やまけんの出張食い倒れ日記

芋焼酎は宮崎ものが旨い!と思う! 日南の銘酒 京屋酒造「かんろ」

 会社設立のお祝いということで、花などを数人から送って頂いてしまった。大変に恐縮です。嬉しかった。この場をかりて御礼申し上げます。

 しかし、設立関連の手続きが面倒極まりない、、、全部お金を払って人に任せてしまえば楽なのだろうけど、、、もし読者さんに社会保険労務士さんがいらっしゃったら、お伺いしたいことがありますので連絡くださいませ(笑)

 さて、そんな中、宮崎県から素晴らしいものが届いた。

「ヤマちゃんの門出を祝って、焼酎を送ります。」

なんと、いま注文をしても3ヶ月待ちになってしまうプレミア芋焼酎「甕雫(かめしづく)」を3本もいただいてしまったのだ! 恐縮しまくりである。

 昨年は芋焼酎が大ブームになり、いろんなところに焼酎を飲ませる店ができた。芋焼酎の売り上げも飛躍的に増大し、鹿児島を中心とする産地のメーカでも、原料芋の確保ができなくなってしまうくらいの操業になって今に至っている。しかしこれはあまりイイ傾向とはいえない。だってブームだもの、、、ブームが去った後に、増設した設備の回収ができなくなっちまって廃業とか、よく聞く話である。だから、いい酒を造るメーカは生産量を変えず、品質も変えずに頑張っている。また、本格焼酎は熟成が命だから、旨くなるまでに時間がかかる。このブーム下ではその時間を十分にとれないではないか。とはいっても逆に、これまで在庫になってしまっていた焼酎を熟成ものとして売れるといういい側面もあるわけだが。
 とまあ、いろいろ言いたくもなるのだが、まあいい。芋焼酎は旨いんだから、それが広まるのはいいことだ。

 しかし!

どうしても我慢できないことがある。なぜか芋焼酎を語る時、鹿児島の蔵が中心となることが多い。というかほぼそうである。鹿児島といえば芋!町中でも酒と言えば芋焼酎が普通!だから鹿児島が本場だということに文句をつけるつもりはない。
 しかし、おとなりの宮崎にも素晴らしい焼酎がある。というか、宮崎の芋焼酎はちょっと鹿児島とはジャンルが違うもので、これはめちゃくちゃに旨いもんである。なのに、ちょっと気取った居酒屋にいくと、鹿児島ものばかりで、腹が立つのであった。

 僕が好きな宮崎の焼酎は、アルコール分がぶわっと薫るようなことはなく、飲みやすく風味を判別しやすい。鹿児島の焼酎だと風味がわからないといっているのではない。先ほど言ったようにすこーしジャンルが違うと思うのだ。

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 芋焼酎好きになったのは、忘れもしない1995年のことだ。農業情報ネットワーク大会というイベントの手伝いで、宮崎県の都城(みやこのじょう)に3泊したのだ。その時、駅前にある小料理居酒屋にふらっと入ったのだが、これがラッキー。その近辺で最高の居酒屋で、名前を「炉端焼き 明石」という。料理が最高なのだが、ここで勧められて飲んだ焼酎にノックアウトされたのだ。宮崎にはその後もかなり訪れ、県内の芋焼酎をかなり飲ませられた。

 そして極めつけの出会いが、この「京屋酒造」さんである。1999年の話になるが、人を介して、インターネットで焼酎を売りたいという話が僕に届いた。面白そうだ、ということで京屋酒造の渡邊社長に連絡を取り、お会いしたのだ。

「芋焼酎はね、今のままだと、宮崎や鹿児島の、閉じた世界でしか売れないです。そうではなくて、こんなに美味しいっていうのを、今まで飲んだことない人たちに販売していきたいんですよ。」

 全くその通りだ! ちゅうことで立ち上がることにした。僕が頼りにしているインターネット関連ビジネスの大仕掛け人である永友さん(宮崎出身である)が中心となり、当時できたてほやほやの楽天オークションで、「あなたがつくるオリジナル焼酎キャンペーン」というのをやったのだ。この元ネタは、

「うちにはね、40年ものの貯蔵焼酎(米)があるんですよ。これをプレミア商品として販売したいな、と」

という渡邊社長の一言だ。この頃はまだ10年もの以上の熟成焼酎が販売されているのをみることは少なかった。なのにいきなり40年である。我々は興奮した!ただ、普通に名前を付けて適当なラベルを付けて売っても意味がない。どうせなら、消費者が「こういうのが欲しいな」と思っているような荷姿を、一から作ってしまえばいいではないか、ということだ。
 なので、まずサイトにアクセスすると、瓶の材質、形状、内容量、ラベルのデザイン、そして商品名などについて、いくつか用意されたパターンから選んでもらい、選択率が高かったものを採用するという、完全マーケティング型の商品キャンペーンをしたのだ。これは、先の永友氏が企画・実行したもので、彼はその後もいろんなマーケティング型商品企画を打ち出し、成功を収めている。

 で、これが前代未聞の大当たりとなった。当初、オークションだから4000円くらいの値段がつけばいいだろうと思っていたのが、最高値が23000円となり、参加率、Web視聴率ともに酒商品とは思えない数値をたたき出した。
 そして、その結果でてきたデザインを付した商品「悠久の刻」を改めて300本売り出すと、3日間で売り切れてしまった。これがその悠久の刻だ↓

この瓶、磁器のもので、口を栓できるようになっているもので、最近こうしたかっこいい瓶を焼酎や日本酒に使う例をよくみかけるが、こと焼酎についてはこの商品が初めてこの形式を採用したはずだ(違ったらゴメン)。
 その後、年間200本程度ずつの限定発売をしているが、いずれにしてもすぐに売り切れてしまう。
 また、京屋酒造のBtoCサイトがあるのだが、ここでは何もしなくても焼酎が月間数百万円分も売れてしまう。その人気を引っ張っているのが、今回いただいた「瓶雫」なのだ。

京屋酒造のWebサイト
これが甕雫(かめしずく)だ!

 この甕雫、1升はいる陶器の甕(かめ)になみなみと入って送られてくる。専用の箱にいれられ、アカシアで削り出された特製のひしゃくもついてくるので、パーティなどで人気を集めること間違いない。味はといえば、飲んだことがある人は必ず 「芋焼酎とは思えないほど飲みやすい」という。 この甕雫、アルコール度数が20度なのだ。鹿児島では主流は25度だが、宮崎では20度の焼酎が結構多い。僕はどっちかといえば20度のものが好きだ。風味を中心に味わえるからだ。甕雫はどちらかといえば女性にかなり好まれやすい特質をもっている。芋が芋っぽくないデリケートな香り、そしてほのかな甘みがあるのに、辛口と感じる残り味。これをロックで出すと、芋焼酎とわからないで飲む人も多い。

 で、Webで確認していただけるとおわかりのように、甕雫の在庫がほとんどなく、予約が一杯のため、今から購入予約をしてもお届けが8月になってしまうという。そんな中、おいらは3本もいただいてしまった。俺のために飲めなくなった3名様、モウシワケアリマセン。
 でも、甕雫だけではなく、むしろ飲んで頂きたいのは「かんろ」という、京屋のメイン商品である。中でも「特撰かんろ」は、宮崎市内の料理屋の大将が「はっきり言ってこれが、宮崎焼酎のスタンダートと言える味です。」と断言していた、素晴らしい酒である。最近鹿児島の芋焼酎に飽きたという人は、ぜひ試して頂きたい。その繊細な味わいに驚倒されるはずだ。オンラインショッピングで買えるのでぜひ試して頂きたい。

 この京屋の酒は、味がいいのは当たり前で、できるかぎり自前の農場で原料芋を栽培している。僕も畑には足を運ばせて頂いているので間違いない。むろん、全量まではいかないが、相当量をまかなっているのだ。すごいことである。

 さて、この「かんろ」であるが、実はみなさんもすぐお近くで、しかも安く買い求めることができるのダ!なんと、コンビニのローソンで、酒販免許をもっている店舗だけになるが、オリジナル商品を売っているのである! それも、「かんろ 仕込み水割り」 つまり、京屋酒造が仕込みに使っている水をつかって割り水し、飲みやすくしたスペシャルな一品だ!しかもたった300円といくらかで買えるのダ!

ご存じかも知れないが、焼酎を水で割ることを「割り水」という。この割り水にもかなりいろんなテクニックがあるのだが、基本中の基本は、割り水してしばらく置いておく方が旨い、ということである。酒と水の分子構造は違うので、混ぜたすぐに飲むと、舌触りというか、喉ごしが悪く、味もトゲがあるように旨くない。これをPETなどでもいいので1週間寝かせると、すぐにわかるほど味がまろやかになり旨くなる。気の利いた居酒屋だと、割り水をしておいて、客の求めに応じて燗につけたりするのである。しかし!この「かんろ 仕込み水割り」だと、最初から割り水をして瓶詰めされている。もう旨く飲める条件が揃っているではないか!

 この商品、実はつい先日のプロレスイベント「ハッスル」を観に行った時に飲んだ。加賀谷などいつものメンバで回しのみすると、みな「おお、これ焼酎なの?飲みやすいねぇ」と驚いていた。こんなのがローソンで買えるようになったなんて、世の中もよくなったんだが、悪くなったんだか、、、
 ぜひ試して頂きたい。


 さて、冒頭に書いたように、甕雫を3セットいただいてしまった。合計3升である。とても飲みきれない。ということで、21日にムニロで行う食い倒れオフ会に1本、持っていくことにしよう。皆さんにぜひ味わって頂きたい。

 ということで、酒販店でもし「かんろ」という名前を見つけたら、即買いして損はないと、僕が保証しておこう。