やまけんの出張食い倒れ日記

あなたの店も土佐あかうしのオーナーに! 四国カルストの放牧場で遊び、粗飼料を多給して育った土佐あかうしの共同オーナー制始めます。6人の料理人があかうしをどう料理したか!?


さて、コロナも明けたことだし、飲食店に活気が戻ってきていることだし、、、土佐あかうしの産地ツアーを再開しよう!ということになりまして、この9月、行って参りました。それも今年は、というか今年からは、面白い企画をということで、、、

土佐あかうしのオーナー制度的なのをやろう!

ということに。ご存じの通り、僕は岩手の短角牛の名目上のオーナーを15年ほど務め、土佐あかうしも柿衛門君のオーナーとしてお肉にして販売するところまで勤め上げました。もちろんオーナーと言っても、家畜を育てることができるのは農家だけで、一般人が共済保険や補助を受けることができないので、いわば名目上のオーナーです。

でも、名目上であったとしても、やはり自分で牛を持つというのは素晴らしい体験だ。もちろんそれなりのお金はかかるし、牛が途中で死んでしまうというリスクもあり、また200キロ以上になる肉をどうさばけばいいの?ということもあって、誰にでもお勧めできることじゃない。でもね、飲食店のオーナーや料理人であれば、そこにチャレンジするのはいいんじゃないの!?と思ってしまうわけだ。

ということで今年、ひそかに6人の料理人&オーナーに声を掛けて、産地ツアーをやったのである!


参加してくれたのは、、、こんな豪華な面々!

  • 瓢亭(京都) 高橋義弘
  • レストランローブ(六本木) 今橋英明
  • カルネヤ、ナスキロ(新宿) 高山いさみ
  • クインディ(代々木上原) 塩原弘太
  • Kitchen g3(五反田) 山口弘
  • 元swrlシェフ 鈴木康哉

ね、ちょっとエラいメンバーでしょ?

今回は、動画記録も残そう!ということで、前列でカメラを持っている岩泉君が香川から駆けつけてくれた。



空港からマイクロバスで移動。まずは自己紹介。カルネヤやナスキロ、そしてシシニボタンなどを大成功させている高山君は土佐あかうしのヘビーユーザーでもある。ばんばn語ってくれます!

そしてもちろん、高知県のミスターあかうしといえば公文ちゃんであります。


そういや2012年、高山君がはじめて高知に来てくれたときのこのイベントで、公文ちゃんが号泣。以来、「泣く男」と称されるようになったのでした。


■4人のシェフが高知で土佐あかうしを料理した、、、家畜市場のセリ見学の後、シェフ達は高知食材とこうやって向き合ったのだ! 前編 - やまけんの出張食い倒れ日記https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2012/02/2469.html


 

■4人のシェフが高知で土佐あかうしを料理した、、、家畜市場のセリ見学の後、シェフ達は高知食材とこうやって向き合ったのだ! 完結編 - やまけんの出張食い倒れ日記https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2012/02/2471.html


 

さてまず一行が向かったのは、高知市内最大の直売施設「とさのさと」。



高知市内で農産物・畜産物・水産物がすべて揃う大きな直売施設だ。しかもすぐとなりにサニーマートもあるので、ここにくれば食材で手に入らない者はない(笑)。


瓢亭の高橋義弘君がみてるのは、高知でしかこんな売り方してないだろうという「りゅうきゅう」。


はすいもの茎ですな。

水産コーナーには生きたツガニまで売っていた!


なぜみんなが買い物しているかというと、、、


今回もぼくの無茶振り! 「夜は、高知市内でキッチンスタジオを借りているので、そこで皆さん自身で料理をしてください!」という投げかけをしているのだ。

その材料にこれというものを買ってね、というわけ。みんなぎょうさん買いました。でも、山ほど買っても1万5千円くらい。農産物はやっぱり安すぎるなあ。


ちなみに、みんなが選んでいる内にサニーマートでひまわり乳業のコーヒー牛乳と乳酸菌飲料リープルをおやつに購入。味わっていただきました。


さて、バスはいよいよ檮原町へと向かっていきます。


川にかかる沈下橋をみると、山に入っていくなあ、という実感が湧いてくる!


2時間ほどかかって、檮原町に入り、四国カルストを目指す。車窓風景がどんどん、霧に煙ってくる!


そして、四国カルスト特有の石灰岩席が見えてくる。


じつはこの日、雨予報だったのだけれども、まあなんとか晴れ男パワーで天気を変えましたよ(笑) ただし、やはり四国カルスト山頂付近は霧がすごい。



写真撮っても下の方が見えないなぁ、という状況のなか、お弁当をいただきます。


地元の業者さんであつらえてもらったこのお弁当が素晴らしかった! ごらんの通り、きらびやかなおかずではなく、地元で採れるイタドリの煮物やリュウキュウの酢の物、ワラビの煮付けなどなど! 最高にご飯が進む。


途中の道の駅で買った川海苔「せいらん」。すばらしい透明感ある味わいだった!


さあて、お腹が満足したら、牛さんの放牧を観に行きます。


でも、霧でみえねえなあ、、、という中、風が吹いて徐々に霧の中から、、、


あっ あれって牛じゃないか!?


あああああああっ 画面中央に、、、


いました 土佐あかうしちゃん!


津野山畜産公社の秋澤君が、放牧の仕組みを説明。この放牧地には通常、肉にする肥育牛ではなく、繁殖牛を放牧している。そりゃそうだ肥育牛を放牧しても、よほどのことがない限り運動するから太ってくれないのでね。それはぼくが「柿衛門」を育てたときに経験済み。


でも、肥育にはいる前段階で放牧を経験させて、牧草や粗飼料を食べることで胃袋をつくり、その後の肥育段階では牛舎に入れるものの、配合飼料は少なく、粗飼料をメインにして育てる「粗飼料多給」で育てるということはできる。これが今回のオーナー牛のプランだ。


現状ではこの放牧地も20頭に1頭くらいの割合でしか土佐あかうしがいない(あとは黒毛)が、オーナー制度がうまくいけば、あかうしが半分くらいのところまで行くのではないか。そんな期待をしているわけだ。


「やっぱりあかうしは可愛い! みられてよかった!」 とみなで安堵。

そして、少し下だって津野山畜産公社へ。



ここで、今回は4頭の子牛をオーナー制度に準備している。


血統が違う4頭の牛ちゃんは、それぞれ特性が違う。それはまた違うエントリで解説したい。2500頭しかいない土佐あかうしの中でも、特徴ある血統があるのです。






餌に食べさせる牧草サイレージの香りをみんなで確認。甘い、いい香りがします。




さあ、誰がどの牛のオーナーになってくれるのかな!? それはまだわかりませーん。「ぜったいにオーナーになってね!」と声を掛けているわけではないのでね。


さて、ここまでが前編です。

ここから一気に高知市内へ戻り、はりまや橋にあるキッチンスタジオで、6人が料理を繰り広げるのである、、、


(続く!)