宮崎市田野町の大根やぐらは、冬の間だけ建つものである。具体的にいうと10月後半から1月末くらいまで。2月になってもまだ大根が架かっているやぐらもあるが、基本的にはもうお片付けモード。
というのは、干し大根を生産する農家さんの生産体系は、春から夏にかけて葉たばこ、または里芋を生産し、秋にをそれを片付けて干し大根専用品種の種を蒔き、10月ころからやぐらを建てて、下旬から干し始めるというものなのだ。
しかし今年度の干し大根は大変だった。というのも、台風の影響と長く続く低温によって、大根がまったく大きくなってくれなかったのだ。下の写真をみても、架かっている大根を観てもとても小型なのがわかるだろう。
昨年の写真とみくらべてもらえれば、大根の充実度が違うのがおわかりと思う。
ということで、今年は干し大根も高価格です。量が少なくて一本あたり単価が上がるので、漬物商品も価格を上げるか、もしくは量目(g数ね)を減らしてもらわないと厳しい。それなのにスーパーや生協などの取引先は「価格は上げられない」というところが多くて、漬物メーカーは苦労している。
これはおかしな話しで、野菜は入荷量が減れば高価格になることを、買手も許容する。いま野菜が高いのも仕方の無いことだ。けれども、漬物は「価格が決まっているから」と、価格上げをしようとしない。これは横暴だよね。「価格が決まっている」というのは単に買手側の都合でしかないのだから。
ということで、漬物商品がすこし値上げになってもスーパー・外食・生協などの業者はちゃんと受け入れるようにお願いします。もちろん消費者もね。
さて、年末に訪れたのは野田悦夫さんのやぐら。
なぜここかというと、おそらく日本に建つ大根やぐらのなかでも、ここが最大級だからだ。通常、やぐらはその構造上、大根を架ける横棒が10段となっていて、高さ6.5メートルに決まっている。一方、横の長さは、畑の広さや一度に干す大根の量などで、農家が任意に決める。50メートル~80メートル程度のものが多いようだ。
野田さーん、やぐらの写真撮らせて!とお願いするの図。
「うちは長いよ、150メートルはあるからな。」
えっ まじか! 120メートル程度だと思っていたが、それを超えていた!
愛用しているSIGMAが誇る超広角レンズ12-24mmf4で撮ると奥行きがズドーンと長いことがおわかりだろう。
これを真正面から撮ると、、、
12mmの最広角にしても、全長を撮ることはできない!
ならば、ということで、この撮影時に投入したニコン純正のフィッシュアイズームの15mmで撮影をすると、ようやくその全貌が一枚に収まる。
スケール感をわかってもらうために、中央に役場の伊藤君が手を上げて写っている。魚眼レンズで撮っているので、端に行くほど縮小されているが、本来は一枚上のスケール感だということをお忘れ無く。すんげー長いやぐらなのである!冒頭の縦長写真はこれを縦にしたというわけ。
これだけ長いと、すべてに大根が架かっているタイミングは12月の初旬くらい。干し上がってからは順に収穫され、つど追加で干していくサイクルになるので、このように穴あきになる。
あーーーー満杯の時に撮りたかった!
ちなみにこの長さでも、ニコンのフィッシュアイを使うと、こんなふうに端から端まで撮影できる。
ということで、これが日本最大級の大根やぐらの光景でありました。