うーむここのところ起こっている偽装事件などにコメントしたり、「農業ビジネスくそくらえ」の続編書いたりしたいのだけども、仕事が終わらないのでできまへん、、、
そんな中、オフ会参加率(当選率)の高いMAXさんが、先日の短角牛オフ会の模様を動画にして、YouTubeにアップしてくれましたので掲載。
http://jp.youtube.com/watch?v=yKv9zSuuQpI
MAXさん、お疲れ様!
そうそう書き忘れましたが、当日はヨナヨナビールで有名な、軽井沢のヤッホーブルーイングさんが協賛してくださり、ヨナヨナビールと東京ブラックをいただきました。ヤッホーブルーイングさん、どうもありがとうございました!
すばらしい一夜でした! 集まっていただいた皆さんに感謝。そして、駆けつけてくれた講師の皆さんにも感謝です。
12品のコース+αという壮絶な東京バルバリ貸し切りオフ会となったわけです。まだ詳細をお届けする余裕がないので、ダイジェスティブに。
メニューもこの日のための特別版。
1 カリフラワーのムースと生ウニ・コンソメジュレ
もちろん、コンソメジュレは短角のスネ、ウデ、骨からとったものだ。
先週水曜日に肉が到着してから、つけ込み液でマリネードしたもの。ジュニパーベリーなど200種以上の素材をモンゴル風のソースにしたのをかけていただく。
さて本日の講師、農林水産省の大臣官房 塩川参事官。日本の自給率問題に絡めて、短角牛や、自給飼料で育つ畜産のお話しをしていただく。なんと自給率関連の資料に、農水省作成のDVDまで全員にプレゼント。ありがとうございました!
3 お肉屋さんのテリーヌ イチジクのモスタルダ添え
首・スネ・バラ・リブロースを使ったテリーヌ。これだけでも十分満腹になりそうなコクだ。それぞれの部位の持ち味を生かすため、別々に仕込んで合わせているそうだ。
お次の話者は岩手県畜産課の坂田さん。もともと獣医師で、現場をかけずり回っていたのが2年前から畜産課に。
短角がどうやって育っているのかをお話しいただいた。
同じく岩手県の、畜産物の流通を担当する高橋さん。短角の販売の大変さをお話ししてくれた。
7 お口直しのソルベ
8 肩バラ肉とハチノスの煮込み
9 サーロインのロースト 新ショウガのソース
みておわかりだろうが、この肉、サーロインの塊一本を丸ごとローストし、周りの焼き目部分を削ぎ落とし、中の深紅の部分だけをこうしていただく。なんと焼き上がりまで7時間半かけた大作だ。![]()
さて この日のために鹿児島から来ていただいた、獣医師であり、日本最高の和牛コンサルタントである松本大策さん。
黒毛和牛の世界と短角牛の話、なぜこの日本の肉の評価基準はおかしいのか!?について熱くかたっていただいた。もっと話聞きたかったぜ!
短角牛の全部位を使用。いったん、前菜のジュレに使ったコンソメを完成させた後、その中にもう一度肉を加えて煮だした「まさに命のスープ」。
11 チマキ「私流」
中華風と思いきや、米はアルデンテ、なんとチーズの味までするリゾット風チマキ。
12 ヨーグルトとチーズのムース レモンソース&アスパラガスのアイスクリーム
番外編 牛カレーと牛飯
なんと、「まだ食べたりないという人には、カレーと牛飯、牛うどんがあります!」という恐ろしい声が。最後までやってくれるぜ小池君。
最後に小池シェフ登場。
「いつも短角は使ってますが、プレミアムは本当にピュアな味ですね!ビックリしました!」
そんなこんなで会が終了したのは23:30!
皆さんお疲れ様でした!美味しかった、、、腹一杯、、、そして疲れました。
またオフ会やりましょう。俺の仕事があまり立て込んでない時にね、、、
講師の皆さん、東京バルバリのスタッフのみなさん、そしてお集まりいただいた皆さん、どうもありがとうございました!
〆切をはるかに過ぎた報告書が仕上がらない中、夜からは短角牛オフ会をしなければならない、、、Sさん本当に申し訳ありません。
満員御礼、キャンセルもほとんど出ず、ということでめでたい会になりそうです。
さて
今夜いただく短角牛の戸籍や履歴がわかったので掲示。
お名前: 慶雄
個体識別番号:0113875274 ←この番号をhttps://www.id.nlbc.go.jp/top.htmlで検索すると、履歴が出てきます。
岩手県八幡平市で生まれ育った慶雄クンを、本日は美味しくいただくことになります。参加者のみなさんは心して臨んで下さいね。
本日は10品以上のコースを、小池シェフが準備している。メニューを見せてもらったら、もの凄いラインナップ。伝説の夜が来るのか!
ではみなさん、夜に会いましょう。
今月中にどうしても終わらせなければならない重要な仕事があって、それに集中しているので少なくとも25日あたりまでは大幅な更新ができなさそうだ。
それにしても農業ビジネス関連の記事への反応がすごい。多方面からメールをいただくのだけど、すでに農業関連の仕事に参入されている方々から「ぼくは農業ビジネスしちゃってるんで恐縮ですが、賛同します、、、」というメールが来る。恐縮されていることにたいして僕の方こそ恐縮。
農業ビジネスくそくらえと書いているけれども、もちろん農業に真摯な取り組みをする新規参入者は必要だ。ウェルカムである。ただしその参入の仕方が問題となるわけだ。事実僕のところに相談に来た企業のうち、数社には「あ、ここは本気だ」と思い、コンサルティングを継続している。
農業は短期にリターンを得ることができるものではないということ、現状のプレーヤーとの適切な関係の構築といったことを理解している企業には、もちろん力を貸さなければならないと思っている。ということは書いておかないと誤解されちゃうので。
東北で起きた震災について、ご関係者の方々は復旧のためにご尽力されていることと思います。私も該当する産地の友人に連絡をしていますが、みな無事のようでほっとしています。
さて 問い合わせを多数いただいているのですが、
23日に開催される短角牛を食べるオフ会について、短角牛生産をしている二戸地域は県の北部であり、被害は軽微であるとの連絡がありました。ですので、予定通り実行いたします。
当選者の方、よろしくお願いいたします。
とりいそぎ連絡でした、、、
いま、高知です。〆切地獄に陥りつつあるのだけど、先日のエントリ「「農業ビジネス」はくそくらえだ。」について、いろんなところからメールの反響をいただいた。みんな、関心あるのね。朝の原稿書きタイムに、ちょこっとだけ進めておきたい。
「付加価値の高い商品(例えば有機農産物)を作って、効率的な流通をすれば、今まで以上に魅力的な販売ができると思うんですよ」
というセンテンスに3つの間違いがあると書いたけれども、よく考えたら二つだった(笑)
まず最初の間違いは「付加価値の高い商品は売れる」というものだ。ほかの商品領域については正しいのだろうと思うけど、こと農産物はそういうものではないことが多い。重要なのは、買手が希望する流通の中にその商品がはまるかどうかということだ。
付加価値の高い農産物ってなんだろう。これは、実は全国の農業関係者の頭を悩ましている問題だ。消費者やその辺のマーケッターからすれば「有機農産物とか、、、農薬を使っていないものとか、、、」と言うだろうけれども、JASにおける有機農産物の格付け実績をみれば、H18年度でたったの0.17%である。これに、煩雑な認証を必要としない特別栽培農産物(昔に減農薬・減化学肥料と言っていたものだ)を加えてようやく農産物全体の5%になるかどうかというところではないだろうか。付加価値の高い農産物が飛ぶように売れるなら、もっとこの数字は高くなるはずではないか。
現実的には一部の消費者を除いて、スーパーや外食店等ではこうした野菜類は言われるほどに手に取られることがないのである。生産側からすれば、「農薬農薬とうるさく言うなら、農薬を使わない農産物をもっと買ってくれよ!」と叫び出したいところである。というか、もう声がかれるほどに叫びすぎて、やる気をなくしたという人が多いのが実情ではないだろうか。消費者は「うーん、安全なのはわかるけど、ちょっと高いわね」と、有機野菜の隣にある普通の野菜を買う。
何が「ちょっと高い」のか?理解しかねる。一般のコマツナが一束158円とすれば、有機のコマツナは230円程度だろうか。たかだか70円程度の差だ。野菜を10品購入したとしても、一般野菜との差額は500~700円程度だろう。4人家族で2日に一回買い物をするとしても、一ヶ月で負担額は10000円程度である。「一万円は大きいわ」という人も多いだろうが、他に削る先はあるんじゃあないの?と言いたい。総務省の家計調査をみると、家計における食費の割合、つまりエンゲル係数はたった22%である。昭和初期には50%以上だったエンゲル係数は90年代にはいり25%台に突入し、今も低い水準で推移している(今年度は穀物高騰などで若干上がるはずだが)。その食費の内訳を見ると、ずんずん上がっているのは中食分野である。つまり家で食べずに中食で使うお金が大きい。中食商品を買うよりも、野菜など原材料を買って家で調理して食べる方が確実に安く上がるはずだ。1万円程度のコスト削減は可能なのではないだろうか。つまり、有機食品が高いから買わないという話は、単なるエクスキューズだとしか思えない。
話が脱線したけど、そもそも有機農産物や特別栽培農産物は、買手がだいたい決まっている。つまり有機・特栽を求めて買いに来る客をもっている買手は、だいたいもうすでに枠がある。その枠を満たす生産者はすでに居て、契約取引を行っている。ニューカマーは重宝されるとは思うけど、有利販売をできるような状況ではないと思う。
有機農産物以外の付加価値はどうか?
ユニクロのファーストリテイリングは、エフアールフーズという会社を立ち上げ、りょくけん農法の高糖度トマトの販売を核に展開しようとしたけれども、早い段階で撤退した。スターとなりうる商材を確保したとしても、その販売収益で食べていくことはとてもできなかったわけだ。
ということで「付加価値の高い農産物は売れる」というのは、そう簡単な話ではないということを書いた時点で、ブログ書きに割いた30分が過ぎたので、原稿書きに戻ります。本日の高知は雨の予報だったが、晴れ男の努力により若干の曇りといったところ。
ずいぶん過激なタイトルにしてしまったけれども、本当に最近よく眼にする「農業ビジネス」という言葉が大嫌いだ。その多くが、農業や農産物流通業の渦中とは全く外部の世界から、双眼鏡か何かで此方を眺めながら勝手に「ビジネス」などとのたまっているからだ。
この世の中に、ビジネス書に書かれているような都合のよい「農業ビジネス」が成立するようなスキームは、現状ではほとんど存在していない。非常に例外的な成功事例や、以前から農業主体として成立している事業者が行っている事例を採り上げて、いかにも「農業ビジネス花盛り」という印象を与えて、新たなマーケットがそこにあるようにみせかけているだけだと僕は感じる。
では、ありもしない「農業ビジネス」を盛り上げようとしている連中の思惑は何なのだろうかか?
マスコミにとっては最近、食を巡るあれこれ騒動に絡めて、「農業ビジネスの可能性」を盛り上げることが利益に繋がるからだろう。
また、農業排斥論者、または農地を取得したい企業にとっては、「農業ビジネス」という言葉が「外部からの新規参入」を匂わせるものであることもあり、これを歓迎しているのだろう。
しかし、現場にいる農業者や流通業者らは非常に醒めた眼でこれらを観ているということを伝えておきたい。
「農業は儲かるのか、儲からないのか?」という問いは非常にやっかいで、儲かっている人だっているし、儲かっていない人はとことん儲かっていない。
けれども、「新規参入」の場合に儲かるか?という問いには簡単に答えられる。現状の流通・販売の仕組みが前提になっている限り、農業は儲からない。少なくとも3年や5年で投資回収なんてできっこないよ、ということだ。
年が明けてから、ベンチャーキャピタルや事業会社、テレビや新聞から「農業ビジネスに関する相談・取材」がとても多くなったが、一番多いのは、既存の事業会社が何らかの形で農業関連のビジネスを立ち上げたいという相談だ。これがけっこう驚くほどに存在する。
そのどれもが農業生産か、または農産物を販売するというビジネスをしたいというのである。
うーむ
農産物の生産、そして流通を昔からしている人たちが、どう頑張っても儲からない世の中なのに、この人達はなんでそこに入っていきたいというのだろうか、と思うのだけど、そうした人たちは判を押したようにこういうのだ。
「付加価値の高い商品(例えば有機農産物)を作って、効率的な流通をすれば、今まで以上に魅力的な販売ができると思うんですよ」
上記の一文の中には、僕が観て間違いだと思う箇所が3カ所ある。というか、3つの要素しかないから簡単だが、、、こういうことを本気で考えて農業ビジネスやろうと思っている人がいるなら、もうこの時点でアウトなのでやめておいた方がいい。お金の無駄である。
(つづく)
原稿を書いていてどうにも行き詰まったり、一息着きたくなる時には、都合のいいことに事務所の近くに公園がある。昼時には一帯のサラリーマンが休みに来るところなのだけど、この一角に様々な花を植えている区画があって、いい被写体がいっぱいいるのだ。
同じオリンパスEシステムを使う先達にして、僕が必ず毎晩チェックするサイトである「ズイコー・フォーサーズあれこれ」 というサイトがある。
http://zuiko.exblog.jp/
あまりに美しい植物写真を撮る方なのだけど、どうしたらああいう風に撮影できるのかと自問しながら勉強させていただいている。
僕の場合、料理を撮影する時は、できるだけ全体にピントがバシッと合った状態で撮影したいので、ボケ表現はあまり使わない。フラッシュを使える環境なら、最低でもF8に絞って撮影している。
けど、日光下で撮影する自然物に関してはこの限りではない。ボケを活かした方が、その対象の魅力を引き出せる場合もあるので、勉強である。
E-3に、名玉と言われる50mmf2.0マクロをつけて撮影。
オートフォーカスは使わず、ピントはすべてマニュアルで合わせている。植物写真はそうじゃないとなんだか楽しくない。
僕は動物を 飼わない人間だけど、猫は可愛い。気持ちよさそうに眠っていたので、できるだけ起こさないように撮ってみた。
紫陽花はそろそろいい被写体になってくるころだ。梅雨はうっとうしいけれども、紫陽花の群舞はいいものだからなぁ。そのつぼみは、小さな手まりのようだ。
いい気分転換になった。さて、書くか、、、
先日の八重洲ブックセンターでの出版記念講演会が終了したあと、色んな方から名刺を頂戴したのだけれども、その中に鰻屋の老舗である「大江戸」の若き当主である涌井さんがいらっしゃったのには驚いた。
「ええ~ 大江戸さん、僕の事務所から近いからたまに食べさせていただいてますよ!」
「あらぁ~本当ですか!? 実はこんど折り入って相談があるので、鰻でも食べながら、、、」
というお誘いに乗ってしまい、のこのこと鰻満喫に出かけたのである。
日本橋三越前駅から歩いて8分、JRの新日本橋駅からだと歩いて3分というところだろうか。昭和通り沿いにその由緒正しき料亭然とした構えの「大江戸」が立つ。
いかにも料亭風の左側の入り口は個室専用のものである。あー ここはおれなんぞが夜にひょっこり来るような店じゃないんだよなぁ、と思いながら玄関をあけると「いらっしゃいませ」と和服の仲居さんさん。
「えーと、涌井さんに、、、」と言いかけると「二階でお待ちです」とすぐににこやかに対応いただき、上へ。床の間のある部屋にて都合5名での会食とあいなった。実は涌井さんはフードサービス研究会(略してフー研)という団体の今期代表幹事であり、定期的に催される勉強会の講師などを選定する役を仰せつかっているという。
「で、やまけんさんにお願いしたいというわけです」
「うーん でもこの名簿見たらスゴイ方達ばっかり名を連ねてますね、、、じゃあ、講師料は適当でいいんで、この名簿に載ってる店で一回ずつ飯を食わせていただくってのはどうでしょうかね?」
「あ そんなのは全然問題ないと思いますよ!」
、、、涌井さん、、、聴きましたョ、、、
そんなわけで講師受諾。宴席と相成ったのである。
大江戸にて夕餉をいただいたことはなかったのだけど、実にきちんとした日本料理の前菜をいただきながら、でもやはり主役は鰻である。
うざく、美味しゅうございました。
こんなに鰻がたっぷり入ったうざくもなかなか食べられない。
鰻の肝、 美味しゅうございました。私としては白飯の上に、したたるタレと共にガッと載せて山椒をめいっぱい降り、飯をかっこみたい。
そして、、、出てきました塗りのお重に鎮座ましますものは!?
あまりに美しい白焼きである。
「やまけんさんに今日は天然と養殖の食べ比べをしていただこうと思いまして、、、白焼きでお出しするのは、私のところで使っている、ブランドを確立した養鰻所(ようまんじょ)の鰻です。」
僕も識らなかったが、養鰻の世界でもブランドを確立した佳いものがあるそうだ。なんでも2つくらいしかブランドといえるようなものはないらしいのだが、、、
この白焼き、実に丸い、豊かな脂が全体に廻っていながら、嫌みや臭みを全く感じない素晴らしいものだった。ふくよかだ、、、
「実はねやまけんさん、鰻は産地で選ぶなんていうのは違うん です。養鰻をする人によって、やり方が全然違う。飼う環境、餌、育て方、出荷前の処理など多岐にわたって、味に関与するところがあります。ですから、「どこそこの産地なら問題ない」なんてことはないんですよ。私たちは最終的には人でみています。」![]()
うーむ なるほど
これは青果物でも全く同じことである。究極的には、畑が違えば同じ味のものはできない。標高差が50センチあれば気候・微気象も変わってくる。同じ味のものなんてできやしないのである。鰻もまったくそうであった。
「さて それでは今日のスペシャルです。天然物の鰻を蒲焼きにして参りました」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
これ、比較対象物を置かなかったからわからないと思うけれども、長さ50センチはあろうかという超大物である! ね、値段きけないよぉ~~~~~
以前、週アス取材で四万十川の天然鰻の、同じような大物をいただいたことがある。その時も現地の市場価格でもの凄い価格になっていたのだから、、、飲食店の段階でいくらくらいの値段がつくのか皆目見当がつかない。
「好きなだけ食べてくださいね」
と言われたので、それはもう頭側の大きな一片を切り取り、いただくこととしたのである。これ一片で鰻重になるくらいの大きさだ。
先にいただいた養殖物と比べて明らかに違うなと思ったのは、皮と身の独立性とでもいおうか。養殖のほうは皮下の脂が身肉にもまんべんなく廻っていて、全体として柔らかさが一貫していたように思う。けれど、天然鰻は皮と身肉の質が、白焼きと蒸しと本焼きを経ているにもかかわらず、明らかに違う。下の写真を見ての通り、皮と身肉が主張をもって分離する。そして、身肉部分が明らかに魚っぽさを留めている。養殖物はあまし魚の肉という繊維感が残っていないように思うのは気のせいだったろうか?
味も明らかに違っていて、養殖の場合には全体に廻っていた油分を感じない。これって、黒毛和牛の霜降り肉と、短角牛などの赤身肉との違いにも共通している部分を感じてしまうが、的外れだろうか。
「天然鰻、美味しいでしょ? なんていうかね、潔い旨さがあるんですよ。本当に尊い味です。ただ、これを何も言わずにお出ししてもわかっていただけるお客さんは少ないです」
うーむそうだろうなぁ、おそらく僕も何も言わずに出されたらわからないな。でも、この次に運ばれてきた真打ち・鰻重と食べ比べると明らかに味わいの違いは感じられるものだと言うことがわかった。
うーむ美しき様式美!
蓋を開けると、、、
でたっ
この店名物、平日のランチでは食べることのできない「二本いかだ」である!
このように二本、お重の隅で反り返るほどの大きさの鰻が載っているスペシャルバージョンである。
いやー この時、なんとゴージャス!と思いながらも、頭の片隅で「この飯をつついていくと、内部にまた一段鰻が出てくる、なんていうダブル2本いかだってのはアリかなぁ、、、」などと思ってしまった。涌井さん、そんなのありかしら?
なんてムチャはともかく、やはり伝統の焼き、伝統のタレは実に美味い!
以前から書いているごとく、僕は本来は関西風の、蒸さない鰻が大好きだ。今もその嗜好は変わらない。でも、江戸前の鰻も実に美味しいよなぁ、と思うようになってきた。血気盛んなころは物足りなく思っていた関東風の蒲焼きだが、蒸すことで余分な油分が抜けてあっさりに仕上がるだけではなく、皮目の独特の匂いの除去、そして身肉と皮の一体感の形成、そして風味全体がまろやかになるようなメリットを感じたのである。
それに第一、大江戸のタレが旨い!
「結局、鰻屋の最大の勝負のポイントはタレなんです」
というように、大江戸のタレはくどすぎずアッサリしすぎず、実によいあんばい。タレだけで飯を食いたいと思ってしまうくらいである。
ちなみにこれはさきの白焼きと同じブランド養殖ものだ。実に脂の周り具合がまろやかでおいしい。けど、個人的には天然鰻の、脂が廻りすぎていない、魚の肉だという主張が感じられる食感と風味のほうが好きだな、と思ったのだ。
ということで、
僕ははからずも自分の嗜好が経年変化してきていることを識った。関東の鰻、旨い。また勉強させてください、涌井さん!(おねだり)
勉強会、頑張ります、、、