やまけんの出張食い倒れ日記

日本料理 龍吟 山本征治と赤肉サミットの、信じられない邂逅はこうして生まれたのだ。天に感謝、素晴らしき料理人が赤肉とどう対峙し、どう料理したか!?  その2 、、、想像以上に龍吟は忙しい店だったのだ!

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龍吟での夜、気がつくと、もう時計は1時半を回っていた。うわっ申し訳ないっと言うと、専門料理編集長の柴田いずみちゃんが「これがね~ 山本シェフのいつものパターンなんですよぉ ふふふ」と笑う。

「もう全然これが普通ですよ!僕らいつもこれからようやく反省会やって、って言う感じです。」

なんとタフな、、、そしてこの日、柴田いずみちゃんからシェフに、素敵なプレゼント。

「たしかお誕生日近いんですよね?マイケル・ジャクソンがお好きと聴いたので、、、」と、超レアなマイケルグッズを取り出した!

 

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「うおっ マジですか? 僕、ほんとマイケル大好きなんですよ! これは凄い、、、」

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うーむ ゆっくり話すことようやく2時間というところだけれども、山本征治という人はなんの他意もなく素直で人好きな男なんだな、と思った。次から次へと出てくる「こんなこと考えたんですよ、どーですか!?」という新しい料理道具ネタや、煌めくようなアイデア。いやもう、人間的に魅了されちゃった。

と、赤肉サミットへの協力を山本征治シェフ本人に快諾してもらったわけだが、ここからが大変だったのである!

サミットの準備は着々と進む。当日までに会場となる東京ガスのキッチンスタジオであるプラスジー肉にて、最低でも一回はリハーサルをしないと不安だ。昨年は都合二回、ランベリーの岸本シェフが調理環境を見に来て、その後じっさいに肉を焼き、というように二回足を運んでもらったくらいだ。

また、当日までに創作料理の試作をしてもらうことになるわけだが、一つ大きな関門があった。使用する部位はシンタマということで合意をみたわけだけど、できれば今回参加してくれる3つの産地、熊本・高知・岩手のもつ赤身肉品種を全て使って料理をして欲しいわけだ。でも、3種使うってのは手間的にも非常に厳しい。ごり押しをしても仕方がないので、会食の夜はその辺をちょっとだけぼかして「出来る限り全品種やっていただきたいとは思っています」という感じで切り上げていた。

んで、会食の夜に「以後、こちらにメールいただければ対応します」といわれたアドレスにメールする。試作用の部位は何キロ必要か、東京ガスのスタジオの対応もあるので、調理内容と使用予定の器具は教えておいて欲しい、などなどなど。

しか~し! ぜんっぜんなしのつぶて。 たしか月の中盤までは大きな仕事が入ってて忙しいと入ってたしなぁ、あまりつついてもなぁ、、、と思いながら店に電話する。「あっ いままだお客様がたくさんいらっしゃって、ちょっと出られないんですよ、、、」とスタッフさんに言われ、12時まわって電話をすると、、、ああああああ 留守電になってるよ! なーんて日々を過ごす(笑)

ようやくスーシェフさんから連絡もらえる。でもちょっと不機嫌。

「あの、一種使えばいいんですよね?」 うーんやっぱり、ご面倒ですか。ただ、やっぱり産地としてはできれば、自分たちのを作って欲しいと思っているはずなんですよ、、、最悪、当日までのお仕事の状況大変で難しいということであれば一種でもいいのですが、可能性だけでも、複数品種を使っていただくということでお願いできませんか?と平に平にお詫びしながら懇願。「、、、わかりました、ちょっとシェフと検討させていただきますね」

こんな感じでジリジリとお願い攻撃をしていたわけだ。産地としてはそろそろ食材の内容を確定して、発送準備にかかりたいということもあったと思う。けれども激烈に忙しい人気店である。その辺のことを産地の担当者さんに説明しつつ待つこと1週間半。

夜の12時くらいに、山本征治その人から電話がかかってきた。

「いやぁ~ やまけんさん、どうもすみませんでした! やっと大きな山を越えたので、これから進めますよ!」

マジですかぁ! ていうか、声が聴けてホントに嬉しいよ、、、

「えーとですね、そ・れ・で。今回、三種はちょっと厳しいんですが、二種やらせていただきたいんですよ。やっぱり、地震で被災した岩手県の短角和牛は、なんとしてでも力になりたいと思います。これをシンタマの冷菜に使おうかと。もう一つ、温かいシンタマ料理をやりたいんですけどね。これにはちょうど旬の熊本県の緑竹(りょくちく)を使おうと思うんですよ。歯触りがいいんでね。そうするとやっぱり、くまもとあか牛を使ったら、ばっちり地域の食材が出会うでしょ?」

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

この解なら、産地にも理解してもらえる! というのも、高知県の土佐あかうしは今回使わないということなのだが、実は昨年度の赤肉サミットでは、岸本シェフが土佐あかうし一品種を創作料理にしてくれたのだ。だから、いちおう言い訳としては立つな、と思い、誠意を込めて土佐あかうしの担当者である公文さんに連絡。

「そういうことなら、仕方がないですねぇ」

本当に申し訳ない!高知県よその懐の広さに感謝です!

この後、メニューに記載する正式な料理名をもらったりするなどいろいろ時間がかかったのだけれども、ようやくクリア!

などなどしている間、なんと山本征治が誕生日を迎えるという。パーティーへの招待状をもらったので、僕もいい気になって参上。この時点では、産地への連絡や資料の準備等も、優秀な我が社のスタッフにより(決して僕ではない(笑))ほぼ終了。心置きなくいくことにした。

一次会はブルガリタワーで3時間ほど。所用で遅れて後半の一時間に参加させてもらった。プレゼントは、ハタハタ100%のしょっつるを世に出した諸井醸造の超レアアイテム、「十年熟仙」のボトル。

「うっわー嬉しい! やまけんさん、この後、夜にうちの店で三次会やるけど、寿司握りますから来て下さいよ~!」

え、マジ? 君が握るの? それは行かねばならんなぁ~! ということで、カラオケ二次会は遠慮して(笑)一度家に帰ってカメラを準備し、六本木に向かったわけである。

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店内では「鮨 よしたけ」チームが出張寿司を握ってくれている!

著名な料理人が入り乱れる中、なんとこんなゴージャスなツーショットが実現。

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山本征治と、カンテサンスの岸田シェフである。いい感じだ。ちなみに、この二人が料理について徹底的に対談したインタビューが載っているのがこの本。


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秘密の一杯詰まってそうな厨房を覗きに行くと、またもや凄い顔ぶれが鮎の焼き台の周りに集まっていた。

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後ろ姿は岸田シェフ。右にいるのは、銀座の「青空」のはるたかさんである。

彼らに鮎の焼き方を一から十まで教える山本征治。

「この焼き台、奥の側をすこしだけもち上げてるんです。これで鮎の中の脂が手前に戻ってきて、身の厚い部分や肝も香ばしく焼けるわけです。頭と腹と尻尾にかけての部分を、それぞれ違う味に焼く。炭で燻製のような香りをつけた部分と、肝のほっくりした部分と、干物のように焼き上げた部分それぞれを味わってもらいたいんですよ」

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うーむ 本当にこの人は技術の要諦をおしげもなく明かしてしまう。明かしたところで真似できるわけもないのだけれども、真似したとしてもこの人はもう次の段階に行ってしまっているのだろう。いやはや、やっぱり気持ちのいい男である。

いろんな料理人さんが参加していて、僕にはチョット目の毒(笑)だったが、仲良くさせていただいている方も多数。同じ六本木で店を出すこの人も後半戦で参加。

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こうして6月第三週の週末が過ぎていった。

そして6月第4週の頭、とうとう創作料理の名前が決まったのである。

日本料理 龍吟です。
遅くなりましたが、今度の赤肉サミットの献立名をお送りさせていただきます。

「短角牛と焼松茸
夏野菜の爽やかなお浸し
青柚子の香りと共に…」


「赤牛と緑筍の山ワサビ仕立て
液体アキレス腱を絡めて
香り野菜を添えて…」

以上になります。
よろしくお願いします。

 

(いよいよ本番! その3につづく!)