昨年から実施している京都府福知山市のええもん発掘事業。今年は60以上の応募があり、一次審査で20に絞った上で、9月15日に鑑定会を実施した。今年も鑑定人は、同市の出身でただいま料理コンテストボキューズ・ドールで決勝を控えたラ・フィネス杉本シェフと、徳島の地域商社あわふうどの仕事をしつつ、全国の産地のお仕事を受けることとなったネイビープランニングの溝口康さんだ。
午前遅めから始まった審査ではとにかく腹がいっぱいになった(笑)
順不同で紹介していくが、まず赤熟した万願寺トウガラシをドレッシングにした樋口農園さん。
長年、万願寺トウガラシの商品化に取り組んでこられたが、このたび完熟した万願寺トウガラシのペーストを5割以上使用したドレッシングを出品。
万願寺トウガラシの香りが実に強く、風味の強いドレッシングとなっていて、買いやすい価格に抑えられる工夫もできていた。
生産者団体である京ほたるで栽培している「いのちの壱」。あの「龍の瞳」の品種だ。
コシヒカリの突然変異種で、コシよりも粒が1.5倍ほど大きい。
そのため、味わいが実に濃くダイナミック!
しかし、美味しいお米というだけなら他にも候補はいろいろある。なぜこれをということだが、それは栽培環境をきちんと水の綺麗な原流域に限定しており、美味しさの担保ができていると考えられるから。
こちらが生産と生産者団体「京ほたる」をまとめている芦田正輝さん
ご自宅で柴犬を飼っておられるのだが、ついこないだ子犬が生まれたというので覗いてみると、、、
ヤバイ可愛らしさ!
紫蘇の実をつんでおられた奥様もとても素敵な方。素敵なご夫婦写真いただきました!
今回は本格的なお菓子処も参戦してくれた。その中から二社が受賞。
一軒は、杉本シェフも昔から通っていたという川見風月堂。
今回エエもん認定されたのはこちらのお菓子。
丹波栗と砂糖だけ、蒸したきんとんを桔梗の紋の型に入れてギュッと締めた、100%丹波栗の美味しさが味わえるお菓子だ。
川見風月堂にいくと、もうすでにええもんセレクションの認定証を飾ってくれていた!
ちなみに、地元で川見風月堂といえば、お薦めはコーヒーロールなのだとか!
それはいただかなくちゃ、、、店内にはちいさなテーブルが一客あり、そこでいただくこともできます。
おお! コーヒーの香りが実にパワフルにドンッとくる!そこに、なつかしいバタークリームのコクが合わさると、じつにパンチの効いた味わい。
これも福知山ローカル名物だね!
丹波栗のきんとん、ぜひご賞味を!
そして、ふくちやま福祉会の第2ふくちやま作業所が作る「はじめてコロッケ」。
地域振興系のイベントで必ず出てくるコロッケ。じつははずるい食べ物で、なんでも地域特産品をぶちこんでしまえる懐の深さがある。単価も安く、イベントで販売しやすい品目。それゆえ、ズルイ。なので最初の一時選考の時は「あーコロッケね、うーん、どうしようかなーっ」という感じだった。
けど、このはじめてコロッケはそのズルさをまったく持っていない。食べてみてビックリ、その辺の既製品コロッケや手造り系コロッケが吹き飛ぶ美味しさと素材感。
じつはこの作業所は農業班もあって、ジャガイモや季節の野菜をたんまり栽培している。製造現場もみせてもらったが、クレンリネスの行き届いた加工所でつくったコロッケ、その辺の個人営業の加工食品の現場よりも段違いにきれいでしっかりしていた。
じつは春先の季節コロッケのニラ入りコロッケが抜群に美味しかったのだが、あえてジャガイモだけのコロッケで受賞です。
そして、出ました高校枠。
福知山淑徳高等学校の調理課の学生さん達が、さきのドレッシングで受賞した万願寺トウガラシの樋口農園さんと、地域の製麺所と合同で創った「赤めん」。
そう、万願寺トウガラシの完熟赤ペーストを練り込んだ麺だ。このバージョンはかん水入りの中華麺。
これで作ったまぜ麺がすばらしく美味しい。麺ものも、練り込んじゃえばなんでも成立という安易さがあるのだが、この麺はそれを超えて、しっかり万願寺トウガラシの味わいを感じる一品になっている。
そして、棚田が美しい毛原地区で、酒米から作りどぶろくを販売している「どぶろく棚田の里」さん。
紅麹をつかったピンクの甘酒をいれて、紅白甘酒だ。毛原地区の景観を維持しながら米作りをし、それを使用して甘酒を造る。過疎化を逆手にとった地域振興に取り組む毛原地区だが、純粋にこれが優れて美味しかった!
そして、お菓子処がもう一軒。
丹後全域で名が知られている、音衛門さんだ。
じつは、杉本シェフは高校生の頃、ここでアルバイトをしていたそうだ!なんたる、、、
この店の名物は栗入りのシュークリーム。
特別に切れ目を入れてもらって割ると、、、
どうだっ!!!!!
むちゃくちゃ旨い!
で、今回のええもん認定はこちらではなく、丹波栗100%のパウンドケーキ。
一本に400gもの丹波栗の渋皮煮が入っている、ゴージャスなケーキだ。
これ、文句なしに美味しい。しかも洋酒香るパウンドケーキ部分がまたすばらしく美味しいのだ。
店内で、杉本君が高校生の頃、がっつりお世話になったという専務登場。
「ちょっとぉ~、お腹出てるわよ!」とポンポン。
看板娘にケーキを持ってもらいました。
ということで、福知山のええもん、どこかで全部食べられるようにしていきたいと思います。
入選のみなさま、おめでとうございました!