やまけんの出張食い倒れ日記

「放牧あか牛を食す会」を、熊本県で開催します。一年中放牧し、草と発酵飼料だけで育てるのに、とても立地で美味しいお肉になる不思議。料理人・農業関係者だけ、5名ほど枠を設けます。

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さて、イノシシの会の次は放牧牛だ。それも、一年中放牧させたくまもとあか牛の肉である。どんな肉なのかは、ここの過去ログを読んでいただければわかる

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日本は基本的に寒い国なので、一年中放牧で草を生やしておける地域は九州以南しかない。熊本はそれができる地域だ。そこで、九州沖縄農業研究センターが放牧の技術に取り組んでいた。これはとても画期的なものだ。

というのは、日本の畜産がいま危機的状況にあることにも関連している。畜産で最もコスト増の要因となるのが日々の餌代だ。日本では飼料に使っているのはほとんどが輸入穀物となる。ご存じの通り、コーン、小麦、大豆の三大穀物はここのところ安くなることがなく、基本的に高値止まりをしており、その傾向は今後も続くと思われる。

それなのに、足下ではまったく牛肉が売れない。今日も関係者と話をしていたのだが、黒毛のA4,A5ランクのものの引き合いが激減し、いまではA3クラスがもっともニーズがある状況なのだ。A4,A5で売れれば採算も穫れるが、A3ではいくら売れても、収益性は低い。

そんななかで、今までは円高があったから餌代の高騰をなんとかできていたけれども、円安に振れることで一気にコスト増となることが確実になってしまったのだ。

じゃあ、草を食べさせればいいじゃん、というかもしれないが、日本は耕地面積が小さい国だ。放牧をやろうとすると牛一頭につき1haが必要といわれているが、今日本で消費されている牛の頭数に1haとかけると、天文学的な数字になってしまう。オーストラリアやアメリカの畜産地帯のような広大な面積がないかぎり、放牧で飼うのは難しい。

ところが!この九州沖縄農業研究センターの技術では、なんと一頭あたり40アールあれば放牧が成立する。しかも先の過去ログをみればわかるとおり、できた牛は相当に太ってくれる!

しかもそれが旨いとしたらどうだろう、、、というお話しなのだ。

今回、この周年放牧牛の肉(昨年と畜した分なので冷凍ですが)を、食べてもらう会を行う。単体で食べても位置づけがわからないから、通常の配合飼料中心で育てたくまもとあか牛と、黒毛和牛と並べて食べ比べるという、ぜいたくな食べ比べ会だ。

しかも九州沖縄農業研究センターの担当者であるN氏の気合いに負けて、「赤肉サミット」の名前で開催することになった。主催はセンターだけど、進行は私がやります。

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この会、残念なことに研究者さんが中心の会になるのだけれども、ごくわずかだが枠をもらっている。そこで、下記に当てはまる人だけとなるが、関心のある方は僕に連絡を下さい。

・九州地方に在住している農業関係者または料理人。

なぜこういう限定をするかというと、この放牧方式を導入してもらえそうな農業関係者に来て欲しい、ということと、やはりそれを正当に評価できる料理人さんに来て欲しいと言うことが目的だからだ。僕のメルアドは左側の自己紹介の部分にあるので、ご自分の所属や背景などを書いて、僕にメールをして下さい。それと、過去こういう場合によく「◎◎です。参加したいです」みたいな、なんとも言いようのない応募をしてくる人がいるけれども、できるだけ背景などわかるようにお願いします。

この素晴らしいパンフレットは、赤肉サミットのロゴデザインをしてくれているデザイン会社・ミューさんが手がけてくれた。どうもありがとう!

■内容のチラシデータはここです。
http://www.yamaken.org/work/akaushi.pdf

すぐに締め切っちゃうと思いますが、あしからず!