やまけんの出張食い倒れ日記

コンビニパンでできたギリギリの地域志向!茨城県と栃木県の限られたセブンイレブンだけで食べることのできた、あの村田農園いちごを贅沢に使ったシューデニッシュに、これからのコンビニが目指して欲しい方向性をみた!

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「おーいやまけん!茨城ってすっげー食材が多いんだよ!」といつも元気よく僕を食材の旅に誘い出す鳥山雅庸さん。彼は最大手コンビニであるセブンイレブンのパン工場を営んでいる。大手のコンビニパンってスゴい世界で、一日に製造する量が半端ない。だって、全国2万店あって、それぞれの店で1種類のパンが50個売れるとして、それが20種類あるとすると、全部で何個になる???また、それを毎日何便かで、切らせることなく出荷していく必要があるのだから、気が遠くなるビジネスだ。

そういった、大量に継続的に販売するビジネスで大事なことは、なんといっても原料供給の安定性。地産地消とか言ってらんない世界がそこにはあって、グローバルに調達をしなければ、どうにも持続性がない。だから、よほどのことがない限り地域志向性をもった商品というのは投入しにくい。

そういう意味ではヤマザキのランチパックというシリーズでは、いろいろご当地グルメものを期間限定でぶっ込んでいて、こんなことやってたら商売的には大変だろうと思うが、おそらくあれはパンメーカーの王者だからできるのであって、あの製品単体では利益は出ていないだろう。ただ、飽きられずに棚を一定スペース確保していくための工夫、コストとして行っているのではないかと思う。

そんな中で、冒頭の鳥山さんがまた、めちゃくちゃな製品を出した。

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上にある黄色いカスタード色のが、シューデニッシュ カスタード&ホイップという製品で、構造はその名の通り、ほんのり甘いシュー、油脂の香るデニッシュ生地、そして中にホイップクリームとカスタードクリームが入っている。

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これがまたなかなか美味しい製品で、僕は生クリームとカスタードクリームでは断然カスタード派なのだけれども、このダブルクリームは楽しんでいただくことができた。

ただ、今回のメインはこれではない(って、わかってるか)。

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このピンク色の、、、とかごまかさないでいいね(笑) イチゴですよイチゴ

このブログをここ3年くらい読んでいる人なら、茨城県、鳥山さん、イチゴとくれば、村田農園のスペシャルな、全国でも10本の指に入るであろう美味しいイチゴを思い出してくれることと思う。

■絶品イチゴの村田農園で、超豪華な感謝祭!本格的なイチゴカクテルにパスタ、かき氷、熟成肉の格之進、に日本橋ゆかり。ここまでユーザーに愛されているイチゴ農家も珍しいんじゃないだろうか!?
https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2015/06/10376.html

「あのねやまけん、村田さんのイチゴをコンビニパンで出したかったんだよ!でも、ご存じの通り、ものすごい食数をつくらなくちゃいけないから、一年分の原料じゃ足んないわけ。だから3年かけて仕入れて冷凍して、原料を一定以上に貯めて、今年ようやく作ることができたんだよ!!!」

という。

ちなみに、このシューデニッシュの構造は、さきのカスタード&ホイップとは少し違っている。

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贅沢にも、村田農園のイチゴを主役にしたホイップクリームがみっちりと詰まっているのだ。

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あ、クローズアップすると果肉がみえますね。もちろん、人工的なイチゴ香料は入っていませんョ(笑)

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この者井さんの質感をみていただければ味もなんとなく想像がつくでしょう!シュー生地の甘やかさ、デニッシュ生地の香ばしさ、イチゴクリームの香りと甘み、そして本物のイチゴでなければでない風味の良さが相まって、「これが本当にコンビニパン?」と驚く仕上がりである。

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文句なしに美味しい!

で、この製品、「買いたい!」と思われるかもしれませんが、、、もう買えません

4月9日から30日まで、しかも茨城県と栃木県のセブンイレブン(しかも県内の全店ではない)でしか並ばなかったのですね。それはそうです。コンビニパンの工場は全国で一つ、ではなくて、その地域ブロックごとに存在している。同じセブンイレブンでも、東京のパンと北海道のパンでは味が違うのだが、工場が違うから細かな設備も違うし、職人の練度も違うので、味が変わるのが当たり前なのだ。

それと最初の話しに戻ると、原料調達ができない。村田農場や、ブルーベリーの坂農苑といった素晴らしい生産者の製品をつくりたいといっても、全国の店舗にまわす原料を採れるわけがない。だからこそ、先にもあったように3年かけて原料イチゴを冷凍で貯めたのだ。

でも、コンビニチェーンとしては、別々の地域で違う商品を出すというのは、管理コストもかかるし、MDにとっても面倒なことでしかない。限定商品は量がないので、開発や告知にかかる経費を考えると、コストの回収がしにくいのだ。それなら、確実に売れるであろう、グローバルに調達した一般商品を売り続ける方がラクだ、となる。

でもね、僕はセブンイレブンが、鳥山さんとこのこの製品を一時的にでも販売したのは素晴らしいことだと思う。セブンイレブン、叩かれてますねー。叩かれるのも仕方ない、いろんなところから聞くけど、チェーンとしては血も涙もない感じだもん。付き合っているメーカーや弁当工場も、セブンだから従うけど、本当に無理無体な会社だと思っているところばかりだろう。

そんなセブンが、ちょろっとした期間だけでもこんな地域志向の限定商品を投入したのだ。やるじゃん!

願わくば、これからもこういった、スケールメリットのまったくない、ビジネス上はなんら意味を持たなさそうなことをやって欲しいと思う。こういう取り組みに力を入れていくことが、コンビニのこれからの地平になるのではないかな。

ということで、皆さんごめんなさい、この美味しそうなシューデニッシュはもう食べられません。でも、食べたい人はぜひセブンイレブンに足を運んで、「茨城でやってたこういう製品食べたい!」と声を上げてほしい。そういう声が積み重なっていくと、本部にその声が届き、変わるかもしれないから。

鳥山さん、ごちそうさま!美味しかったよ~。