やまけんの出張食い倒れ日記

北海道は興部(おこっぺ)町のノースプレインファームにて、牧草など粗飼料を食べた牛のオーガニックミルクがこんな風にチーズになるのである。ゴーダーチーズハンバーグとチーズタップリすり下ろし乗せナポリタンが最高!

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Nikon D810+Tamron90mmf2.8

興部(おこっぺ)町は北海道の北側にある紋別空港に降りたって、車で40分程度の距離にある酪農の町だ。自然条件が厳しいため、営利的な畑作はほとんどしておらず、酪農または水産関係で成り立っているという。

 

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D810+SIGMA12-24mmf4

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重粘土質の土壌は手強いそうだが、ノースプレインファームの大黒さんは、お父さんから引き継いだ酪農経営を本格的に始めるに際し牧草を重視した。マメ科の牧草は根粒菌で空気中の窒素を固定するため、その土地を豊穣に耕してくれる。クローバーやルーサンを数年ごとに蒔き直しながら牧草を採っていくことで、だんだんとこわばった土がサックリとスコップの刃が入るように改良されてきたそうだ。

こうして育てられた牧草を牛に食べさせる。4月下旬から10月までの間に刈り取った100ha分の乾草と、15町歩程度のデントコーンの実や茎や葉ごとラップしてサイレージ(発酵飼料)にしたものを通年で食べさせる。ただし乾草の栄養成分はそのときどきで変動するので、どうしても栄養成分的に充足しないこともある。そこで、安定のために飼料米をカロリーの1割弱程度与えている。この飼料米はコープ札幌が取り組むプロジェクトのものを分けてもらっているものだ。

「青草があるうちは、日中放牧させておきます。そうすると、牛舎に戻ってきても乾草や飼料米をあまり食べなくなりますね。青草で十分にお腹いっぱいになるんです。」

この時期の乳は、青草に含まれているカロテンが乳に移行するため、黄色の濃いものになる。

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この写真単体ではわからないだろうが、市販の通常の牛乳(とくに都府県のもの)と比べると一目瞭然だ。そうそう、僕は紋別セントラルホテルというところに止まったのだが、今日の朝の朝食バイキングにはノースプレインファームのこの牛乳と、大手メーカーのUHT乳が並んでいた。

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室内光と外光が混じってホワイトバランスがおかしいので正確な色ではないが、こんな感じ。左がノースプレインファームのおこっぺ牛乳だ。

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いつものごとく飲み比べてみたが、もうほんとにUHTの匂いとの差が丸わかりになる。美味しい。と思ってたら、隣に座っていたおっちゃん達の一群のなかから「おこっぺ牛乳、うまいわ」という声があがった!え、まじ?仕込みかよと思ったくらいのナイスタイミングで、思わず「美味しいですよね~」と言いそうになってしまった。本当の話だ。

さてこの生乳をもっとも活かす製品はなにかというと、、、これは難しい。僕はやはりノンホモ・パスチャライズ処理をした牛乳をのんで味わってほしいところだが、加工品も絶品である。なかでもチーズ。

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モッツァレッラのようなフレッシュから、ゴーダータイプの熟成まであるが、人気がありすぎて熟成期間を長くとるだけの量がなく、1年ものが最長だ。僕はぜひ2年、3年熟成のチーズを食べてみたいと思う。一年ものの熟成チーズ(写真左下)でさえも素晴らしい味、上品ながら濃いうま味なのだ。3年経ったら無敵の美味しさになること間違いない。

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その加工施設。ここで生乳をパスチャライズ処理する。

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すでに片付け後だが、この部屋がチーズを造る設備だ。そして、できたチーズを塩せきする。

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塩が廻ったら、いくつかの処理工程を経て熟成に入る。

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この可愛くてきれいなすべすべの塊。

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むかしはロウで覆って熟成していたが、いまは気体をあるていど通す特殊な樹脂でパックして熟成を進める。

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チーズオーナー制度が欲しい! と真剣に思ってしまった。

「やまけんさん、お腹空いたでしょう、うちの直売レストランのミルクホールでご飯食べましょう。」

おおおっマジですか!?

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ミルクホールの窓からは、、、

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放牧中の牛が見える!

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昼のお薦めはハンバーグランチだ。ここの牧場の牛と指定はできていないが、経産牛のホルスタインの肉の美味しいハンバーグを焼いてくれる。それにタップリチーズをのせて。ごはんかパンを指定できるけど、パンだとノースプレインファームのバターもついてくるから、こちらの方がお薦めだ(笑)

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モッツァレッラチーズのトマトソースハンバーグ!

そしてゴーダーチーズのハンバーグ!

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いやもうね、最高!

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これがですね、、、

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みてくださいよ、ゴーダーチーズがこんなに分厚くタップリのってるんですよ!

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いやもう実に美味しいの!

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「やまけんさん、もうひとつのお薦めがナポリタンなんですよ。生パスタの平打ち麺に、ゴーダーチーズをたっぷりかけて召し上がっていただきます。」

おおおおおおおおおお

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おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

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おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

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破壊的に旨いよ!

いやーーーーーちょっと離れたところからも車で食べに来てくれる人がいるとのことだが、そりゃそうだ!

ちなみに、、、

ランチセットをお願いすると、驚いたことに、、、

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なんとあの粘度の高い、極めつけに美味しいヨーグルトが、「ご自由におとりください」なのだ!

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お手製グラノーラをぱらぱらとかけると、、、

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他に何も要らない!

ノースプレインファーム、生乳の美味しさがすべての旨さを呼び込んでいるのである。

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まあとりあえずだまされたと思って食べてみてくれ、としかいいようがないね、ここの牧場の乳製品は。いまいちど書きますが、生産者みずからが「今の時期が最高に美味しい」と言ってまーす!

つづく。