ある日のシュングルマンにて、経産牛と放牧子牛の肉を味わう! 安定の小池俊一郎の肉焼き技術に、素晴らしき麺づかい!

2018年5月 6日 from 首都圏

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ある日のシュングルマン。 島根県の経産牛肉と、熊本県で周年放牧にチャレンジしている生産者の仔牛肉が手に入ったのだが、自分で料理をするには手に余るキロ数だったので、せっかくだからシュングルマンに使ってもらおうと手渡した。その分、ちょっと味見させてねと依頼しておいたのだ。

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小池俊一郎、伝説の創作料理居酒屋「東京バルバリ」時代から変わらず「ぜーんぶ自分で仕込む」というやり方はぶれぬまま。週4日は店に泊まり込んで仕事をしています。

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本日のお品書き。肉と交換ってことで(笑)まかないめしです。

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ふきのとう入りのレムラードでホッキ貝と菜の花を和えて。レムラードはマヨネーズ様に油脂と卵を乳化させたソース。ふきのとうの青い香りがホッキ貝とよく合う。

さて、仔牛肉は、ミルクバターで真空調理・ブランケット仕立て。

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ブランケット仕立ては白っぽい色味の肉を白いソースなどで煮込んで白く仕立てるもの。仔牛肉は赤肉とは違うジャンルなので、そう料理したのだろう。

仔牛肉は日本ではとても難しいジャンル。確たるマーケットが存在しないのだ。しかも、いまは国産の牛は子牛が高いので、わざわざ若い段階でと畜する必然性がない。ただし、世の中にはジャージーやブラウンスイスなど、メジャーでない品種の牛の肉を子牛の段階で売ってしまいたいという農家ニーズもある。若いうちであれば餌代がかからないため、そこそこの価格で売れれば魅力的ということもあるのだ。

それにしても仔牛肉は難しい。若い肉なので水分が多く、肉に締まりがない。味わいは淡白。といっても、鶏肉に比べると牛肉ぽい独特な匂いもあって、淡麗という感じではない。どんな料理にすればいいのだろうか、という難しさがある。

しかしさすがは小池君。素晴らしい一皿にしてくれた!

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「もうね、とにかく水分がすごいんですよ。でも水分を抜いちゃったら、美味しさとかも無くなっちゃうでしょう。だから肉を受け取ってから、毎日よくなるように手入れをしましたよ。」

余計な水分を飛ばしながら、でも美味しい水分は飛ばないように手を入れた仔牛肉を真空調理でやんわり火を入れて、油脂のない部分をバターで補完して、ブランケットなソースでデリケートに味をつけてくれたこの一皿、子牛でなければ成り立たない味わいで、必然性のある料理に仕上げてくれた!

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単に、肉焼き技術で火入れしただけでは決してここに至ることはできない味。

最近、低温調理器などの普及で、素人が簡単に繊細な火入れができるようになってきているけれども、全方位的な修行を積んだ料理人には絶対にかなわないという領域があるんだということを知らしめてくれるのだった!

そして、経産牛のランプ。御年は10歳です。

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こちらは炭火で数時間かけて火入れしたものを、小池君オリジナルのシェリポン(シェリー酢のポン酢)と、あの京都の薬味の最高峰、やまつ辻田さんの山椒でいただくという趣向。

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あああっ これは旨い!

黒毛の経産牛特有のどくとくの深く濃ゆい香りにシェリポンの酸味が加わり食べやすくなったところへ、山椒の刺激が縦方向に爽やかさを与えてくれる!

「やまつ辻田さんの山椒、あまりにも好きになりすぎて、うちでも売るようになりました!」

えっ まじで? と思ったらマジだった(笑)

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シュングルマンにおいでのみなさま、ぜひ山椒もお求め下さい。

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仕上げの麺料理はシュングルメン(笑)

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今日はつけ麺でーす、ということで、いつもの極太麺に、経産牛と子牛肉のフォンをつけ麺スープにしたもの。

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食感と香りが楽しいセリもいっぱい入って、牛フォンの強さが和らいで最高に旨い。
いやーこれはヤバイ。

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相変わらずの小池劇場を愉しませてもらった。何より今回は子牛肉の処理に感銘を受けた次第。ごちそうさまでした!