やまけんの出張食い倒れ日記

SIGMAから小型軽量で味がある高性能レンズ Iシリーズ誕生! SIGMA fpにつけていろいろ撮って35mmと65mmの味わいを試してみたら、このレンズでしか出せない味と機能があった!

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SIGMAから新しいレンズ群、その名もIシリーズが発表された。これまで同社から出るレンズは、超高性能!だけどちょっとデカくて重い、、、というのが多かった。けれども、ミラーレスカメラであるSIGMA fpや、同社が積極的に展開しているソニーEマウントはミラーレスで小型軽量のカメラだ。それを活かしたコンパクトなレンズも出して欲しい、ということはファンの強い希望でもあった。それがとうとう出てきた!ということだ。

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はい、私のSIGMA fpのこれまでの布陣です。元の形が小さいのを忘れてしまうほどにヘビーデューティー(笑)。fpについているレンズは24-70mmf2.8。背面にはLCDビューファインダーが、foxfotoさん作のアダプター経由で装着されています。右奥が先日レビューした14-24mmf2.8。左億はその前にレビューした105mmマクロだ。正直、この三本でほぼ仕事できる布陣。

でもね、、、もとのfpはこうなんですよ。

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ほんとうにスクエアな感じで、シンプルの極み。

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このコンパクトさを活かすためには、小さいレンズがあってもいい。そんなことから、このfpは同時発表の45mmf2.8というすばらしいレンズとともに世に出てきた。

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45mmという標準画角、そしてフルサイズf2.8というのはかなりのボケが期待でき、最初の一本としてこれ以上のものはないといってよいできばえだった。しかも意外に寄れるし、写りには味がある。

このシリーズでもっと違う焦点距離のを出してくれ~!という要望がfp界隈で集まっていた。

それが実現した!

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手前右の背の低い方が、スナップ写真に最適といわれる35mmf2。憧れのライカでは35mmこそ標準レンズだという人も多いが、広角的にも使えるし、ひとを一人を撮影しても、背景の物語と一緒に撮ることができる焦点距離だ。量販店ではだいたい7万円程度の価格。

左にあるすこし長いレンズが、65mmf2。この距離感が絶妙、、、僕はてっきり、75mmで出してくると思っていた。これまでも同社レンズにはdp3QUATTROのように75mmという焦点距離があったのだが、今回は65mm。これは面白い!こちらは8万円ちょっと切るくらいの価格。

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ご覧になっておわかりのとおり美しいレンズ。それもそのはず、プラスチックではなくアルミ切削加工でできたゴージャスなレンズなのだ。

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しかも、中間についているリングは絞りリング。つまりこれをカリカリ回すことで絞りを決定することができる(カメラやモードによってはボディ側で設定されることも)。

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しかもですね、このIシリーズはやはり「味」を追求しているだけあって、所有欲をくすぐる心憎いギミックが用意されている。上の写真はSIGMAの通常のレンズキャップなのだが、、、

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この下のレンズキャップも同梱される。これ、かなり話題になっているのだが、マグネットが仕込まれた金属キャップなのだ。

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こちらは裏面。Made in JAPAN という刻印がいい。きっと山木さんは Made in AIZU と書きたかったのだろうが、、、このわっかになっている部分に磁石が仕込まれているようで、レンズ前側に「キチャッ」とピッタリおさまるようになっている!

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むちゃくちゃかっこいいっす、、、ただし注意しなければならないことがあるので後述する。

仕上がりが美しいのはフードもだ。フードも完全にアルミ切削のもので、高級感バッチリ。

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もはや工芸品というたたずまいだ。

で、さっきのマグネット式レンズキャップの注意点はこれに関係する。フードをしたままマグネットキャップをつけると、はずすのが難しい、、、僕は何度も試みたが、フードをはずさないと指でキャップをはずすことができない! 僕は、使用するレンズにフードをほぼつけっぱなしにしており、その代わりにレンズキャップをつけないでいることが多い。だから実害はないんだけど、フードしてキャップつける主義の人には厳しいかもしれない。

それはともあれ、、、

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fpに35mmを装着。うん、実にいい感じ。

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35mmという画角は準広角なので、被写体の後ろの部屋の中も適度に移し込んでくれるものだが、f2という開放値で撮影するとこの通り。背景整理ができてしまう!

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35mmがストリートスナップに合うというのは、こういうシーンを収められるからだろう。あ、右にみえますのはかの秋葉原名物・えひめ飲料の自販機です。

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いやもう、35mmf2に求めるものはほぼ入ってますね!

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線が真っ直ぐに線として写るというあたりまえ(でもない)部分はもちろん、f2という開放F値はやはり十分に美しくボケてくれる。以前、ニコンのAi Afニッコール35mmf2を持っていたが、コーティングが古くデジタル時代には対応が難しいこともあり、使わなくなってしまった。一眼レフではSIGMAのARTラインの35mmF1.4を使っていたが、少し重く、ズームレンズを持ち出すことの方が多かった。

しかしこのレンズは実に軽快、今後積極的に使っていきたいレンズである。

次は65mmf2だ。

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35mmより少し大柄になるこのレンズ、まだ一週間も使っていないけれども、すばらしいレンズだと実感している!

まあ論より証拠でしょう、撮ってみました。女の子をポートレートで綺麗に撮っていたり、自然光の写真はきっといろんなひとが作例だすだろうから、僕はやはりフラッシュでライティングしたたべものを中心に。

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このレンズの最大のウリはf2というレンズF値。なんといってもズームレンズではf2.8までしか開けられないものがおおいわけだ。ボケりゃいいもんじゃないけど、やはりボケの量は多ければ多いほどに表現の幅も拡がる!

この一枚で、ボケの傾向もなんとなくわかるだろう。キラキラする被写体ではないのでタマぼけがなくてゴメン。でも、クセのない美しいぼけが拡がっていくことがおわかりいただけると思う。

被写体は、十勝は音更町の竹中さんから送られてきたエシャロット。これをf11に絞ってみる。

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とたんにバシィッとしたハッキリクッキリした明瞭な表現となる。つまりブツ撮りにもつかえますぜ。

もはや恒例となったSIGMA山木社長ご自身による製品発表会を観た人もいるだろう、僕も自宅で料理をしながらみせてもらった。そこで山木社長は「このレンズの描写もすごくいいんですが、105mmマクロレンズと比べると、精細さという点では劣る」というようなことを言っておられた。それはもちろんマクロ専用で作られたレンズに比べたらそうだろう。でも、このレンズは生物をしっかり写しきる性能を持っていると思います。

開放f2。

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F16。

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一般家庭で買う人はあまりいないでしょう、セロリアック(いわゆる根セロリ)。

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表面の凸凹をしっかり描写。

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ピントが合った部分はしっかりと描写できている。

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マヨネーズとマスタードで和えるレムラードにしていただきます。

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そうそう、先日のこの写真もじつはSIGMA fpなんです。f2.5。

さあそして被写体としてとても難しい白ごはん。

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ごはん粒が白飛びしてしまうことが多いんですね。そんなことなくバチッと決まりました。f8です。

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これをf2の開放値にしても、しっかりディティールを描ききります。すばらしいでしょ!?

なお、fpは電子シャッターしかないため、フラッシュとの同調速度が1/30以下という低速なものとなっています。それでフラッシュ撮影をするには、、、

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ISO感度は低い100に設定して、普通に撮るとこんな露出不足になる条件で撮る必要があります。

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f2で軽くフラッシュを焚くとこんなありえない世界が。

f8に絞って光量を大きくバシンとあてると、ビシッとします。

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あ、刺身の魚は高知県の宿毛で揚がったスマです。旨かった!

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ラネージュという洋梨。f2開放。

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こちらはF11。

いかがでしたか。最近、アオリレンズを使わなくていい状況だったら、SIGMA fpでブツ撮りしようということが増えました。理由は簡単、いい絵が出てくるから!

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その絵をつくるのはカメラボディだけではなく、レンズがあってのこと。SIGMAのIシリーズの35mm、65mmは素晴らしい出来のレンズだ。SIGMA fpをもってるけど、大きなズームレンズだと持ち歩くのが、、、と言う人はぜひIシリーズを買い求めてみることをお薦めする!

■SIGMA Iシリーズの紹介 https://www.sigma-global.com/jp/lenses/cas/special/i-series/

■35mmf2 https://www.sigma-global.com/jp/lenses/cas/product/contemporary/c020_35_2/

■65mmf2 https://www.sigma-global.com/jp/lenses/cas/product/contemporary/c020_65_2/