やまけんの出張食い倒れ日記

地鶏焼きの「塚田農場」でおなじみのAPカンパニーはなぜ破竹の快進撃を続けられるのか!? メルマガ「たべもの最前線」年内最終号は、産地でも有名な同社の商品開発部長・里見じゅんじゅんの対談インタビュー!

さて、年内もこれで最後のメルマガ配信になりました。

今回は久しぶりの対談。ゲストは、いま飲食業界で注目され続けているAPカンパニー! 地鶏の炭火焼きを比較的安価に出す業態「塚田農場」を大ヒットさせ、東証一部上場も果たした話題の企業です。

イケメンでバリバリの米山社長に注目が集まりますが、実はこの会社で産地に足を運び、生産舎と交流する中で魅力的な商品を開発する人がいます。里見順子さん、愛称は”じゅんじゅん”。

僕も彼女とは食事をしたり、イベントに来てもらったりとつながりがありますが、陽性のエネルギーで周りを巻き込む、素晴らしい方です。ということで、APカンパニーがどのように快進撃をしているのか、に切り込みます。

ちなみに「塚田農場」のことを僕は「飲食業界のキャバクラ」と呼びます。いえ悪い意味じゃありません、そうよんでいいほど、接客が面白いのですよ。それも、社員や店舗のスタッフ達が、自分たちで創意工夫をしてサービス向上させるためのプログラムをちゃんと会社が用意している。組織の話としてみても面白い企業です。

山本 うんうん。なるほどね。ところで僕、正直言うと“塚田農場”が流行っている理由の7割以上が接客だろうと思っていて。やっぱり、あの繰り出される“ジャブ”の数々はインパクトがあるよ。「ここキャバクラでしたっけ?」みたいな(笑)。あのホスピタリティーに参っちゃう人は多いね。地鶏がおいしい店はあるけれど、それをあんな感じでリコメンドしてくれる店はほかにない。あのきめ細やかなサービス、ジャブというのは創業当初からやっていたんですか。

里見 いや、以前はまったくしていなくて。いまはうちの常務をやっている大久保伸隆という30歳の役員がいて、彼が第二新卒で入った24歳のときかな、店を任されたときに編み出したサービスなんです。大久保いわく「料理はおいしいのに、付加価値やいろいろなストーリーが伝えきれていない」と思ったそうなんですね。それで背景のストーリーをどう伝えるか考えたり、残した素材をリノベーションしたり。彼の考えかたとしては誕生日や記念日のサービスのような一発でノックアウトを狙う大きなサプライズより、感情の蓄積をうまく使って、小っちゃい感動をたくさん重ねることでじわじわきいてくるような、ジャブをたくさん打ったほうが、効果があると思ったらしいです。

山本 天才だね、そいつ。

里見 それを彼は自分の担当する店舗で独自に始めて、いい立地じゃないのにものすごい売り上げを出したんです。いまの居酒屋のリピート率は約30パーセントくらいですが、現在は“塚田農場”とほかの業態の店舗も合わせて平均55パーセントほどになっています。

山本 すっごいリピート率! だけど、あのジャブにもそれぞれ値段があるんでしょ?

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