やまけんの出張食い倒れ日記

宮崎はやっぱり楽し! 宮崎市の清武で日本ではまだまだ稀少なフィンガーライムと、オリジナルなマンゴー品種を味わった!

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先日、台風が来る直前にとても久しぶりの宮崎出張。市役所の里脇さんが張り切ってくれて、空港から速攻で生産者さんのほ場見学に行けることになった。おうかがいしたのは清武町の鬼塚たかゆきさん・りうこさん夫妻。

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僕と同年代なんだよね、素敵なご夫婦だったなあ! 高幸さんには「ラジオ聴いてます」といっていただいて嬉しい限り。

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さっそうとしたりうこさんが案内してくれたのが、宮崎が誇る香酸柑橘である「へべす」のハウスなのだが、、、

その中に正体不明のブッシュが!

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みかんの葉とはとても思えない、小さな葉っぱに、うっそうと生い茂る枝葉。なんじゃこりゃ!?と思ったら、、、

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なんとこれがフィンガーライムの樹なのである!

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その横にある同じような樹は、かなり背が低い。

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「日本に入ってきているフィンガーライム品種の多くが、これくらいの低い背丈のものなんですが、私たちが主力で育てていきたいと考えているローズという品種は、こんなに大きく、また着果数が多いんです!」

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そうおっしゃるだけあって、本当に鈴なり状態なのだ!

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どれも同じように見えるが、果皮にうかぶ斑点が赤っぽく色づいているものが熟した証拠だそう。

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さあこのフィンガーライム、成人の親指くらいの大きさで、球体のライムとは大きく違うが、違いはそれだけではない。

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真ん中にナイフを入れるが、この時にズクッとすべて切ってはいけない。皮だけに刃を入れて果実をくるりと回して、こんなふうに皮だけカット。

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これをそおっと割ると、、、

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もこもこもこっと、果汁を含んだ「さじょう」と呼ばれるプチプチが、内部から出てくるのだ!

通常、柑橘では薄い「じょうのう」と呼ばれる白い幕の中に、さじょうがギッチリと詰まっている。その時さじょうはだいたいくっつき合っているものだ。しかしフィンガーライムのさじょうはこれが独立して、圧力がかかると中からポロポロと出てくるようになっているのである。

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そのさじょう内部には果汁が詰まっているので、これを口に運ぶとプチプチと楽しい食感がして、中から酸と香りがほとばしる。つまり香酸柑橘のカプセルなのである!

「このフィンガーライムのいい楽しみ方があるんですよ」

とりうこさん、グラスにフィンガーライムをポロポロ落としたところに、ウィルキンソンの炭酸を注ぐ!

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おわかりだろうか、炭酸の泡とともに、底からフィンガーライムのさじょうがふわふわと浮いてくるのだ。これは乙なものだ!

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ちなみにこのローズというフィンガーライム、通常のライムとはだいぶ香りが違っていて、果皮の断面から香るのは山椒の葉のようなツンとした香り。そしてさじょうから弾ける果汁は、爽やかな酸味に溢れている。美味しいね!

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こちらはまた違う品種で、さらに山椒ぽいスパイシーな香りの効いたグリーンの美しいフィンガーライム。

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こちらはイエローっぽい品種。

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フィンガーライム、バラエティに富んでいるし、それぞれの味や香りがハッキリと違っていて実に面白い食材だ。

いま、このフィンガーライムを造る生産者は8名で、サンシャインキャビアというグループを結成している。

小売はしておらず、飲食店中心に出荷をしているので、関心ある料理人はぜひ問い合わせてみて欲しい。

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ちなみに、鬼塚夫婦の基幹作物はマンゴー。

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じつはこれ、日本のマンゴー産地でよく栽培されるアーウィン種ではない。

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この写真下部の小指がでてるあたりに、ポツンと突起があるのがわかるだろうか。これが特徴となっている独自品種「パルメロ」の栽培に取り組んでいるのだ。食べさせていただいたいのだが、これがまた素晴らしい!

アーウィンより甘味が強く、そして繊維が柔らかいので、種のまわりを食べてもスジっぽさがまったくないのだ。エレガントな味!なにより、普通ならもうマンゴー収穫は終わっているのだが、晩生種らしく、9月でも収穫できるというのがポイントだ。

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でも、じつはこの時「おみやげに」といただいたホワイトレディという緑色の品種があって、こいつの濃厚な香りと味わいにやられてしまった!鬼塚マンゴー、お薦めです。

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せっかくフィンガーライムがあるので、、、

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こんな遊びもしてしまった! パルメロマンゴーの強い甘さに、酸味とスパイシーな香りが加わって、これはまた違う美味しさになる!

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いつまでも仲良しご夫婦でね!ごちそうさまでした!!!