やまけんの出張食い倒れ日記

北海道のソフィアファームで育った完全なグラスフェッドビーフを、ぎりぎりまでウェットエージングして焼いたら、素晴らしく深みのある味に仕上がっていた!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

しばらく前にブログで告知したように、北海道は十勝でバイオダイナミック農業をしつつ、牛を粗放肥育しているソフィアファームのキャンベルご夫妻の肉が販売されていた。3頭分の肉がちゃんと売り切れたそうだ。よかったよかった。牛の販売に生活をかけている人は、本当に大変。それも、黒毛和牛の売れ筋ど真ん中でない、基本的には「売れない」といわれる牛の肉を作っているところは、苦労している。

でも、そういう肉を食べたいという人は、本当は多いはずなのだ。単なるコミュニケーション不足なのだけれども、それがまた超えるのが難しい部分だ。またこれからも、こうした貴重な取り組みに関しては応援していきたいと思っている。

で、ソフィアファームの3頭の牛のうち、最も月齢の長いF1の牛ちゃんのサーロインをちゃっかり僕はぶんどっていたのである。11月後半にと畜だから、もう2ヶ月ほどねかせていたことになる。これは全くの私見だけど、グラスフェッドの肉は、ウェットでの長期熟成に耐えるような気がする。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

F1なので、若干のサシはありだけど、身はやはり薄い。粗飼料しか与えてないし放牧だから当たり前か。特筆すべきは背面の脂肪の色。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

この飴色というべき黄色が、その素性を物語っている。そしてよく肉のことを知っている人ほど、この色を観て「美味しそう!」と言う。脂は純白であるのがよい、というのは、こんにち的には必ずしも正しくはないと思う。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

厚みがあったので縦に二分割して少し焼いてみた。赤身の火入れは難しい。二回に分けてやんわり余熱で火入れ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

いやーうまくいったぜ!!後輩から野菜がドッサリ届いてたので、鍋でトロトロに煮てパスタにしたのと一緒にいただきましたが、、、

とても美味しい肉だ!ねかせまくったことで筋繊維の柔らかさはMAX。先日の短角和牛・輝君の肉質ともまったく違う。それはそうだ、輝君は穀物もある程度は与えていたからね。こちらは本当にほぼグラスなので、うま味量は十分だがシツコサ皆無、健全な美味しさだ。しかし、まったくバサッとはしていない!火入れは数回に分けて優しく入れて、しっかりやすませて肉汁を落ち着けるのがいい焼き方ですな。

キャンベルこのみさん、美味しかったよ。来年も楽しみにしています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA