やまけんの出張食い倒れ日記

地方の単独店には生き残ってきた理由がある! 香川・坂出市「ベンガル亭」の欧風なスパイス系カレーに舌鼓!

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先日開催した料理人向けのエイジングブースター研究会の報告会で香川へ。じつはさる2月、クライアントの本社がある坂出市に向かう途中にいきなりカレー屋さんの看板が出てきて「おおっ」となった。じつはその直前にみんなで昼食のうどんを食べていたのだが、「よりますか?」という問に即座に「寄りましょう!」と返答。しかし、店の前に行くと「定休」の札が!あああああ~ 次回はリベンジだ!と誓ったのである。その店へ行くときが来た!

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店の名はベンガル亭。すくなくとも創業から40年は経っているそうで、香川県では老舗に入る部類だろう。

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ごらんのように、住宅兼店舗ではなく、街道から少し入った住宅街の中にある、完全なる単独店舗。こういう店がこれまで生き残っているということは、理由がある。それすなわち美味しいと言うことだろう!

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画面左側にあるように「カレー粉を使わない本格派 純スパイスカレー」と。ここでいう純スパイスカレーは、いわゆる近年流行の大阪発のスパイスカレーのことではないだろう。そのずーっと前から、ここはやっているのである。

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店内は広く、カウンターの風情がなんともいい

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いまはコロナの影響か、ここで食べられないようになっているけど、以前はカウンターカレーもあったのだろう。

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メニューは期待通り分厚い!

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ランチタイムのウィークデーはページ左になるようなサービスカレーが。

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セット以外の単品の品ぞろえもすごい。

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サラダの力のいれようもすごい。カレー屋さんのサラダっておいしいところが多いんだよね。

さてぼくは最初のページ右にあった「シェフカレー」のルー大盛ごはん大盛りを。なんとビーフ、白身魚、海老が入った豪華版なのだ!

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ベンガル亭で使用している22種のスパイスを小袋で販売しているという。いやぁ、充実の内容だね! 近年その存在感が増しているカスリメティとかがないのが、伝統を感じさせる。

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薬味がまたよい。福神漬け、緑色の漬物はよくみかけるが、一番手前はなんだ!?

じつはこれ、タマネギのみじん切りとおろしたショウガをあわせ、甘酢につけたもの。

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このオリジナル薬味というかアチャールというか、がすばらしくよい。こういうオリジナリティがある店に出合うことこそ、食い倒れラーのヨロコビだ!

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カレーについてくるサラダからして違う。なにが?って、下までギッチリと野菜が詰まっている。東京のカフェ飯のふんわりサラダとはまったく違う密度である。

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さて、ルー到着!アラジンの器に盛られた大盛ルー、いいですね。そして、やはりそうかと思ったが、ここのカレーはどちらかといえばインドよりではなく欧風である。

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純スパイスカレーは、インドカレーという意味にあらず。市販ルー、業務用ルーをつかわず、スパイスを駆使してオリジナルな味を創り出した。そういう純スパイスカレーなのである。

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ごはんはちょっとウキウキする黄色のターメリックライス。

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欧風といっても、小麦粉ベースのルーはゼロではないと思うがかなり控えめだろう粘度。

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おいしい! しっかりうま味を出したスープに香味野菜、粉を加えたところに、香ばしく炒った複合スパイス群を溶かし込んだ構成だろうか。スパイス群は合わせてねかせているのだろう、どれか単一の香りが突出しているわけではなく、調和してなんともオリジナルな香りになっている。

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白身魚やビーフなど具材ともよく合う。

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また、混ぜてしまうとよく見えないだろうが、例のタマネギ生姜アチャールとの相性も抜群だ。

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ちなみに辛さは「辛口」にしたのだが、辛みはそれほど強くない。次回は5辛にしてシャープさを味わいたいと思う。

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「おいしいですねぇ」と伝えると、お店の女性がスパイスの説明をしてくださった。「そこにあるのはフェンネル。日本ではウイキョウっていいますけどね、これもほんのちょっとですが入っていて、後味を作ってるんですよ」と。フェンネルシード、僕も大好きなスパイスです。

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やっぱりね、業務用のルーを使用せずにオリジナルの味を作っている店は尊敬します。この店の味は他では味わうことのできないものでした。次回もまた来たいとつよく思わせる店! ごちそうさまでした!!!