8月11日に交通事故に遭い、僕が座っていた後部座席のエコバッグに入れていた愛機ThinkPadX1carbonの2018年モデルはみごとにベコベコに全損した。
全体の形は保っているものの、どこもかしこもゆがんでいるのがおわかりだろうか。
タフで識られるThinkpadだが、ここまでブチ壊れたのはもちろん初めてだ。
で、病床にてすぐに「これはすぐに買わねば、何も仕事が進まん」とLenovoに問合せ、Lenovoにいる後輩にも力添えをお願いして、次なる注文をすることに。ところが、この半導体不足のおり、即納できるマシンがとにかく少ない。これまで使ってきたX1carbonにするか、それとも小型軽量のnanoにするか、うーむ、、、と思っていたのだが、そこで眼にとまったのがThinkPadのタブレットPCモデルであるX12Detouchableだ。デタッチャブルとつくだけあって、MicrosoftのSurfaceのようなタブレット型+キーボードという構成の、立派なWindowsマシンである。
実は、このタイプのマシンをサブ機に欲しいと思っていた。それは、PDFへのペン直接書き込みができるからだ。いま、6本の連載記事を書いているが、ゲラが返ってくると僕はいつも「1P目本文3段目12行の「そこへ行く」を「そこに行く」に修正」みたいに、文章で構成をしていた。でも、多くの編集者・ITライターがiPadにペン入力できらびやかに校正してるのをみて「うーんいいなあ」と憧れていた。
しかし、iPadはちょっとなあ、、、自分でも数モデル持っていたけど、ノートPCとiPadを持ち歩くのはかさばるし嫌だ。かといってiPadで仕事がなんでもできる状況にはなっていない。じゃあ同じようにペン入力できるマイクロソフトのSurfaceを買うか?メインマシンにはTHinkpad名物のトラックポイント(キーボードの赤いポッチね)がないと仕事にならない。じゃあ、サブ機にSurfaceの入門機を買うか、、、
なんて思っていたのだ。
それが! X12デタッチャブルなら、立派にCore i5と16GBメモリを積めるWindows機だし、ペン入力ができるし、しかもキーボードにはトラックポイントがついている!
問題は納期で、当初は一ヶ月ちょっとだったのが、三ヶ月、四ヶ月と伸びて、最後にまたちょっとだけ短縮されて二ヶ月ちょっとで届きました。この間、Lenovo窓口とはいろいろやりとりしましたわ、、、
ということで、X12に関する情報はまだあまり出回っていないので、同好の士のために備忘録的に。
デタッチャブル式のタブレット端末だけあって、箱はとても小さい。
これが本体、タブレット部だ。約760gと軽量。
ただし、僕の使い方でタブレットモードのみで使用する機会はほとんど無いと思われる。
本体裏面、キックスタンドではない側の左上にThinkPadロゴがある。ちょっと指紋がつきやすいのが玉に瑕。
で、この本体の底部に、キーボードとのドッキング端子がある。強力なマグネットでキーボードとくっつくようになっている。
こちらがX12専用のThinkPadキーボード!薄くてとてもよい感じ。キーボードの感触だけど、これまでThinkPadを10台以上保有し、またトラックポイントキーボードを6台ほど使いつぶしてきた僕からみても、完成度が高い!
ていうか、これの汎用Bluetoothキーボードバージョンを出して欲しい!と思うくらいの出来である。
はい、本体とマグネットでがっちゃんこ。
無事、ノートPCタイプになりました
しかしですね、ここで使えるようにはならないんですよ。って言うのは今回、SSDをケチって256GB で発注しちゃったんですね。というのは、ThinkPad愛好家の多くが購入後にSSDを換装するんですね。これまで僕も、発注時には最小容量のSSDで発注して、納品後に自力で換装するということをしてきました。だって純正で頼むとすげーー高いんだもん。
僕の環境としてはOneDriveの1TB容量で会社のデータと同期しているので、最低でも1TBは必要ということになる。
このX12はタブレット型で小さいこともあって、SSDはNVMeの2242という、通常より小さい規格のものが必要となる。病床で検索したら、それほど安くはないけど、Lenovo純正で頼むよりは安い1TBや、思い切れば2TBのものも売っている。じゃあ、あとで換装でいいやと思って、いつもながらの最小サイズ256GBで発注完了。
ところが!
後になってわかったのだが、、、そう甘くはなかったのだ。2242タイプのSSDはマイナー規格なのでただでさえ数が少ない。そして、一般に流通している大きめの2280サイズより一回り小さいため、サイズを節約するために「両面実装」という技術で作られているものが多い。どう言うことかっていうと、基板の片側にメモリーを配するだけでは足りなくなるので、両面にメモリー素子を敷き詰めるということだ。そうすると、当然ながら片面だけで実装したモデルよりも厚みが増えてしまう。
もうお分かりだろう、、、X12のSSD端子は、片面実装のSSDが刺さるだけの厚みしかなく、両面実装SSDは刺さらないようになっているのだ!
それがわかって「えええっ まじかよ、、、」とガックリ気落ち。256GBでは、業務用のデータを持ち歩くことがとてもできない。うーん、と唸ってしまった。
でもね、蛇の道は蛇。とてもイレギュラーな増設方法がありましたよ、、、
はい、こっから先のことは、わたしが個人的な備忘録として書いておくもので「この通り動作する」という保証は一切しませんので悪しからず。
NVMeの片面実装で大容量1TBの製品は、なかなかコンシューマー市場には出ていない。しかも2242サイズではほぼ無い。
でも、もう一回りちいさな2232サイズだと、1TBモデルが存在する。2280サイズを2242サイズの基盤に取り付けることはできないが、2232サイズを2242サイズの基盤に入れることは可能ではないか!?
いろいろネチネチと検索したところ、キオクシアが2232の1TB業務用販売のみのモデルを出しているのだ。その型番を検索したところ、この外付けポータブルSSDに使用されている可能性が高い。
うぎゃっ いま1TBで5万円近くするのか!? 僕が購入したタイミングでは29700円だった。滑り込みセーフだったな、、、
むちゃくちゃ小さいサイズの1TBSSD。これ単体で使用してもいいくらいの使い勝手のよさだ。
まず、さまざまなディスククローンのソフトを駆使して、X12のSSDの中身をこの外付けSSDにコピーしておく。これを詳しく書こうとするとそれだけで大変なので割愛。いま、フリーで完全に使えるソフトはないんですねぇ、、、
これを殻割りします。殻割りにはちょっとしたテクがいるんだけど、その辺はぜひ検索して観て下さい。海外でマイクロソフトのSurfaceで同じようなことをしている人がいて、映像で残してくれています。
これが、キオクシアの片面実装1TBSSD。小さいなあ、すげえなあ。学生の頃、260MBのSCSI規格のハードディスクが秋葉でン万円したのがウソみたいだ、、、と昔の話し。
よかった、裏面がきちんと空いてます。
さあ、そんで肝心の換装なんだけど、X12の分解はかなり手強い!
これまで多くのThinkPadを分解して手を入れてきたけど、難易度はかなり高い方ですな。
で、SSD端子に刺すのだが、2242サイズが入るべきところにすこし長さが短い2232サイズのSSDを刺すので、固定ネジまで届かないのだ。正直これは解決できないので、僕は緩衝材を入れて、柔らかく固定、、、いや固定とはいえないな。仮どめした。ほぼ端子の摩擦のみで固定されている状況なので、乱暴に扱ってると抜けてしまう可能性もあるが、まあ仕方ない。
ということで、2242用の端子に2232を入れると、固定できないということをきちんと理解しておきましょう。
なんとか液晶パネルを元に戻し(すげー冷や汗かきながら)、起動すると、、、
拍子抜けするほどあっさりと、デスクトップが表示された!
ドライブ構成をみると、715GBのデータ領域と、システム領域として235GBという二つのディスクで認識されている。
こんな面倒なことしなくても一つで1TBのディスクにしておけばよかったんだけど、先に書いたとおり、フリーソフトだとその統合までできないんですよ。残念、、、ま、これでいいか。
ごらんの通り、画像ファイルなど多いので1TBといってももうかなりキツイ状況ではある。でも、256GBだと仕事できなかったわけなので、これで大満足です。
SSDの性能は、、、
書き込みが遅くね!? でも、まあ十分か。
ということで、これで使えるぞー
X12の使い心地についてはまた後ほど。さあ、仕事しよう。
※繰り返しになりますが、同じようにして成功するとは限らないので、責任持てませんからねー