やまけんの出張食い倒れ日記

神保町「エチオピア」のカレーは薬である

 農林水産省のトレーサビリティ実証実験事業の最終段階で、全国の農業関係者600人の前でのプレゼンテーションを行った。11団体全部が集まる大きなイベントだ。こういう多人数の前で話をするのはもう慣れているので全く緊張はないんだけど、そんなことよりも何を昼飯に食べるかのほうに気が行く俺様であった。こんな感じである↓

このイベントが神保町の日本教育会館というところで実施されたのだが、神保町といえばカレーの名店が集まる土地なのである。中でも本格的なインドカレーを出してくれるのが、駿河台交差点からすぐのところにある「エチオピア」だ。この店のことはWeb上にもたくさん載っているので、情報はいくらでも探せると思う。

味は南インドっぽいといえばいいんだろうか。スパイス類の薫りがダイレクトに鼻孔を直撃する、実に本格インドカレーである。中でもクローブの効きが強く、独特の薬膳味がするのだ。神保町に足を運ぶ際には、5回に一度は僕も食べることにしている。湯島の「デリー」のコルマカレーと並ぶ価値がある店だと思う。

この日は混み合う時間帯をさけて11時の開店直後に行ったため、すぐに席に座れた。しかしこの店は、オーダーが入ってからカレーの最終調理にはいるらしく、出てくるまで非常に時間がかかる。店内は典型的スタンドカレーの様相なのだが、その辺が違うところなのだ。

で、僕はこの店では野菜カレーが好きだ。野菜カレーといえば、どうみても手抜きっぽい冷凍加工野菜を使ったものが多いなか、エチオピアでは実にきちんとした野菜を多量に使ってくれるのだ。ナス、インゲン、にんじん、ミニトマト、ガルバンゾ豆がふんだんに入っている。本物の野菜カレーといえよう。

みての通りの外観だが、ルーには小麦粉はいっさい使われていないはずなのにトロ味がついている。これは純粋にスパイスの粘質感だろう。先に記載したようにクローブの薫りが強いが、それだけでは説明のつかないプロフェッショナルな奥深さが間違いなくある。一緒に食べに行った青果物仲卸業の友人は静かに

「これは、お金を出して食べる価値のあるカレーだね」

と言った。その通りで、スパイス使えばいいという物ではない。プロフェッショナルであれば、多種多様のスパイスをまとめてどのような世界観を現出させるかを競うべきだ。その点、エチオピアはスバラシイのである。

実は11日と12日の両日、この店に通ってしまった。やはり好きなんである、、、でもなぜかこの店を出た瞬間に、デリーのコルマカレーも食べたくなる。 うーん 悩みどころなのであった、、、

そうそう12日にこの店に友人を連れて入るところを、blog読者であるsatokoさんに目撃されてしまった。うーん 世界は狭いなぁ、、、