やまけんの出張食い倒れ日記

対談:俵慎一×山本謙治 国民的イベントとなったB-1グランプリはどうやって運営されているのか!? 食のジャーナリストによるメルマガ たべもの最前線 2014年10月6日 第33号

今週の「たべもの最前線」、テーマは絶好調のご当地グルメイベントの元祖であるB-1グランプリの事務局をしている愛Bリーグ(←アイビーリーグと読みます(笑))の俵慎一さんとの対談をお送りしています。

B-1グランプリは「B級グルメの祭典」ではないんですよ! って理解してましたか。B-1はご当地グルメの火付け役になりましたが、彼らはそうした地方に在来していた食文化を「B級」などとはいいません。そしてまた、B-1グランプリはそうした「食のイベントではない」のです!?

ではB-1グランプリはどんなイベントなのか。ということをじっくりきいていますので、お楽しみ下さい。この号だけの購読も可能です。

山本 まずは俵さんが専務理事、事務局長を務めていらっしゃる“ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会”、通称“愛Bリーグ”についてですが。まあ、ようするにB-1グランプリの事務局をやっているところといえば、いちばん簡単ですよね。

俵 はい、B-1グランプリの主催団体ということになります。B-1グランプリは実行委員会形式で、地元に実行委員会を立ち上げ、そこと愛Bリーグが共同主催という形になるんです。今、われわれの組織は全部で76団体あるんですが、それをまとめているというよりは、いうなれば互助会組織ですね。

山本 ふうむ。

俵 B-1グランプリ自体は食べものの順位を競っているようなイメージがありますが、本当はまちおこしの共同PRイベントなんですよ。だから従来のグルメイベントと似たとらえかたをされますが、そもそもの考えかたが違うので。もちろん食べものを提供してはいますけど、僕らがやっているのはB級グルメではなく、あくまでも“ご当地”というのが大事なキーワードなんです。最近増えた単なるグルメイベントをB-1の地域版などと言われることがあって、困っているんですけどね。

山本 それも本家本元から派生したわけではなく、単なるマネだからね。だけどたしかにB-1グランプリの出展団体を見ると甲府○○とか、田川○○とかかならず地名がついているからわかりやすい。B-1グランプリでは大切なポイントなんだよね。

俵 そもそも料理そのものではなく地域をPRするためにやっているんですから。地域名がついていない料理を提供してもなにもならない。たとえば富士宮やきそばは地元では60年前から単に“やきそば”としか呼ばれていなかった。でもそこで12年前、’00年あたりから富士宮やきそばという地域名をつけた。これはつまり料理名ではなく、ブランド名って考えなんです。

山本 僕はそれ、すごくいいことだと思っているんですよ。だって田川ホルモンといっても、全国の人は田川という地名はほとんど知らなかっただろうし。

俵 そうですよね。

山本 このイベントで上位になることによって、大勢の人が認知して、そこに行ってみようかと思うだろうし。それだけでも、すごく地域おこしに貢献していると思いますね。

■地名がつくことで地元の人も料理を見直すように

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■食べもの最前線
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