やまけんの出張食い倒れ日記

赤坂ヴァッカロッサにて、ガイアお疲れ様&シェフとの肉談義で行って来た!やはりここが赤身牛肉を美味しく食べさせる至高のお店だと思う。

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ちょっと用事があったので、アイドルタイムの赤坂ヴァッカロッサへ。そう、先日の「ガイアの夜明け」でステーキを焼く姿がしっかりと紹介されていたヴァッカロッサだ。松下奈緒さんがおいしそうに分厚いステーキを食べるシーン、なかなかよかったですね。

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渡辺シェフは僕が識る中でも、もっとも求道者のように自分の理想とする肉質を求める人。産地や取引先に電話をすると1時間上はぜったいに話が終わらないため、恐れられている人でもある(笑)でもそれは愛情の裏返しなんだよね。

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「ちょっと味見していただきたい肉がありまして、、、」

と出してくれたのが、僕もしらないではない産地の牛肉。関わることになったものの、いろいろ納得できていない点も多いらしい。

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サーロインの本当にどんづまりのお尻側ということもあって細いのだが、それだけではなくびっしりと脂肪もついており、歩留まりが悪い。これで若齢20ヶ月齢というのだから、飼料にちょっと油脂系の素材が多いんじゃないかと思う。

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待っている間に、出ましたヴァッカロッサ名物の高知県産のトマトと玉ねぎでとった繊細でクリアなスープ。

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すばらしい、五臓六腑に染み渡ります。その儚いうまみと香りが味覚を呼び覚まし、これから来る骨付き牛肉という濃いコンテンツのために励起されます。

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ガリリッと焼き上げられた姿。

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相変わらず、見事な焼きです。料理人ひとりひとりがそれぞれ違う肉の焼き方をしているが、渡辺さんのやり方は本当に彼独自のもの。低温調理のように退屈なものではなく、カリッ・シクッ・ジュバッと食感と肉の水分の躍り方がじつにダイナミックだ。

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さてそのお肉だけれども、20ヶ月齢という若齢度合いでも、味わいはシッカリ乗っている。気になっていた繊維もそれほど粗くない印象だ。そしてそれほどねかせすぎていないことからサクサクとした気持ちよい食感も残っている。ただし、もちろん渡辺さんが気にする欠点もそれなりにある。その辺はやはり品種としての特性と肥育技術と飼料によるものだろうね。

「やまけんさん。じつはもう一種類のスープを飲んで欲しくて」

えっ またもスープ?さきのクリアな野菜スープは食前にはよかったけど、肉という大変に濃いものを食べた後では、、、と思っていたら!

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どっはーーーーーー、濃い! これは濃ゆい!!!

きけば野菜に肉に牛骨、そしてうなぎなどの魚まで高知県の食材をぶち込んで濃く煮出したスープなのだそうだ。なるほど、さきの野菜スープとの違いは明白、こちらは肉のソースにしてもいいくらいである。

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そえてある緑の粉はこれまた高知の山椒を挽いたもの。この相性がまた抜群である。

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これらのスープを、冷凍の形で販売しようとされているらしい。いいですな!この二種があると使用前・試用後的なコントラストでいいと思う。

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ちなみに近日中にいけば、渡辺シェフが「こんな土佐あかうし、久しぶりに入った!」というみごとな赤身のあかうし肉が入っている。名生産者・池地さんの手によるもので、ごらんの通り筋間脂肪が少なくすばらしい赤身仕上がりの、土佐あかうしらしいあかうしである。ちなみに月齢が28ヶ月齢前後なので、TRB格付の対象とはならない。

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こちらはアイルランドビーフ。こうした、シェフが選んだ赤身のおいしいビーフを本格的なビステッカで味わうことができるのがこの店の真骨頂だ。

ぜひ赤坂に足を運ばれたい。

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