全米和牛協会の会員が総立ちで拍手を送った日本人・武田尚吾さんの生き方に胸が震えた夜。

2018年10月 7日 from 出張

素晴らしい瞬間を目撃してしまった。興奮の一夜が終わって眠くて仕方ないけど、動画だけアップ。

北海道は白老の武田正吾さんが、20年前にアメリカへ和牛の生体と精液に受精卵を輸出したことで、世界で和牛生産をする基礎が整った。

和牛の血統を流出させたとして全国の肉牛農家から批判されたが、武田さんは「日本の畜産は牛も鶏も豚も、すべて海外の優良種によって改良されたり、もしくは海外の種そのものを導入したことで発展してきた。それなのに、海外から求められる日本の種を出さないというのは筋が通らない」、「自分のしたことをなんと言われようと、私はやるべきことをやったというだけ」とおっしゃった。

その武田さんが輸出した和牛を大切につかい続けてきた全米和牛協会の2018年の年次総会の公式パーティーで、武田さんにLifetime Achievement Award(特別功労賞)が贈られた。武田さんが会場入りするやいなや多くのアメリカ人が握手や写真を一緒に撮ろうと殺到。武田さんの席に握手を求めに来るのは、デカくてゴツい、カウボーイハットをかぶった大男達。その全員が帽子を取り「お会いできて、こんなに光栄なことはない」と。

壇上に上がった武田さんが表彰される瞬間、会場内は総立ちでスタンディングオベーション。後から列席した肉牛農家に話しを聞くと「わたしたちにとってタケダさんは、ジョージ・ワシントンと同じ位置にいる方」と真剣な顔で話してくれた。

武田さんのしたことには賛否両論があり、僕も日本の牛に関わっている立場としては複雑な思いを抱いていた。しかし、自分の筋を通し世界に和牛文化を広めた男の生き方に、思わず胸が熱くなる瞬間だった。