださったT氏がオヤジと親しくお話をしている。
「このヤマモトさんは沢山食べるから、焼きダブルに揚げダブルでお願いします。僕たちは焼きと揚げを一人前ずつね。」
と、T氏がニッと濃い笑みを浮かべる。望むところだ!けどこの後、郷土料理も食いに行くって言ってたんだけどなぁ、、、
さてオヤジが行動に出る。白木の板の上に整然と並んでいた生餃子をフライパンに置いていく。
火はかなり強火らしく、バリバリと焼き音が鳴っている。しばらくするとアルミポットの水をフライパンに投入。ものすごいバリバリ音が炸裂するところを、すかさず蓋をして蒸しに入る。
「ここは全部手作りですよぉ。」
どうやら自動餃子包み機とかもあるらしいのだが、香蘭では断固として使わないらしい。
焼きの間に酢、醤油、ラー油を調合。宇都宮ではラー油は自家製が普通らしい。この店のはややあっさりめのラー油だ。
しばらく間をおいて、オヤジは二度目の注水をする。またもやバリバリと凄まじい音がする。チラッと覗いたのだが、テフロン加工の深めのフライパンに、厚手のアルミ蓋を数台コンロに仕掛けているようだ。注水すると油が飛び、引火して炎がブワッと立つ。相当な火力で火を入れていると思う。
「はい、焼きダブルね!」
これが香蘭の焼き餃子である。そのたたずまいは惚れ惚れするほどに美しく背筋が伸びている。
表面の焼き色の見事さと、側面の皮が油で極く薄い黄色になりかけている。すかさず醤油をつけずに食べてみる。底面の芸術的な焦げ目がバリっと強い食感を残す中、野菜たっぷりの餡からフンワリとした香りが上る。餡は極めて上品。強い香りや味はせず、あくまで優しい味である。
タレに浸して食べる。今度は控えめの餡に色が付き、餃子としての存在感が全面に出てくる。皮は厚手というわけではないのに、しっかり感が強い。いわゆる「主食としての餃子」の王道はこれであろう。
「旨い!」
旨いのである。他に言うことはない。
「でしょー、やっぱりココが一番ですよ。JAグループの利用率、高いですよぉ」
とT氏が嬉しそうに仰る。
さて
焼き餃子がオヤジに仕込まれている間に、奥の方で盛大なジュワジュワという揚げ音がしていた。揚げ餃子である。焼きを1人前食べ終わるタイミングで、ものすごい外観のそいつが出てきたのである。
「はい、揚げダブルね~」
みよ、このスパルタンな外観を!
昔、小学校の給食で出てきた揚げ餃子とは一線を画す、ハードコア系餃子がそこにある!箸でつまむと、協力に脱水されており、しっとりした焼き餃子とは正反対の硬質な感触が伝わってくる。
と、オヤジが、新参者の僕に声をかけてくれる。
「塩で食べてみるか?」
おお!それはぜひ試してみたい! オヤジさんが厨房奥の奥さんらしい方に声をかけると、こだわりっぽい塩の瓶が出てくる。それを小皿に入れ、つけて食べてみる。
まず、盛大なカリっという歯触り。低温で火を通した後、一気に高温で脱水をしているのだろうか。そして、外側にまぶされた塩味が効き始めると同時に中の餡の香りが流出してくる。醤油ダレとは違い、皮のカリっ感が最大限に引き出される塩の選択はベストと言える。
「う、旨いっすよ!こんなの初めて!」
と叫ぶと、
「若い人には塩が人気なんだよ。タレにつけると皮が柔らかくなっちゃうからね。」
と優しく教えてくれる。オヤジ、超人気名店で30年以上の歴史があるのに、余裕の優しさである。奥様も非常に上品。いい店とはこのように、謙虚なにこやかさを持つ店のことだ。暖かい。
ちなみに店は僕らが入ると同時にドンドンと人が入ってきて、満員に。裏からも人が立ち並び行列が出来ている。子連れの主婦が土間で座りながら待っていたり、非常ににぎやかだ。
と、JAのT氏が「あっどうもぉ!」とお辞儀をしている。後で訊くと、「栃木県のJAグループの本部長です、、、」とのこと。その本部長さんはお土産で数人分を焼いてもらっていた。これから飲み屋に餃子を持ち込んでつまみにして食べるのだそうだ。そんな技があったのか、、、
「餃子1人前250円で安いからねぇ、そういう飲み方する人は利口なんだよ!」
とオヤジが笑う。
いや、またもや感動した! 宇都宮の餃子は本当に郷土食である。
しかし、店を出た後にT氏がしみじみと語ってくれた。
「ウチでは、親爺が水餃子しか好まなかったんですが、冬の白菜を使った水餃子は最高ですよ!餃子をやる時はご飯も出さず、餃子だけ!山本さんにも食べさせてあげたいなぁ、、、」
ぜひ!ぜひ!ぜひ食べさせてください! 宇都宮餃子、お店とは違う世界が、家庭に拡がっていそうである。4人前の餃子を平らげて1000円ナリ。(T氏にご馳走になってしまいました。ありがとうございました)
まだまだ知らない食文化があるんだなぁ、、、素晴らしいことだ。
(その1から続く)
さて御園家に付く。デザイナーズマンションか?と思わんばかりの綺麗なマンション一室である。真空管アンプ専門誌を出している出版社の編集者らしく、かっちょいい真空管アンプが鎮座ましましている。YMOを聴きながら、撮影と調理を開始した。
今回はなんと言っても、スパイスのメッカである大津屋商店のオリジナルレシピを教えて貰ったのが最高の収穫だ。できるだけ記憶に忠実に、レビューを再現していこう。撮影はすべて、新進気鋭のカメラマン・青柳君だ。「CAPA」などのカメラ専門誌にも登場する彼により、クオリティ高い画像をお届けできるのが嬉しい。被写体は俺なのでクオリティ低いけどゴメン。
■スパイス一覧
上段左からクローブ、カルダモン、シナモン、そして問題の長胡椒。
中段左からターメリック、カイエンヌペッパー、クミン。
下段左からガラムマサラ、コリアンダー。
そしてこれも特選素材!左がカレーリーフというハーブの一種。ベイリーフのように使うが、香りがカレーの風味を増す。右が激辛の唐辛子、、、
以下、解説をしていくが、分量は4人前見当で、適当だ。レシピの分量は参考程度。ちびちび味見をして自分のよい塩梅を見つけて下さい。
■ジャスミンライスをセットする。
さっと研いで、水を少なめにして炊飯器にセットする。本当は鍋で炊く方がいいらしいが面倒なので。オイルコーティングしていないレーズンを適量入れる。
■鶏肉を準備
もも肉の皮を剥き、余分な脂肪を捨て、肉の筋繊維に沿って食べやすい大きさに切り分ける。筋繊維に沿わせて切る方が、歯触りが残って美味しい。下味は特につけなくてよい。インドではこれを焼いたりせず、生のままカレーに投入する。それによって味がすぐに染みこむようだ。
■タマネギをみじん切りにする
タマネギ大一個をみじんに。それほど細かくなくていい。インドではすり下ろしタマネギを炒めたりもするが、ここではみじん。
■ニンニク、ショウガはすりおろしておく
ニンニクは3かけ、ショウガは親指2本分くらいか。ケチると旨くないぞ。控えめな味のカレーはなんとも頼りない。ドンと濃い目でいこう。
■ギーを熱し、スタータースパイスを投入
インド料理に欠かせぬ油脂、ギーを投入。ラードのように固まっているのが溶け、黄金色の海になる。ここに、香り出しをするスタータースパイス群を投入する。
クローブ、カルダモン、シナモン、そしてカレーリーフを投入する。
なぜ油の中に投入するかおわかりだろうか?スパイスの香り成分は、水には溶けない。油にしか溶け出さないのだ。だから、油を控えめにしたカレーやパスタは旨くない。カレー食った翌日は走ることにして、思い切り油を使おう。スパイス群が焦げないように弱火でじっくり熱を通し、油に香りを移す。あ、そうだここで唐辛子も入れる。唐辛子の辛み成分も、油に溶けるのである。
■スタータースパイスが薄く色づいてきたらタマネギ、ニンニク、ショウガを投入。
油が少ないとここで焦げ出すので注意。
弱火にして、蓋をして蒸し煮する。料理研究家の辰巳芳子さんがおっしゃるように、「蒸し煮は素晴らしい。」蓋をすることで、素材の水分のみでの加熱調理ができる。蓋を開けると、水蒸気がブワッと出る。この状態でタマネギが薄く色づくまで火を入れよう。
■ジャスミンライス炊きあがり。
水分はできるだけ飛ばしておこう。
■スパイス類投入
先のパウダースパイスを投入していく。大体4人分だと、すべて大さじ1.5杯と考えればいいらしい。唐辛子の量だけは好みに応じて加減した方がいい。カイエンヌペッパーは結構辛い。
僕はそれぞれのスパイスを大目に入れた。この辺になると凶悪に旨そうな香りが立つ。そうそう、特選素材の長胡椒は、ミルで細かく挽いてこの段階で投入した。あのすさまじい香りも一役かっているはずだ。
■トマト投入
缶詰のホールトマトを手でつぶしたものを投入する。トマトを入れると味がとたんに日本人好みになる。
■ヨーグルト投入
無糖のヨーグルトを投入。200ml程度かと思うが、これが水分だと思って調整して欲しい。この段階で味見して辛すぎるようだったら、ヨーグルトをどさどさ入れて中和しよう。インド料理にヨーグルトは必須です。
かなりカレーらしくなってきました。ここで塩を少なめに投入して味のベースを決めます。
■鶏肉投入
ここでもも肉の投入です。鍋があふれそうになってきた。ちなみに鍋は合羽橋商店街で買い求めたアルミ鍋です。熱伝導がよいチープなやつ。
ミックススパイスであるガラムマサラを加える。先に入れると香りが飛んじゃうのだ。
塩加減をみて、必要なら加えること。もうかなり完成に近い。
■盛りつけ、完成
ジャスミンライスにカレーをかけて完成。もう~早く食いたい!
どう?やっぱりプロが撮ると決まるね! なんだか料理研究家になった気分でしたよ。
インドカレーだから水分が多め。だから、米は水分すくなくパラパラに炊いた方がいい。
長胡椒の香りとかカレーリーフがどこに利いているのかを見極めようとしたが無理!スパイス群の相乗効果で香りが増幅されているので、とにかく芳醇な香りと味が口中に炸裂する!そして辛い!カイエンヌペッパーに、生唐辛子を入れたので、かなりすごいことになった!でも旨い!でも辛い!でも旨い!でも辛い!(以降ループ)
辛さは、バジルシードジュースで中和すると非常によいな。
編集者御園氏とカメラマン青柳君もご相伴。いや、マジで旨いでしょ。やっぱり大津屋レシピ、最高ですわ。ところどころヤマケン流にアレンジしましたけど、ベースが決まってるから旨い。これでパーティがあっても大丈夫ですな。
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大津屋商店は素晴らしい店だ。アメ横にいくと、一見ぶっきらぼうそうに見える店の人が恐いかもしれないが、全然そんな心配はない。スパイス類も、使い方をきけばよい。レシピも教えて貰おう。大津屋の皆さんはそれに応えてくれる方達だ。
近日中に、このスパイスボーイズの連載の第二弾、タンドリーチキン編をお送りできるはずだ。お楽しみに、、、
今更だが、Yahoo!ってスゴイな! 数日前に、Yahoo!ディレクトリに掲載しますよという連絡がきて、一昨日からめでたくグルメカテゴリの公認サイトになった。
> このたびは、貴殿が一般に公開されているサイト
> URL:http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/
> をこのディレクトリサービスにて広くユーザーの皆様にご紹介させて
> いただきたく、ご案内差し上げました。
で、これがその載っているページ。下の方に僕の食い倒れ日記が紹介されている。
http://dir.yahoo.co.jp/Society_and_Culture/Food_and_Drink/
そして、ここからのトラフィックがすごい!
21日の一日で、なんとトータルのアクセスが8837という数値になってしまった。
Yahoo!、すごい。ダテじゃないな、、、
ここ最近、いろんな動きが同時多発的に起こっている。面白いからどんどんいくつもりだけど、このサイトを初めて見に来る人も多くなるだろう。ということで、初めてのことだけど、初心に立ち返って、この出張食い倒れ日記を心安く読むために、ご理解いただきたい事項を述べておこう。
やまけんの出張食い倒れ日記は、
・グルメガイドではありません。単に、私が食い倒れるだけの記録です。
・そしてやまけんはグルメではありません。どっちかというとグルマン(大食漢)ですな。
・ですから、掲載されている店に行って美味しくなかったとしても、責任は負えません。私の味覚や楽しみ方と合わなかったのだと、ご理解下さいネ。
・本サイトでは、お店やメーカなどからお金をいただいて記事を書くことはありません。旨い、マズイについては本音のみ書いてます。
・基本的に「まずい」と思う店や食材は掲載しません。日々、掲載している内容の数倍は食べていますが、載るのはそのうちのごく一握りです。よく「何でも美味しいって感じる舌なんじゃないの?」と言われるんですが、、、そうだったら幸せですね。
そんな感じでしょうかね。
あと、最近のコメント数の増加についていくのが辛い!コメントつけてるのに返事がない!という方も多いと思うんですが、ご容赦ください。
さて今週後半からは待ちに待った出張が始まります。帯広~富良野に行ってくる。来週は栃木県に宇都宮餃子再訪し、そして満を持して食材王国・秋田県に2泊してくる。←仕事だからネ!仕事。
また怒濤の日々が始まる、、、
先日、僕が10年くらい連載を書いている農業雑誌「農耕と園芸」を出版している誠文堂新光社から、「ハーブスタイル」という雑誌というかムックが創刊された。季刊誌なので年4回の販売となる。
ごらんの通りの地味な装丁なのだが、なかなか販売好調らしい。ハーブを使った生活・料理ネタを紹介している入門編的性格のムックだ。
で、なんで紹介しているかというと、、、ここで連載というか、写真日記的アホらし連載が始まったのだ!その名も「スパイスボーイズ」! 俺はもう33歳なのに、なぜボーイズ? その趣旨がまたアホらしい。
「やまけんがさ、スパイス売ってる店に突撃して、レシピ聴いて、バカ辛い唐辛子とかで玉砕すんの。その様を写真日記にしてマンガにしちまおうよ!」
これを、老舗出版社である誠文堂新光社(「天文ガイド」や、真空管アンプ専門誌「MJ」のような気品ある雑誌を出している名門である)の編集者である御園氏が言うのだ。そんないい加減な企画でいいんだろうか。
「でもさぁ、取材費でスパイス買うから、好きに使ってくれていいんだぜ!」
おお、これでぐらっときた。
「じゃあさ、アメ横の大津屋っていうスパイス専門店があるんだけど、あそこで俺が好きなスパイス買ってイイか?」
「うん、原稿料は出さないけど材料費は出るから、それでいいよ。」
ちゅうことで連載開始と相成ったのであった。で、すでにこのムック、販売されている。正直、あまりに恥ずかしいのでそのページはここには載せない。そんなことよりも、大津屋である。
今回は、僕が被写体となる企画だったので、なんとプロのカメラマンが僕のような、全く写真ばえない素人を激写してくれた。こっぱずかしいったらありゃしない。誠文堂からは、「雑誌に掲載していない画像は載せてもイイよ」という寛大なお許しを得たので、プロが撮影した写真でゴージャスリッチにお送りしよう。
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さて、カレー好き、スパイス好きのマニアの間ではアメ横「大津屋」は有名な店である。雑多な店が軒を連ねるアメ横の中にひっそりとたたずむ外観。店頭には豆類などの乾物が並んでいるため、一目みただけではそこがスパイス販売のメッカであるとはわからない。
■インド食材専門店 大津屋商店
http://www.ohtsuya.com/
上野アメ横 (株)大津屋商店
東京都台東区上野4-6-13
TEL03-3834-4077 FAX03-3834-4078
お問い合わせ専用電子メールアドレス
info@ohtsuya.com
しかし!
一歩店内に入ると、みたこともない食材・スパイス類がガバッと並んでいるのである!これを目当てに来るアジア系外国人も多く、モノが本物であることが伺える。
ホールスパイスからミックススパイスまで何でも並んでいる。
僕が話をしている人が、この店の二代目となる竹内さんだ。家族経営なので若旦那という感じである。スパイス屋だけあって、
「毎日カレー食ってます」
とのことだ。
この大津屋、国内のスパイス輸入商社やメーカから、サンプル商品のテスト販売を請け負ったりすることもあるくらいの店であり、スパイスマニアからは熱い視線を贈られている超マニアスペースなのだ。しかし、ここで働く人たちはとても優しく、全然マニアックではない普通の人たちだ。ちょっとびっくりした。
僕も過去、ここでスパイスを何回か買ったことがある。とにかく鮮度がよく安い! これはみな見落としがちなことだが、スパイスは生鮮品だ。香り成分は揮発性なので、購入して置いておくと、ただの色つきの粉になってしまう。しかし、スーパーで市販されている瓶入りのスパイス類は高くて、買うのにためらうことが多い。ふんだんに使うのがちと惜しくなってしまうのである。
ところが大津屋では、だいたい200g程度入っているパウダースパイスが400円程度で買える。ホールも勿論ある。素晴らしいのはナッツ類で、カシューナッツやアーモンド、殻を剥いたピスタチオなどの生のホールが手に入る。ここで重要なのは「生」ということだ。安く売っているのはローストしたものがほとんどで、これだとすぐに酸化してしまいがちだ。ナッツの脂が酸化したものには猛烈な毒が発生することもあるので、お勧めできない。しかしここでは生のホールが、しかも安く手に入る。僕が知る中では最もリーズナブルだ。これからバジリコのペーストを作る季節だが、僕は大量に使うナッツ類はここで仕入れる予定である。
スパイスだけではなく、その周辺素材も沢山販売している。例えばインド料理には絶対に必要な油である「ギー」は、オリジナル商品が置いてある。カレーのコクのある風味を出すにはこのギーが必須だが、なかなか置いてなかったり、高かったりする。写真の商品はでっかいやつで900円程度、半分くらいのだと600円くらいで買え、全然使い切らないのでリーズナブルだ。
また、香りのよい長粒米(インディカ米)であるジャスミンライスなんぞも販売している。これがインド系のサラサラのカレーにばっちりマッチするのである!
この日の企画としては、とにかく大津屋のお母ちゃんがいつも家庭で作っているレシピを教えて貰い、その通りに作ってみるということになっている。そのために買い求めなければならないスパイス類が下記である。
■ホールスパイス
カルダモン
シナモンスティック
ベイリーフ
クローブ
■パウダースパイス
クミン
コリアンダー
ターメリック
カイエンヌペッパー
ガラムマサラ
■そのほか
マンゴーチャツネ
ホールトマト缶
ヨーグルト
鶏肉(モモ)
カシューナッツ
アーモンド
ジャスミンライス
バジルシードのジュース
などなど、、、
そして、、、これに加えて、特選素材があるのダ!
「ええとですねぇ、、、長胡椒ってのがあるんですよ。」
インドではよく使われている長い胡椒、本当に長い! 松ぼっくりのような細かい模様が外側についており、見た目はちょっと気持ち悪い。
「生で噛んでみます?」
といって袋を開けてくれた。正直、俺は噛みたくない!けど、カメラマンはすでにセットアップ済みである。うーん しょうがない、、、
口に入れて噛む。かなり硬い!「ガリっ」という硬質な音と共に、衝撃的な刺激成分が俺の脳内物質を大量に分泌させた。駆けめぐる胡椒の香り。かぐわしい、確かにかぐわしい!しかしあのブラックペッパーの香り成分を50倍くらいにした香りの塊が鼻孔を抜けてゆき、その後にすさまじい辛みが味蕾を直撃した!
「ヒー!」
の顔の写真は、雑誌掲載されているので残念ながらここではみせられん。が、とにかくすさまじいパワフルな香辛料だ。
「これ、やっぱカレーに入れるんですかね?」
「う~ん、僕は使ったことないからわかんないですね、、、」
そんなもん、俺に食べさせないでくれ!
ま、しかし、この長胡椒を使って、カレーを作ることになったのだ。スパイス類をたんまり買い込んで、大津屋・竹内ファミリーに別れを告げる。目指すは編集者・御園氏の愛の新居(湯島)である。
(後編・カレー作り編へと続く)
以前のエントリにも書いたとおり、東京でタイ料理を食べたくなったら、六本木の「バンコクレストラン」に行くことにしている。店のウェイター陣が総入れ替えになったらしく、古顔が居ないのが寂しかったが、その分、タイ国イケメン店長と握手を交わしたりして、楽しかった。
(彼のコトね↓)
と、思っていたら、この店長律儀な人だ、日本語でメールをくれた。
この間ご来店してくれてありがとうございます~ あなたのHPを見ました、本当にうちの店の事をHPに載せていただいて、ありがとうございます。店の内容だけではなく、私についても書いてくれたんですよね~(^^)たくさんほ められた~ 本当にありがとうごさいます~またご来店お待ちしております~
この力の抜けた「~」の使い方、そして絵文字まで使ってて、ほぼ日本人じゃん!これを自分で書いているとしたらすごいことである。たしか日本にきてまだ1年ちょっとのはずなんだが!?
返事をすると、またメールをくれた。
やまけん~ メールを返事してくれて、ありがとうございます。 そうです~僕はバンコクのニコニコイケメン店長のノートです。 なぜ僕は日本語が書けるかとういと、一年前に日本に日本語学校に勉強しました。 まぁ~勉強したけれども、なかなか上手く話せません。 今でも●●●●●という専門学校に勉強してます。(コンピューター学科) ところで、なぜ山本さんはタイ語がおしゃべれますか? タイへ行ったことがあるでしょう?もしくはタイ人の女の子が居るでしょう?(^ ^) まあ~これから、友達になりましょう~ よろしくお願いいたします~ ノート
いや、俺のタイ語は料理の名前しか知らないけどさ、お前の日本語マジですごいよ!天才である。ちなみに俺には、タイに女の子は居ないからな!そういうのを邪推というのだ、邪推。
さて、ノート君にも会いたくて、バンコクに行った。芋焼酎の京屋酒造のWebを運営しているダイナディクト・システマ社の永友さん一行に、独立祝いにごちそうして貰ったのだ。
店に入り、ノート君と握手を交わす。ビア・シン(シンハビールのことね)で乾杯し、メニューをガガガっと頼む。この店、というかタイ料理は異様に調理が早いものが多く、頼んで5分以内に料理が来るので、食べたいものを前編・後編くらいに分けてとるのがよいだろう。
本日はまず、タイ料理の中でも日本人がとっつきやすいものを頼んだ。
それは「ヌア・パット・ナンマンホーイ」である。ヌアは牛肉。パットは炒める。ナンマンホーイはオイスターソース。つまり、牛肉のオイスターソース炒めである。
オイスターソースの濃い旨みにニンニクがガツッと利いて、飯が何杯でも食べられそうだ。タイではこれをご飯(カオチャーオ)にかけて食っていたものだ。
それと青パパイヤのサラダである「ソムタム」これは欠かせない。
で、本日苦言を呈したいことが一つある。
「トートマン・プラー」という料理がある。トートマンは薩摩揚げみたいに団子にして揚げる料理、プラーは魚である。つまり薩摩揚げそのまんまですな。これが、日本の薩摩揚げみたいな外観だが、味は全然違ってタイ料理。かなり旨い。
これに、付いてくるスイートチリソースをベシャベシャに塗りたくって食べると、甘いのと酸っぱいのと、トートマン・プラーの若干香辛料が入った旨みが利いて最高にイケル。
魚肉にどんなスパイス類を放り込んでいるのか、実に謎である。
で、激ウマなんだけど、これよりもっと旨いモノがある。それは、魚ではなくエビをすり身団子にして揚げる「トートマン・クン」である。そう、「クン」はエビのことだ。想像しただけで旨そうでしょ?
でも残念ながらバンコクではトートマン・クンをメニューに載せていない。何故だと聞いてみたが、にこやかに「出してないんですよぉ~」というだけである。うーーーーむ
ということで、ノート君!ぜひトートマン・クンをメニューに載せる努力をしてみてくれませんか??おいら食うよ。
読者の皆さんも、六本木バンコクいったらぜひ「トートマン・クンありませんか?」攻撃を!
しかしその際に注意!発音をきちんとしないと「トムヤムクン」と間違えられてしまうことが多々あります。おれはタイで過去二回、鍋一杯のトムヤムクンを一人で食いました。
本日はもう一つタイご飯。「ガイ・パット・バイカバオ」(鶏挽肉のバジル炒め)である。一皿料理で出てくることが多いのだが、タイ風にご飯の上に載せて、目玉焼きを載っけて出して貰った。
目玉を崩して、ナンプラーをかけ、かき混ぜて食う。これがマジで旨い!タイ料理はグリーンカレーとトムヤムクン、春雨サラダのヤムウンセンしか知らない人はぜひ、こいつを試して欲しい。
この日もノート君はニコニコしながら見送ってくれた。今度、遊びたいものだ。
匠~オーパのゴールデンコースは、いと楽し。匠で食べられる、この初夏の季節しかないネタと言えば、生のトリ貝だ。
「あいよ 生トリ貝! 煮きり塗ってあるからそのまま食べてねっ!」
その蠱惑的なトロトロ感の伝わってくる外観、堪らない。
口に運ぶと、とろり、シャクリとした歯触りと、柔らかな甘み、旨みが煮きりと絡んで舌にまとわりついてくる。身が、とても甘い。
「これはこの季節しかないからね!」
このネタ一貫だけ食べに来ていいかね、加藤ちゃん? 最近はネタが早い内に切れてしまうことが多い。あったらすぐに頼んだ方がいいのはこの生トリ貝と、入梅の最高なイワシだ。
しかし、僕の分は残しておいて欲しい。
バーテンダー技能競技会後、オーパは連日満員が続いていた。おかげでゆっくりと飲む雰囲気でなくなってしまったが、でも、よかったと思う。その分、水澤君はオーバーワーク気味だ。競技会後、休む間もなく翌日から店に出て、先週の日曜日にようやく休みを入れたくらいの出ずっぱりのはずだ。飲食店というのは、大変な仕事なのである。一昨日も議員秘書のモロイさん夫妻と田中君と一緒に飲みに行ったのだが、一杯目のスプリング・ヒルの味のバランスが少し悪かったように思う。水リン、疲れを癒してくださいね。
でも、思いやりというものは本当に人の心を温かくするものだ。先日、一人で飲みに行った際のことだ。最近は彼の作るモスコミュールにはまっているので、「辛口、大盛り」を頼む。ショウガ多めということだ。
知らなかったのだが、本当のモスコミュールにはジンジャー・ビアという、ショウガを発酵させた炭酸飲料を使うのだそうだ。缶を見せてくれたが、みたことのないジャンルの飲み物だった。それに、ショウガの生のすり下ろしを加える。これを多めにしてもらうと、疲れたときに元気がでるソウルドリンクになるのだ。ステアされて銅製のマグカップになみなみとつがれて出てくる。
熱伝導の優れた銅のカップの持ち手は、キンキンに冷えている。これを握ったときにヒヤっと来る感覚が大好きなのだ。
と、水澤君がつつ、と近寄ってきて、ささやいてくれる。
「山本さんにお渡ししたいものがあるんですよ、、、」
そう言って、トランクルームに消えた後、小さな木箱を手に帰ってくる。
「先日の技能協議会の記念に、何か差し上げられないかと考えていたのですが、20名の出場者だけに配られた記念バッジを、貰って頂けませんか。」
そう言って彼は、ジャケットの襟に誇らしげに着けていた金のバッジを外して、僕に手渡してくれた。シェイカーの形をしたそのバッジの裏面には、「技能競技大会」と刻印されている。
「こんなすごい記念品、もらってはまずいんじゃないの?」
「いえ、トロフィーとかメダルとか一杯ありますし、これは山本さんに。」
そう言ってにっこり微笑んで、彼はシェイカーの戦場に戻っていった。
このバッジの重みはよく知っている。生涯の宝物がまた一つ増えた。昔は、こういう大事なものが増えるのは、自分が重たくなってしまうことだと思っていたが、最近はそうは思わない。また一つ、その重さで自分の中心軸が定まっていくような、そんな気がしている。水澤君の気高さは、まさに全日本チャンプにふさわしい。
しばらくは休めないだろうけど、本当に身体をこわさないようにね。今度、栄養ドリンクを差し入れようかな。
僕が気の向いた時に、青果物の商品を提供しているオーガニックサイバーストアというWebショップがある。実はここが飛ぶ鳥を落とす勢いである。最近ではYahoo!ショッピングのデザートランキングで上位をとり続けるほどにスイーツの取り扱いに成功していると聞く。
ここを観て欲しい。1位、3位、6位、7位が同社の商品だ。(6月17日現在)
観てみると、相当にこだわった商品ばかりだ。ネット上では販売できないだろ?というような商品を、メーカーと共に開発し、極安の配送料金で消費者に届ける仕組みが完備されている同店ならではのことだ、、、と、もっとももらしくうなずいていたら、同店のカリスマバイヤー池田さんから連絡が!
「やまけんちゃ~ん、こんどうち、すっごく旨いプリンを売るんですよ。食べたい?」
食べたい食べたい、そんなの食べたくないわけないでしょう~頼むから送って下さい。
「ああ~ そうね、じゃあリコメンド記事書いてくれます?」
むむっ?リコメンドか、、、でも美味しくないものを美味しいとは書けませんよ!
「大丈夫、絶対に美味しいプリンです!」
そんなやりとりの後、大阪のスイーツ専門店「Paff」からプリンが6つ送られてきたのであった。その名も「極上まろやかプリン」。北海道十勝平野の酪農家からの牛乳とクリームを用いた逸品だそうだ。
綺麗な小さな容器に入ったプリンは、薄いクリーム色の、みるからに繊細そうな顔立ちをしている。少し強めに容器を振るとプユプユと可愛らしく揺れるが、表面は安定したまま。実はここにかなりのノウハウが入っているとみた!
プリンというのは宅配を考えると、非常に難しい商品。何故かというと、焼きを強めにして堅くすれば、形が崩れないけれども、この商品のように「滑らか」と言い切るためには、クリームを多用し、トロトロの食感に仕上げなければならない。でも、そうすると配送時にドロンドロンになってしまい、自宅についた時点では目も当てられなくなっている可能性が、、、そう言うこともあり、プリンって宅配には難しい食べ物なのである。
しかし!さすがはオーガニックサイバーストアとPaff。この問題にきっちりと解答を出してきた。その秘密は「皮」!
これは単に好みの問題なんですけど、プリンで一番好きな部分って、僕はカップの一番上の、空気とふれあっている表面にできた薄い皮の部分なんですよね。熱に当たって、さらに空気に触れていることで水分が抜けて、味がすご~く濃くなってる。僕は先ず蓋をとったら、この皮の部分を薄~くすくって食べるのが最大の楽しみなのよ。いや、フェチっぽくてすみません。
でもこの商品のように滑らかさを売りにするプリンだと、そういう皮ってできないんじゃないかと思ってたんだが、、、それは杞憂だった。表面には火が通っており、うっすらと味の濃い層ができている!
思わずその部分だけをすくって食べてみた。当たり前だがウマイ、、、クリームの旨味が加熱され、皮になり、むちゃくちゃ濃厚。この皮だけ5メートル四方分食べたい。
そして、この皮がきちんと衝撃安定剤になっているため、皮の下にはトロントロンの滑らかなクリームペーストが保持されているワケである。これがなんと言っても一番主役のプリン生地だ。
スプーンを入れると、中にはタップリのバニラビーンズが。このバニラビーンズ、マダガスカル島で収穫された天然のバニラだそうだが、贅沢にもつぶつぶだらけなのであった。まったりと甘いリッチな香りが口中にずっと残る旨さだ。
そしてその滑らかクリーム生地の最下層には!品のいいカラメルソースがひたひたに入っているのであった!本品のカラメルは上品な感じでしつこくなく、生地の旨さをサポートするに徹している。
こんな風に書いていても、食べるのは一気呵成。思わず一度に3つも食べてしまった、、、
クリームと卵の旨味を凝縮するのと、衝撃安定の役目の双方を満たした皮、トロットロのクリーム生地、強い香りで存在感をアピールするバニラビーンズ、そして品の良いコクを与えるカラメル。最高ではないか!これで6つ1500円(+送料)はリーズナブルといってもいいな。でも、食感がライトなので、あっという間に食べてしまうのが難点か!?
旨いプリンを、どうもごちそうさまでした!
(その1より続く)
さて お茶のテイスティングだ。
4種の茶葉を紙の上にあけて観る。茶葉の形状と光沢などから、茶葉の性質や揉み具合を推測するつもりになってみる。プロの茶業人や日本茶インストラクターだったらこういう時にすごい言葉を持っているのだろうが、、、
今回いただいた茶は、A、Bが本山茶、C,Dが静岡茶と書かれている。本山とは、静岡市内の安倍川流域にある、最も素晴らしいお茶が育つと言ってよい地域である。静岡茶という表記は、それ以外の場所と考えていいだろう。
------------------------------------------------------------A
・外観太く、巻きがゴワッとしている。照りはほとんどない。B
・外観は若干Aに似ているがたまに細い葉が入っている。C
・細めの上品な見た目。照りも観られる。D
・かなり粉っぽいというか砕けているが、逆に繊細さを感じる外見。------------------------------------------------------------
茶葉を同じ条件下で煎れる。 浄水器(うちのはシーガルフォー)を通した湯を沸かし、いったん急須に煎れて湯飲みに移し、湯音を80度前後に下げる。その間に茶葉を急須にスプーン一杯投入しておく。
「茶葉はおごって煎れた方がいい。茶で身を持ち崩した人はいないから。」
とは、僕に茶を教えてくれた葉桐の社長である清一郎さんの言だ。それに従い、いつも周りの人に「うそっ」と言われるくらいに茶葉を使い、煎れる量はお猪口サイズに一口程度だ。その方が、ダシのように出る。レストランでの食事みたいなもんだ。家庭ではとうてい恐くて使えない分量の油や砂糖をガバッと使うことで、味が出るのだ。それがプロってものだ。
湯音が下がったら、急須に湯を注ぐ。4種あるので手際よく。
蓋をして蒸らす。ただし初めての茶を煎れる場合は、葉の開き具合を時々蓋を開けて観て確認する。開けっ放しにして、茶葉がゆるんで開いてくるのを観るのも、とても乙なものだ。この間、急須の外側を触って温度を確かめておく。
温度とのかねあいで変わるが、茶葉がゆるみ、良く出たと思える1分数十秒で湯飲みに入れる。僕はいつも茶業務用の白い磁気の湯飲みを使う。茶の色(水色という)を確認するためだ。湯飲みと言っても本当にお猪口サイズなので、いつもはこれで日本酒も飲んでしまっているのだが。
「本当に感動できる茶は1煎目まで」
ということも葉桐清一郎氏に教わった。本当の茶を、気合いを入れて煎れると、2煎目以降は抜け殻になってしまう。だから、1煎目に勝負をかけるのだ。急須から湯飲みに注ぐとき、最後の最後の一滴まで振り絞る。
やや濃いめに出したので水色があまり綺麗でないが、このように煎れた。
Aから順に飲んでみる。
、、、びっくりするほどに濃い旨み成分が舌に回る。すべて、ダシの旨みを感じる。茶葉には大量のアミノ酸が含まれている。熱い温度で煎れると、苦み物質であるタンニンが染み出てきてしまうため、その旨みがあまり感じられなくなってしまう。だから、湯を多少冷まして、旨み成分が沢山溶出するように煎れるのだ。そうすると、本当に鰹ダシっぽい味になるのだ。
------------------------------------------------------------A
・煎れると旨み成分の量は4種中もっとも濃いと思う。旨みが強くて味の決め手がどれだかは判断が付かないB
・味は旨みと様々な特性が混在していて、豊かである。ただしAよりコクは少なめ。喉の奥に残り香が残る度合いはもっとも強いC
・上品な見た目。照りもあり、細め。煎れると味のバランスがよい。旨みが特別に濃いわけではないが、優しい味で好ましい。静岡茶とラベルに記載されているが、本山茶っぽさを感じた。玉川横沢っぽいというとおかしいか?D
・かなり粉っぽいというか砕けている。逆に繊細さを感じる。煎れるとダシのような濃い旨みを強く感じる。Aとは別種の旨みと感じる。味の組成はA,Bと比べ複雑ではない、わかりやすい。ただし残り香が少ないか------------------------------------------------------------
ん、大したことはかけんなぁ。品種や産地をあてろと言われても、無理だ。僕には、静岡茶と書かれたCが、本山の玉川横沢地区の茶に似ていると思えた。混乱しつつそれぞれを3煎くらい煎れて味わう。ん~ やっぱり難しい。
簡単ながら感想を石部さんに送った。以下が、回答である。
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A『本山産』¥1,200/100g
詳細:産地は安倍川上流西河内川流域玉川地区のお茶です。男茶と称されるような力強さ。また、ハサミ刈りの最盛期前半の味わいは産地特長が色濃く出ている味わいになっています。
B『本山産』¥1,200/100g
詳細:安倍川上流の玉川地区のお茶と安倍川支流藁科川上流清沢のお茶のブレンド。玉川のお茶と比べておとなし目で茶葉の色の青さが特長でもあります。
> ・外観は若干Aに似ているがたまに細い葉が入っている。味は旨みと様々な特性
> が混在していて、豊かである。ただしAよりコクは少なめ。喉の奥に残り香が
> 残る度合いはもっとも強い
流石ですね。ブレンドによる奥行、清沢のお茶のおとなしさを感じていらっしゃるのでしょう。
C『静岡茶 日本平産やぶきた』¥3,000/100g
詳細:4月23日摘採製造の日本平(やぶきた発祥地)の自然仕立て手摘みのやぶきた。
『お茶は土地が生み、育てる。やぶきたの栽培適地はそのふるさとである日本平なのではないだろうか。』をテーマとした生粋の品種茶『やぶきた』土地特長に左右されずに、やぶきた本来の味を知るにはこのお茶意外には無いといえるでしょう。
> ・上品な見た目。照りもあり、細め。煎れると味のバランスがよい。旨みが特別
> に濃いわけではないが、優しい味で好ましい。静岡茶とラベルに記載されてい
> るが、本山茶っぽさを感じた。玉川横沢っぽいというとおかしいか?
横沢のお茶のように作りたいと考えている生産家の単品ですから類似点を感じているのかもしれません。
今シーズン寒さに当たらずに摘採期を迎えられた数少ない産地でもあります。 総生産量●●kg
D『静岡茶 品種茶 静7132』¥2,400/100g
詳細:品種としてはやぶきたの実生選抜。お茶の芽は紅く不思議な品種です。また、茎の太い品種で茶園での様からも強い旨味を予感させます。上手にはいるとどこか桜葉の香りを連想させるお茶です。総生産量●●kg
> ・かなり粉っぽいというか砕けている。逆に繊細さを感じる。煎れるとダシのよ
> うな濃い旨みを強く感じる。Aとは別種の旨みと感じる。味の組成はA,Bと
> 比べ複雑ではない、わかりやすい。ただし残り香が少ないか
味の組成については単園単品種故にわかりやすさと感じられたのでしょう。残り香の少なさは土地特長と思います。山間地茶の香気が強いところでは逆に品種特長は感じ難いともいえるのでこれはこれで致しかた無いのでしょうね。
注:●●の部分は勝手に極秘情報として伏せ字にした。
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ううむ、、、 なるほど! 僕が好んだCは、大好きな生産地である玉川横沢地区のような茶を志向しているしているという。あながちはずれではなかったか。
Aのすさまじく濃い旨みについては、よくわかった。まさに男茶というべき力強い旨みであった。Bの、一煎でいろいろな風味がわき起こってくるのは、これぞまさにブレンドの妙味だ。石部さんの手腕が、この茶を現出せしめたのである。Dは驚いた。茶葉が紅色だという、、、アントシアニンの作用だろうか、みにいきたいなぁ。
と、こんな感じで茶を煎れた。ただし、毎日こんなにイイ茶を飲んでるワケじゃないよ。うちのおふくろに飲ませるのは彼のブレンド「特上茶」だが、それを飲んでみて、個人的には十分なクオリティであると感じた。
最後に価格について。なぜか日本人は茶が安いものだと思っている人が多い。これはオカシイ。コーヒー一杯250円支払う人が、お茶にはその価値を認めない。僕が100gで5000円の茶を飲むというと、驚く人が多い。一人に煎れるのに必要なのを5gとしよう。100gだったら20回楽しめる。5000円を割ると250円だ。そこで得られる感動は、最上級のコーヒーと同等に深く、美しい。特に最上のお茶が持つ香りは、スーパーの店頭で炒りながら出している火香と言われるものではなく、茶葉から抽出された、喉の奥にへばりつき、鼻孔まで戻ってくる香りである、、、 これを味わうと、もう後戻りできない。
石部商店は、マニアックな茶の世界を、きちんと消費者に説明し、素性のよい茶を販売している希有なお茶屋さんである。多くの茶葉が、僕が信頼する製茶メーカー・葉桐から石部さんの手に渡る。是非一度ショップのWebページを覗いてみて欲しい。ちなみにいつものことながら、僕は石部さんから一銭ももらってません。勝手に、心からリコメンドするだけだ。
■日本茶専門店 錦園石部商店
http://www.nishikien.com/
一人でも多くの人に「伸び」の日本茶のすばらしさを知って欲しい。最初は、50g1500円程度のものでいいだろう。それでも市販の茶とは全く違う。僕のお薦めは、玉川横沢地域のお茶、そして「築地勝美」氏の茶だ。それなら、間違えることは絶対にないはずである。
(その1より続く)
さて、一茶そばの大盛りに感動した後、速やかに衆院側の食堂に移動する。議事堂内には見学者が多数歩いており、大人も子供も入り交じった遠足状態である。わざわざ気を遣ってスーツで来たのだが、全く意味がなかったな。次からは正装である黒Tシャツとジーンズで入ってやろうと心の中で呟いた。
結構おどろくのが、「女性スタッフ(とモロイさんは呼ぶ)」の方々とたくさんすれ違ったのであるが、その皆様がかなり美しい人ばかりだということである。思わず俺も少し国会で働こうかな、と思ってしまい、半ば真剣に「モロイさん、議員の部屋に僕の机置いてもイイですか」と訊いたが、「あははは」とかわされてしまったのであった。
そうこうする内に衆院議員会館の中でもスペースの広い、寿司・和食・洋食コーナーに到達。ここで、議員会館内で最もよいといわれる寿司の「初花」のカウンターに座る。
この初花、なんと特上で1200円と、超リーズナブルである!それは迷わず特上に行くしかないだろう!
「特上3つ!」
「はいよぉ!」
カウンターを任されているのは、石原さんという若手(にみえる)板前である。しかしなんと、
「もうここに勤めて10年になります。っていうか、ここ以外に勤めたことがありません。」
と言う! すごいな、寿司職人のキャリアの最初から国会議事堂である。
「すんごいねぇ~ じゃあ毎日熱い国会のエネルギーを受けてるわけだ!」
「いやぁ 何が起こってるかは全っ然わからないっすよ!俺は一般人です!」
この潔さ、佳し! 石原ちゃん、ナイスである。
ネタケースには割と豊富なネタが揃っている。どれくらい握ってくれるのか楽しみだ。
■トロ
トロは「バチマグロです。」。夏バチの特質としてあっさり、すっと溶けるので、黒マグロのような深いガツンとくる旨みはない。少々スジも気になったがしかし、1200円の特上だぞ!しかも1貫2コ付けしてくれるのは出血だ。ありがたい!
■青柳、いさき
「石原ちゃん、議員さんってどういう会話してるわけ?やっぱ、こういうところで黒い陰謀とか話してるの?」
「いや、僕はなんだか女の話ばっかり聴いてるような気がしますけどねぇ。」
■玉子
■イクラ、白魚
「先日、牛歩戦術してたよね。あのときは徹夜で早く帰りたかった(モロイ氏)」
「ああ、あの日は僕も夜の10時くらいまで握ってましたよ。なんか、ああいうことやるときって議員先生方、すごくウキウキしてますよねぇ~」
■トリ貝
■トロ巻き
「国会の中にもいくつか寿司屋ってあるんでしょ?けっこう競争激しいんじゃないの?」
「うーん いつか、何かのアンケートに、競合店の××の人がうちのことをまずいってこきおろしてるの観たことあります。」
そうか、、、大変な世界だな、やはり国会は戦場なのである。
■ウニ、イカ明太
■イカのしそ巻き
なんとここまで13種類である。石原ちゃん、僕の顔を観ながら
「あの~っ、一応一通り握ってはみたんですけど、何かもっとお食べになりたいモノありますか?」
なんだよ素晴らしいな、マジで嬉しい。会話の端々から、食い倒ラーであることを察知してくれたのだろう。
「じゃ、サーモンを!」
「あ、ちょうどハラスの部分がありますヨ!」
■サーモンハラス
出てきたハラスは、本当に口に入れた瞬間にとろけるものだった。
「沢山出しちゃったけど、1200円ぽっきりでいいっす!」
ありがとう!君に会えて嬉しい! 「Webのアドレス教えてください」 とのことだったので勿論教えておいた。石原君、観てますか? 次に行ったら、ぼくの握りのシャリはこのくらいの大きさでお願いします!
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さて話はまだ終わらないのである。
「やまけんさん、国会といえば、「あかね」のカレーが旨いんですよ!」
とは農業県・熊本出身である田中君の言だ。訊けば、カレーとはいっても、正統派インドカレーを出す店があるらしい。
「みかけは単なる喫茶店なんですけどね。」
と、またもや国会をつっきり、もうどこだかわらかない場所へと進む。その一角に、「あかね」という、本当に一昔前の商業ビルによくある喫茶店の看板が出ている。
店内は革張りの渋い椅子と机。純喫茶って感じである。何が純喫茶と違うかというと、座っている人の前に一様に黄色いご飯が並んでいる。
「ここのカレーのライスはイエローライスなんですよ!実は、ここは、麹町にある「ガンジス」という店がやっていて、本格的なインドカレーを出すことが出来るんです。」
なるほどぉ、、、
品書きをみる。カレーにしてはちょっと高めの650円であるが、これが本格インド料理だとしたら激安である。マトン、チキン、野菜カレーの中から、僕は野菜を頼み、モロイさんと田中君は「一杯を二人で分けます」と、マトンカレーを頼む。
それがこれだ!
はっきり言って旨い!これはインド料理店の本格的な味だ!(当たり前か) どちらかといえばマトンが最高! 強めのマサラ類で煮込んでおり、マトン臭さなど何もない。そして、具によってルーの味が全く違う!野菜カレーはまろやかでトマトが入っている。 いや、この細かさに激しく感動である。イエローライスはおそらくサフランではないと思うが、そんなのはどうでもよい。
「いやー 旨いですねぇ!」
「もう僕らは食えません、、、寝てしまいます」
野菜カレーを平らげ、マトンカレーも二人の余りを少し食べ、忘我の極みである。
レジでおばちゃん達に「旨かったよぉ」というと、「また私たちに会いに来てちょうだい!」と、すさまじい返し技を食らってしまった。逆さ押さえ込みで3カウント入っちゃったという感じである。
でも、もう一度満腹になる前に来たいなと思った。きっとガンジス本店だと高いだろうからなぁ、、、
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こうしてそば大盛り、寿司特上15貫、野菜カレー一皿、マトンカレー4分の1皿を食った。腹一杯である。なんといっても最初の一茶そばが最高だった。寿司の初花では、石原君との信頼関係が生まれた。「あかね」のおばちゃんはやる気満々だった。
ビバ!国会議事堂!さすがは日本の最高権力機構である。
モロイさんからは力強い言葉をいただいた。
「これで終わりにせず、、、まあゆっくり時間をかけて国会を制覇しましょう!!」
制覇するぞ!
記念すべき国会突撃食い倒れ1日目は、こうして終了したのであった。腹一杯だ。
結論から言おう。国会議事堂は食い倒ラーの聖地である!さすがは日本の中枢だ。いや、国会議員がエライと言っているワケではない。議事堂の食環境が素晴らしいんである。
コトの発端は、ご存じの通り、長島農園からドサッと送られてきたブルームキュウリを分けてあげますよ、というエントリに呼応して来てくれた二人の議員秘書との出会いである。
「国会議事堂やその周辺施設の地下食堂がスゴイんですよ!」
と力強く教えてくれたモロイさんは、衆議院議員秘書歴6年、元サッカー選手の、見上げるほどの大男である。こんな人が荒れる国会で乱闘騒ぎを演じたら、大仁田より強いんではないだろうか。この超肉体派が「スゴイ盛りなんですよ!」というのだから、本当にスゴイんだろう。 もう一人の秘書タナカ君は、議員秘書歴半年。熊本から上京してきているナイスガイである。
「うちのセンセイもまだキャリアは始まったばかりの議員です。やまけんさん、熊本に来てください!」
行く、行くわ。彼はもうすぐ熊本に3ヶ月ほど帰って向こうの仕事をすることになるらしいが、まだ東京に居る時でよかったのである。
さて千代田線の国会議事堂駅から歩いてすぐ、議院会館がある。衆議院会館は2つあり、参議院会館が1つ、そしてその真ん中に、国会議事堂が堂々とそびえ立っているのであった。
田中君が議員会館の前で待ってくれている。そして中にはいると、先日はTシャツ短パン
だったモロイさんがびしっと決まったスーツ姿でにこやかに待ってくれていた。
「国会の中は入館許可証がいるので、準備しておきました。」
と、許可証を二枚(衆院用と参院用)貸してくださる。食い倒れのために許可証をとるというのはあまり前例がないことだろうなぁ。モロイさんすみません、ご迷惑おかけしました。
「まずは議事堂そのほか周辺施設の食堂事情を視察しましょう。」
と、衆院第一議員会館の地下食堂から回り始めたのであった。
「基本的に衆院の食堂は、量が多くて炭水化物ばっかりという仕様になってます。味は参院の方が恵まれていますね。」
ということだが、確かにメニューをみるとスパゲッティとハヤシライスのセットとか、これでもかと言わんばかりの炭水化物攻撃である。ダイエット中の女性を連れてきてあげたいと思うが、きっと引っ掻かれるであろう。
品書きの中では、「ジョウカレー」が目を引いた。
しばらく考えて、「上カレー」のことかと合点がいったが、しばらく何のことだかわからんかった。食いたくなったが「味は普通です」ということなのでスルーした。しかし、普通のカレー500円との差はいったい何なのか、いずれ証明せねばなるまい。
次に廻った別の食堂では、うなぎ2枚入り鰻重が強烈なアピールをしていた。
これに吸い物やお新香が付いてで千円ちょっとだそうだ。やばい、やばいな、、、最近うなぎ、食べてない。気分を落ち着かせながらモロイさんの話を聴く。
「やまけんさん、国会内では蕎麦がお得です。なぜか蕎麦に関しては、外に本店がある名店が入っていて、味は同じなのに安く、しかも盛りがスバラシイのです。」
そう言っていくつかの店に案内してくれた。「藪伊豆」は日本橋あたりに本店があるらしい。
「本店では盛り一枚800円くらいしますが、ここでは300円台です。」
その価格差は確かにスゴイな。それだったら地下鉄料金を負担してでもこちらで食べた方がいいではないか!といっても、許可証が要るけどね。
そう言いながら売店が建ち並ぶ一角をずんずん進む。前方に、行列が出来ている、のれんの掛かった一角がみえる。
「今日はとりあえず、一番盛りが良くてしかも旨い、『一茶そば』に行きましょう!」
店内にはいると、人いきれでギュウギュウである。しかし蕎麦だけあって回転はすこぶる速い。
システムは食券制である。番台があって、ハスキーボイスの通るおばちゃんに食べたいものを申告。ここのメニューがとんでもなく安い!大盛りがたったの310円なのだ。
思わず「大盛りにエビ天付けて」と言うと、「はい、430円ねぇ~。」と魅惑のハスキーボイスでおばちゃんが唸る。こういうおばちゃんはどこの店でも居るのである。
さて食券を持って列につく。厨房内には都合4人が立ち働いており、その動作はすさまじく早い。
「はいよ大盛り3枚~」
と声をはりあげるそばからドカッと盛られた大盛り蕎麦を観て、驚愕。すんごい大盛りである。値段ばかり高くて盛りの少ない老舗蕎麦屋の盛りに換算したら5枚分くらいあるのではないだろうか。
そしてラッキーなことに、水で締めてざるにあげてある蕎麦が少なくなってきた。ということは!「ピピピピピピピピ」とアラームが鳴り、大量の茹で蕎麦をザザッとあけ、水で急速に洗い始めるおっちゃん。激写すると目が合い「おおっ 言ってよ顔作るから」と笑ってくれる。
やっぱり俺はツイている。茹でたてロットの蕎麦が食べられるのである!まだテラテラと光る蕎麦をワシッとつかんで巨大盛りになったせいろが目の前に来る。つゆとネギのセットはセルフで持っていく。これが、参議院会館の地下にある「一茶そば」の盛りである。
この写真だと、上のアングルから撮ってしまったので、盛りがわかりにくい。横から撮ればヨカッタ、、、しかし、ものすごい量なのである。僕が言うのだから間違いない。これで310円は、たとえ味が今ひとつだったとしても素晴らしいではないか!
しかし、事実は小説より奇なり。蕎麦をたぐり、すすり込むと、まだ茹でたての余韻が残る温度と食感、そして正統派江戸前の辛づゆの風味。
「旨いじゃん!」
旨いのである!もちろん、一流店の角の立った蕎麦とかそんなのではない。国会議員という職業に対する最大の価値であるスピードと満腹感、その二次元軸に「旨い!」と縦軸を打ち込む潔さ。これはまさしく粋というものである。
しかもここの蕎麦、やたらと長い!切らずにつゆに浸そうとすると、いちいち立ち上がらないと麺の終点が見えないほどに繋がっているのである。縁起がいいなぁ。この蕎麦を恋人と一本の端と端で食べ合って「ぁ、キスしちゃったぁ」という微笑ましい風景が、連日繰り広げられるに違いない。アルワケナイダロ!なんと言ってもここは国会。体力よりも恐ろしい権力のタタカイが繰り広げられているのである。そのタタカイの糧食部隊の先兵、「一茶蕎麦」俺は気に入った。
ドンとお茶のようにおかれたポットには、熱いそば湯が湛えられている。いつもながらのそば粉濃度チェックをすると、なかなかに濃い!
そば湯を飲み、感動に浸る。
「実は蕎麦屋に関しては本当に充実していて、このほかにも旨い店がありますから、また来てください。」
了解である。入店してから5分たらず。僕ら一行は次なる聖地、寿司カウンターへと向かった。
(続く)
しばらく試用していたInfoseekのアクセス解析ツールの有料版を正式に申し込みました。なので、左上にピコピコと光っていたマークが無くなり、すっきりしたと思います。
これで1年間4200円の出費となります。この分を回収したい(できるかどうかは不明だが)ので、初めてアフィリエイト・プログラムを使うことにしました。本ページ左側の私のプロフィール中に、私の著書の写真があります。これがAmazon.comにつながっています。ここを通じて買われると、私に39円程度のバックが来るわけです。
ま、農業関係者以外にはあまり楽しく読めない本ですが、もしどっかで買うつもりだったということであればここから買って下さると、本Webに相当貢献したことになります。どうかよろしくお願いします。
一応今後も、食べ物関連の本を紹介する時には、アフィリエイトを通したいと思います。私の性格上の問題でもありますが、のべつまくなしにアフィリエイトするつもりはありません。ただし本Webを続けていくために必要と思われる場合は、そういったものを導入しようと思います。ご容赦いただければ幸いです。
以上報告でした。
「ねえねえ、今日のランチ、どこにするぅ~?」
「そうねえ、今日は久しぶりに、衆議院会館でお蕎麦食べよっか!」
「じゃ、そばを食べたら返す刀で寿司もはしごしちゃいましょ!」
「カレーも忘れちゃダメよ!」
国政の中枢、国会議事堂。その周辺には、政治家達の胃袋を満たし政治を前進させる原動力の補給基地があるという。
「やまけんさん、衆議院会館の蕎麦屋が、350円で超大盛りなんですわ。」
とは、先日ブルームキュウリを木場まで取りに来た国会議員秘書、M氏の言である。
「参議院会館の方にもいい店がありますよ!」
とは、同じくブルームきゅうりを池袋に取りに来た国会議員秘書、T氏の言である。
奇しくも一日の内に2人の国会議員秘書がブルームきゅうりをもらいに来て、そして食べたのである。これを縁といわずなんと言おうか。
ということでいよいよ本日、やまけんは国会に潜入してきます!目的は食堂!それだけのために国会の門をくぐる人間が居るということは内緒である。
夜にアップできるかなぁ、、、乞うご期待。
紛失してしまったデジカメ IXY digital-L 全く同じモデルを発注しました。だって満足しているんだもの。届くまでは人のデジカメで撮ってもらいます。秋葉原ZOAにてSDカード256MB購入。8290円なり。カレー「ベンガル」にてビーフAを食べるが、相変わらず釈然としない味である。残念。牛丼サンボが相変わらず営業続けているのは、どこから輸入した肉を使っているんだろうか。国産牛ではないと思うんだけどな。
さーて 休息も十分とった。またバリバリ書くぞ!
築地市場から徒歩ですぐの月島界隈だが、リーズナブルに魚介を食べさせてくれる店が沢山あるわけではない。もんじゃ焼き屋のイメージが先行しているため、それ以外の店もあるのだが埋もれてしまっているように見える。
「いやヤマケン、マグロ食うならここしかないよ!」
と親友の加賀谷が教えてくれたのが「魚仁」だ。
「ここはねぇ、実は魚屋さんだから、すごいマグロがでてくるんですよぉ、、、」
と嬉しそうに言う。もう一人、これも月島在住の竹澤も目を細めて「そうそう、最高やねぇ~」という。これは行かねばならないだろう、と初めて敷居をまたいだのが昨年の夏だ。以来、何も考えずにマグロを腹一杯摂取したい時は、魚仁と思うようになったのである。
5月30日、晴れ渡る強い陽光の下、海上保安庁による閲覧式というイベントに参加、加賀谷・しんのすけ・金子といった面々と日焼けしながら白熱の演舞(?)を観る。
夜は麗しき女性陣ともんじゃ焼きで食事会であるが、なんだかもう一日が終わったような感もある。
「女性陣が来る前にさ、ビールだけいこうか、ビール。」
「そうだな、マグロは禁止キンシ。」
「ビール飲んでから銭湯入って出陣だな!」
そう言いながら、まだ陽の落ちていない17時半くらいにのれんをくぐったのであった。
■魚仁
※月島西仲通り4番街の大通りに面している
03-3532-6601
店にはろくに冷房が効いておらず、しかももうすでに人いきれでごちゃっとしている。一気に耐熱が上がる。生ジョッキを頼むより早く口をついて出てくるのは「マグロブツ!」である。「なんだよ食わないんじゃなかったっけ?」いやここに来てそういうわけにはいかないのである。
とにかくこの店に来たらマグロブツ切りである。だいたい、生マグロがドカンと盛られて「はい!」と中国系のおねーちゃんによってテーブルに乗る。マグロは様々な部位から切り盛りされるので、中トロも赤身も載っているが、とにかくこのボリュームで500円という値段は、他のどこでも観ることが出来ないだろう。
ちなみにこの量、いつもより少ない。日曜日なので河岸が休みのところにみんなが来るものだから、最大の看板商品が18時で完売間近なのである。
わさびは練りわさび。醤油はキッコーマン。そんなのはこの圧倒的なマグロブツ皿を食べるときには本当に些細なことだ。圧倒的にモノが旨いのだ。これで2000円だったら無言になるところだが、500円だぞ、500円。
加賀谷やしんのすけ、金子の目を盗みそっとピンクの中トロ部分を抜き出し口に運ぶ。舌上でとろける脂をしつこく味わいながら生ビールを呷る。大工や遺跡発掘のバイトをやっていたときの、仕事の後に目上の億ちゃん達に連れて行ってもらったときのヨロコビを味わうようなこの感覚だ。
「あいよ、マグロ串!」
このマグロ串を観て欲しい。1本300円でこのボリュームである。
炭火で焙られた焦げ目の香りとタレ出す脂が悩ましい。皆無言でむさぼり食う。とてもこれから女性陣と食事会という雰囲気ではないのであった。
このほか、ホタルイカ刺身、鮭のハラス焼きを摂取。この日、海の上でご祖母君の訃報に接したしんのすけはここで終了。第二ラウンドは僕と加賀谷、金子で勝負だ。
魚仁を出て、商店街内の銭湯「月島温泉」へ。風呂を浴びると、昼からの立ちっぱなしの肢体に熱エネルギーが循環し、リフレッシュされる。夕暮れ時の心地よい風が吹きぬけていった。
怒濤の週末であった。テキスト執筆にも力が入ったはいいが、おかげで火曜日は虚脱状態になってしまった。文章を書くときにかかる力も、運動と同じように消耗する。しかも消耗する原資が脳内にあるから、ぐったり感は長い。
出張先だったので数時間ごとにしかコメントをみられないのだが、最近のだけで40数件ついているのでもうお手上げだ。すみません、最近のコメントを書いて頂いた方々、個別のお返事できないかもしれませんがお許しください。
バーテンダー技能協議会とその二次会終了後、殊勝にも飲まずに我慢していた津田君の車でニシガイチを大阪に送り、和歌山の津田家へと向かう。道を大きく間違え、帰着が3時半に。ぐったりと寝る。
起きてブランチに「丸三」の和歌山ラーメン(現地ではラーメンと言わず「中華」という)の特製大盛りに早寿司4本。夜は関西の流通業者仲間で和歌山「たかや」で魚を食べる。終電前に大阪の天王寺のホテルへ。何となくぶらついて、餃子の王将がにぎわっていたので、ふらりと入ると「本日はヤングセットが600円でサービスですわ」というので頼み、ニラ肉炒めも追加。これがすさまじいボリュームで、天津飯・餃子1人前、唐揚げ2コというのに山盛りのニラ肉炒めが付いてきた。でも勿論やっつけた。
どうもこの時に、デジカメを置いていってしまったらしい。朝起きると、デジカメがない。ホテルのフロントと王将に連絡するが、落とし物もない。ヤッテシマッタ。
これが、バーテンダー技能協議会の画像・動画を吸い出した後で本当によかった、、、これはしばらく休めということかもしれないなぁ。
大阪での業者会議を終えて、昼食。友人が「ここのカレー食ったら、もうインデアンには行けんようになるわ。」という店があるという。天満橋近辺にある天三商店街に移動する。
商店街にはいり、しばらく歩いていると、すさまじくカラフルな「油そば」の看板発見。
こんなに大きく「大阪一旨い」と書いてよいのだろうか、、、 かなり気になったので友人に訊くと、
「最近関西でも見かけるようになったわ。割と旨い。癖になるやつはなる。カレーの前にいっとく?」
行くに決まっているのである。
東京でたべる、例えば「ぶぶか」の油そばとはかなり違い、スープはゆるめで、油もあまりきつくはない。関西の証である青ネギがたっぷりかかっていて、これをよく混ぜて食べる。
麺は熱い。なかなかの旨さである。スープがない分軽くて、スイスイと入ってしまう。餃子も食べて、950円。
その後、例のカレーを食べに行く。商店街脇にある「キッチン&バー 土井」。
ご夫婦のきりもりで、カウンター7席のみでフル回転している。すぐには入れず並ぶ。友人は「俺はもうはいらんわ。店の外でぶらついてる。」と、カメラ付きケータイを貸してくれる。
習慣とは恐ろしいもので、もう餃子と油そばを食べているにもかかわらず「ビーフカレー大盛り」という、大盛りの一言が口をついて出てしまった。ご主人が小鍋でルーを暖め、盛りのよいご飯にかけて供してくれる。
なかなかの味である。ピッコロカレー(過去ログご参照)のような深く煮込まれた味わい。ただし、煮込みが強いため、スパイス類の香りはとろけている。インデアンとは全くベクトルの異なる味だ。これはこれで旨い。
店の外で待っていた友人と落ち合い、梅田まで車で送ってもらって別れる。しかしここでまたもや旅先での通信環境であるPocketPCを車に忘れてしまう。なんだかオカシイ。非常に散漫である。溜まっている原稿を書かねばならないが、データを落とせないのでボーっとコーヒーを飲む。頭の中がぐるぐるしている。
その後、中津のホテル東洋のロビーで、学生時代の畑サークルの後輩と数年ぶりに合う。先日、これも同じサークルの後輩と結婚したてだ。結婚式に行けなかった詫びをし、しばし語らういい時間。後輩達のことは無条件にラブである。
さて、帰る時間だ。警察に行ってデジカメの紛失届けを出す。もしかしたら盗難届けにするかもしれないが、一応まずは紛失にしておいた。食欲が回復してきたので、大阪でかかせない儀式である、食い倒れ殿堂入りのインデアンカレー阪急グルメ三番街店へ。入店するなり
「ルー大盛りご飯大盛り、目玉、キャベツ大」で1030円。
時間が16時くらいと中途半間だったためか、残念ながら山田チーフがいない。白いコックコートではなく、通常のユニフォームを着た、マイナーリーグの若い衆が盛っている。この実力差が如実で、ご飯盛りの技術が稚拙である(これについても過去ログご参照のこと)。ご飯に空気を入れるカッカッカッができず、ボテッと盛りつけてその後に整形している。これでははらりと崩れるご飯にならない。
教訓として、お客さんがかなり回転する時間に行った方が、メジャーリーグ的スター選手が盛ってくれるはずなので旨いと思う。
雑誌も買わずに「のぞみ」に乗り、ボーっとする。デジカメを無くしたことがそれほどショックでないのはなぜだろうか。さすがにハイテンションなテキストを書きすぎたので、お休みしろってことだろうか。
読者にはおわかりの通り、ここ二週間はすさまじく目まぐるしく過ぎていった。トレーニングも出来ない日々が続いた。身体と精神のリセットが必要だな。
ということで2~3日、更新をお休みするかもしれません。納豆ご飯を食べる日々としよう。ここんとこ、新しく読み始めてくださっている読者さんが多いようですが、過去ログが膨大にありますので、よろしければ観ておいてくださいませ。現在ログ数は299本。次回執筆で300本か。昨年7月から開始しているので、年間300本以上というのは、かなりすごいペースだな。
ちなみに現在、このWebのアクセスログによると、1日に大体2200ヒット位で推移しています。掲載したお店の人から、「やまけんのページ観て来たって人が多いんです!」というご連絡がよくある。嬉しいことだけど、もし僕の味覚と合わない人で、がっかりされたかたが居たらゴメンナサイ。もし美味しかったらお店の人にその感想をきちんと伝えて、喜ばせてあげましょう。それが、食い倒れ道の基本です。
でも、心配してくれている方もいらっしゃるけど、燃え尽き症候群は無いからご安心ください。和服オフ会の記事にも大量に連絡をいただいているので、これはやりましょう。でも人数多いと、会場がないんで、どーしようかなと思ってます。
本日は〆切間近の原稿執筆にいそしみます。
(23時45分 とうとう完結まで書きました!)
(その1から続きます。読んでない人はこちらからGo!)
水澤君の課題部門の時間だ。ステージ向かって右側で演技が始まる。マティーニは、以前にも書いたとおり彼の得意中の得意種目だ。カクテルの基本といえるこのマティーニ、おそらく他の出場者も拮抗した実力だろう。
この審査で重要なのが、「適正な分量」だ。商売としてカクテルを出すのだから、人数分のグラスに注ぎ終わった段階で、飲み物が余っているようでは無駄になる。かといって必要な分量が調合されていなかったら、それは「お出しする商品にならない」ということだ。だから、マティーニについては、5客のグラスの他に一つ小さなグラスがあり、余り分を注ぎ黙視できるようになっているのだ。これが実にわかりやすくて、みんな足りないと言うことはおおむね無いのだが、大きく余す人がたまにいる。
が、しかし!われらが水リンは驚いたことに一滴の余りもなくフィニッシュした!観ていてこれほど誇らしく思ったことはない。ここでも回線余力がある人には、マティーニ調合の様を観ていただこう。
観客も食い入るように一人一人の演技を見つめている。10組が2部門を行うので、タップリ2時間かかる。その間、ずぶの素人が観ていても、だんだんと傾向がつかめるようになってくる。まず、味はともかく審査員の主観評価というのが重要らしい。これは、いわゆるバーテンダーとしての所作、雰囲気だ。傾向としては皆、一つ一つの動作をきっちりキメる。中には力が入りすぎていると思うような人もいる。動作ごとにビシッと力を込めているのだが、まるでボディビルコンテストを観ているような気になってしまう。その点、水澤君の動作はとても自然だ。動作を停めずに決めているのだ。まるで流れるようなフォームだ。これは、動画を観ていただければおわかりの通り。どうひいき目を抜いても、他の出場者たちの中で、これほどスムースで大きく優雅な動きは皆無だった。
オーパの若手、内藤君が言う。
「ぼくらは、水澤が、この日本で一番と言っていいくらい練習していることを知ってますから。」
そう、営業時間が終了して夜の2時や3時から、練習を行うのだ。どれくらい練習をするのだろうか。開催一週間前に僕が飲みに言った時に水澤君は言っていた。
「久しぶりに整体に行ってきたんですが、先生からもうボロボロ、酷使しすぎだと言われました。」
彼は間違いなく命をすり減らしながら、一つの競技に向けて自分を高めている。それを門仲に集う面々は間近で観てきた。そして、僕たちの目にはどう見ても、20名の中で水澤君の動きが最も美しい。それは、彼の高い精神性とプロフェッショナリティが醸し出しているものであるはずだ。
2時間かけて20名のバーテンダーの創作・課題部門の実技が全て終了した。これから審議の時間に入り、会場はパーティ用に模様替えとなる。ぼくらはテラスで神戸の青空と風に吹かれながら、ぶらぶらと過ごした。
会場の横には、午前中に観客無しで行われていたフルーツカット部門の作品が並んでいる。これは、当日に使用するフルーツが提示され、それを使ってフリーテーマでカッティング・デコレーションを行うものだ。これがまたスゴイ。スーパー向け青果物の仕事をしている津田ちゃんは、「すっげぇ参考になる!」と、全てのカットを写真に収めていた。
その隣には、ジュニア・カクテル・コンペティションの出品作品が並べられている。これが圧巻だ!バーテンダーの卵らしい若い人たちが、真剣なまなざしで気になるカクテルをチェックしている。推測だが、このコンクールの観戦者の5割程度がバーテンダー業界、3割が酒造メーカ・輸関連業者、2割が一般という感じだろう。一般の目にさらされながら、バーテンダーとしての技能を磨く登竜門。実に素晴らしい大会だ!
臨席していても、ピンと張りつめた緊張感、トレーニングをしてきたということが、所作からわかる出場者達の態度が伝わってくる。
「ああ、こんなにすごい大会やとは思ってなかったけど、これは来て良かったわ、、、」
そう言いながら、パーティの開始を待つ僕らだった。。
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午後6時、パーティが、ジャズバンドの演奏で幕を開けた。しかし我々はきもそぞろである。すぐに発表してくれればいいのに、延々とアトラクションが続く。アトラクションの前に来賓や後援の紹介があったが、ご多分にもれず、長々とつまらない話をする、場を読めない輩がいて、遅々として進まない。乾杯になったとたん、会場は弾けた。
ジャズバンドの演奏を聴きながら、料理に群がる。オーパ一団が占拠したテーブルには、オーナーでありトップバーテンダーである大月さんがいる。全国のバーテンダー業界で知らぬとはいないほどの有名人であり、この大会のやはり過去優勝者である。それに加えて、昨年度の大会でも、オーパ銀座店のカツマタさんが優勝している。つまり、もしかして今回水澤君が優勝したら、オーパ史上3人目、2年連続の受賞ということになるのだ。オーパ、恐るべしである。
とはいえ、大月さんは明らかにそわそわしている。時折「胃が痛いっすよぉ」と言いながら、過剰なトークを繰り広げる。
こんな写真↓もその発露だ。(頭に乗っけてるのは伊勢エビの殻)
そこから、本当に緊張しまくっているんだということが伝わってくる。僕ら観戦者はそれを見守るしかない。
水澤君がやってきた。やるだけのことはやったという顔だ。
これから、出場者全員のカクテルが振る舞われるという。一つ一つをまともに作って分けてたら、数百人分になって大変なので、小さなプラカップに分けて供される。プラカップにいれたとたん、駄菓子のような色になってしまってチープにみえるが、、、
他の出場者の作品を飲んでみて、正直「水澤君のスプリング・ヒルが一番旨い」と思う。何だろうか、他の作品は何か強く突出しているものがあったり、いがらっぽかったり、もしくは脆弱だったりする。
ある均等な空間を創りだしているのは、スプリング・ヒルだけだった。ただし、その「尖りのなさ」が、もしかしたらおとなしめと映ってしまったら、、、と思うと、非常に不安になる。審査員の先生方の傾向や如何に。
ダダダダダダダダダダーーーーン!
さて
成績発表と表彰が始まる。全員が息を呑んで見守る。とはいっても最初は、ジュニアの式だ。ジュニアは出場者も数十人と多く、どちらかというと今後を励ますような意図なのだろう。ブロンズ賞10人、シルバー賞5人、ゴールド賞3人というように多数の人間に賞が授与されていた。優勝したのは、たしか宮城県の仙台にあるバーの人だったと思う。地方からの出場者が勝った。いざ勝負の場では、東京も地方もないのだ。
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さあ、いよいよバーテンダー技能競技会の結果発表が始まった。さすがにジュニア大会と違い、賞は何人にも与えられるものではなく簡潔にまとめられている。
・ベストテクニカル部門…シェイキング等の技術
・ベストフルーツカット賞部門…フルーツカット技能
・課題部門…マティーニの課題実技
・創作部門…創作カクテルの課題実技
・総合得点…全て通じての賞
20人がステージ上に出てくる。水澤君の顔は緊張のあまりか、こわばっている。そして、それまで談笑していたbarオーパの面々も口数が少なくなる。大月さんは「のどが、、、胃が、、、」とつぶやき、ビールでしきりに喉を潤している。
もう、とにかく一番最初に総合優勝者を言ってしまってくれぇえええという気分である。
「それでは、最初にベストテクニカル部門の受賞者を発表します!」
これは一人だけの受賞だ。テクニカル、、、これがナンバーワンということは、「技能」という意味においては国内随一ということになるのだ!果たして、、、
ダラララララララ(ティンパニの音)ララララララ ダーン!
「エントリーナンバー2番! 東京都新宿支部の水澤さんです!」
うおおおおおおおおおお
やったぁあああああああああ
オーパの面々が拳を突き上げる!
とりあえずベストなテクニックを持っていることは立証されたぁああああ!
沸き返るオーパの面々。しかしここで僕は少し不吉な気がしていた。早い内に入賞するというのは、よくない傾向、、、その後、最高の優勝をどっかに持ってかれちゃうんじゃないの?と下世話な勘ぐりが。
そう思う暇もなく、次の部門だ。
「次に、フルーツカット部門の発表です!」
実はこのフルーツカットについては、津田ちゃん曰く「水澤さんのはとっても綺麗で細やかなんだけど、少しこじんまりとしてるわ。それがマイナスにならないといいんだけど、、、」とのことだったので、ちょっと心配なのダ!
これは三人の受賞。まず三位には愛媛県からの女性バーテンダーが受賞。そして、、、
ダララララララララララララララララララララララ ダーン!
「二位、エントリーナンバー2番! 東京都新宿支部の水澤さんです!」
うわああああああぉおおおおおおおお
フルーツカットも二位入賞! やったぁ!!!!!
あまり期待してなかっただけに、これはかなり好予感がする!
二つの賞に入選したのである。これで、かなり上位を狙えることは間違いない!
そして、、、次に、課題部門の発表だ。僕の大好きなカクテル、マティーニを一番美味しく創ることができるのは、20名のうち、誰なのか!?
これも三人の受賞。
ダララララララララララララララララララララララ ダーン!
「二位、エントリーナンバー2番! 東京都新宿支部の水澤さんです!」
おおおおおおおおおおおおおお
マティーニも2位だ! ほ、本当か? これで全ての賞に入賞しているのは彼だけだ。ということは、、、
そう、水りんが2位に入った時に1位だった人も、他の賞は取っていないことが多い。そう、コンスタントにこれまで全ての入賞しているのは、水リンしかいないのだ。
「次に、創作部門の発表です!」
これは、水リンにとっては一番欲しい部門だろう。なんと言っても創作カクテルが評価されるかどうかが、メインイベントだ。
これも三人の受賞だ。
ダララララララララララララララララララララララ ダーン!
「一位、エントリーナンバー2番! 東京都新宿支部の水澤さんです!」
だぁああああああああああああああ
創作部門は、全国でトップということだ!!!
やった!ベストテクニカルと、ベスト創作を獲った!それ以上にどんな評価があるというのか!
もう、僕らのいるオーパの面々が集うテーブルでは、お祭り騒ぎだ。対照的に、水リンの顔はドンドンとこわばっている。あまりのことに、もう制御できないのであろう。
さて、、、
ここまできたら、あとは総合得点しかない。どうなったのか。
お願いだ。ブロードバンド回線を持っている方は、この動画、40MBくらいあるけど、絶対に観て欲しい。歴史的な瞬間の動画なのだから、、、
「それでは、第31回バーテンダー技能競技会、優勝者の発表です。」
ダララララララララララララララララララララララ、、、
「総合優勝は、、、エントリーナンバー 2番! 水澤さんです!」
やったぁああああああああああああああああああああああああ!!
両の拳を突き上げる面々。対照的に、一言声をあげた後、無言で水澤君をみる大月さん。そこへ、周りの関係者が握手を求めに来る。
画面に映った水澤君の顔は堅くこわばっている。自分が今いる状況がつかめないような顔である。
会場では爆発が続く。関西地区での大会のため、関西出身者への応援が一番多いのはいたしかたのないことだが、それでも関東代表の水澤君に温かい拍手が送られる。
僕は、歴史的な場面に立ち会うことができた。本当に感無量だ。友人に連れられていったバーで旨いマティーニを飲んだ。以後、少しずつ調合を換え、自分好みのマティーニを作り出すのに水澤君はずっと付き合ってくれた。その彼が、、、なんと日本一になってしまったのだ。
それも、ぶっちぎりの優勝である。総合的に観て、全ての部門でベスト3に入っている(というかほぼ1位と2位)ということは、歴然とした実力差があるということだ。
水澤君へのインタビューが始まるが、彼は固まっており、ろくなことが話せない。ただし、次の言葉をはっきりと会場に伝えた。
「自分一人ではこの舞台に立てなかった、、、多くの人に助けられてココにいることができるんだということを実感しています、、、」
チームbarオーパは、最強だ、、、本当に素晴らしいではないか。若手バーテンダー2人が、水澤君が沢山もらいすぎて持ちきれなくなった賞状や盾を持つため、助っ人に走る。口々に「来年からどうしましょう、、、やりにくいですよ、、、」と言いながら、その目は引き締まっている。
と、受賞インタビュアーが美しい女性を壇上に招く。
「実は、水澤さんの奥様も、日本バーテンダー協会の会員で、レディース大会の優勝経験者です!」
なんとそうなのだ!美男美女カップルは、実力もまた持ち合わせた大変な二人だったのである。
奥様にマイクが渡される。
「、、、嬉しいです。彼が本当に苦しみながら練習をしているのを間近で観ていましたので、、、本当に良かった、、、」
この時、水リンのこわばった顔が一層歪み、少し涙が伝ったようにみえたのは僕だけではないだろう。世界一いい男だよ、水リン!
テレビインタビューを受ける水リンを激撮する。これが日本一のメダルだ!
そろそろ緊張も解けたらしく、水リンの顔にも笑顔が戻ってくる。もう、彼は雲の上の人である。今を逃してツーショットのチャンスはないだろう!ということで、しっかり撮らせてもらった。まごうことなき、日本一のバーテンダーとのショットである。僕はこれを宝物にしたいと思う。
若手ちゃん達から、「やまけんさん、二次会もぜひ」というお声がけをいただくが、これは内部の人たちだけでやった方がいいのではないかと、僕ら三人は先に出る。もう、夢遊病者のような気分だ。すでに21時。3時からずっと観ているのだ。足はむくれ、腰が痛い。けど、しかし、興奮しすぎていて、このままでは眠れないだろう。繁華街に出て、韓国料理屋で餃子と冷麺をつつき、ジンロを飲む。
そうこうするうちにまたもやオーパ若手から連絡があり、僕らも二次会に参加させていただくことに。ありがたい。
二次会席上には、東京の新宿ブロックの面々が。みな、水澤君を囲み、しみじみと語らっている。しみじみとしていないのはオーナーの大月さんで、冗談ばかり言って笑っている。でも、この人がこの日、周りで一番気を揉んでいたことだろう。
僕はなんと水リンの奥さんの隣に座らせていただいた。ヨーコと呼ばれる美しい奥さんは、日本酒ぬる燗を頼み、ぐびぐびとコップに手酌で飲んでいた。
オーパはおそらく現時点で最強のバーテンダー軍団である。実は、前大会のチャンピオンのカツマタさんも、オーパ銀座店のバーテンダーなのだ。これが、その貴重なツーショットだ(いや、別に貴重ではないか、同じ店だもんね)。
カツマタさんは今年、ラスベガスで開催される世界大会に出場する!
そして、、、来年は、フィンランドのヘルシンキで開催される世界大会に、水リンが出場するのだ!
ああ、、、
今度はヘルシンキか、、、応援旅費、かかりそうだなぁ、、、
まさに望外の慶びを味わいながら外に出る。断続的に降っていた雨がいつのまにか上がり、彼を祝福している。日本一のバーテンダーと握手をすると、いつものスマイルが戻っていた。
「明日はやすむんでしょ?」
「いえいえ、月曜日から出ますよ!」
このblogを読んだ貴方、ぜひ門前仲町に足を運んで欲しい。そして、カウンターに陣取ったら、一言こういうことをお奨めする。
「日本一を獲った創作カクテルを。」
おそらくこのように動画や画像を沢山使って、翌日に情報を配信できたのはこのblogが一番最初ではないだろうか。blogをやっていて本当に良かった。歴史的な一夜の末席に、座ることができた。長い生涯、こんなに感動できる夜をあと、何回体験することができるだろうか。楽しみになってきた。
予報に反して晴れ渡った神戸の青い空のもと、全国から集まったバーテンダーの精鋭達による技能競技会は、僕などが予想もし得ない厳しさと誇りを持って開催された。この戦いの顛末をこうして送り届けることができることを僕は誇りに思う。今回は長くなる。でもぜひ最後までお読みいただきたい。その代わり、これを読んだ後、必ずカクテルが飲みたくなるはずだ。
のぞみの車中では、一冊の本も読まず、考え事をしているうちに新神戸駅に着いた。空は晴れている。東京で降っていた雨はどこへ消えたのか。お世話になっている熊本の農家さんからは朝、記録的な土砂降りだと連絡があったのに、なぜだろうなぁ。予報に反し晴れたのは、第二回食い倒れオフ会と同じダ!幸先がいいナと思いながら、駅に隣接する新神戸オリエンタルホテルへの渡り廊下を歩く。と、和歌山から来た津田ちゃん、そして地元神戸の人間であるニシガイチと落ち合う。二人ともよく上京する人間であり、そしてそのたびに僕は門前仲町のオーパに連れて行き、カクテルを飲んでいる。協議会の観戦とパーティへの出席で12,000円のチケットも「おう、そんなもん観られるのも最初で最後やろ、高くないわ」と言ってくれたので、一緒に観戦することにしたのだ。
バーテンダー競技会というイベントにいったいどれくらいの人が集まるのかと思っていたが、新神戸オリエンタルホテルの9Fに上がると、もう人いきれで一杯だ。酒販メーカの試飲ブースが並び、ドレスアップした人々が行き交う。いつもの黒Tシャツ&ジーンズの僕は急いでザックからジャケットを取り出した。
「以前は内輪の大会だったんですけどねぇ、、、一昨年くらいだったか、横浜のパシフィコで開催した時、2000人くらいお客様が来てしまって、大変だったんですよ。」
とは水澤ちゃんの言葉だったが、僕のような一般でも観戦できるようになった今年、本当に沢山の人がこの競技会を観ていた。
開場に入るすでに、ジュニアカクテルコンペティションが行われていた。ジュニアとは、26歳までのバーテンダーのコンクールだ。ステージの上にバーカウンターを模した演台が設置され、そこで大会が用意した道具を用いてカクテルを作り、技術を競い合うのである。彼らの対面には厳正な審査を行う審査団がいて、一挙手一投足を観、できあがったカクテルを一口すすってジャッジをしているのであった。
braオーパ銀座本店と門前仲町店のスタッフが、ありがたいことに僕らの席を最前列から3番目に取り置いてくれていた。最前列にはおびただしいビデオカメラの群れ。若きバーテンダーがシェイカーを降り始めると、一斉にカメラのシャッターが切られている。ものスゴイ雰囲気である。
のっけからこの風景にびっくりしたのであった。なんと立派な大会なのだろう!僕はこんなに厳正に厳かに整然と進行される会だとは思っていなかった。バーテンダーはこの舞台で戦うことを夢見ながら毎日、シェイカーを振っているのだ。まさに晴れ舞台である。
さてこの競技会の厳正さは、手渡されたブックレットを開くとかいま見ることができた。「大会マニュアル」と称して、進行と規則が記載されているのだ。この厳正さスゴイ。「服装は白コート、黒酢本、黒靴、黒蝶タイ、白ワイシャツ。」から始まり、4ページに渡り競技の内容が記されているのだ。
どのような競技なのか、かいつまんで説明しよう。参加するバーテンダーは20名。この全国の各ブロックで開催される予選大会を突破してきた精鋭たちである。競技は学科部門、フルーツカッティング部門、創作カクテル部門と課題カクテル部門の4つで構成される。これらを総合して高得点を勝ち得たものが、優勝することができる。
課題カクテルは協会が決めたカクテルを作り競うものだ。今年はなんとマティーニだ!水澤君が作るカクテルの中でも僕が大好きなマティーニなのだ。これは吉兆と思っていいのではないだろうか。使用する機器、酒の銘柄等はあらかじめ決められている。例えばマティーニの材料は、
・ウィルキンソン・ドライ・ジン47.5°…45ml
・チンザノドライ・ベルモット …15ml
・レモンピール
と、銘柄までか使用量まで定められているのだ。この分量が非常に重要になってくるのだが、それは後述する。
創作カクテル部門は、各々が生み出した創作カクテルを競う。こちらは材料に制限はないようだが、時間は6分。課題部門のマティーニは5分で仕上げなければならない。これらは、デコレーションの美しさ、味覚・香りの評価、シェイキングまたはステアの技術をみるテクニカル評価、そして総合的な態度をみる主観評価という内容でジャッジされる。
このように、ルール、会の進行、審査の厳正さ、全てが一流のコンクールであったことに圧倒される。まさに檜舞台なのだ。
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さて、ジュニアのコンクールが終わり、いよいよ本番である競技会が始まった。照明が落とされ、入場曲が鳴り響く中、白いジャケットを着た一軍が入場してきた。オーパのスタッフによると「水澤はエントリナンバー2番で、一番最初のクールです」という。この順番にもかなり運があるようで、barオーパのオーナーである大月さんは「もうこのくじ運引いた時にヤバイって思ったよ!」と言っていた。
しかし水澤君は堂々と入場してきた。出場者の中では背も高い方で、何より自信に満ちあふれている。壇上にあがり、歩を進める。
と!
ここでハプニングが起こった!水澤君の手が、出場者のナンバープレートを載せた置き台にあたってしまい、プレートが落ちる!慌てる水澤君。かけよる職員。大笑いである!
貴重なショットを掲載しておこう↓
いきなりのこの事態に、大月さんの心中幾ばくか。水澤君、治してから列に並び直したが、超微妙な顔である。でも、この一事をみて僕は確信した。
「これで彼は緊張しない!」
最初ででっかいことをしてしまって、今は頭の中が空っぽの真っ白になっているだろう。けど、この興奮状態が過ぎると、軽い躁状態になり、自信が出て落ち着くはずだ。そして、善し悪しにかかわらず、審査員に印象づけているはずだ。吉兆である。
競技は、ステージ上に4台の演台が設けられる。課題部門が右、創作部門が左側で2名ずつ同時進行で行われる。審査員団は課題部門と創作部門で違うので、ステージの双方で同時進行しながら競技が進行するのだ。
水澤君はエントリナンバー2番なので、いきなり創作部門の第一組で登場だ。名前が呼ばれ今度は何も倒さず(笑)入場。各々、台上の道具、グラス類を自分ように位置調整し、後ろに下がって合図を待つ。
「それでは、始めて下さい。」
戦いが始まった。創作部門、課題部門共に、開始直後に行う動作が、審判用に5客用意されたグラスを冷やすための氷の投入だ。一つ一つの動作が非常に競技会向けにセッティングされている。つまり、店では通常みない、軽くデフォルメされた美しい所作である。自動車の免許を取る際の試験で、指さし確認とかしなければならないようなものなんだろう。
水澤君の創作カクテルは、ご存じの「スプリング・ヒル」である。まさしく春の丘に暖かなな風がそよいでいくような、桜の香りのするカクテルである。
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■スプリング・ヒル
ホワイトラム・バカルディ 30ml
桜リキュール・ヘルメス サクラ 10ml
洋梨シロップ・モナンボワールシロップ 10ml
フレッシュレモンジュース 10ml
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水澤君の動作にはよどみが全くない。かなり落ち着いて作っているようだ。あたかも門前仲町のカウンター内にいるような、堂々とした所作だった。
シェイキングの瞬間になると、カメラマンが立ち上がりシャッターを切り出した。
ちなみに、関東ブロックから出場する選手は、やはり全国的にみてもレベルが高いのだそうだ。バーの店舗数などが関係しているのであろう。やはり競合が多い環境であればあるほど、レベルも高くなるのであろうか。その代わり、関東からは4人出場している。ライバルは数多いのだ。
そんな調合中の水澤君の動画を撮影している。回線に余裕のある方はぜひ観て欲しい。
■スプリング・ヒル調合中の水澤君(16MB)
優雅に、堂々と、水澤君の創作部門が終了した。時間にして6分。最後に瓶や器具の見栄えを整え、台を拭いて一礼する。ここであることに気づいた。水澤君の演技からは、器具がグラスやシェイカーに触れる「カチャリ」という音が目立って聞こえてこなかった。それが彼の印象的な優雅さに大きくつながっていることは明らかで、他の出場者からはしきりにカチャリという音が聞こえていたのだ。このことは、競技が進むにつれ確信的にそう思うようになった。
ともあれ、創作部門は、とても安心して観ていることができた。彼の退場後(何も倒さなくてヨカッタ、、、)、9組の演技を経て、次は課題部門。僕のフェイバリットであるマティーニだ。
(続く、、、本日中にアップするゾ!)
バーテンダー技能競技会、すごかったんです。
昼までになんとか書きますので、ちょっと待ってて下さいね。ちなみに本日は和歌山にいます。
明日の6月6日(日)、神戸オリエンタルホテルにて、全国バーテンダーコンクールがある。そう、以前告知したように、門前中町のBarオーパのトップバーテンダーである水澤君が、関東ブロック代表として出場するのである。俺は当然、応援に行くのであった。
競技会は15時から。オーパの従業員がとってくれている最前列で見守る。この様子はもちろんレポートさせていただくので、楽しみにして欲しい。
とりあえず食い倒れ日記読者の皆さんは、ミズリンを応援してあげて欲しい。精一杯生きて、自分を全うしてくれ、ミズリン!その姿をしかと見届けよう。
(12:50 内容追加しました。)
秋田県を旅行して食事をすると、必ずと言っていいほど食卓に上る山菜がある。「みず」である。蕗(フキ)のような外観、合成着色料でも使っているのではないかと思うような派手なライトグリーンの見た目と違う、実に地味な渋い味わいの山菜である。
しかし山菜の名前って不思議だ。「ミズ」って、水のことか?と最初に思ってしまったし、それ以外にも「しどけ」とか「うるい」、「あえこ(あいこ)」など、由来を知りたくなってしまう名前が多い。無論それらは、美しい名前だ。
さて、今年深くコミットすることになる秋田県庁にお勤めのイトウ氏より、ご連絡をいただいた。
「昨日の朝に、実家(河辺町:秋田県のほぼ中心地点)の脇にある沢筋で「みず」と「うるい」をゲットしました。
家の中でお茶飲んで「さあいくぞ」と言ってから、ものの25分位で山菜採りは終了しました。私は、一人ではできないので、実家の両親に教えを乞うていますが、なんだか、あまりに手軽なので拍子抜けしました。
伊藤の家に戻ってから、伊藤の祖母・義母に話を聞くと、家の周りにも「みず」はいっぱいあるということでした。
食べ方とか処理の仕方はご存じのことと思って、昨日、早速クール便で送ってあります。モノ持ちを考えて葉っぱを採らずにおいたので、ゴミになりますが御勘弁ください。
伊藤の家では、甘口だし醤油とショウガの千切りの漬けダレに浸して、お浸し風(一夜漬け?)にアレンジして食べました。」
そして送られてきたのがこれだ!
たっぷり3Kgくらいの堂々とした太さのミズ。葉付きのものでこんなに太いのは初めて観た。けど、いつも秋田の食卓でみかけるミズと違って、あの鮮やかな緑色ではなく、山中に地味に生えているような色そのままだ。どうやったらあんなに際だったグリーンになるのだろうか?
幸いなことに伊藤さんから、調理方法の解説ページを教えて頂く。初めて知る山菜の下ごしらえ方法の数々。情報取得については本当にいい時代になったもんだぁ。
■保存版 山菜の下ごしらえ&調理法
http://www4.dewa.or.jp/hatt/sansai.html
書かれている通りに、ミズの葉をプチプチととる。これが結構面倒である。根本からしごいて一気にとろうとすると、食べる茎部までもブチっととれてしまうからだ。1Kg分をはずすのに結構な時間がかかってしまった。
葉をとって鍋に入る長さに切った(何せ40cmくらいある立派なものなのだ)ものがこれだ。
これを、沸騰した湯にさっと30秒ほど通すと! なんとなんと! ダイナミックに色が変わったのである!
これかぁ、、、このどぎついばかりの鮮やかなグリーンは、やっぱり自然由来だったのかぁ、、、目の前で起こった錬金術に、実に納得である。
さてこの湯通し状態になったみずを冷水で冷やした後は、おひたしにしてもよし、煮物にしてもよいとのことだ。僕は、Webにも書かれていた「みずのたたき」を作ってみた。
太いミズの根元部分には、トロンとした粘りがある。ここを包丁の背でたたき、細かくしてニンニク味噌と和えるのだそうだ。ちょうど青森の田子町のニンニク味噌がある。それに山形まあどんな会のなんばん粕漬けを混ぜてみる。
こんな単純な一品が、びっくりするほどに旨い! 新鮮なミズは、かみしめると ザキっという強い歯触り、そしてトロンと汁が染み出してくる。癖はほとんどないが、甘い香りがニンニク味噌に絡み、その後、なんばんの辛みがウワっと湧いてくる。 、、、身体の中に秋田の清涼な風が吹いた気がした。
さて、このエントリを読んでくださった、農産物業界の大先輩であるアマナイさんから、連絡があった。
「やまけんちゃん、僕は青森出身で、ミズは大好きなんだよ。それでね、ミズの扱い方、間違ってるよ。ミズは、包丁で切っちゃダメ。手でちぎるようにするのが一番。あと、フキのように繊維があるから、皮をむくとイイよ。手でちぎるときにむけるから。あと、ミズには赤ミズと青ミズがある。君が食べたのは赤ミズの方だね。どっちも美味しいから、今度は青森にも食べにおいで!」
なるほど!アドバイスありがとうございました!
こんなに地味に美しく、野に在って都の人間の心を豊かにする山菜に、今年は会いに行こうと思う。
いやはや、無茶苦茶な夜だった。もちろん、滅法面白かった。
無二路にて16時からWebリニューアル企画の会議。その後、店の隅っこで原稿を書きながら夜を待ち、20時よりLivedoor社長の堀江氏を迎えてのディナーである。
実は今日はもともとは、僕がお世話になっている生産者団体の人が幹事となり、若手官僚の方々を集めた会の日だ。その生産者団体の野菜を使った料理を特別に重シェフに作ってもらい、振る舞うという企画。ところが当初7~8人といっていたのが最終的には19人の大所帯になってしまい、かなりのスペースを占拠することになってしまった。そこで、僕は堀江さんとの話もあるので、奥のテーブルに待避し、時折顔を出すようにするという算段にした。
原稿を書きながら1時間ほど待っていると、予約客であろう、4人組の女性陣が僕の隣のテーブルに座る。びっくりすることに4人ともマジで美しい、合コンを前提にしたら最強といえる4人組だったので、のぼせてはイカンと思い、目を合わせないようにしたのであった。
でも、何かがオカシイ。僕をみてニヤニヤしている。
まさか、、、
「すみません、あの、ヤマケンさんですよね???」
あああああ
blog読者さんだったかぁ、、、
そのとたんに緊張が一気に吹き飛ぶ。
「あんまり美味しそうなんで来ちゃいました!まさか会えるとは、、、」
話を聞いてみると、僕のblogを相当に読み込んでいる!ヘビーユーザである、、、某リース会社のバリバリOL軍団である彼女らとはウマが合ったので、ちょうど堀江さんも時間より遅れてきたので、食い倒れアホ話で盛り上がったのであった。
そのうちに、奥のテーブルに人影が。実はこれも、僕がこの店に連れてきて以来、食い倒れの虜になってしまった日本オラクルのミッチーである。本日はお客さんを連れて来ていたのであった。
「まさか今日もやまけんさんが居るとは!」
そう、居るんだよ、、、
ふと観ると、手前のテーブルには、このblogでもかなり登場している、プロコムジャパンの矢島社長がご家族でいらっしゃっている。矢島さんのお母様もいらしていて、僕は彼女から信州のタラの芽を毎年いただいているので、お礼を申し上げる。
その周りには、例の若手官僚さんの会のメンバーが集まりかけている。これで店はすでに満杯である。
そう、今夜のお客さんは、全員、またもや食い倒れネットワークに連なる人達だったのである。オーナーの大塚さん夫妻も笑うしかない状況である。
そうこうしているうちにライブドアの堀江社長と副社長さんが登場。会食スタートと相成った。
堀江さんは僕と同じくTシャツで来た。それだけで好印象なのだが、この人はとにかくたくさん食う!ご同行の副社長さんが中盤でギブアップしている時、ちゃんとメインの羊まで行き着き、ドルチェも残さず食べていった。その一件だけで僕は彼をナイスだと思った。
ちなみに、今日のメニューは特別だ。生産者団体さんから届けられた野菜をフューチャーした料理が並ぶ。同じ物を食べられたのは、僕のテーブルと、若手官僚さんの会のテーブルの人たちだけだったので、他の人たちには申し訳なかった。
白眉は、大葉をジェノベーゼペーストのように仕立てた冷製スパゲッティだ。
この生産者団体の目玉といえる、完全無農薬無化学肥料で栽培されたスーパー大葉は、オイルと辛み、野生のハーブっぽい香りのソースに変容していた。予想より若干おとなしめの味になってしまったが、新しい味でなかなかよかった。
その後はここで初めて食べることになった、イカスミのリゾットだ。
重シェフはリゾットが上手い!米の芯が残るアルデンテに仕上げられたイタリア米に、ネットリとしたイカスミペーストが絡む。よく炒められたイカのワタも入っているようで、濃く芳醇な香りがする。
そして一番本日旨かったのは、これもここで初めて出てきた、ラザニヤだ。
ペシャメルソースとミートソースをラザニヤ生地に挟み、上からシチリアンハンバーグのソースをこれでもかとかけた、超豪華マンマの味だ!なぜか僕の皿にはハンバーグが8コくらいぶち込まれてきた、、、
この後、どうみても5人分はある羊肉のローストが出てきた。僕は3きれ食べたが、さすがに食いきれない。ライブドアのお二人のおみやげに包んでもらった。
隣席をみると、最初あんなにはしゃいでいた美人連は、もはや胃袋の急激な拡張に伴う無言状態になり、うつむき加減である。うーむ そういうのもあまりよくないかもしれないなぁ。食べるの手伝えばヨカッタか。スマン、気付かなくて! あと、ペスカトーレ出せなくてスマン!材料揃わなかったらしい!
さて
堀江さんの実家は福岡の農家であった。驚くほどに農業現場を知っている人であった。それゆえ、食に関わる仕事にコミットしたいという熱い思いを持っているように見受けた。それ以降のことは、ここではまだ書けない。もしかしたら、かなりおもしろいことを一緒にすることになるかもしれないが、まだわからない。
気付くと0時を廻っていた。
そうそう、オーナーから、このblogを観て来店を検討している人への伝言がある。
「お願いですから、ヤマケンblogを観ていらっしゃるのでしたら、電話予約の時に最初にそうと言ってください。それなりの準備をします。帰る間際になっておっしゃられても、何もできませんので、、、」
とのことだ。しかし同時に、偽ヤマケン友達っぽい人もくるのだそうだ(?)
「やまけんの友人なんだけどぉ」
と言って入ってくるにも関わらず、大塚さんが「やまけんさん、今夜もいらっしゃいますよ」と言うと、急にそわそわする人もいるそうである(笑)
ま、正直ベースでやってください。しかし僕も出世したものである。
タクシーで木場まで帰る車中、閉じてしまいそうになる目を必死に開ける。人との出会い、つながりが日々増えていく。仕事を一緒にしたいというご依頼もいただく。何から何まで、恵まれている。
これこそ「望外のこと」というのだろう。運は依然として僕をどこかへ誘う。後は僕自身の内実を、それに沿うように深化させていかなければならないのだ、と強く思うのだった。どうぞ皆さん応援してください。
(14:00に追記!)
表題の通りなんですが、アスキーの別冊にカラー1ページ使って、「出張食い倒れ日記に掲載されている店って本当に旨いのか?」というページが掲載されます。明日発売なので告知。
■週刊アスキー 2004年6/29号 別冊 「300万人のblog大全」
価格:500円
http://www.ascii-store.com/catalog.cgi?id=64592
編集部のyuzuko嬢曰く
「いろいろ食い倒れ系のサイトあるけど、、、やまけんのが一番暴力的!絶対に食べたくなる!」
とのこと。お褒め頂き光栄である。
数週間前に無二路にて取材。もちろん「旨かった!」とのこと。詳細はぜひ購入して読んで頂きたい。74ページに掲載されているだ。写真もさすがにプロ、非常に綺麗!これは保存版て感じですな。
立ち読み厳禁、つーことで(笑) 500円だしね。よろしくお願いします。
----------------追記-----------------
たった今、見本誌が届きました。食い系のblogで取り上げられているのが4件なのですが、blog仲間のreitaroさんのお奨めぺージも出てました(笑)
それと11ページにも出てますね、おいらのページ。ありがとさん!
すでに寿司処 匠に行かれている方は、本人から聴いているかもしれないが、、、江戸前寿司・期待の星である加藤ちゃんが結婚する。本人から公表許可が出たので告知しよう。ああ、ようやく内緒にしなくてすむ、、、
お相手は、店に行ったことがある人なら、きっと見たことがあるはずの女性だ。人知れず(なのか?)二人で愛情をはぐくんできたわけだ。本当におめでたい。これでますます加藤ちゃんの寿司道への精進に磨きがかかることだろう。
挙式は7月3日だ。なんだか僕は挨拶をしなければならないらしい。考えようっと。皆さんもお祝いの言葉をぜひ、カウンター越しにかけてあげて欲しい。
ちなみに本日の一貫。
■まぐろ赤身ヅケ(やまけんサイズ)
となりのご夫婦が一瞬目をむいて見ておられた、、、
先日、埼玉の実家に帰った時に、おふくろにお茶を煎れてもらい、飲む。その茶、何かがオカシイ。「このお茶、結構安いのよ」と言っているのに、妙に味が濃い。もしや、、、と思って袋の裏を見ると「茶加工品(アミノ酸等)」と表示されている!
、、、何のことだと思われるかもしれないが、これはいわゆる「化学調味料」である。安いお茶であればあるほど、化学調味料を添加して旨みを人工的に醸し出しているケースは多い。皆さんも今自分が飲んでいるお茶をひっくり返してみてみるといいだろう。まあ、化学調味料がいちがいに悪い!と言うわけではないし、そんな茶はダメだというつもりもない。けど、自分のおふくろにはきちんとしたものを飲んでほしい。
「けどねぇ、普通の人にはいいお茶がどこで売ってるかなんてわからないものよ。」
とおふくろは言う。そうかもしれない。確かに今、お茶専門店で茶を買う人も少なくなり、大半はスーパーマーケットで購入する人が多い。そうなると、大メーカの商品ということになってしまい、「よい茶」を買うことは出来ない。
僕にとっての「よい茶」とは、美味しいということは当然だが、できればブレンド内容と産地、茶の品種が明確になっているものだ。「静岡茶」とか「鹿児島茶」などと銘打たれていても、その中身は農家によって千差万別。それが製茶問屋で微妙な配合にブレンドされる過程で、味の方向性が決まり、販売されるわけだ。もちろん通常の小売店ではなかなかそこまでの情報は出てこない。だから、信頼できる小売店で買うということが必要になるだろう。僕の場合は、長年おつきあい頂いている製茶メーカの葉桐から直接買い求めているのだが、それはイリーガルな形で、通常はしてもらえない。
実は以前、この葉桐のお茶の紹介をしたときにも、「一般で買えるところはないのか?」と問い合わせをいただいた。そこで一般の人でもすばらしいお茶を買える店として、無店舗でお茶の小売りを行っている「錦園」を紹介した。その後のレスをいただいてないので満足されたかどうかはわからないのだが、、、
■日本茶専門店 錦園石部商店
http://www.nishikien.com/
この錦園は、理系の技術職から脱サラしてお茶屋さんになってしまったという超こだわり系お茶やさんである。細身の身体でオフロードバイクを駆って、静岡市で最高のお茶がとれる「本山」の工場に通う彼と、何回も遭遇したことがある。実際に生産者の畑や、製茶工場まで通い、その年の本当にいいコンディションの茶葉を仕入れる。これができる小売業者が、この日本にどれだけいるだろうか?
そうして仕入れた茶葉を、最終段階の調整(「合組(ごうぐみ)」)をし、かつブレンドする。ブレンドというとよいイメージがないかもしれないが、通常販売されている茶で、2種類以上のブレンドをしていないお茶は、ごくごく少数である。むろん、ブレンドの内容もいろいろある。とにかく安いお茶にするための水増しブレンドもあれば、よいお茶をより美味しく飲むために行う前向きなブレンドもある。石部さんが行うブレンドは勿論後者だ。ある香りの茶と、ある味の特性をもつ茶をブレンドすれば、相乗効果ですばらしい茶商品になる。そのためには、茶葉の特性に対する深い理解と想像力、そして経験と絶対的な味覚が必要になる。石部さんは、信頼に足る人だ。
で、母の普段使い用には、この錦園の特選(1000円/100g)と、玉川横沢(1500円/100g)を試しに飲んでみて、ということで送っておいた。その際に、石部さんから連絡があった。
「お買いあげありがとうございました。ヤマケン用にも面白いお茶をいくつか送りますのでお楽しみに」
そうして数日後、送られてきたのだ。銘柄名が書いておらず、A,B,C,Dとだけシールの張られたブツが、、、明らかに試されている、、、気合いをいれてテイスティングしなければと言うことである。
お茶のテイスティングも、基本的にはワインや日本酒と同じようなものだが、プロの味覚を総動員したテイスティングには所詮素人の僕はまったく敵わない。一度、葉桐の専務さんに、静岡の茶市場に連れて行っていただいたことがある。テーブルの上にめぼしい産地の茶葉が並び、白い磁器の器に茶葉を入れ、湯を注ぎ、その茶葉を網ですくって香りを嗅ぐだけである程度の判断をしていた。まさにプロである。
ま、そこまでのテイスティングは無理だが、茶道具を総動員してやってみるだけやってみることにしたのであった。
(続く)
イタリアン好きならば、「イ・ビスケッロ」というトラットリアの名前を聞いたことがあるだろう。なぜか江東区木場にひっそりと在るこの店が名店、それもあまり人に教えたくない隠れ家的名店として知られているということは、僕も認識していた。しかし、これまでは行ったことがなかった。敷居がちと高そうだったからね。
そんな中、僕が愛する大阪の「旭ポン酢」を大阪帰りのついでに買ってきてくれたblog読者のkappaが「どうせならイ・ビスケッロで受け渡ししようよ」と言うので、これ幸いとばかりに行ってきたのであった。実に噂を初めて聞いてから3年目にしてようやくである。
場所は書かない。オフィシャルなWebにも記載されているので、そちらを見て頂きたい。なぜかと言えば店の人が言うのだ。
「あまりお客さんにドドッと来ていただきたくないんです。」
、、、なかなか言えるもんじゃない。
今回はランチコースだ。13時に訪れると、広い店内には一人もお客さんがいない。
テーブルの間隔も広めにとられており、落ち着いた雰囲気である。なんとなく暖炉がありそうな暖かみを感じるのは、北イタリア料理を標榜しているからだろうか。
ランチコースは2500円と3500円。本日は2500円の方だ。ちなみにランチの場合は前日夜までに予約が必要だ。給仕の女性は、これまた浮ついたところのない落ち着いた女性で、笑顔でとサーブをしてくれる。
「本日のコースは、生ハムと季節の野菜のサラダ、旬のシラスのスパゲッティ、そしてデザートとなっております。」
シラスのスパゲッティ!それはまるでシチリア料理のような響きだ。北イタリア料理っぽくはないが、どういう料理なのか!?パスタ研究bloggerであるkurakiさんのWebでも見たことがないゾ。思わず声が出た。
「あ、あの、、、スパゲティ大盛りって可能ですか?追加料金とってくださっていいので、、、」
「は? 、、、はい、ちょっと厨房に確認してきますね。」
1分後、にこやかに戻ってきた彼女は、「1.5倍増しできますよ。」と言ってくれた。思わず「2倍に」と言いかけてやめた。大人は「足るを知る」ことが重要なんである。
さて一皿目のサラダだが、ランチコースでいただくにはとてもゴージャスな内容だった。
上から見ると葉野菜で隠されているが、中には丁寧に蒸し煮された春野菜が生ハムにくるまれている。
重要なことなのだが、それぞれの野菜にはしっかりと塩とドレッシングがまぶされ、それにバルサミコとオリーブオイルベースのソースをつけると、野菜の味が強調される。素材がよければ何もしなくて美味しい、という言い方もあるが、素材の味をきっちり引き出す塩加減を「塩梅(あんばい)」というのであって、これがしっかりしていないと料理として旨くは成らない。この店のサラダはそれがなされていると思った。
しかもこの生ハムが旨い!給仕の方に訊いても産地の名前は忘れちまったが、パルマではなく3番目くらいに有名な産地のもので、味が柔らかく好評だという。たしかに野菜に合わせるにはこのような優しい味加減がいいだろう。パンでドレッシングまで拭いていただいた。
さて、スパゲッティが、海とトマトの香りをぷんぷんさせながら運ばれてきた。
旨そうダ!
正直言って、来るまで「北イタリアかぁ、、、もう暑くなってくるし、カルボナーラとか出てきたらやだなぁ」なんて思っていたのだ。それと、「シラスのパスタ、、、どうせ、アーリオ・オーリオ系でオイルベースのさっぱりしたパスタだろうな」と思っていたのだ。でも、、、全然違う!!写真見ただけでわかると思うけど、あの濃い目のトマトと魚介のひねた香りがネットリと漂ってきて、すばらしく旨そうなのだ!なんだか最近はまったシチリア料理の香りがする。
早速フォークに麺をからめ、シラスを塗りたくって口に運ぶ。適度に熱々の流体から、ものすごい香りの塊が弾けた。オイルの奥にニンニクとシラスの旨み、そしてなんだかわからないのだけど、適度にひねた感じの香りのエッセンスが漂ってくるのだ!シラスは熱を通されているので、とろとろになりながら塩辛的旨みをだしている。そうか、旨みと香りの基はシラスだ。考えてみれば、シラスははらわたも食べてるわけだもんね。アンチョビとは違った旨み成分の溶出元なのだ。
「旨い!」
本当に旨い!トマトソースもこってりと濃く、満足度十二分である。やっぱり二倍にしておけばよかったと悔やむのであった。あっという間に食べてしまい、デザートにはパンナコッタを頼む。
ぽってりと球形のパンナコッタ、ピスタチオやアーモンドの香りがする、手の込んだものだった。美味しい、、、
これにコーヒーが付いて、2500円。あのパスタは1200円以上の価値がある。生ハムがたっぷりと盛られて、野菜にも丁寧な仕事がされたサラダが800円、デザートとコーヒーで500円と割り振れば、むちゃくちゃリーズナブルだろう。満足した。
しかし、こんなお店なのに、13時から僕ら二人だけだ。
「いえ、その方がいいんです。夜の仕込みをしながらお昼を食べてくださる方にお出しすると言う感じなので、沢山お客様がいらっしゃると困るのです、、、」
と、あくまで「あんまりお客さんが増えて欲しくない」という基本線を崩さない。
だから言おう。皆さん、イ・ビスケッロは旨い!けど、行っちゃダメ!おいらは月に一回にとどめようと思った。Kaapa、誘ってくれてありがとな!
このように、木場にはなぜか名店がある。なんとなく、地元に誇りを持った昼だった。
いやぁ 当日の昼に告知して、こんなにきゅうりを欲しいという人がいるとは思わなかった!池袋のメトロポリタンにてお一人、そして夜の11時過ぎに、木場駅にて5人が、長島農園のブルームきゅうりを手に入れたのでありました。これはなかなかに笑える図です。
そしてまたもやおもしろい符号が!
メトロポリタンでキュウリを取りに入らした方は、なんと衆議院議員の秘書さんでした。会議の合間だったのであまり話は出来ませんでしたが、、、そして夜、木場駅前に車で来てくださった方も、また衆議院議員の秘書さんだったのです!なんだそりゃあ!
「やまけんさん、国会の議員食堂の蕎麦は、350円くらいでやたらと盛りがよいので、今度食べに行きませんか?」
ええええええええ
行く行く行く行く行く行く!
ということで、近日中に国会の議員食堂潜入ルポをお届けしたい。
本日きゅうりを持ち帰った皆さん、生産者の長島君もこのblogを見てますので、感想を書き込んでくださいね!
今日、取りに来られなかった方は、クック&ダインで買うことが出来ますよ。