札幌に行くときには必ず予約をして足を運ぶことにしている、海鮮酒家「またつ」。ホクレンで三時をされていた寺尾さんに連れてきていただいてから、こことの付き合いも長くなった。もちろん札幌でいろんなところに行っているけれども、ガイドブックに載るお寿司屋さんなどよりも、こちらのほうが美味しい魚を、腹一杯に食べることができる。
それはまず主の芦原優さんの料理の腕が確だからであり、女将の実家のご関係で「またつ水産」から直送で最高の魚が来るからであり、完全予約制で、お客に合った料理を出すからだ。
だから客としていくつもりならば、まず十分なリードタイムで予約をしなければならない。いきなり行っても魚を用意していないから入れません。
また、「美味しい肴を安く」とか考えないように。安いものは安いなりのものしかないのです。よい魚を思い切り堪能するなら1万円以上のコースを頼みましょう。そうすればお店も思う存分に腕を振るえます。
ということで今回の北大滞在では、望月製麺の泉田さんと堪能。
前菜を愉しんでいるところで、生きているイカが席へ。ヤリイカです。スルメイカの水揚げが激減しているので、いまはこれ。
鮮やかな手さばきで刺身になります。
捌きたてのイカはあまりにも清廉な味わい。
もちろん北海道なのだから、本わさびではなく山ワサビでいただくのがよい!
「今日はこれが美味しいよ。でかいでしょ!」
と出てきたのがハッカク!
そして、、、
生け簀からだしてまだ生きているビチビチのホッケ! うおっと手からするりと抜けました!
泉田さんも隣で「初めて生きてるのみたわ、、、」ともらす。そう、北海道の人だって、開いてないのはみたことない人が多い。
水槽の中に生きております!蟹も海老も仲良く暮らす、またつの命ともいえる水槽。
いま、肉の熟成だけではなく魚もねかせるのが流行しているけれども、またつの優さんはそちらに流れません。もちろん〆てすぐが美味しい魚もあるし、〆て数時間おいた方がいい魚もある。たとえばヒラメは3~5時間。マグロとか、大型回遊魚はねかせた方が美味しいけれども、またつではそんなに出てきません。
ということで本日のお刺身盛り!
時計3時の方向からホッケ、アワビ、ハッカク、ニシンの酢〆、ボタン海老、ミル貝。
僕のブログをみてまたつに来る人がみな「あれが食べたいんですけど」と聞くのがホッケだそうだ。けれども、みなさん、いまこの時期しかホッケの刺身は食べられないんですよ。なんでかはまたつで聴いて下さい。
さしみ醤油にはなつとパーッと細かい脂が散る!最高です。 ハッカクも美味しいことこの上なし。
そして、蟹まで、、、
キンキの焼き物は、小型のサイズにしていただきました。脂ノリノリでとろっとろです。
今回、「うわっ うめえ!」と驚いたのがこれ。
マダラの卵。これぞタラコだよね。ふつうマダラのたまごは大きいので、それを煮付けるとパッと花が散ったように破裂してしまう。よくシラタキと煮たりするよね。でもこれ、まとまってるでしょ。
優さんいわく、半分にわってくるんと逆さまに返し、アルミホイルで包んで棒状に形を整えて煮るらしい。ただし、そのまま煮てもアルミホイルで煮汁の味がしみこまないので、穴を開けるのだそうだ。煮汁の割合は企業秘密(笑)
こいつがめっぽう美味しい!ホグホグした食感、しみしみのうまみ煮汁。メシが食いたい!
そんなところにまた暴力的なのがやってきました。ホッケフライ!
お手製のタルタルソースと中濃ソースをダブルでのせて食べる。
暴力的快楽な旨さだよっ!
ハッカクの骨と皮はパリパリに。
巨大山ワサビ。辛さも最高!
〆のご飯はほんのちょっとで、ウニ丼といくら丼(笑)
もちろんここにも山ワサビ。
今回も美味しかった!あと何年通えるだろうか。ずっとつづけてくださいよ優さん&女将!
そうそう、ホッケは入荷状況によるので、食べられないこともあります。かならず食べられるとは限らないから、そこを理解して予約どーぞ!