やまけんの出張食い倒れ日記

誰もが口にしているけれど、聞かれると「知らない」と答えちゃう食材 それは「なた豆」だ! 福神漬けを作ってみよう!

福神漬けって、何の漬け物だか知ってますか?
誰もが口にするのに、意外に正体は知られていないこの漬け物。

「語源由来辞典」に依れば、福神漬けとは下記の物らしい。下記、同サイトから引用。

 福神漬けとは、大根・茄子・鉈豆・蓮根・生姜・紫蘇の実・筍などの野菜を細かく刻み、味醂醤油に漬け込んだ漬物。福神漬。ふくしんづけ。

 福神漬けは、酒悦の主人『野田清右衛門』が、江戸末期から明治の始めにかけて考案したもので、元は商品名である。
 「福神漬け」となった由来は、明治18年(1885年)、酒悦の店が上野にあったことから不忍池の弁財天にちなみ、種々の野菜を七福神に見立てて、戯作者『梅亭金鵞』が命名したとされる。
 カレーライスに添えられる漬物として広く普及したころから、商品名であった「福神漬け」は一般名詞となった。

原文はこちら

実は福神漬けに欠かせない素材があるのであります。
とある企画で取材をした際に、編集のカンキさんがその珍しいブツを見せてくれたわけでした。

「やまけーん、これみてみて、すっごいでしょう?」

と見せてくれたのがこれだ。

サヤエンドウのような形。でもでっかいのですよ。手のひら二つ分は確実にある、どちらかと言えばモロッコインゲンの巨大版というサイズ。そして、厚みがスゴイ!モロッコインゲンとは違い、何やら特殊な形状になっている。

「これがナタ豆なのよぉ~ 私初めてみたわ!お願いしてわけてもらって来ちゃった!」

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
これがナタ豆なのか!

そう。先の福神漬けとは何か?の語源の中に、前から三番目に書いてある素材「鉈豆」がナタ豆なのである。
その存在はよく知っていたけれども、僕もナタ豆の実物を手にするのは初めてだ!

さてこのナタ豆、食べたこと無いぞ、と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、通常は福神漬けには必ず入っているんですよ。ウソだと思う貴方、この切り口をみて下さい。

ん?わからない?じゃあこういう風景だとどうだろうか?

ああああああああああああああ
これ、福神漬けに入ってるじゃないのぉ!

と、お分かりいただけただろうか。そう、実はこの奇妙な形をした物体がナタ豆なのである。この切り口、古事記とかに出てくる鉾(ほこ)の刃に似てるなぁ、とずっと思っていたのだが、とにかくこの特殊な形状がナタ豆の切り口なのである。

実はこのナタ豆を福神漬けにする際には、未成熟のものを使うのが常道らしい。この豆はかなり成熟が進んでいるらしく、中の種子を包む皮が固くなってしまっている。でもこれはかなり貴重な機会だ。ナタ豆の種子を種苗店でみかけることは無いし、僕の周りには作っている農家さんもいない。ぜひにとお願いして持って帰らせていただいた。

そういえば福神漬けって、必ずカレーをする時には買ってしまうけれども、作るのはそんなに難しいんだろうか?ということでやってみた。レシピは、最近親しくさせて頂いている東京カリ~番長の水野仁助さんに教わった!

彼によると「とにかく7種の野菜を使うんですよね」ということだったが、まあ7種じゃなくてもいいかぁ、ということで集めやすいものにしてしまう。大根、ニンジン、キュウリ、ナス、ナタ豆をメインに、ショウガを香り付けに少し使う。メインの野菜類はイチョウ切りに刻み、塩を振って浅漬けにしておく。本当はレンコンがあったらよかったなぁ。

この水分をギュッと絞り、鍋に投入。しょうゆ、酒、砂糖、酢をひたひたになる程度に加え、香り付けのショウガのみじん切りも入れ、なんと煮立てる!一度煮立ったら火を切って、具をザルに上げる。そのまま冷まし、煮汁も冷めたらタッパーに一緒に入れて冷蔵庫へ。

「一晩おいた方が味がなじんで、パリパリしますよ」(水野氏)

ということだ。この、一度煮立てるというのにビックリ。火が通ってくにゃくにゃになっちゃうじゃん!と思うのだが、それがならないのである!

できあがったのがこれだ!

当然、このためにカレーを作り、たっぷり自家製福神漬けを載せていただいてみるのである!すると、目の覚めるようなパリパリした食感で、味もきちんとあの福神漬けの味がするではないか!

なんだよ、いままで買ってたけど、簡単にしかも美味しく家庭で作れるんじゃないか!と目が開かれる思いがしたのであった。

そして肝心のナタ豆だが、食感がコリッコリッとしていて旨い。風味がいいとかそう言うんじゃなくて、これは食感を楽しむものですな。ということで読者の皆さんも、ナタ豆は手に入らないかも知れないけど、福神漬けの手作り、ぜひやってみましょう!