やまけんの出張食い倒れ日記

ラーメンオタクの聖地なのか? 茅場町「八島」のひんぎゃ塩ラーメンは絶品だ。

おうさるさんといえば、僕にジャポネ道を指南してくれたり、絶品トルコ料理「イズミル」を教えてくれた、食い倒れお仲間の一人である。彼の旨い店情報はかなり確度が高い。そのおうさるさんが、非常に強く行こう行こうと誘ってくれる店があった。それが「八島」である。

「茅場町のラーメン店「八島」に行きませんか? ひんぎゃ塩ラーメンが絶品です。 つまみも豊富で、飲めるラーメン店です。

私が運営しているmixiのコミュニティです。
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もし時間が取れそうなときがありましたら、ご連絡くださいね!」

ふぅむラーメンね、、、と、この情報は、執筆で忙しいこともあって、しばらく寝かせておいた。このブログを昔から読んでくれている人にはもうお分かりだろうけど、ラーメンの登場回数は驚くほど少ない。そう、僕はそれほどラーメン好きではないのである。理由は簡単で、あまりおいしいと思うラーメン屋に出会ったことがないのだ。というと、きっとラーメンマニアの方々には怒られるのだろうけれども、とにかくラーメンにはそれほど惹かれない。まだ今のように人が並んでなかった頃の池袋・大勝軒のもりそばや、17年前に食べた熊本のラーメン北熊(ほくゆう)の本店の味など忘れがたいものもあるのだが、とりたてて好きというものではない。

ということでこのおうさるさんからのお誘いも、そんなに気が乗らなかったというのが真相である。しかしおうさる氏、この店には特別な愛着があるようで、再三に渡りお誘いがきた。ここは一発いってみるかぁ、と重い腰を上げることにしたのである。そしたら、

「ラーメン仲間がみなヤマケンさんを手ぐすね引いて待ってますよ!」

という。なんだなんだそういう趣旨なのか?
実はこのおうさるさん、ラーメンマニアの集いの一人である。ここから発した人に、かの築地王、そして先日のパスクワリーノオフ会にて通訳をしてくれた髭ちょうの加納さんが居る。彼らも呼びましょうということになったのだが、築地王、加納さんの二人からも連絡があり、異口同音に「用心した方がいいよぉ、変な人たちが来るからねぇ~」と言う。

ちょっと怖くなりながら当日を迎えたのであった。

■八島
東京都中央区日本橋兜町16-1
03-3666-9891

さて入店するとラーメンマニア、いや加納さんいわく「ラオタ(=ラーメンオタク」)らしき方々がテーブルを囲み、すでに熱いラーメン論議を交わしている最中であった。挨拶をしてその末座に加わらせて頂く。なんだかもう居住まい自体がラーメン!て感じの人たちばかりかと思ったが、普通の人たちに見える(当たり前か)。ちなみに、この左側の方はTVチャンピオンのラーメン王の回で準優勝した方であるとのこと。

おうさるさんも到着するが、すでに飲んできているらしく超ハイテンションである。先行き不安このうえない。

「さあ沢山食べて下さいねヤマケンさん!まずはこれ、家常豆腐食べて下さい!」

家常豆腐は四川料理の定番だ。そういえばこの店、つまみが充実しているときいたな、と思っていたら、旨そうなのが出てきた!

おーーー 豚肉と豆腐の厚揚げ、中国醤油の濃厚なソースがトロトロに絡まって旨そうである。

食べてみると、見た目どおり旨い!本格的中華の味ではないか!

「やまけんさん、実は厨房の彼女は中国から来た人なんですよ。我々は彼女の腕を厚く支持する者達なんです!」

そう、この八島では厨房内には女性が一人いるだけだ。この写真の左広報、カウンター内にいる方である。

実に福々しい顔をした方だ。注文を受け、「ふふん」という顔をしてサササッと調理する。余裕満々の料理人である。

「さあ、直接輸入した腸詰めがあるみたいですよ!」


中華の腸詰めはとにかく生ハムのように熟成された豚肉の旨味が最高だ。

直接中国から取り寄せているというこの腸詰めのコンディションはとてもよい。甘く生っぽいソフトなタイプの腸詰めであった。壁に貼っているメニューを観たらなんとこれで400円。さっきの家常豆腐もそれくらいだと言う。安いではないか!

この店のつまみメニューは250円から600円と安いものが揃っている。しかもかなりのレベルで旨いということがこの後に証明されまくるのである。

「はい、牛肉の刺身です!」


おお、脂身の少ないモモ肉が細切りにされ、りんごを添えて出てきた。このコンビは非常に会うのだ。

薬味醤油につけて頬張ると、しっかりした肉の香りと食感が嬉しく溶けた。

というように運ばれてくる皿を楽しんでいる最中も、ひっきりなしにラオタの方々が登場する。

この写真で真ん中に立っている方はTVチャンピオンのラーメン王になった方だそうだ。つまりチャンプと準チャンプが集まったのだ。しかも隣には築地王が居る。すんげぇなぁ、、、こんな人たち集うリアルコミュニティがあるのだ。しかもこの日の後半には、かのカリー番長も登場した。なんだかすごいことになってしまったのである。

どうやら皆、スペシャリティを持っているようで、「この人はうどん!この人はカレー!」というような感じでご紹介をいただいた。僕のような広く浅くの人間とは違い、一本の道を深く掘り下げるその姿勢は凄まじい。口角泡を飛ばしまくって議論をしているその様は、とてもじゃないが僕には真似できないのであった。

■砂肝山椒煮(400円)

鶏の煮こごり状ゼラチン質の絡まった砂肝は、絶妙に中央部分がピンク色で、魅惑的な食感だ。

花椒の香りが柔らかく効いた旨い一皿だった!

■レタスのオイスターソース掛け(400円)

レタスは火を通して食うと旨い!特にこの、湯引きか炒めてのオイスターソースかけは旨いのだが、この店の一皿は400円にしては安すぎないか?というレベルだ。

レタスのシャックリ感を残しながらしんなり脱水させ、程の良いオイスターソースがかかっている。旨い。

そして僕が泣きそうになるほど気に入った一皿がこれだ。

■豚肉のニンニクソース掛け(600円)

この一皿、文句なしだ。生レタスの上にゆで豚が載っていて、ねっとりしたニンニク風味のソースがかかっている。

デートの前には絶対に食べてはならないが、激旨だ。この料理が最も気に入ってしまった。

さて座は入れ替わり立ち替わりで人が増えていく。

いつのまにかSPJこと加納さんも加わり、議論の声のデカサが倍増しつつある。
そんなタイミングでようやく麺である。ひととおり全部頼んだのが順々に出てきた。

この店を有名にしているのが、「ひんぎゃの塩」という伊豆の離島である青ヶ島産の塩で味をつけた塩ラーメンであるという。そこに海老ワンタンを載せたのが、この店一番のお勧めであるとおうさる氏は言う。

■ひんぎゃの塩 海老ワンタン麺

写真ではちょっと着手が遅く海苔がへたってしまっているが、とにかく淡く控えめな外観のスープと佇まい。そこに逆に旨そう感が漂っている!

スープはこの通りの透明な白濁感だ。一口啜ってみる。

おおおおおおおおおおおお
これは旨いなぁ!

ミネラル分のタップリ含まれた塩なのだろう、それがあっさりとしながらも芯の通った魚介系のスープにマッチして、えも言われぬ香りが発生している。

このワンタンがまた旨い。海老のプリプリと肉の旨味が一緒に味わえる。ワンタン皮はツルリとしており、スープと非常にマッチしている。

残念ながら話をしながら並行して何種かのラーメンを食べることになったので、麺がすこし伸び気味になってしまった。しかし、この麺も細めながらツルリとしたテクスチャ、癖のない風味で、スープと合っている。文句なく旨いラーメンである。

この他、醤油ラーメンと辛味噌ラーメンも食べた。

醤油ラーメンも、醤油があっさりめに使われているのでドブドブしておらずおいしい。

辛味噌ラーメンは麺が太麺に変わる。


太麺の食べ応えはかなり強い。辛みそスープが上品さを保ちながら濃厚なので、この太麺にマッチしている。

と、3種の麺を食べたが、やはりこの店のスープと麺には塩ラーメンが一番ピッタシ来る感じがする。実に感動的に美しいラーメンだった。こんなに多くのラオタが席に着いているのだから、それも当たり前かも知れないが、僕のようなラーメン知らずにも非常に美味しい麺であった。

しかし密かにそれ以上に気に入ってしまったのが、チャーハンだ。

一皿700円。特別メニュー的に壁に貼っている。

ぱらりと言うよりしっとりと炒められたこの焼きめし、実に素朴に旨い!ラー麺とチャーハンの双方を食べるべきだな。それに豚肉ニンニクソースというのが、僕の気に入った料理群である。

この日、さんざん食って、みんながまだ飲み足りないと言うので、これもおうさるさんのお気に入りの立ち飲みバーに寄ってさらにしばらく飲む。閉店後ももう一件とおっしゃるのだが、我々はここで離脱。ラーメンオタクの皆様の活力恐るべしである。

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さて、この日はおしゃべりとか、酒を飲みながらだったので、正直言って自分の味覚感に自信が持てなかった。そこで後日また訪れて気になる皿を食べてみたのである。

厨房内の彼女は「ああ、いらっしゃい」とニッコリ笑ってくれた。そしてテーブルにはやはりラーメンオタクの方々がすでに飲んでいらっしゃった!

さあこの豚肉ニンニクソース掛けからである。

やっぱり絶品!豚とレタスと一緒に食べると、シャクシャク感と瑞々しさ、ニンニクソースの旨味が重なり合って最高である!

そしてひんぎゃの塩ラーメン。


やはり端整で美しい佇まいだ!

スープは本当に淡い色だ。一口啜る。先日の、ちょっと酔っぱらった舌では感じられなかった複雑にしてサッパリとした旨味成分と香りを感じる。旨い!

先日はすぐに口に運べなかった麺をすぐさま啜る。

旨い!

この麺、実に繊細だ。ツルツル感の強い表面、美しい食感のコシ、淡泊な香り。全てがスープとの相性を考えた要素だろう。いやこれは文句なしだ。ラーメンはそれほど得意じゃないが、この店の塩ラーメンは食べたいと思う。

ラオタの方々との強烈な出会いもさることながら、この店の独特な雰囲気も堪能した。実はこの店、すごくいろんな経緯でここ茅場町に来ているのだが、その話はぜひこの店に来て、ラオタの方々に訊いて頂きたい。この店の、想像を絶する深い歴史が聴けることだろう。

八島、旨い!日本橋の事務所から歩いてもすぐだ。常用したいと思う。ちなみに昼もやっているので、ランチとしてもいけそうだ。おうさるさん、そしてラオタの皆様、歓迎して下さってありがとうございました!